日に日に寒くなるこの時期、辛みを効かせた料理で体の中から温まったところでよく冷えたビールをひと口……。そんなマッチポンプ的な1人メシもたまりませんね。
ということで今回は『メシ通』でご紹介してきた「辛いメシ」レシピから、痺れるような独特の辛みが特徴的な「花椒」を使ったものを集めてみました。
花椒は中国山椒とも呼ばれ、麻婆豆腐や担々麺といった麻辣味の麻味、舌が痺れるような辛みを担うスパイス。一方で「家用に買ってみたはいいものの使い道に困る調味料・スパイス」の1つとしても名前があがりがちです。
寒い日の晩メシや晩酌は、そんな使い切れない花椒を消費するチャンス! おつまみからご飯もの、熱々の1人鍋と、身近な調味料との組み合わせで“シビ辛”でウマくなるレシピばかりですので、気になるものからためしてみてくださいね。
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01:強火でサッと焼く辛ウマな「牡蠣のシビ辛炒め」という寒い季節のごちそうの作り方
寒くなってますます美味しくなってくる牡蠣。その牡蠣のプリプリした食感と強烈なうま味を、辛さと痺れでさらに際立たせる麻辣(マーラー)な炒めものです。生食用の牡蠣を使って強火でサッと焼くだけなので、火の通りを気にせず気軽に作れるのがポイントですよ。
牡蠣のうま味と麻辣ソースのシビ辛で、お酒にもご飯にも合います! 寒い季節は辛さと牡蠣のうま味で体の中から温まってくださいね。
02:皮パリで痺れる「花椒チキン」でビールが止まらない
花椒の痺れる辛さでおいしいビールが飲みたいならこれ! 花椒を鶏もも肉にたっぷりもみ込んで皮パリ、身はジューシーに焼き上げる「花椒チキン」です。花椒と相性ぴったりのラー油をかけるのがおすすめの食べ方ですよ。
鶏肉をフライパンでパリッと美味しく焼くコツは、片栗粉をよくまぶし、まずは皮目をフタあり、裏返して今度はフタなしの順で焼くこと。フタをして焼くことで火の通りが早くなりますが、フタをするのは必ず皮目が下のときだけ。皮目が上にきている状態でフタをすると、皮がパリッとしなくなるので要注意です。
鶏肉と花椒の組み合わせは、即席の甘酢だれがあとを引く「油淋鶏風鶏もも焼き」もおすすめです!
03:サバ缶を一滴残らず入れる「1人麻辣鍋」の真っ赤なスープで、ほとばしる激辛欲を満たせそう
あり合わせのものでざっくり作っても失敗知らず。寒くなると『メシ通』でもたびたびおすすめしているのが1人鍋。こちらは、買い置きのサバ缶で作る「1人麻辣鍋」のレシピです。
スープに花椒をはじめ豆板醤、粉唐辛子、にんにくも効かせて食べれば、辛さの中にサバや野菜のうま味をじ~んわり感じます。体の中からポカポカになれますよ。
超シビ辛スープで楽しむシメは、茹でて水気を切っておいたそうめんがおすすめ。自分専用の1人鍋ですから、お好きなだけ激辛に仕上げちゃってくださいね。
04:フライパン6分、少ない油で豚こまをカリカリに焼く。シビ辛とにんにくの香りでお酒がすすむ
下ごしらえとあわせても10分ちょっと! お安い豚こま切れ肉が、あっという間に豚から風のビールのおともに変身するレシピです。
食欲そそるごま油とにんにくの香り、カリカリの食感と豚肉のうま味、そして、口の中にジワジワと広がる花椒のシビ辛。これはもうビールがすすむこと間違いなしです!
フライパンに入れる油は、ごま油大さじ1にラー油を小さじ1/2だけ。肉の表面全体がうっすらと白くなるくらいしっかりと片栗粉まぶすことで、少ない油でもカリカリに焼き上がりますよ。
05:中華なカレー味で白飯食べすぎちゃう「マーボー風キーマカレー」
フライパンでひき肉とお好きな野菜をいためる即席のキーマカレーに、豆腐をプラス! 味付けは焼肉のたれとカレー粉でバッチリ、ごま油とラー油を回しかけて中華っぽく仕上げる「マーボー風キーマカレー」のレシピです。最後に花椒パウダーをふりかけてマーボー感をアップさせれば、ご飯もビールもすすんじゃいますよ。
豆腐は水気が少なく崩れにくい焼き豆腐がおすすめ。10分もあれば完成するひと皿、焼き豆腐で食べごたえがあってお腹も満足です。
06:花椒とサーモンの強めの脂が相性抜群「サーモンの花椒なめろう」は、ご飯にものっけたくなるやつです
酒の肴にもご飯のおかずにもなる、刺身をたたいて作る「なめろう」。「なめろうはアジやさんまなどの青魚が定番ですが、サーモンなら青魚が苦手な方にもおすすめですよ」と、老舗鮮魚店の店主、魚屋三代目さんが教えてくれたのが「サーモンの花椒なめろう」です。
大葉、唐辛子、青ねぎ、みそなどと一緒にたたいたサーモンのなめろうに花椒を混ぜて、ごま油と豆板醤、にんにくで作った旨辛だれをかけて仕上げます。
サーモンの脂、みその風味、そして辛みがあわさって箸がすすむ! ご飯にのっけて、うずらの卵をトッピングする絶品の「サーモンの花椒なめろう丼」もお忘れなく。
07:「鶏むね肉の花椒照り焼き」が甘辛、痺れ、しかもジューシーでご馳走すぎた
料理と筋トレをこよなく愛し、たんぱく質補給に週に2~3回は鶏むね肉料理を食べるという筋肉料理人さん。『メシ通』でもいろいろな鶏むねレシピを披露してくれていますが、こちらで教えてもらったのが「鶏むね肉の花椒照り焼き」です。
肉の下味付け、そして仕上げにも花椒を使うことで、照り焼きの甘じょっぱい味と一緒に、さわやかな辛みが口の中に広がります! クセになるこの意外な組み合わせ、新しい扉が開いちゃうかもしれませんよ。
鶏むね肉はぽん酢しょう油や日本酒をもみ込むことで加熱してもしっとりやわらか。塩昆布と一緒に軽く漬けることでうま味もしっかりあって、痺れの刺激だけではない、食べごたえのある一品です。
みその濃厚な味わい、さとうじょうゆの甘辛味に鶏ガラのさっぱり塩味、食欲そそるカレー風味と、中華メシ以外にもいろいろな味付けのレシピに使えてしまう花椒。何かひと味足りないな、ちょっと味変したいな、そんなときにひと振り、ふた振りすれば、独特の風味と刺激で、肉も魚も野菜も痺れる美味しさにしてくれますよ!