日本人ならやっぱりお米ですよね、炭水化物ダイエットでお米は敬遠している人もいると思いますが、今回は「やっぱりお米はうまい」ということを再認識させてくれるお店です。
私もダイエットはしばし忘れて、思い切りパクついてまいりました。
アクセスは札幌市の地下鉄東豊線「北13条東」駅から徒歩3分。JRの札幌駅から歩いても10分足らずの所にあります。
店名は「おむすびきゅうさん」です。もうそのままですね。外観はちょっと古風なデザインの平屋建てのお店です。
すぐ隣にはお米屋さんがあります。「きゅうさん」、実はこちらが本業なんですね。実に創業97年の歴史を持つ「札米」。全国各地の契約農家から届けられる吟味されたお米を精米、販売しています。
そのお米は札幌市内や近郊のホテル、レストラン、飲食店など、さまざまな施設で使われている「おいしいお米」なんです。もちろん個人でも全国各地のお米を店頭で1㎏から量り売りしてもらえます。
おむすびきゅうさんのおむすびはこの「札米」のお米が使われています。季節ごとにおむすびにして最もおいしく食べられるお米をブレンドして炊いているんですね。現在は北海道産のブランド米として知られる「ゆめぴりか」や「ふっくりんこ」が中心です。
お米を知り尽くしているからこそ洗米からしてスペシャルです。お米にいち早く水分を浸透させるため、水をクラスター分解して泡状にした上で洗います。使うお水はアルカリ電解水。それを電子制御されたガス釜で一気に炊きあげます。
通常なら1時間半はかかる3升のお米の炊き上げが、蒸らしをいれて約40分で炊き上がるというから驚きです。こうすることでふっくらもっちりとした仕上がりになり、後の黄ばみもほとんどないのだとか。
いやもうサイエンスの世界ですね。
実は店長の川原さんは「炊飯コンサルタント」として国内はもちろん、アジア各国や北米を回って炊飯や日本のお米の文化について講演&実演をしているまさにプロ中のプロ。
おむすびについても自ら「プロライスボールプレーヤー」を名乗り、炊飯の実演の時には必ず見学者の前でおむすびを握り、お米の魅力と同時におむすびの魅力も世界に伝えるまさにお米とおむすびの伝道師なんです。
そんなおむすびは、脇役にもこだわっています。海苔は寿司海苔でも知られる有明産と瀬戸内海産を厳選した名店「田庄の海苔」を使っています。塩は天然海水から生まれるミネラルが豊富な熊本県天草産「通詞島の釜炊き塩」を使用。
それでは、そんなおむすび界のエリートとも言うべき評判のおむすびをいただきましょうか。
おむすびはすべて注文を受けてから握られます。まずは1番好評の「さけ」(160円)から。こちらも素材にこだわっています。サケは北海道産の近海産の紅ザケをその日使う分だけ丁寧に焼き上げています。
サケは脂ののったハラスとうま味が濃い背中の部分を両方バランスよく使います。
割って見ると、その量もたっぷりなのがわかります。また、お米の粒が実にキレイで、適度にホロホロと崩れるのは絶妙の堅さで握られているためですね。海苔の香ばしさとうま味、お米の甘さを引き出す塩加減も見事です。
次は「すじこ」(250円)。こちらも道産のすじこをぜいたくに使用。塩加減もほどほどで、すじこのうま味と濃厚なコクが口中に広がります。
「山わさび」(180円)は北海道民ならおなじみの、山わさびを醤油漬けにした具が入っています。山わさびのツンとくる辛味と醤油の風味が白米に見事にマッチしています。
ちょっと変わり種の「たぬきしょうが」(160円)。
サクサクの揚げ玉にネギと白ごま、しょうがを混ぜ込んだオリジナルおむすびです。揚げ玉とネギ、しょうがの味が複雑に絡み合ったちょっとジャンクなおむすび、オイスターソースが絶妙の隠し味になっています。
「だんご」(各種110~140円)も見逃せません。こちらのだんごは粉から作るのではなく、道産のゆめぴりかを炊いて、その上でツブしてだんごにしています。もちろん無添加ですから、賞味期限はその日のうち。もっちりとした歯ごたえにお米の風味を存分に楽しめます。
あと、なんといっても味わって欲しいのが「赤飯」(250円~、要予約)。北海道産もち米と北海道産小豆・甘納豆をセイロでふっくら蒸し上げた、本格派の赤飯です。
赤飯の色づけは小豆の煮汁のみ。当然、着色料無添加の自然な味わいです。オススメは甘納豆を使った北海道ならではのご当地赤飯。豆の甘さともち米のうま味に、ごま塩のほのかな塩味が加わるとこれはもう最強ですよ。
そのほか、お店では米油で揚げた鶏の唐揚げ(260円~)や、極太のきんぴらごぼう(200円~)、たまごやき(200円)などのお総菜や、ブランド味噌を使ったあおさと桜えびの味噌汁(200円)なども各種用意。すべて全部店内のイートイン席で作りたてを食べることができます。
最高の素材をこれ以上ない最高の手法で仕立てた、素朴だけどぜいたくなメニューの数々。たまには炭水化物の呪縛から解き放たれて、こういうぜいたくも良いんじゃありませんかねえ。
お店情報
おむすびきゅうさん
住所:北海道札幌市東区北9東1-3-10
電話:011-721-3285
営業時間:10:00~19:00(日曜日・祝日は~17:00)
定休日:無休(お盆・正月を除く)
ウェブサイト:http://www.satsubei.co.jp/omusubi.php
※この記事は2017年4月の情報です。
※金額はすべて消費税込です。