シナモンは魔法のスティックである
こんにちは。スパイスが大好きな私が今回紹介するのはシナモンです。
こいつはね、魔法のスティックなんです。
実物を見たことがないという方は、手をあげてください。いませんね。そう、良い香りのするあの棒です。
今回はシナモンを使った料理をご紹介しましょう。
シナモンは桂皮とも呼ばれる、古くからあるスパイスです。
ひとことで言ってしまえば、いい香りのする木の皮を乾燥させたものです。
ずいぶんと昔から愛されていたようで、ミイラの防腐剤にも使われたとか。
私たちに馴染みがあるのは、駄菓子のニッキ味としてでしょうか。シナモンシュガーをかけたファミレスのフォカッチャもよく食べます。
カレーを作るときは欠かせないので、我が家にも常備されています。
でも、意外と減らなくて、「買ったけど使いきれない」なんて声も。
そんな方は、今日のメニューをぜひ参考にしてください。
本日作るのは、
- シナモン入りおしゃれレモンサワー
- エスニック唐揚げシナモン風味
- エキセントリックシナモン穴子
- エキゾチックシナモンライス
- 極上のシナモンアップルフィリング
さあ、行ってみましょう。
シナモンとマッチする食材
シナモンとマッチングさせる食材たちを紹介しましょう。
最初はレモン汁とガムシロップを1:3くらいの割合で混ぜたもの。
こちらにシナモンスティックをつけておきます。サングリアの要領で香りづけするとお考えください。
これを作っておくと、さまざまなデザートにぴったりな万能シロップになります。
こちらは鶏肉の唐揚げ。
醤油、酒、ニンニク、ごま油に、シナモンパウダーをパラパラと混ぜ合わせて15分ほど漬け込み、油で揚げればシナモン風味の唐揚げになるというわけです。
そのまんまですね。
そしてこちらが穴子です。
これもシナモンを合わせていただきますよ。意外だけど、これがおいしいんです。
りんごを使って定番のスイーツを作ります。
シナモンの力が欠かせないあいつですよ。
さあ、楽しい調理のスタートです。
本日の「シナモンづくし」の出来上がり
唐揚げは冷たい油からじっくりと火を通していきましょう。
カラッと揚げてもいいし、しっとりとした衣でもおいしくいただけます。
これはもう好みです。衣の様子を見ながら、茶色く色づいたら適宜取り出してください。シナモンの色はそこまで影響しないので、いつも通りの感覚で大丈夫です。
この日は揚げるのに5分ほど時間がかかりました。
こちらは市販の穴子のタレにシナモンパウダーをまぶして、レンジで1分チンしました。そのままでもいいのですが、スパイスは熱が入ることで香りが立つので、この温める工程はとても大事だと思っています。
このタレを穴子にかけてみます。さてどうなることやら。
これらのおかずには、シナモンスティックを入れて炊いたシナモンライスを合わせることにします。
2合のお米と炊飯器の目安量の水に対して、棒状のスティックを2本入れて、砂糖小さじ1と水を入れ炊飯ボタンを押すだけ。ああ、簡単。
ちなみに、砂糖を入れることでお米の甘さがさらに際立ち、シナモンとの相性が良くなるんです。もちろん入れなくても問題ありません。
というわけで、本日のシナモンづくしの出来上がりです。見てください。私が得意な、全てが茶色のおいしそうな料理たちを。
あまりに見た目のインパクトが強くて、ダイエット中の私は恐れをなしてしまいました。そんなわけで食前に青汁を飲んだことをご報告します。青汁さんとはかれこれ2年にわたって素敵なお付き合いをさせていただいています。
実食します
さあ実食。本文とは関係ないけど。写真左のメダカの水槽、素敵じゃないですか。
メダカがいるだけで人生が豊かになるんです。いやあ、いいレイアウトだ。
最初にエキゾチックなシナモンライスをいただきます。
ひと口食べると、鼻に抜けるすっきりとした香りが印象的。つまりシナモンらしさをほのかに自己主張しています。
だけど、砂糖と米という甘さの王様たちとコラボしたおかげで、「脇役としていい仕事をしよう」と黒子に徹しているのがいいんです。
勝手な妄想ですが、イベリア半島を旅したら、このご飯が出てきそうだと思いました。
こちらはエスニック唐揚げシナモン風味。
衣にまとわせたシナモンは、下味の醤油と合わせることで、一気におしゃれな空気を醸し出すから不思議だと思いました。
インパクトは小さいんですが、群衆の中からじわじわと名乗り出るというか、最初は全く存在感がないのに、後半から存在感を発揮します。
まるで某サッカー漫画の雪崩攻撃のように怒涛の味わいを見せる様子は圧巻です。
言葉は悪いのですが、油切れが悪いベタっとした唐揚げの方がよりおいしくなるのではと感じました。
この唐揚げは家にお客さんが来た時に試してください。
そして、今回の大ヒットはこちらです。
穴子のタレに黒胡椒を振るとさっぱりしておいしいんですが、シナモンパウダーを合わせると、一気に優しい味になります。
ただ甘ったるいだけの安価なタレが、一気に上品な味わいになるんです。白いご飯とスパイスを合わせるのって勇気がいりますが、このエスニックタレがあればどんな食材もおいしくいただけると思いました。
一味唐辛子をかけたら、さらに味が締まりますよ。
最初にシナモンを漬け込んだレモンシロップに、炭酸と焼酎を合わせたら、スパイシーなレモンサワーの完成です。
ガムシロップと合わせたので甘めの仕上がりですが、ガムシロップ抜きで作ると、さらに大人の味わいになりますので、そちらも試してください。
と、ここまで書いてきて皆さんもお気づきかと思うのですが、シナモンは甘い味付けと相性がいいんですね。
毎日の献立で困った時にはシナモンをアクセントで入れると、いつもの食卓に変化が付くかもしれません。
最後にアップルフィリングを作ります
そんなわけで最後は、アップルパイの中身にも使われる、リンゴのスイーツを。
7〜8枚ほどに薄くスライスしたリンゴに砂糖大さじ2をかけて、そこにパラパラとシナモンパウダーを振ったら、ラップをかけてレンジで1分チンするだけ。
たったそれだけで、お店で出てきてもおかしくないようなスイーツの完成です。
シナモンが入っただけで、一気に味わいが変わりますから、甘いものがお好きな方は是非お試しください。アイスクリームをのせてもおいしいですし、このアップルフィリングはお酒のつまみにもぴったりなのでぜひ。
というわけで今回のスパイス1本勝負も、素晴らしい試合の連続でした。
「スパイスがあれば食事が楽しくなるし、人生は豊かになる」
私の名言をお聞きいただいたところで、今日はおしまい。次回をお楽しみに!
書いた人:キンマサタカ
編集者・ライター。パンダ舎という会社で本を作っています。 『週刊実話』で「売れっ子芸人の下積みメシ」という連載もやっています。好きな女性のタイプは人見知り。好きな酒はレモンサワー。パンダとカレーが大好き。近刊『だってぼくには嵐がいるから』(カンゼン)