※この記事は感染対策を行なったうえで取材したものです。
「アヒージョ専門店」をご存じですか
皆さん「アヒージョ」は好きですか?
私はお店のメニューにあると、必ず頼んでしまいます。ニンニクの香りが効いていて、アツアツの具材を頬張るとジュワッとうま味が口の中に広がり、思わずお酒も進んでしまう料理ですよね。
でも、自宅で作るかといえば、ちょっと難しそうな気もするので作らない……そんな「アヒージョ」を、自分で調理しながら食べられるお店ができたと聞いてさっそく行ってきました。
中野駅北口からアクセスも良く、真新しい外観のお店「アヒージョ専門店 AJILLO(アジロ)」に到着。
お客様の声がヒントに。「アヒージョ専門店」誕生秘話
(※撮影時に一瞬だけマスクを外していただきました)
店主の落合さんにお伺いします。
──オープン直後のお忙しいところ、すみません。 評判を聞いてやってきたのですが、こちらのお店はどのような経緯でオープンされたのですか?
落合さん:私自身は東京ステーションホテルと池袋にあるホテルメトロポリタンの調理場を経て独立をしまして、2016年から上野に本店「イタリアンバル Alvino(アルビーノ)」を、2019年より同じく上野に姉妹店「イタリアンバール Alvino Carne」を営業しています。さらに2020年には上野広小路に「Bar Buzz」もオープンしました。
▲赤ハタのアクアパッツァ(2,300円)
▲白子のムニエル 焦がしバターソース(1,600円)
落合さん:本店のアルビーノで「具材を選べるアヒージョ」を提供していたところ、お客様から「いろいろな種類から具材を選べるので、アヒージョのオリーブオイルにも自分好みの具材の出汁が出て、とてもおいしいし、楽しめる」との声をいただたんです。
それがきっかけになり、初めての土地でもある中野店ではあえて「アヒージョ専門店」としてチャレンジしてみようと思い立ちました。
──お店に入ってまず目につくのが「テーブルに埋め込まれたIHクッキングヒーター」です。これは独自に考案されたのでしょうか。
落合さん:これはけっこう大変だったんですよね。ガスだとお客様が自分で調理しにくいだろうという理由でIHにしました。ですがIHクッキングヒーターって、だいたい四角いタイプが多いんです。アヒージョ鍋は丸いので、自分はどうしてもそれにピッタリ合わせたかったんですね。
──なるほど、そんなヒーターを探すことだけでも大変そうです。
落合さん:そこで業務用の丸いタイプのIHクッキングヒーターを探して、内装屋さんと相談しながら操作パネルの位置なども決めていきました。最初は保温モードだけあれば(グツグツの温度のまま)アヒージョを提供できるかなと考えていたんですが、オープン前日になってそれではダメなことがわかって。当日の朝にも工事に入ってもらったりして、やっと完成しました。
──特注だけあって、こんなテーブルは他のお店では見たことがありませんね。実際に使うにあたって何か注意点はありますか?
落合さん:最初は強火にしてちょっとグツグツ感を楽しんでいただいてから、中火にしてください。具材に火が通ったら、保温モードにしてください。
──食材の煮込み方などで注意点はありますか?
落合さん:たとえば、タコやイカなど煮すぎると硬くなってしまう食材を他の食材と一緒に煮る場合、後から入れるようにした方がいいですね。鶏肉なども硬くなりやすいので同様に。
それでは好きな具材を選んでグツグツとアヒージョを煮込みましょう!
カウンター上の黒板に書かれた食材から好きなものを選びます。
今回は海老、ホタテ、マッシュルーム、ブロッコリー、うずらの卵のベーコン巻きなどをチョイス。IHクッキングヒーターで加熱していくと……。
▲アヒージョ:海老(500円)、ホタテ(500円)、マッシュルーム(350円)、ブロッコリー(300円)、うずらの卵のベーコン巻き(200円)
グツグツと煮込まれたニンニクの香りが鼻腔をくすぐります。
アヒージョはスペイン語で「小さなニンニク」「刻んだニンニク」という意味。熱々になった食材のうま味が渾然一体となり、それらの香りが食欲を刺激します。
やはり定番の海老から! プリプリしていて安定のおいしさ。オリーブオイルとの相性も抜群。間違いない。
噛むごとにニンニクの風味とホタテのうま味が口の中にジュワッと広がる。もちろん白ワインともバッチリ合いますね。
▲バゲット(70円)
さらに、さまざまなうま味が溶け込んだオリーブオイルにバゲットを浸して食します。
当然、ブロッコリーやマッシュルームにも魚介のうま味が染み込んでいます。そりゃおいしいに決まっている訳です。
鍋料理のように「シメの麺」はアリなのか? パスタを投入してみた
さて、ここでちょっとワガママを言って茹でたパスタを残った具材とオリーブオイルに投入させてもらいました。鍋でいう「シメの麺」のノリです。
(※現在、メニューにはありません)
「そのまま入れるだけだと油っぽくなりすぎるからスープを少し入れて、和えてみましょう」というアドバイスもいただき、シメのアヒージョパスタが完成。
これ、けっこうアリなのではないでしょうか?
▲考案中のクラムチャウダー風のソース
現在、オリーブオイルにニンニクを入れる定番のアヒージョ以外にも、クラムチャウダー風のソースも考案中だそうで、「もしかしたらそちらの方がシメのパスタは合うかも」とのことでした。
この他に食べてみたアヒージョ用の食材だと、さば(300円)は燻製の風味がついていて、とてもおいしかったです。
まだまだ開店したばかりのお店ということで、メニューも進化していきそう。アヒージョの他にも本店で定番のメニューもあるそうなので、ぜひ訪れてみてください。
※この記事は感染対策を行なったうえで取材したものです。
お店情報
アヒージョ専門店 AJILLO
住所:東京都中野区中野5-61-10 丸吉ビル1F
電話番号:03-5942-5667
営業時間:17:00〜5:00 日曜日:13:00〜23:00
定休日:不定休
書いた人:BLObPUS
オリジナルキャラクターの怪獣フィギュア「BLObPUS(ブロッパス)」をリリースしたのをきっかけに活動開始。国内外のフィギュアイベントに参加しつつ中央線沿線を飲み歩く怪獣おじさん。蓄光素体にメタリックカラーを基調とした独特の色使いで彩色にも定評がある。