松屋のカレーは、なぜあんなにウマいのか
お店情報
松屋 上大岡店
前回、前々回と4種類のスパイスだけで作る、いわゆる「スパイスカレー」をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか? おいしかったですか?
……というか、作ってみていただけましたか?
作ってないという方は、やっぱり、クミンとかコリアンダーとか、単品スパイスを買うのにまだ抵抗があるって感じなんですかね?
昨年出した東京カリ~番長のレシピ本『世界一やさしいスパイスカレー教室』(マイナビ出版)は、ありがたいことに増刷を重ね4刷り目を迎えました。
少なからず、このレシピ本が売れた数だけ、“スパイスだけで作るカレー”を作る人がいるはずなのですが、これを買ってもやはり、スパイスをひとつひとつそろえるのが大変とか、面倒くさいとか言って、結局作っていない人も結構いるようなんですよね……。実際のところ……。
ワタクシとしてはカナシー現実なのですが、まーまーまー、そこをグダグダ言ってもしょうがないです。
ということで(どーゆーことだ)、今回のレシピは、もうちょっとスパイス的なハードルを下げて、過去の「でらいつカレー」でも何度か取り上げた、カレー粉(カレーパウダー)で作るカレーを紹介しましょう。
カレー粉は比較的汎用性が高いですから、買っておくと便利ですよ。
(ホントは単品のスパイスだって汎用性は十分あるんですけどね)
おっけー! 気を取り直して、今回のカレーはコレでいきましょう!
「カレー粉で作る、ビーフカレー!」
今回使う食材はコレ!
意外とシンプルでしょ?
材料(2人分)
いつもの通り、スムーズな調理のため、下ごしらえをしましょう。
それぞれこんな感じです。
▲にんにくとしょうがをすりおろした状態
▲すりおろしたにんにく、しょうがを70~80mlの水(材料外)で溶いた状態
玉ねぎは繊維方向に2~3mmの厚さでスライス(長さは1/2にカット)します。
薄ーく切る必要はありません。
切り方は、まず繊維と垂直方向に1/2に切った後、繊維方向に2~3mmの厚さでスライスする。
牛肉は特大の一口サイズ(50~60g)。脂身だけの部分は切り落とします。
切った牛肉に塩コショウをします。
両面きっちり塩コショウしてください。
……以上。
下ごしらえができたら、調理の開始です!
牛肉の脂身を中火で焼き、油を作る。
いつものように、ノンスティック加工(くっつかないヤツ)のフライパンを使ってください。
さすが脂身ですね。大さじ1くらいの油がすぐできます。
牛肉を加え強火で焼く。
いわゆるリソレをします。
フライパンの上に置いた肉は動かさずに焼いていきます。
動かさずに焼くことで、きっちり焼き色が付きます。
玉ねぎ炒めの時にもちょいちょい説明してますが、メイラード反応を起こさせるということですね。
そうそう、脂身は残したまま焼いていきます。まだまだ脂身には仕事してもらいますよ~(笑)。
このように、両面しっかり焼き色が付くまで焼いてください。
ちなみに、肉の表面を焼いて(焼き固めて)中にうま味を閉じ込める、なんていう人がいますが、それ、もう古ーい間違った情報です。いまだにそんなこと言ってる人は怪しいと思ったほうだイイですね。
昔はリソレについてそういった説明が当たり前にされてましたが、今は、あくまでもメイラード反応を起こさせることが重要というのが定説です。
「メイラード反応」とは何ぞや?
ですが、今までのこの連載でもちょいちょい出てきた言葉ですが、簡単に言ってしまうと、加熱によってアミノ酸やタンパク質等が褐色化する(茶色くなる)反応のことです。
これ以上詳しいことはワタクシもわかりませんので(笑)、どーしても気になる方はググってください(笑)。
焼いた肉はいったん取り出してください。
脂身も一緒に取り出してくださいね。もとは一緒の肉。
別々にしちゃうとかわいそうですから。
肉を取り出したフライパンに調理油を加える。
この後、このフライパンで玉ねぎを炒めていくのですが、肉から出た油が多ければ調理油を加える必要はありません。
総量で大さじ2くらいの油があったほうが玉ねぎを炒めやすいので、例えば、肉を焼いた後に大さじ1程度の油が残っていれば、調理油を大さじ1追加する、という感じです。
玉ねぎを加えアメ色になるまで炒める。
フライパンに玉ねぎを加えたら、ふたつまみ程度の塩(材料外)を振って炒めていきましょう。
玉ねぎ炒めの基本テクニック、「放置して、動かす!」
これを今回もきっちり実践しましょう!
この写真は、玉ねぎに塩を振ってざっと混ぜ合わせたあと、3分ほど放置(※)した後にかき混ぜた状態です。
(※ 3分間放置とは、3分間玉ねぎを一切動かさないということです。木べらを使って上から動かさないのはもちろん、フライパン自体も動かしません)
さらに3分ほど放置したあとに全体を混ぜ合わせた状態です。
しつこいと思われるかもしれませんが、今回も書いておきましょう!
アメ色玉ねぎを作るときのポイントはこれ!
これは、さらに2分程放置した後に全体をかき混ぜた状態です。
「もう完全にコゲてんじゃねーの?」と思われる玉ねぎもチラホラ見えますが、全然余裕です!
この程度のコゲなんて気にしなくて大丈夫です。
なんなら逆に、このコゲが重要だったりします。
準備していた「にんにくしょうが水」を加え、ふたをしながら炒め煮をする。
ふたをすることで水分の蒸発を遅らせながら、玉ねぎの中心部分までしっかり柔らかくしていきます。
3分ほどしたら一度ふたを開け、さらに水(分量外:100ml程度)を加え、ざっとかき混ぜます。
かき混ぜるときは、玉ねぎだけを動かすのではなく、なべ底をしっかりこそぐようにかき混ぜましょう。
コゲていくときはなべ底からコゲます。そのコゲを防ぐためにもしっかりこそぐことが重要です。
ちなみに、火加減はここまでずっと強火のままです。
(※ 注意:前回も書きましたが、「強火」を強調していますが、写真を撮る瞬間はいったん火を消すことがあります。そのため、写真での鍋中は実際の調理状態より静かに見えます。そこはあらかじめご理解ください)
再びふたをして3分程煮込みます。もちろん、強火のままです。
3分程したらフタを開け、ここからはフタをせず水分を飛ばすように炒めていきます。
あ、スルっと行きそうでしたが、これ、もうアメ色玉ねぎですよね?
今回は煮込みつつ炒めたので15分くらいかかってますが、このくらいの時間で、このようなアメ色玉ねぎはできるんです。
アメ色玉ねぎを作るのに、1時間とか炒めるなんて、もうナンセンスです!
トマトピューレを加え、水分がなくなるまでしっかり炒める。
トマトピューレをしっかり混ぜ合わせて炒めましょう。
火加減は強火のままですが、慣れないうちは(レシピを確認しながら作る場合は)中火以下にして炒めても構いません。
「トマトピューレの代わりにトマトケチャップじゃダメですか?」という質問をよく受けますが、ワタクシの答えは「いいですよ。」です。
ただし、分量は同量を使わないほうがイイと回答しています。
感覚値ですが、ケチャップを使う場合は半量程度にとどめるのがベターですね。
トマトピューレは基本的にトマトを濃縮しただけのもの(商品によっては、塩やph調整剤等も含まれる)ですが、トマトケチャップは濃縮トマト(≒トマトピューレ)に砂糖や塩、香辛料、玉ねぎ、にんにく等を加えて味付けしたものです。
なので、トマトピューレと同量のケチャップを使ってしまうと、それに加えられた味分がオーバーテイストになってしまいます。
とは言え、どちらもベースは「濃縮トマト」なので、トマトの味やうま味、風味を加えるという狙いがあるレシピでは、制限付きではありますが、トマトピューレの代わりにトマトケチャップを代用してもOKだと思います。
トマト加工品には、トマトピューレ、トマトペースト、トマトケチャップ、トマトジュースなどなど、いろいろありますがその区別には決まった規格があります。
興味のある方は、農林水産省の「トマト加工品の日本農林規格」というページを検索してみてださい。
おっと、ちょっと脱線しすぎましたね。
ハイ。
これが水分がなくなるまで炒めた状態です。
これで、「カレーの素の素」は完成です。
「カレーの素」にするには、ここにスパイスが入りますが、今回は洋食屋のカレーです。ただスパイスを入れるだけではありません。
ちょっとばかし、風変わり(?)な食材と手間をかけます。
「お好み焼き粉」を使います!
冒頭に紹介した食材には、「小麦粉」と書きましたが、実は、小麦粉は小麦粉でも、ただの小麦粉ではなく、「お好み焼き粉」を使うんです!
なぜかって?
その理由は、コレ!
お好み焼き粉には、いろんなうま味の素が使われています。
商品によって、やまいもが入っているものなど、その中身に違いがあります。
今回用意したのは、かつおぶし粉末とさばぶし粉末が入っているものです。
コイツらが、結構いい仕事してくれるんです。
別のフライパンでお好み焼き粉を弱めの中火で乾煎りする。
フライパンの素材や厚さによっては弱めの中火でも、高温になり過ぎる場合があるので、この乾煎りは弱火から試してみるがオススメです。
とは言っても、火加減が弱すぎるとお好み焼き粉に火を入れられないので、難しいんですよね~。
「女心と火加減は難しい」とは、よく言ったものです。
ちなみに、このお好み焼き粉を乾煎りする工程は、うまくやれば10分程度で完成するので、玉ねぎ炒め(炒め煮)の行程と並行してやると調理時間の短縮になります。
木べらでこまめに動かしながら乾煎りします。
火加減にもよりますが、7~8分でこの程度の茶色になります。
カレー粉を加えたら弱火にし、よく混ぜ合わながら乾煎りする。
単品のスパイス同様、カレー粉はコゲてしまうと香りが死んでしまうので、カレー粉を加えたら弱火にした方がベターです。
弱火で2~3分乾煎りしたら、この工程は終了です。
カレー粉のいい香りが立ってます。
乾煎りしたお好み焼き粉とカレー粉+塩を「カレーの素の素」に加え、弱火でしっかり混ぜ合わせる。
しっかり混ぜ合わせながら炒めてください。この時の火加減は弱火です。
野菜ジュースを加える。
加える野菜ジュースは「にんじん」がベースになっているものがオススメです。
トマトベースや青菜系のものが中心の野菜ジュースもありますが、今回のレシピでは、原材料の一番最初に「にんじん」と書いてある野菜ジュースがいいでしょう。
もちろんフルーツが入っているのもで構いませんが、野菜汁と果汁の比率が65:35くらいのものがオススメです。果汁が50%になってくると、ちょっと甘くなってしまいます。
ウスターソースを加える。
ウスターソースがない場合は、まーギリギリですが、とんかつソースとか中濃ソースでもいいです。
その場合は、ちょっと何かで酸味を足してください。レモン果汁をちょっと加えるとか、梅干しをみじん切りにして加えるとか……。
カシスジャムを加える。
カシスジャムってちょっとマニアックですが、なければブルーベリージャムでもOKです。
それもなければ、ただの砂糖でも、まぁいいでしょう。
しっかり混ぜ合わせてください。
ここでチビッと食べてみて、塩分の濃度を確認します。
きっちり塩味が効いていたらOKですが、ボヤっとした味だったら、塩を加えてください。
焼いた牛肉を加える。
もちろん、染み出た肉汁も全部加えてくださいね。
肉を加えたらしっかり混ぜ合わせてください。
そうだそうだ。一番最初に油を出すために使った脂身も一緒に入れちゃってます。
もうあれだけ油だしの仕事をした出がらしみたいなもんですが、捨てちゃうのは忍びないのでメインの肉と一緒に投入です。
「え~、脂身ヤダー」ってひとは、どうぞ使わずに捨ててください(笑)。
水を加え、煮込む。
今回は「ただの水」を加えますが、もちろん、この水を「野菜からとったスープ」や「鶏ガラの出汁」に変えてもOKですし、水の他に、簡易的なコンソメの素やなブイヨンの素を加えてもOKです。
そっちの方がわかりやすくおいしくなりますが、今回のレシピでは、これだけでもおいしい! ってのに気づいてほしいので、ここではただの水を加えます。
煮込む前に、一度強火にし、必ず沸騰させます。
ふたをし、ごく弱火で25分ほど煮込む。
途中1~2度フタを開け、なべ底がコゲつかないよう木べらでこそぎながらかき混ぜてください。
なべ底以外にも鍋のふちもこそいでください。
ここに、うまさの凝縮したモノがこびり付いています。
これがうまさの凝縮体だ!
仕上げにバターを加え、しっかり溶かし混ぜ合わせる。
まー、ぶっちゃけバターなんて無くていいんですけどね。
一応、風味プラスという意味で足しておきましょう。
「洋食屋さんのビーフカレー」完成でーす!
と、言いたいところですが……ちょっと待ったぁーーー!!!
完成は完成なんですが、最後にあることをします。
そのあることとは……
冷ましてから、冷蔵庫で一晩寝かせる。
はい。そーゆーことです。
フライパンが入らなければ、別の容器に移して入れてください。
冷蔵庫でひと晩寝かせたカレーは、油と小麦粉のおかげでねっとりと固まってます。
ご覧のとおり、フライパンを立てても流れ落ちてきません。
コレ、食品サンプルじゃありませんよ。
さー、あとは温め直して、本当に本当の完成です!
マチガっても、ここで焦がしてしまわないように、細心の注意を払って温めてくださいね。
さー、今日のカレーは、洋食屋さんっぽいソースポットに盛り付けましょう!
「洋食屋さんのビーフカレー」の完成でーす!
市販のルーも使わず、それでいて、スープストックやブラウンソースも作らずに、手を抜けるところは抜いて作った、これぞ「でらいつカレー」の真骨頂です!
もちろん、用意するごはん、いや、今日はライスと呼びましょう!
そう、ライスは真っ白い平皿で!
さー、実食です!
ソースポットからドバーっと一気にかけて食べましょう!
あ、ちょいちょい食べるぶんだけかけるってのもありですよ、もちろん。
でも、男ならこう、ドバーッとかけましょうよ!
あ~、一晩寝かせたことでカレー粉のトガッた香りの角が取れ、うま味が出てきたカレーソース、そしてやわらかいビーフ、もうひと口食べるとコイツらが舌の上にひろがって、うまいの言葉しか出ない!!
よりによって、もう、最後の一口だよ……。
2日に渡って作ったカレーですが、やはり今回も食べるのは一瞬ですね。
作った時間と同じだけずーっと食べていたい……。
そんな風に思えること間違いなしのカレーです!
【洋食屋さんのビーフカレー材料】(2人分)
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最後にワンポイント!
このカレーは一晩寝かせたほうが絶対ウマイ!
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どーでしたか?
「でらいつカレー」で小麦粉(お好み焼き粉)を使うのは今回が初でしたが、市販のカレールーを使わずに作ると、大体このようなパターンになります。
他には、バターで小麦粉を炒めてブラウンソースを作ってから作る方法や、炒めた玉ねぎに直接小麦粉を入れる方法など他にもいろいろあります。
これらの方法はいつかまた、「でらいつカレー」で紹介出来たらと思っています。
まずは、今回のレシピを試してみてください!是非に!
世界一やさしいスパイスカレー教室 -スパイスカレーのしくみがよくわかる-
※この記事は2017年5月の情報です。
スゴいお店を見つけちゃいました。
店内キラッキラです。
いたるところに電飾が。
宝石箱をひっくり返したようなお店です。
その名も「チャンドニー華麗ばぁー」。
所狭しと雑貨の数々!
これは……一筋縄ではいかない予感がプンプンします。
実はこのお店、
おいしいカレーが食べられると話題なのです。
キラキラ空間に飛び込んできたいと思います。
お店の前は何度も通るんだけど、
どうにも勇気がなく入れずにいると、友達から連絡が入りました。
そういうお店が大好物。
メシ通レポーターの裸電球です。
事前情報によりますと、
「何のお店かわからない」と言うのです。
早速行ってみたいと思います。
ここですね!
角にあるピンクの外観。
こちらが今回の舞台。
「チャンドニー華麗ばぁー」です。
店名からして、なるほど。
勇気がいるのもわかります。
入り口が二つ。
お店にやってきた人の勇気が足りず、
「赤」の入り口をスルーしてしまっても……。
大丈夫。
「青」の入り口があります。
どちらに入っても中はつながっています。
う~ん、なかなかだぞ。
ねこ、ネコ、猫!
ニャーニャーとした置物がズラリとこちらを見ています。
ほんと……何のお店???
中の様子はほとんど見えません。
カワイイ看板があります。
BARとあるので、お酒も飲めるお店なのでしょう。
華麗は「カレー」ということでしょうか。
謎です。
いやいやいや、何だこのお店!
すごすぎるぞ!!
店内はあちこちに照明がぶら下がり、
キラキラとまばゆい光を放っているではありませんか。
雑貨もあれこれ、すごいことになっています。
アメリカンなものからアジアンテイストおふれるものまで、
本当にさまざまなジャンル、種類のものがあちこちに並んでいます。
カウンターもこんな感じです。
もう、どこに目を向けてもキラキラ。
よく見ると、首飾りなどのアクセサリーもあちこちにぶら下がっています。
これは外観以上のインパクト……。
ものすごいです。
中に入るとより一層、何のお店かわからなくなります。
ちょっと動画で撮ってみました。
この世界観……一緒に共有しましょう!
「チャンドニー華麗ばぁー」は、
ビールもコーヒーも飲めるお店のようです。
しかも夜でもノーチャージ。
地下鉄の駅やバス停も目の前ですからね。
これはいいかもしれません。
もちろん、食事もできます!
▲ビーフカレー サラダ付き (650円)
何を隠そう、ここはカレーが評判のお店!
本格的なカレーが楽しめます。
いや~、すごい。
こんな環境でカレーを食べるのは初めてです。
目に映る、全てがキラキラ。
ちょっとした旅行よりも旅行感覚。
自分がどこにいるのかわからなくなってきます。
インド風のビーフカレーは、
タマネギをじっくりと炒め、牛肉をふんだんに使用して作られます。
ブイヨンコトコト。
本格的なカレーで驚きます!
最初の一口はフレッシュでフルーツのような甘み。
そこから、辛さにググッとシフトチェンジしてきます。
これは……好きです!
値段もお手頃、ファンが多いのもうなずけます。
ネコちゃんの置物に見つめられながら食事。
なんだかこの雰囲気にも慣れてきて、
不思議ですね、落ち着くんです。
店内はド派手ですが、
ご主人の中能さんは寡黙な方。
なんというギャップ!
とても温かみのある接客です。
お店のことをいろいろと教えてくださいました。
25年前のオープン当初はこんな感じじゃなかったそうで。
少しずつ、自分のお気に入りを買い集めているうちに、このような店内になったんだとか。
何点の雑貨があるのか、数えたこともないそうです。
▲ナポリタンスパ サラダ付き (670円)
カレー以外にも好評メニューが!
ナポリタンをいただきながら、話の続きです。
お店には大きな窓が。
大きな通りに面しているため、
お客さんが視線を気にしてゆっくりできないかと思い、
最初はカーテンも考えたものの、それでは味気ないなと思い、
「雑貨で埋め尽くす」というスタイルが生み出されたといいます。
ご主人の雑貨集めの趣味は今なお健在!
しかしながら……。
もう飾る場所がないので、しまっているそうです。
飾らずに、しまう。
そういった面でもスゴイお店です。
スイッチひとつで全てが消えるわけではないので、
閉店はとっても大変なんですって。
店内のあちこちのコンセントを、
片っ端から引っこ抜くそうです。
それ見てみたい!!!
定点カメラで今度、撮らせてください!
ということで。
勇気がなくて入れない人がたくさんいる、「チャンドニー華麗ばぁー」。
中は宝石箱をひっくり返したような、キラキラのお店でした。
ごちゃごちゃなのに、なぜか落ち着く。
そのせいか、連日たくさんのお客さんが!
この日も幅広い年齢層の方が利用されていました。
是非、一度、このきらびやかな世界を体感してみてはいかがでしょうか!
チャンドニー華麗ばぁー
住所:北海道札幌市北区麻生町5丁目4-11
電話番号:011-726-2586
営業時間:10:00~24:00(LO 23:30)
定休日:不定休(年末年始もほぼ営業しています)
※この記事は2017年3月の情報です。
※金額はすべて税込みです。
カエルの歌が聞こえてきすぎるお店を発見しました。店内、どこを見渡しても、カエル、カエル、カエル!
その名も「ガマ記念館」
梅雨時期ジメジメだからこそ、
ここは思い切ってカエルの世界でご飯を食べてみませんか?
館内には日本はもとより、世界中から集めたカエルがズラリ!
コレクションはなんと1万点以上!
さらに 個性派の館長!
緑一色の空間で、ランチはいかがでしょう。
札幌市の住宅街にある穴場中の穴場をご紹介します!
ジメジメ梅雨時。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
マニアックなお店 に突撃するのが大好き、メシ通レポーターの裸電球です。
梅雨がないと言われる、からりとした北海道から、
しっとりとした情報をお届けしますよ。
カエルだらけの喫茶店があるという噂を聞きつけ、やってきたのは札幌市手稲区。
なんでも世界中から集めたカエルが、所狭しと並んでいるお店があるというのです。
その名も「ガマ記念館」というゲコゲコしたお名前。
手稲駅からバスに乗って向かいます。
手稲駅前を離れ、住所を頼りに向かいますが、まわりはのどかな住宅街です。
こんな閑静なところに、
カエルに埋め尽くされた喫茶店 があるとは思えないほどです。
ありました! 「ガマ記念館」の文字です!
しかし、まさに「家」といった雰囲気。
中を改装しているのでしょうか。
ちょっと! 勘弁してくださいよ!
外観だけでもいじるところがいっぱいで、なかなか店内に入れません。
重厚な石でできたカエルのタワーです。
まさに「ガマ記念館」への登竜門。
入店する際の「勇気」を試されているような感覚です。
うおおおお!玄関はカエル、カエル、カエル!
どこを見てもカエル、カエル、カエル!
怖気づいてカエル?
いやいや!
帰りたくなる衝動を飲み込み、いざ、店内へと進みます。
こんなにたくさんのカエルを見たのは初めてです。
陶器の置物からプラスチックのオブジェ、さらにはキーホルダーやマグカップなど、カエルをモチーフにしたアイテムが所狭しと並んでいるではありませんか。
「いらっしゃいませ〜、ようこそ!」
おおおお!
なんともキャラの濃い、館長の佐藤さんです。
カエルの被りもの!!
ご自身も「ガマ記念館」のコレクションのひとつみたいじゃないですか!
お手製のコスプレに身を包み、雨に喜ぶカエルのような、元気で明るい接客が自慢です。
さすが、「ガマ記念館」。運ばれてきたお盆もお水も、カエルづくしでぬかりがありません。
もともと「ガマ記念館」は北海道旭川市で10年以上前に営業していたお店だそうです。
骨董店を営む、カエルグッズコレクターの浜田さんが館長を務めていましたが、病気のため若くして亡くなってしまい、カエルたちは行き場をなくしていました。
そこに現れたのが現在の館長、佐藤さん。
ちょうど、住宅を改装した喫茶店を営む計画で準備を進めていた矢先、たまたま訪れた旭川市の骨董店で、倉庫に保管されたカエルグッズがあることを聞き、運命を感じて、全て買い取ったのだそう。
これはまだほんの一部。
カエルをモチーフにした大型の家具などは、公開されていない2階や倉庫に眠っているというから驚きです。
佐藤さんと、創業館長の浜田さんに面識はありません。
当時を知るお客さんから、お話を聞くのも楽しみだといいます。
カエルがバラバラに売りに出されることなく、まとまってここにやってきたことを、初代館長も喜んでいるような気がすると、佐藤さんは話します。
ちなみに。
初代館長は被り物をしていなかったので、
「ガマ記念館」は確実に進化しています。
さて、店内に目を奪われて、すっかり喫茶店だということを忘れていました。
メニューに「がま特製」の文字が。
これは食べるしかありません!
▲がま特製ビーフカレー 800円
これまで何杯ものカレーを食べてきましたが、
こんなにあちこちから見つめられる空間は初めて。
「蛇に睨まれたカエル」なんて言葉がありますが、カエルだって集団になると、蛇はおろか、人間だってドキドキする威圧感です。
この「特製がまカレー」は濃厚な味わいが魅力です。
クリーミーな舌触りで、コクが深く、野菜の甘みも溶けています。旬の野菜も盛りだくさんで食べ応えも十分です。
筆者・裸電球も記念にパシャリ。こんなに大きいオブジェもあります。
目が慣れてくると、あら不思議。なんだかこの異質な空間が落ち着くんですよね。
ここまで大量のカエルが集まるお店は珍しいため、全国からカエルファンが集まるそうです。
みなさんも札幌を訪れた際には、一風変わった喫茶店、「ガマ記念館」でゲコゲコとした時間を過ごしてみるのはいかがでしょうか。
※ 金額はすべて消費税込です。
ガマ記念館
住所:北海道札幌市手稲区前田10条19丁目9-18
電話番号:090-2879-5367
営業時間:10:00〜17:00
定休日:水曜日・日曜日
ウェブサイト :http://gama724.web.fc2.com/