こんにちは、メシ通ライターの少年Bです。
新型コロナウイルスの影響で外出自粛が叫ばれるなか、みなさまいかがお過ごしですか。せっかくの休日も、巣ごもり生活でどこにも出かけられない……ストレスが溜まる人も多いのではないでしょうか。
そこで家族でも楽しめる、とにかくでっかい「ジャイアント料理」で気分を明るくしてみてはいかがでしょう。いつものメニューもでっかく作れば、見た目も楽しくインパクトがあり、ケーキみたいに切り分ければお子さんも喜ぶこと間違いなし!
今回使う調理器具はこれだけです。
28cmのフライパン。
1品でこのフライパンを埋め尽くす料理を作ってみたいと思います!
しかし、こんなジャイアントレシピの分量や調理時間はネットを探してもほとんど載ってない……つまり、すべて手探りと勘で作ってみるしかありません。果たして成功するのか……?
(材料の分量は各章の最後に書いておきます!)
ジャイアントハンバーグ
ジャイアントレシピを作る上で、まず思いついたのは子どものころから大好きなハンバーグです。2個でも3個でも、いくらでも食べられるような気がしていたあのころ……あ、もちろん今もです。
そんなフライパンいっぱいのハンバーグ、もし作れたらわくわくしませんか?
実はハンバーグは私の得意料理のひとつ。高校時代にファミレスの厨房でアルバイトをしていたのですが、今回はその時教わったレシピを元に作ってみます。
ただ、フライパン1面を埋め尽くすとなると、いったいなにをどれくらいの量入れればいいのかわかりません。
若干不安になりつつも、合いびき肉3パック(1,050g)と、みじん切りにした玉ねぎ(2個)をボウルに入れます。こんなもんかな……
おいしいハンバーグ作りのコツは、焼肉用の牛肉を粗めのみじん切りにして入れること。
これを入れることによって、噛んだときの歯ごたえと、脂のジューシーさが増します。安いものでぜんぜん構いません。今回はアメリカ産のカルビを500g買ってきました。1cm角くらいで、あまり細かいことは考えずにガンガン切っていきますよ~!
切ったら、こんな感じでどどっと入れます。
さらにスーパーで唯一無料のシロモノ・牛脂を入れます。どうせ混ぜてるあいだに溶けちゃうので、みじん切りではなくこんな感じの粗い細切りにすればOKです。
いつもは1個ですが、今回は量が多いので2個入れましょう。
卵を3個、パン粉は150g、牛乳は350cc入れてみました。塩コショウは「ちょっと多いかな?」ってくらい振って、お好みでナツメグやクミンを入れると、香りが付いてさらにおいしくなりますよ。
この段階でケチャップとデミグラスソースで味付けをするのが少年B流なのですが、今回はちょっと分量の想像がつかないのでやめておきましょうか……
テーブルの上にあるとふつうに見えるボウルですが、こちらも直径30センチの巨大ボウル。足に挟んでこねますよ。えーい!
肉だけで1.5kg以上もあるタネがこねあがりました。
肉がくっつかないように、フライパンを煙が出るまで熱したら、油をさっと回し入れて……えーい!!
ドン!
タネを平らにならしていくと……!
ちょうどいいサイズ! 見事フライパンを埋め尽くすことに成功しました!
足りなかったらと不安で、合いびき肉は7パック買っていたのですが、どうやらそこまではいらなかったようです。冷静に考えたら買いすぎだろ。
表面を焼くために中火で3分。この厚さだと中まで火が通るのか心配なので、17分ほどとろ火で蒸し焼きにしてみました。このまま火が通ってくれればいいのですが……
とろ火にしてしばらく経つと、焼いているはずなのに煮込み料理のようなグツグツ……という音が聞こえてきます。なぜ……?
20分後。ハンバーグから脂がどんどん出ていて、焼いているのか煮ているのかわからない感じになっていました。見た目にはお世辞にもうまそうとは言いづらいのですが、大丈夫でしょうか……
ジャイアントハンバーグ作りの最大の難関。そう、それはこいつをひっくり返すことです。うまいこと蒸し焼き状態で火が通ってくれれば……と思ったのですが、さすがにこのサイズでは無理があるようです。
フライパンの周辺部には徐々に火が通っていますが、真ん中はピンクのまま。このままでは先に底面が焦げてしまいそうです。なんとかひっくり返すしかありません。
まずは、フタをしたままフライパンを流し傾け、肉汁を捨てます。
お皿をセットして、左腕で抑え込みながらフライパンを返し、お皿に移します。
お! フライパンに接している面は予想以上にいい感じで焼けたんじゃないでしょうか。
フライパンを一度洗い、煙が出るまで温めてふたたび投入します。
焼き工程は同様に中火3分、とろ火17分の計20分です。もし火が通ってなかったら心配なので、火を止めたあと、10分程度そのまま蒸しておきました。焼くだけで50分かけるとは……ファストフードかと思いきや、超スローフードです。
ハンバーグの焼き上がりは竹串で刺して確認をすると言われていますが、今回はこのサイズなので、割り箸を刺してみました。サイズ感で言えばおかしくないはず。
刺した穴から透明な肉汁がどんどんあふれだしてきます。あまりにも多い肉汁にびっくりしましたが、とりあえず完成です!
デン!!
デン!!!
直径28cm、高さ5cmの特大ハンバーグができました。手のひらよりも余裕で大きいこのサイズ!
さっそく切り分けてみましょう。はたして火は通っているのか……?
おおーっ! ちゃんと中までしっかり火が通っていました。うまそう!
切り分けた結果、まるでチョコレートケーキみたいな見た目になりました。ハンバーグでこんな切り方したことある?
もちろん、見た目のインパクトだけじゃなくて、味もしっかりおいしいハンバーグ。家族でわいわい食べるにはぴったりですよ。
ご家庭のフライパンによって差があるかとは思いますが、材料は以下の通りです。
【材料】(約8人分)
- 合いびき肉 1,050g
- 牛肉(カルビ) 500g
- 玉ねぎ 2個
- 牛脂 2個
- 卵 3個
- パン粉 150g
- 牛乳 350cc
- 塩コショウ 適量
- サラダ油 大さじ1
焼きかたは片面につき中火3分、とろ火17分の計20分です。両面を焼いたら10分蒸らすのを忘れずに!
ジャイアント餃子
続いては、みんな大好き餃子に挑戦です。餃子と言えば、『メシ通』でも過去に巨大餃子の記事がリリースされています。
さすがにこのサイズはちょっと……という感じですが、フライパンでできる範囲で挑戦してみますよ!
まずは皮づくりから。強力粉と薄力粉を1:1の割合で混ぜるとおいしい皮ができます。今回は通常の皮32枚分に相当する量として、強力粉・薄力粉を各200gずつ、そして塩を少々混ぜ合わせてみます。
焼き餃子の場合は、皮をやぶれにくくするため、グルテンを形成して余計なねばりをおさえるのがポイント。水ではなく熱湯を使うのがいいようです。こちらは200ccを投入。
熱いので、菜箸でざっと混ぜていきます。生パン粉のような感じになりました。ここまでくればほんのり温かいくらいの温度になっています。
手でギュッギュッとこねて丸めていきます。
生地に一体感が出てきたら、常温で30分寝かせます。
そのあいだに中の餡を作っていきますよ~!
材料はニラ、キャベツ、玉ねぎ、豚ひき肉。ニラは1束、キャベツ1玉、玉ねぎ1個をみじん切りにしてボウルにドン! 豚ひき肉も1パック(350g)をそのままぶち込みます。
なんとなくの感覚で、しょうが、にんにく、ごま油、醤油、酒、塩コショウもぶち込みます。写真の量だと薄味だったので、もっと多めにいれてしまってもいいのかもしれません。
明らかに野菜が多すぎない……? ほんとうにまとまるの? 豚ひき肉がもう1パック必要か……? と不安な気持ちでいっぱいでしたが、丁寧に混ぜていくと……
だいぶ野菜の割合が多いですが、しっかりまとまってくれました。餡はこれで完成です。
生地は2つに分け、皮を2枚作ります。
綿棒を使ってタテに、ヨコに、時間をかけて伸ばしていきます。これがなかなかの重労働。終わるころには汗だくになってしまいました。
ちょっと厚さにムラがあるけど、それも家庭の料理ってことでセーフですよね。これを2枚作ったら、フライパンに油を注いで……
生地をドン! そして具を投入!
具を入れたら、あまった生地を内側に折りたたみましょう。
そして上からもう1枚。こちらも余った部分は折り込んで、きれいに成形していきますよ!
ギュッギュッと上から押して平らにします。どうでしょう、餃子というよりはパイみたいに見えますね……!
2分ほど中火で生地に焼き色をつけたら、ふちから水(分量外)を回し入れ、弱火で10分蒸していきます。もちろん中の確認はできないので、うまくいっていることを願いながら……
12分後の様子です。周辺部は色が変わって、火が通っているのがわかります。
水分と油を切って、お皿に移したら……
そのままもう一度フライパンに戻して、ふちから水(分量外)を入れて、また中火で2分からの弱火で10分。火を止めたら5分程度蒸しておきます。
ひっくり返しの工程がなかなか大変ではあるのですが、これこそがジャイアントレシピの醍醐味かもしれません。
そして、両面が焼けたらいよいよジャイアント餃子の完成!
いい感じに焦げ目もついて、おいしそうです。餃子というよりは「おやき」に見えますね。
そして、切ると一気に肉汁がじゅわーっと。ふだんの餃子だと気になりませんが、この大きさだとすごい量になりますね……!
こちらもケーキカットでお皿の上に。ばっちり火が通っていたので、酢醤油でおいしくいただきます。
特徴的なのは、皮の厚さで食感が変わること。特に角の重なった部分は、もちもちしていておいしかったです。
ただ、食べようとして具がどさっと落ちてしまうことも。ハンバーグに比べるとやや食べづらいかもしれません。
【材料】(約8人分)
《皮》
- 強力粉 200g
- 薄力粉 200g
- 熱湯 200cc
- 塩 少々
《餡》
- ニラ 1束
- キャベツ 1玉
- 玉ねぎ 1個
- 豚ひき肉 350g
- にんにく(チューブ) 大さじ1と小さじ1程度
- しょうが(チューブ) 大さじ1と小さじ1程度
- ごま油 適量
- 醤油 適量
- 酒 適量
- 塩コショウ 適量
- ごま油 大さじ1
にんにくやしょうがはこれだけ入れてもあまり味がしなかったので、お好みでもっと効かせてもいいでしょう。調味料も気持ち多めに入れたほうがいいようです。
焼きかたは両面とも中火で2分、弱火で10分。火を止めたら最後に5分ほど蒸してくださいね!
ジャイアント茶わん蒸し
ハンバーグ(洋食)、餃子(中華)ときたら、最後は和食でもジャイアント料理を作りたい……! と思っていたら『メシ通』の記事にこんなものがありました。
土鍋は我が家にはありませんが、もしかしたらフライパンでも作れちゃったりしませんかね。
ということでもう1品、作ってみました!
過去記事のレシピを参考に、卵を7個割っておきます。
ささみ490g、かまぼこ2本、銀杏135gをフライパンに入れておきます。
乾燥しいたけ(1パック)を500ccの冷水に1時間つけて戻します。今回は、だし汁もお手軽に。しいたけの戻し汁にだしパックを入れて、3分火にかけたものを使いましょう。
できあがっただし汁500ccを入れたら、さらに溶いておいた卵を追加します。
溶き卵を全体にいきわたらせても、まだ少し足りなかったので卵を追加で3個入れました。ちょうど1パックぶんなので、計量が楽ですね……
最後に三つ葉を1束、どさっと乗せて準備完了です。
フタをしたまま15分弱火にかけます。量が多いせいか、15分では固まらなかったので5分ずつ延長して計25分。火を止めたら15分蒸らしに入ります。
フタを開けると……?
中心はちょうどいい感じに。周辺は少し火が入りすぎていましたが、なかなかおいしそうです。でも、火にかける時間は20分程度でよかったかもしれません。
おたまですくって、取り分けましょう。
チャンプルーっぽい見た目になってしまいましたが、茶わん蒸しならぬ「フライパン蒸し」の完成です!
茶わん蒸しと言えば副菜のひとつ……というイメージですが、これだけの量があれば1品料理になりますね。卵とだしのうまみが効いていて、とってもおいしかったですよ。
【材料】(約8人分)
- 卵 10個
- ささみ 490g
- かまぼこ 2本
- 銀杏 135g
- 乾燥しいたけ 1パック(13g程度)
- 水 500cc
- だしパック 1袋
- 三つ葉 1束
わたしは計25分間弱火にかけましたが、20分くらいでよかったかもしれません。火を止めたら蒸らす時間は15分ですよ~!
まとめ
フライパンひとつで調理をするジャイアントレシピ。
決してインスタ映えはしませんが、普段食べている料理が大きくなると、見るだけで思わず笑ってしまうようなインパクトの強さがあります。
わたしはひとり暮らしのため、1品あたり2日間かけて食べましたが、食べ盛りの子どもを持つ家庭なら、一気に食べてしまえるはず。
外に出られずに、ついちょっとしたことでイライラしてしまいがちな今だからこそ、見た目も楽しいジャイアント料理を作ってみるのはいかがでしょうか。みなさまの食卓が笑顔で明るいものになりますように!