あぢーー。なんともたまらない日が続いていますね。
そんな時にはやはりかき氷。口に運ぶごとに涼しさで満たされ、食べ終わる頃には体感気温もぐっと下がっているものです。
中でも筆者が大好きなのは、レトロ風情な店内でいただくやさしいお味の一杯です。昭和から時が止まったようなお店で平日の昼間からかき氷をバクつけば、自分ダメだなー……と思いつつ、うっとり。今回はそんなかき氷がいただける大阪の名店から、厳選して5店ご紹介させていただきます!
1つめ:「角屋」の抹茶系かき氷
「角屋」のポイント
- とにかく安い。ほとんどの商品がワンコイン以下
- 宇治抹茶を使用した抹茶系かき氷が至高
- 70円のアイスモナカが、これまたいい
大阪・旭区にある千林商店街を、少しそれた辺りに位置する甘味処「角屋」。
アイスモナカを中心に、冬場は回転焼き(関東でいうところの今川焼き・大判焼き)、夏場はかき氷を提供しています。
壁にずらりと掛かった短冊を見て注文しましょう。
▲どれもこれもほんとに安い
角屋の抹茶は京都・宇治市から取り寄せており、とても風味豊か。クオリティが高いのに「氷宇治」で290円、ミルクをプラスした「氷宇治ミルク」でも370円ととてもリーズナブルです。
こちらの注文方法は少し変わっていて、メモ帳にオーダーを書いて店員さんに渡すスタイル。今回はちょっとぜいたくしたくて、「ナタ デ ココ プリン」も食べることに。
ヒョ〜こんもり!
では、シャクッ。
ほどよくシャリ感のある昔ながらの氷に、抹茶のやさしい風味とミルクのまろやかさが加わって……おいしー! これこれ、このシンプルな味わいがいいんですよ!
食べ進めていると、あれ?
あれあれ??
「氷抹茶ミルク」と「ナタ デ ココ プリン」を注文したつもりが、「氷抹茶ミルク」に「ナタ デ ココ」と「プリン」がトッピングされてました(笑)。想定外でしたが、これもあり(笑)。
「角屋」に来たら、アイスモナカもぜひ食べてみてください。
▲アイスモナカ バニラ(70円)
もち米で作られたモナカがパリッパリでうまいっ! 中のアイスもキリッとした甘さと食感で、懐かしくてホッとする味わいです。
2つめ:「千成屋珈琲」のミックスジュースフラッペ
「千成屋珈琲」のポイント
- 大阪ミックスジュース発祥のお店!
- 昭和系喫茶店では珍しいエスプーマがけ
- クリーミーで、スイーツのような一杯
観光客とほろ酔いの人々が混在し、“昼間からダメになれる“でおなじみの新世界・ジャンジャン横丁。
この商店街の中ほどに、元祖大阪の味・ミックスジュース発祥のお店「千成屋珈琲」があります。
1948年創業のシブい雰囲気を残しながら少しモダンにアレンジした店内は、こじんまりしていて居心地抜群。何も考えずボーッとしていたいっ。
そんな「千成屋珈琲」では、夏季限定のミックスジュースフラッペをぜひ。
ミックスジュースを元にアレンジしたソースは、中にもたっぷり注入。新鮮なフルーツがかわいらしく盛られ、ミルク感いっぱいのエスプーマをかけたらハイ出来上がり。
▲ミックスジュースフラッペ(980円)
シャクッ。
ミルク感たっぷりのエスプーマもミックスジュースソースも素材を活かした甘さで、とてもやさしい〜〜!
氷もふんわりやわらかで、クリーミーな味わいとも相まって甘い雲みたいです。フルーツを頬張れば酸味でキュッと引き締められるので、もたつきもなし。かき氷を超えた、スイーツのような一杯です。
3つめ:「八角堂」の氷くるみ餅
「八角堂」のポイント
- 氷の食感!! すごい!!!
- 抹茶味の餡でお餅がこんなにさっぱり食べられるとは驚き
- ほどよい大きさがうれしい
大阪・堺市は「くるみ餅」が名産品。くるみが入っているお餅、ではなくて、あんでお餅をくるんでいることからこう名付けられました。
このくるみ餅の上に氷をトッピングしたのが「氷くるみ餅」です。
「八角堂」は、氷くるみ餅が1年中食べられるお店。冬でも注文する人が多いというのですから、そのおいしさはお墨付きです。
海の家のような、いい感じで力が抜けた雰囲気でのんびりしてしまいます。
▲氷くるみ餅(330円)
まずは氷だけでシャクッ。
これね、今まで食べたどの氷とも違うんです。昔ながらのシャクシャク系ではなく、最近流行りのふんわり系でもない。氷なんだけど水分と空気をたっぷり含んでいて、シャクッじゅわっとした食感。最高においしいし、どうしたらこうなるのか全然わからない。
削っているところを見せていただこうと思ったんですが、先代から培った技術で企業秘密とのこと。残念!
八角堂のくるみ餅は、大豆だけでなく抹茶をプラスしているので、さっぱりとしたおいしさが後を引きます。そして、ねっとりしたお餅とシャクッじゅわっな氷の、このコントラストよ……たまりません。
ほどよい大きさなのであっという間に食べられる、この気軽さもとてもいいです。もうちょっと食べたい人は2倍サイズの「氷くるみ餅 ダブル(600円)」を。
4つめ:「大阪浪花家」のエンジェル・ヒップ
「大阪浪花家」のポイント
- 1杯に高級もも丸ごと1個を使用したぜいたくさ
- 生姜シロップが……いいっ!
- 絶対にクリームチーズをトッピングすべき
東京・麻生十番のたい焼き店「浪花家総本店」で修行した村上さんが、のれん分けという形で大阪にオープンした「大阪浪花家」。
たい焼き屋さんのかき氷といったら「あずき」や「抹茶」などを想像しますし、たしかにおいしいのですが、こちらのお店でぜひ味わっていただきたいのがフルーツなどの創作系かき氷です。
今回はその中でもとくに評判で、早い日にはお昼過ぎには売り切れてしまうという、桃のかき氷「エンジェル・ヒップ」をご紹介します。
キーポイントはこの生姜シロップ。
たっぷり中に忍ばせることで、爽やかなジンジャーの風味が後から効いてくるという仕掛けです。
▲エンジェル・ヒップ(1,000円)
和歌山県産「あら川の桃」というジューシーでまろやかで抜群に甘い桃を、1杯につき1個まるまるトッピング。
「だから、1杯売れてもあんまりもうけないんですよー。でも一度設定した値段を上げるに上げられなくて」と笑う村上さん。完全に採算度外視です!
この1杯をさらにおいしくいただくため、「クリームチーズ(180円)」をトッピングすることを強く強くおすすめします!
シャクッ。
はー……めちゃくちゃおいしい。
生の桃は、シロップで煮込んだのかと思うほどとろっとろ。この桃がクリームチーズと桃シロップとやわらかな氷に包まれ、お姫様みたいに甘くてふわふわです。
おいしい……おいしすぎる……とお姫様たちをむさぼっていると、中からスッと芯の通った王子様のような生姜シロップが顔を出します。お姫様と王子様を一緒に食べると、なるほどこれがマリアージュってやつか。
バランスのとれたこの絶品かき氷、8月中旬頃までの発売なのでお早めに!
5つめ:「純喫茶アメリカン」の西瓜フラッペ
「純喫茶アメリカン」のポイント
- 昭和レトロに浸れる店内空間
- スイカが氷に埋まってる!?
- 夏にぴったりのジューシーさ!
昭和21年創業の「純喫茶 アメリカン」。レトロフューチャーな店内は、天井も高くて広々。昔ながらのインテリアを残しながらも、すみずみまで整えられとても清潔感があります。
テイクアウト用のバッグやメニュー表などもレトロデザインで踏襲。シビれるかっこよさです!
こちらで食べていただきたいのが「西瓜フラッペ(820円)」。一見スイカ感があまりないように思えますが……
シロップ入りの氷の中にスイカが埋まっているのです。なんとも楽しい仕掛けですね。
シャクッ。
んんん、爽やかーー!!
水分たっぷりのスイカとやわらかな氷で、それはそれはジューシーな一杯。
スイカには少し塩気もあるため、飽きることなくどんどん食べ進めてしまう……余計な味付けは一切なく、めちゃくちゃシンプルなのに抜群においしいです。このアイデアすごい。
なお「西瓜フラッペ」は1年中食べられるのですが、スイカの旬である夏にいただくのがやっぱり一番だそうです!
以上5つのかき氷、今思い出しても至高だなと思えるものばかりです。
ゆっくりくつろげる店内で、暑い夏を爽快に乗り切れる一杯をぜひじっくり楽しみましょう!
お店情報
角屋
住所:大阪府大阪市森小路2-8-22
電話番号:06-6952-1487
営業時間:13:30〜21:00
定休日:火曜日、雨天時
千成屋珈琲
住所:大阪府大阪市浪速区恵美須東3-4-15
電話番号:06-6645-1303
営業時間:9:00〜21:00(LO 20:00、ドリンクLO 20:30)
定休日:無休
ウェブサイト:http://www.sennariya-coffee.jp/
八角堂
住所:大阪府堺市堺区神石市之町19-2
電話番号:072-261-8919
営業時間:10:00〜18:00
定休日:火曜日(祝日は営業)
ウェブサイト:http://www.river.sannet.ne.jp/eightcorner/
大阪浪花家
住所:大阪府大阪市北区中崎1-9-21
電話番号:06-6371-1877
営業時間:11:00〜20:00
定休日:不定休
Facebook:https://www.facebook.com/naniwaya.osaka
純喫茶 アメリカン
住所:大阪府大阪市中央区道頓堀1-7-4
電話番号:06-6211-2100
営業時間:9:00〜23:00(LO 22:45)、火曜日は〜22:30(LO 22:15)
定休日:月3回木曜、不定休
※一部記事中の表現で修正した箇所があります。(2018年8月10日)