熱々のにんにく青唐辛子ごま油をジュワッとかける「初ガツオ丼」のレシピと、刺身のキレイな切り方【魚屋三代目】

こんにちは! 鮮魚魚武の三代目、料理家の魚屋三代目です。

初ガツオの季節がやってまいりました! カツオは年に2回旬を迎え、9月から11月くらいに食べられる秋の「戻りガツオ」は脂のりがよく、3月から5月くらいまで食べられる春の「初ガツオ」はさっぱりした味わいが特徴です。今年の初ガツオは例年よりも遅く、4月になって市場に出回り始めました。

今回はその初ガツオを、ひと手間かけて美味しく食べる丼ものレシピです。しょうゆだれに漬けたカツオをご飯にのせ、そこに熱々のにんにく青唐辛子ごま油をジュワッと回しかけてうま味と風味をプラス! 青唐辛子のさわやかな辛さが強烈でご飯がすすみますよ。

この時期はカツオの柵がお買い得になっていることも多いので、柵をキレイな刺身に切るポイントもご紹介しますね。

 

魚屋三代目の「初ガツオのにんにくごま油がけ丼」

【材料】1人前

  • カツオの刺身 8切れ程度(柵なら100g程度)
  • ごま油 大さじ2
  • 青唐辛子 1/3~1本
  • にんにく 1かけ
  • 温かいご飯 1人前
  • 白髪ねぎ、白いりごま お好きな量

(漬けだれ)

  • しょうゆ 大さじ2
  • 煮切りみりん(みりん大さじ1と1/2を鍋で中火にかけ、1分ほど沸騰させてアルコールを飛ばし、冷ます) 大さじ1
  • すりおろししょうが 小さじ1/2

 

作り方

1. 今回はカツオの柵を1cmくらいの厚さに切って使いました。柵からキレイな刺身に切るには、何より包丁を何度も前後に動かさないことです。包丁の刃元(持ち手側)から柵に入れ、

 

切っ先(先端部分)まで手前に一気に引きながら切ります。

今回は柵の幅が狭かったので、ひと切れが長く、大きくなるように斜めに切りました。もし柵の厚みが均一でないときは、厚い方を奥に、薄い方を手間に置いて切るのもキレイに切るポイントです。

 

こうすると刺身の角が立って身がつぶれず、一般的な三得包丁でもキレイに切れますよ。これは「平造り」と呼ばれる切り方。慣れも必要とは思いますが、ぜひ試してみてください。

 

2. ボウルにしょうゆ、煮切りみりん、すりおろししょうがを入れて混ぜ合わせ、漬けだれを用意します。

 

2. 漬けだれにカツオの刺身を入れて、

 

よく和えたら、冷蔵庫に10分ほど入れて味をなじませます。

 

3. 青唐辛子は細めの輪切りに、にんにくは芯があれば取り除いてできるだけ薄くスライスします。

青唐辛子は、丸々1本入れると激辛に仕上がります。ピリ辛でOKなら1/3本くらい、大辛なら1/2本くらいを目安に使ってください。

 

4. 温かいご飯を丼によそい、2のカツオ、白髪ねぎを盛りつけ、白いりごまをふります。

 

5. あとは仕上げです。小鍋にごま油を入れて中火で熱し、

 

フツフツとしてきたらにんにく、青唐辛子を加え、ジュワッと音がしたらすぐに火を止め、

 

4に回しかけます。

 

ごま油の香りが食欲をかき立てる!

甘みのあるしょうゆだれが初ガツオのうま味を引き立てて、それだけでも十分にご飯がすすむ刺身丼が食べられます。そこに、にんにくの風味と青唐辛子のガツンとした辛み、ごま油の香りが加わって、あっさりした初ガツオが一瞬で風味満点に! 中華風の前菜のような味わいで、ご飯にのせずにおつまみとして食べるのもおすすめです。

脂が少なくさっぱりした味わいの初ガツオなので、ごま油をかけてもしつこくはなりません。熱々の油をかけて香ばしくなった白髪ねぎも最高ですよ。

 

余った漬けだれもお好みで追いがけしてください。

辛さは青唐辛子の量で調節します。今回は青唐辛子を1本使ったので、激辛好きな私も家族も「辛いっ!」と言うくらいの辛みを感じました。

今回は初ガツオを使いましたが、アジやイワシ、マグロの刺身でも美味しくできますよ。ぜひ柵を切るところからトライしてみてください。

 

老舗魚屋店主が少ない油でサクサクに「しらすとたっぷり野菜のかき揚げ」を揚げるレシピ【魚屋三代目】

こんにちは! 鮮魚魚武の三代目、料理家の魚屋三代目です。

毎年春先になると各地で解禁になるしらす漁。釜揚げしらすやしらす干しとして出回っているものは、水揚げしてすぐに加工し、冷凍されるので、一年を通して美味しく食べられます。

今回は、そのしらすを、春が旬の“和のハーブ”の三つ葉、さらにたっぷりの野菜と一緒に、少ない油でサクサクの「かき揚げ」にするレシピをご紹介します。

少ない油で具沢山のかき揚げを揚げるのに、ここでは直径14cmくらいの小鍋を使い、鍋いっぱいに具を流し入れました。大きなフライパンだと少ない油ではかき揚げが焦げやすく、具材も散ってまとまりにくい。その点、小鍋やミルクパンのサイズにあわせて揚げればバラけず、キレイなかき揚げが簡単に作れます。

大きくて丸く、香ばしく揚がったかき揚げはお酒のおつまみにするもよし、そばやうどん、丼メシにどーんとのっけてもいいですね。使う油の量が少ないので後片づけもラクですよ。

 

魚屋三代目の「しらすとたっぷり野菜のかき揚げ」

【材料】直径14cmくらいのかき揚げ4~5枚分

  • 釜揚げしらす(しらす干しでもOK) 100g
  • にんじん 30g
  • ごぼう 30g
  • たまねぎ 100g(中サイズ1/2個程度)
  • しいたけ 2個
  • 三つ葉 2株
  • 水菜 1株
  • 天ぷら粉(市販品) 100g
  • 水 100ml
  • サラダ油 適量
  • 塩(食べるときのつけ塩) お好みで

 

作り方

1. にんじん、ごぼうは5cmくらいの長さでできるだけ細くせん切りにします。三つ葉と水菜も5cmくらいの長さに切ります。しいたけは軸を切り落として薄切りに、たまねぎは繊維に沿って薄切りにします。

切った具材はすべてボウルに入れます。

野菜はできるだけ細く、薄く切ると、揚げたときに火の通りが早く、水分も丁度よく飛んでくれます。そうすると揚げたあともいつまでカリッとしたかき揚げになりますよ。

 

2. 釜揚げしらすを加えざっくりと混ぜたら、

 

天ぷら粉をふりかけ、

 

粉が全体に行き渡るようによく混ぜ合わせます。

粉を先にからめておくと具材が少ない衣でまとまり、ベチャッとせず、少ない油でサクサクに揚がりやすいです。

かき揚げの衣は市販の天ぷら粉を使うのがラクで美味しくできておすすめです。小麦粉や卵、水で衣を作るのは面倒なのと、混ぜ方や揚げるときの温度に気を配らないと油ベトベトの重たい仕上がりになってしまいます。

 

3. 水を回しかけ、

 

ダマや粉っぽさがなくなるようにさらに全体を混ぜます。

よく混ぜ合わせても粉っぽさが残るようなら、水(分量外)を少しずつ足してください。

 

4. 小鍋(今回は直径14cmくらいのもの)に底から1.5~2cmくらい揚げ油を入れます。

揚げたかき揚げをのせる網やキッチンペーパーも用意しておきましょう。

 

5. 小鍋を中火で2~3分熱して、油を中温の170℃程度に温めます。衣がついた具材をひとかけ油に落として、鍋底に沈んでからほんの一瞬おいて浮かんでくるくらいが目安です。

 

6. 油が温まったら、3を1/4~1/5量入れて広げます。菜箸で3~4ヵ所刺して火の通りをよくして、2~3分揚げます。

崩れやすくなるので、箸で刺したあとは裏返すまでかき揚げには触りません。また、火加減は、焦げないように様子をみながら中火~中弱火で調節してください。

 

7. 2~3分すると低めのボコボコという音からパチパチという高い音になり、かき揚げから出ていた大きな泡が小さくなります。そうすると、かき揚げの周囲や油に浸かっている面がカリッとしてくるので、

 

一度火を止めてからターナーなどでひっくり返し、中火~中弱火でもう2分くらい揚げます。

揚げすぎと、垂れた油に引火するのを防ぐため、ひっくり返すときは火を止めています。

 

8. 2分くらい揚げて裏面もカリッとしてきたら、油から上げ、

 

網などにのせて油を切ります。

箸やターナーを通じてサクサクに揚がっているのがわかります!

 

9. 皿に盛り、お好みで塩を添えます。残りも同じように揚げてください。

今回の分量で、直径14cmくらいのかき揚げが4~5枚揚がります。揚げていると揚げ油は減るので、その都度足して1.5~2cmくらいの量を保ってください。

残ったかき揚げは冷めてから冷蔵して、次の日、食べるときにオーブンやオーブントースターで温めるとサクッと食べられますよ。

 

まずは何もつけずにそのまま食べて!

大きなかき揚げがサクッと揚がりました! 熱した玉ねぎの甘い香りに香ばしさが加わって、なんとも食欲をそそります。

まずは何もつけずに食べると、口の中に広がるしらすの塩気と野菜の甘み、サクサクの衣の香ばしい風味がたまりません! 三つ葉のさわやかな香りは春を感じさせてくれますよ。

お好みで塩をつけて食べると野菜の甘みがさらに引き立ちます。こちらもお試しください。

 

しらす以外にも、小えびや桜えび、ちくわなどもすぐ揚がってコスパよく美味しいかき揚げになります。その他の具材はここでは家にあったものをあれこれ入れましたが、基本はたまねぎとにんじんがあればOK。今回の分量なら、野菜は合わせて200gくらいを目安にするといいと思います。

サクサクに揚がると時間が経っても香ばしく食べられるので、お酒を飲みながらつまむのにもぴったり。大きくてまん丸、カリカリのかき揚げが手軽に揚げられますので、ぜひ作ってみてください!

 

ブリ刺身とにんにくスープの「1人にんにくブリしゃぶ」野菜もたっぷり食べられる【魚屋三代目】【メシ通の1人鍋】

こんにちは! 鮮魚魚武の三代目、料理家の魚屋三代目です。

今シーズンは豊漁で、お店にもお手頃なお値段で並ぶブリ。美味しい旬のブリをたくさん食べていただけるように、私からも手軽で美味しい食べ方をいろいろご紹介しています。

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今回は、ブリの刺身でサクッと1人ブリしゃぶ! それも、スープににんにくを効かせた「1人にんにくブリしゃぶ」です。スープは手軽に市販の白だしを使い、そこにスライスしたにんにくを投入。うま味とパンチのあるスープで、ブリと一緒に野菜もたっぷり食べられます。お酒もすすみますよ。

野菜は、スーパーなどでよく見かけるようになった香味野菜ミックスが手軽でおすすめ。細切りの長ねぎ、大根やにんじん、水菜などが入ったもので、サラダ、麺類の薬味、スープの具材、しゃぶしゃぶや焼肉の付け合わせなどにそのまま使えて、すっかりわが家の御用達です。

サラダ用の野菜ミックスに細切りの長ねぎをプラスして使うのもいいですね。

 

魚屋三代目の「1人にんにくブリしゃぶ」

【材料】1人前

  • ブリの刺身 10切れ程度(あれば薄切りやしゃぶしゃぶ用がおすすめ)
  • お好みの野菜(細切りの長ねぎ、大根、にんじん、水菜など) 適量(今回は市販の香味野菜ミックスを使用)
  • にんにく 1片
  • 水 300ml
  • 白だし 大さじ4
  • 日本酒 大さじ1
  • ポン酢しょうゆ、長ねぎ、すりおろしにんにく 適量
  • 大葉 お好みで

 

作り方

1. ブリの刺身は、脂がのった腹側(白っぽい皮がついているのが腹側です)を使いました。しゃぶしゃぶにするといい感じに脂が落ちて美味しくなります。お好みで脂が控えめの背側(青味がかった濃い色の皮が背側です)でもOKです。大葉と一緒に皿に盛り付けます。

柵で買ってきてもOK。その場合は5mmくらいの厚さに切ってください。

 

2. 長ねぎはみじん切りにして、ポン酢しょうゆ、おろしにんにくと混ぜてつけだれにします。

 

3. にんにくは薄切りにします。野菜は皿に盛ります。

 

4. 小鍋(1人用の土鍋がおすすめ)に水、白だし、日本酒、薄切りにしたにんにくを入れて熱し、

 

沸騰させたらスープは完成です。

 

5. ブリの刺身、4の鍋、野菜、つけだれをテーブルに運び、準備はOKです。

スープは卓上コンロなどで冷めないように弱火~とろ火で温めながら食べるのがおすすめです。ちなみに、私は1人鍋にはキャンプ用のCB缶バーナーを愛用しています。

 

パンチのあるブリしゃぶを堪能!

それでは、1人ブリしゃぶのスタートです。ブリをスープの中で2~3回、しゃぶしゃぶしたら、

 

たれにつけて食べます。

スープにくぐらせたブリの刺身は、脂や青魚特有の臭みがほどよく抜けて食べやすさがアップ。そして、スープとたれに入れたにんにくの風味がブリのうま味によく合うんです! とってもパンチのあるブリしゃぶが食べられますよ。

 

続いて、スープに野菜を少し入れ、

 

ブリで巻きながらしゃぶしゃぶして、たれにつけてパクリ。濃厚なブリに香味野菜のシャキシャキ感とさわやかな風味が合わさり、こちらも格別です。ブリだけ、野菜あり、ブリだけ……と味わいと食感の違いを交互に楽しみながら食べるのもおすすめです。

ピリ辛好きな方は、にんにくと一緒にスープに輪切り唐辛子を適量加えてみてください。つけだれに一味唐辛子やラー油を入れて味変するのもGoodですよ。

お腹に余裕があれば、ブリの脂が溶けたスープに残ったつけだれを入れ、中華麺やそうめんを投入! さっぱりしているのにうま味もあるシメラーメン、シメにゅうめんも楽しんでください。

 

旬のブリの刺身がより美味しく、食べやすくなるにんにくブリしゃぶ。市販品を利用すればすぐに食べられますので、ぜひ作ってみてくださいね。

 

ブリ刺身をレモン汁とにんにくで5分締め「ブリのセビーチェ風」野菜も食べられる中南米風おつまみレシピ

こんにちは! 鮮魚魚武の三代目、料理家の魚屋三代目です。

2023年の「メシ通年間ランキング」でも3位にランクインして好評だった、ブリの刺身で手軽にできるシメブリ。

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今回は、そのシメブリのときにいただいたコメントをヒントに、ブリの刺身をレモン汁やにんにくなどで5分ほどマリネして作る「ブリのセビーチェ風」のレシピを紹介します。

セビーチェは中南米のペルーやメキシコの伝統料理で、魚介と野菜やフルーツをあわせたマリネのこと。魚がさっぱり食べられておつまみに最高ですよ。

今シーズンはブリが豊漁といわれていて、比較的お手頃なお値段で手に入ると思います。美味しい旬のブリをたくさん食べていただきたいです!

 

なお、ブリの刺身は、家にあった比較的脂が少ない背側(青味がかった濃い色の皮が付いているのが背側の目安です)を使いました。とはいえさすがは旬のブリ、背側でも脂ノリノリだったので、レモンで締めることでさっぱりおいしく食べられましたよ。脂強めがお好きな方は腹側(皮が白っぽいのが目安です)でも作ってみてください。

 

魚屋三代目の「ブリのセビーチェ風」

【材料】1人前

  • ブリの刺身 7~8切れ
  • トマト 1/2個
  • 玉ねぎ 1/4個
  • レモン汁 大さじ2
  • オリーブオイル(エクストラバージンがおすすめ) 大さじ1
  • 塩 少々(小さじ1/4程度)
  • すりおろしにんにく 小さじ1/4~お好みで
  • 青唐辛子 お好みで

 

作り方

1. ブリの刺身は軽く塩(分量外)をふって5分くらいおき、

 

身から出る水分をキッチンペーパーなどで拭き取ります。

青魚特有の臭みなどが水分と一緒に抜けて和らぎ、食べやすくなります。また、マリネ液もしみこみやすくなります。この工程は省略してもOKですが、より美味しくできるのでぜひ試してみてください。

 

2. ブリに塩をして待っている間に、野菜、マリネ液を準備します。トマトはくし切り(縦に8等分くらい)に切ります。玉ねぎは1~2mmの厚さにスライスします。

スライスした玉ねぎは、ボウルに入れたたっぷりの水(分量外)に3分ほどさらすと辛みが和らぎます。水にさらした玉ねぎはザルに上げて、絞らずによく水気を切っておきましょう。

なお、今回は彩りで辛みの少ない紫玉ねぎも混ぜて使っています。紫玉ねぎだけでしたら水さらしは必要ありません。

 

3. レモン汁、オリーブオイル、塩、すりおろしにんにくをよく混ぜ合わせて、マリネ液を作ります。

オリーブオイルは、風味のいいエクストラバージンタイプがおすすめです。

 

4. ボウルにブリ、トマトを入れ、マリネ液を加え、

 

軽く混ぜ合わせたら、冷蔵庫で5分ほど冷やします。

 

5. 器に玉ねぎを敷き、

 

ブリとトマトを盛り付け、残ったマリネ液を回しかけて完成。

 

辛いのがお好きな方は、青唐辛子を刻んで仕上げにのせてください。

 

レモンとにんにくがブリのうま味を引き立てる!

レモンのさわやかな酸味と風味、にんにくと青唐辛子の香りと刺激がブリのうま味を引き立てて、すさまじくお酒に合いますよ! 

 

さらにトマトの酸味もあいまって、脂が強いブリもさっぱり。最後のひと切れまで飽きずに食べられます。

ホットソースをかけて辛くしたり、中南米っぽくトルティーヤと合わせたりしても美味しいです。レモン汁ではなくライム汁を使い、野菜もカラフルにきゅうりやズッキーニ、パプリカなどを入れるとより本場のセビーチェっぽくなりますよ。

このセビーチェ風、ブリ以外でも刺身ならなんでもござれ。タイなどの白身魚やサーモン、イカ、タコ、海老、ホタテなど、好きなもので作ってみてくださいね。

 

ニラとチューブにんにくで「たらの塩ニラにんにく鍋」包丁いらずの10分レシピ【魚屋三代目】【メシ通の1人鍋】

こんにちは! 鮮魚魚武の三代目、料理家の魚屋三代目です。

クセがなく食べやすい、それでいてうま味があって美味しい白身魚のたら。今回は、そんなたらで作るお手軽1人海鮮鍋「たらの塩ニラにんにく鍋」のレシピをご紹介します。

使うのは、スーパーなどでも買いやすいお値段で手に入る甘塩たらの切身。たらの鍋といえば、野菜と一緒に煮てポン酢しょうゆで食べるたらちり鍋が定番ですが、ここではニラとにんにくでパンチを効かせて、シンプルながら深い味わいに仕上げます。

チューブ入りのおろしにんにくを使い、野菜はキッチンバサミで切って、10分くらいで美味しい海鮮1人鍋が食べられます! お酒にもよく合いますよ。

 

魚屋三代目の「たらの塩ニラにんにく鍋」

【材料】1~2人前

  • 甘塩たら(切身) 1枚
  • ニラ 1/4束(30g程度)
  • 豆腐(今回は絹豆腐) 1/4丁
  • 長ねぎ 1/3~1/2本
  • 酒 大さじ1
  • 鶏がらスープの素(顆粒) 大さじ1
  • おろしにんにく チューブ2cm程度
  • 塩 小さじ1/4
  • 水 300ml
  • 輪切り赤唐辛子 ひとつまみ
  • 白いりごま お好みで

 

作り方

1. ニラは3~4cm、長ねぎは2cmくらいの長さにそれぞれキッチンバサミで切ります。豆腐は食べやすい大きさに手で崩します。

わが家のキッチンバサミは分解できるタイプなので、包丁のように使って豆腐も切りました。

 

2. 鍋(1人用の土鍋がおすすめ)に鶏がらスープの素、酒、塩、にんにくを入れ、

 

水を注いで混ぜ合わせたら、中火で煮立たせます。

 

3. 煮立ったら豆腐、長ねぎ、甘塩たら、

 

ニラ、輪切り赤唐辛子を加えて、フタをして5~6分煮て完成。お好みで白いりごまをふり、テーブルに運んで熱々を食べます。

土鍋なら熱々に仕上がって冷めにくいので、私は1人鍋なら卓上コンロなしで食べちゃいます。

 

スタミナスープで体の芯からポカポカに!

まずはスープをひと口。塩と鶏ガラスープの素のシンプルな味付けですが、にんにくのパンチとニラの風味がバッチリ効いていて美味しい! そこにたらのうま味も溶け出て、サッと作ったとは思えないほど深みのある味が楽しめますよ。

 

そのスープを吸ったホロッとやわらかいたらの身、甘みのある長ねぎが絶品です。お好みできのこや春菊、鍋用のカット野菜セット、キクラゲなども入れてくださいね。

 

そして、シメはたらのうま味たっぷりのスープに中華麺を合わせて「塩ニラにんにくラーメン」はいかがでしょうか。極細の麺ならすぐに茹で上がっておすすめですよ。

ちなみに、スーパーなどで手に入る甘塩たらは、一般的には真だらを塩漬けにしたもの。薄い塩味で塩抜きの必要がなく使いやすいです。今回のように鍋にしたり、軽い塩気があるのでこしょうだけふってムニエルやフライにするのもおすすめです。

また、たらは傷みやすい魚なので、塩漬けとはいえできるだけ早く食べてください。何切れか入っているパックを買って余ったら、(大きければ食べやすく切ってから)ひと切れずつラップで包んで冷凍庫へ。1週間くらいで食べ切りましょう。凍ったまま鍋にドボンで食べるのがラクですよ。

 

使いやすくて美味しい甘塩たらの1人鍋で、体の芯からポカポカになってくださいね。

 

老舗魚屋主人が今年安いブリをフライパンで「バター焼きブリ大根」にしてこってり美味しく食べるレシピ【魚屋三代目】

こんにちは! 鮮魚魚武の三代目、料理家の魚屋三代目です。

寒くなるとますます脂がのって美味しくなるブリ。とくに今年はお値段も比較的お手頃! これまで漁獲の少なかった北海道でも近年、ブリが多く水揚げされるようになったそうで、それも一因かもしれません。

ということで今回は、旬のブリで作る、ご飯のおかずにも酒の肴にもぴったりの味濃いめのひと皿。フライパンでブリの切り身を使った「焼きブリ大根」を作り、仕上げにバターのコクと旨みをプラスします。

大根は、先に電子レンジで“下茹で”しておくのが時短で美味しくできるポイント。バターのうま味をプラスした甘じょっぱい濃厚だれで、脂ののったブリを堪能してくださいね!

 

魚屋三代目の「バター焼きブリ大根」

【材料】2人前

  • ブリの切り身 2切れ
  • 大根の輪切り(皮をむき2cmくらいの厚さに切ったもの) 2枚
  • 塩 適量
  • バター 10g
  • 水 大さじ2
  • サラダ油 少々

(A)

  • しょうゆ、みりん、酒 各大さじ2
  • 砂糖 大さじ1

 

作り方

1. ブリの切り身は、今回は脂がのっている腹側(皮が白っぽいのが目安)を使いました。腹側はやわらかくて濃厚な味わいです。脂が少ない背側(皮は青味がかった濃い色が目安)なら少しさっぱり仕上がりますよ。お好みで選んでみてください。

 

切り身の両面に軽く塩を振り、10分くらい置き、

 

キッチンペーパーなどで押さえて、身から出た水気をしっかり取ります。

塩を振ることで青魚特有のクセ、生臭さが水分と一緒に外へ出ます。

 

2. (A)はよく混ぜ合わせます。

 

3. 大根は先に電子レンジで火を通しておきます。耐熱のボウルなどに入れ、すき間を空けてフワッとラップをかけたら、電子レンジ600wで5分ほど加熱します。

 

竹串がスッと通ればOK。まだかたければ、様子を見ながら30秒ずつ追加で加熱してください。

 

4. フライパンにサラダ油を入れて中火で熱し、油がスッと流れるくらいになったら、余分な油をキッチンペーパーなどで拭き取ります。

そこにブリの切り身(どちらの面から焼いてもOKです)、大根を並べ、強火と中火の間くらいの火加減にして、2~3分焼いて焼き色を付けます。

 

5. 裏返して反対側にも同じように焼き色を付けたら、

 

フライパンから取り出します。

 

6. 空になったフライパンに合わせた(A)を入れ、中火でひと煮立ちさせたら、

 

取り出しておいたブリと大根を戻します。

 

7. 弱火にして、フタをして2分蒸し焼きにしたら、

 

ブリと大根を裏返し、水を回しかけます。

濃いめのたれでブリをまず照り照りに焼き、煮詰まったたれを焦げないように水でのばします。

 

フタを戻してさらに2分、蒸し焼きにします。

 

8. フタを開けてバターを入れ、弱火のまま熱して溶かしたら、

 

たれと合わせ、ブリと大根に絡ませて火を止めます。

 

9. 器に盛り付けて完成です。

今回は2人分のレシピですので、残ったら器に移し、ラップをかけて冷蔵庫へ 。次の日は電子レンジで温め直せば美味しく食べられますよ。

 

甘じょっぱさ+コク+うま味!

ブリも大根も照り照りに焼き上がりました。濃厚なたれもよく絡んでいます。そのたれにはバターとブリの脂が溶け込んでいるので、甘じょっぱさ+コク+うま味で、もうご飯が止まらない! もちろんお酒にもよく合います。

フタをして蒸し焼きにしているので、ブリの身はやわらかくふんわり。大根も、まるでじっくりこっくり煮たようにスッと箸が入ります。たれをよく絡めて召し上がってください。

お好みで盛り付ける時に針しょうが、かいわれ大根などを添えても美味しいです。

それと、輪切りの唐辛子をたれの調味料に混ぜておくのが私のおすすめのアレンジ。ピリッとしておつまみ感がアップしますよ。

フライパンでできるコクうまの焼きブリ大根。ぜひお試しくださいね。

 

老舗魚屋主人が刺身を美味しく食べている「花椒みそ」の作り方。そのまま酒の肴にしてもウマいやつ【魚屋三代目】

こんにちは! 鮮魚魚武の三代目、料理家の魚屋三代目です。

寒くなって、ますます脂がのった刺身が食べられる季節になりました。今回ご紹介するのは、いつもとはひと味違う刺身の食べ方。みそ好き、花椒好きには特におすすめの、「花椒みそ」です。

そもそも、刺身とみその組み合わせは「ぬた」として食べられているように相性は抜群。ぬたは酢みそを使いますが、今回は花椒を使いさわやかな痺れをプラスします。これが本当に美味しい!

花椒みそは、おかずみそとしてそのままご飯にのっけたり、酒の肴にしたり、野菜に付けて食べたりするのも美味しいですよ。

 

魚屋三代目の「刺身が美味しい花椒みそ」

【材料】1~2人前

  • みそ(家にあるものでOK) 大さじ2
  • みりん 大さじ2
  • 日本酒 大さじ2
  • ごま油 小さじ1/2
  • 砂糖 小さじ1/2
  • 花椒 小さじ1/3~お好みで
  • お好みの刺身(マグロ、アジ、ブリ、タコ、イカなど)、刺身のつま 適量
  • 青唐辛子(輪切りにする) お好みで

 

作り方

1. 小鍋にみりんと日本酒を入れ、中火で煮立たせアルコールをしっかりと飛ばします。

 

2. ボウルに1、みそ、砂糖、花椒、ごま油を入れ、

 

よく混ぜ合わせて粗熱をとります。これで花椒みそができました。

花椒の量はお好みで増量してください。

 

3. お好きな刺身とつまを皿に盛り、花椒みそを添えます。お好みで青唐辛子の輪切り、ご飯も用意して準備OKです。

ここではマグロの赤身とすき身を用意しました。

 

アジやブリ、タコやイカの刺身にも合います

マグロの赤身に花椒みそをのせていただきます。みその濃厚なうま味と花椒のさわやかな痺れが、マグロのうま味とコクを引き上げる! みりんの甘さやうま味が味に深みを与えていて、その甘みがあることで痺れがさらに引き立ちます。花椒と相性のいいごま油の香りも食欲をそそりますよ。

 

さっぱりとした味わいのマグロがひと味もふた味も美味しくなって、ご飯も酒もすすみまくりです。

 

ご飯と一緒に海苔で巻いて、うま味と磯の香りをプラスするのもおすすめです。

 

マグロのすき身は、花椒みそを混ぜ合わせて食べるのがおすすめ。お好みで青唐辛子をのせると、濃厚ななめろうに青唐辛子みその辛さが合わさってあと引く美味しさ! 青唐辛子のかわりに一味唐辛子や七味唐辛子をふりかけるのもいいですね。

そして、余った花椒みそはご飯にのせればメシ泥棒、そのまま食べたり、野菜スティックに付けたりすればたちまち酒泥棒に。おにぎりに塗って香ばしく焼いた「花椒みそ焼きおにぎり」なんて一品も楽しめます。

この花椒みそは、青魚のアジやイワシ、ブリ、その他にもタコやイカの刺身にもよく合いますので、いろいろ試してみてくださいね。

 

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