魚屋をやっていると、お客さんから「魚をおいしく煮るコツ」をよく聞かれるのですが、「焼き魚の方が簡単で煮魚は難しそう」という方、とっても多い気がします。
そんなみなさんに朗報! じつはですね、煮魚の方が簡単なのです。焦げや生焼けに注意しなければいけない焼き魚よりも、悩ましくない! ちょっとしたコツさえつかんでしまえば、おいしい煮魚が思いのほか簡単にできるんです。そのポイントを、切り身魚を使ってお伝えしていきますね。
ちなみに、本日ご紹介する我が家の煮魚は、母から教えてもらったコッテリタイプ。これが白飯にもお酒にも最強に合うのです!
魚屋三代目の「おいしい煮魚のコツ(切り身魚編)」
【材料】1~2人前
- 魚の切り身(今回は銀ダラ) 2切れ
- 葉物野菜(添える用、今回は菜花をゆでました) お好みで
- 醤油、みりん、砂糖 大さじ3
- 酒(日本酒) 大さじ1
- 水 50ml
作り方
【ポイント1】煮汁の調味料は最初に作る
まずは鍋(ふた付きのもので)に醤油、みりん、砂糖、酒を入れてから点火し砂糖が溶けるまでよく混ぜ合わせ、
さらに、水を入れて一煮立ちさせ、
それから魚の切り身を入れます。
※水を入れずに煮ていくと、せっかく先に出来上がりの味を決めたのに煮詰まって辛くなってしまいます。水は煮る時間の調節用、と考えてください。
【ポイント2】火加減は中火で6分、落としぶたで煮汁を対流させる
写真のように深い鍋の場合(このくらいの深さのものが多いかも)は、アルミホイルなどで落としぶたをしてから鍋のふたをするといいでしょう。煮汁が対流して切り身を覆うように煮ることができます。鍋が浅い場合は、ふたをするだけでOK。
※もし煮汁が吹きこぼれそうな時は、ふたを少しずらして下さいね!
煮る時間は、ふつうの切り身ならば6~7分でOK。大きく厚い切り身でも8~9分、つまりは、たいてい10分以内で煮上がるということ。それ以上煮てしまうと身が硬くなったり、パサついたりしてしまうんです。(今回は6分ほど煮るのに水を50ml。9分前後煮る場合はさらに大さじ1~1半程度加えてみてください)
皿に盛りつけ、残った煮汁をかけたら、お好みで葉物野菜などを添えて完成です!
お好みは白身の魚? 青魚?
- 煮汁は先に作り、煮汁が煮立ったら魚を入れる
- ふた、または落としぶたをして中火で6分煮る
この2つのポイントをおさえれば、ふっくらおいしい煮魚に仕上がります。
ちなみに、みなさんがお好きなのは白身の魚の煮付けでしょうか、それとも青魚? 白身だと、今回の銀ダラや銀ムツ(メロ)、カレイや金目鯛などがおなじみ。青魚だと、イワシやアジ、サバ。サバは味噌煮の割合が多いかな? 青魚はクセがあるので生姜(1~2人分煮るのにひとかけ、チューブ生姜なら4~5cmくらい)を入れるのがオススメです。
今度はこの煮魚応用Ver.で、定番のサバの味噌煮をコッテリおいしく仕上げるコツなどご紹介したいです!
作った人:魚屋三代目
本名・柳田昇(やなぎたのぼる)。神奈川県厚木市で60年以上続く鮮魚店の三代目。父と魚屋を営むかたわら、旬の魚介の簡単な料理や捌き方をブログ『魚屋三代目日記』にて紹介しています。レシピ本などの書籍やテレビなど幅広く活動。62種の魚介の詳しい捌き方と、それらの魚をおいしく食べる100を超えるレシピ、捌き方やおろし方の動画が見られるQRコードも掲載の最新刊『魚屋三代目の魚のおろし方と料理』(エイ出版社)が発売中。2023年4月、新鮮な魚介類を使ったお惣菜店「noboru 魚武商店」もオープン。
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企画協力:フーディストノート
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