フィッシュヘッドカレーみたいな「鯛のあらでスープカレー」の作り方。お安い鯛のあら、下処理は意外と簡単です

f:id:sakanaya-sandaime:20210608155412j:plain

こんにちは! 鮮魚魚武の三代目、料理家の魚屋三代目です。

魚屋さんやスーパーの鮮魚売り場の隅の方で、お安く並んでいる「●●のあら」なんて書かれたパック。あらとは簡単にいうと二枚、三枚におろした魚の残った部位のことで、頭や骨、カマなどの総称。これでいい出汁がとれるんです。

そこで今回は、鯛のあらを使って、魚のうま味を味わう「スープカレー」を作っちゃいます。あらの下処理は意外と簡単。市販のカレールーを使うのでパパッとできてできあがりのインパクトも大。おすすめですよ。

鯛のあらは、頭が半分に割られているものがスーパーで1パック200円くらいで手に入ると思います。

 

魚屋三代目の「鯛のあらでスープカレー」

【材料】2人前

  • 鯛のあら 1尾分(今回は頭とカマを使いましたが、頭だけでもOK)
  • 玉ねぎ 1/2個(繊維に沿ってスライス)
  • エリンギ 1パック(100g程度)
  • オクラ 6本
  • ミニトマト(小) 4個
  • サラダ油 大さじ2
  • クミン(ホールタイプ) 小さじ1/2
  • 市販のカレールー(お好きなメーカーのもので) 1かけ(20g程度)
  • カレー粉 小さじ1
  • コンソメスープの素 顆粒スティック1本(5g、キューブ1個でもOK)
  • トマトジュース(無塩) 100ml
  • 塩 少々
  • 水 500ml
  • ご飯 2人分
  • 粗びき黒こしょう、パセリのみじん切り、青唐辛子 お好みで適量

 

作り方

f:id:recipeblog:20210609095701j:plain

1. まずは鯛のあらの下処理から。鯛のあらをボウルなどに入れて全体に塩(分量外)をふり、30分前後おきます。

塩をふることにより、浸透圧で魚から余分な水分と一緒に生臭さなどが表面に出ます。また、身を引き締め、煮崩れなどを防ぐ効果もあります。そして、水分が出た身には味が入りやすくなります。

 

f:id:recipeblog:20210609095717j:plain

2. 80度くらいのお湯(分量外)を、1のあらが入ったボウルにやさしく注ぎ入れます。

熱湯だと皮がめくれたりはがれたり見栄えが悪くなるので、沸かしたてではなく、少しおいたお湯を使います。

 

f:id:sakanaya-sandaime:20180321103919j:plain

3. 2~3分おいて汚れが浮いてくるのを待ち、お湯を流したら、冷水で取り残した鱗や血合い、他の汚れを指で取り除きます。これで下処理は完了です。

ちなみに、ちなみに、手についた魚の臭いは、ステンレス製のスプーンなどを擦るように触るとやわらぎます。

下処理したあらを出汁昆布や酒と一緒に水で煮れば、ラーメンのスープにも使える美味しいスープがとれますよ。

www.hotpepper.jp

 

f:id:sakanaya-sandaime:20210608155324j:plain

4. 下処理した鯛のあらに、カレー粉をふっておきます。

 

f:id:sakanaya-sandaime:20210608155307j:plain

5. フライパンにサラダ油を入れて中火で熱し、クミンを少し入れます。

f:id:sakanaya-sandaime:20210608155312j:plain

シュワシュワと音がするようになったら中弱火にして、残りのクミンも入れて香りを立たせます。

 

f:id:sakanaya-sandaime:20210608155320j:plain

6. クミンの香りが立ってきたら、玉ねぎを入れて炒め、

 

f:id:sakanaya-sandaime:20210608155328j:plain

玉ねぎが透きとおってきたら、4を加え、両面に焼き色を付けましょう。

ここからの火加減は中弱火~中火が目安です。

 

f:id:sakanaya-sandaime:20210608155337j:plain

7. 鯛の両面に焼き色がついたら、水を注ぎ、

 

f:id:sakanaya-sandaime:20210608155340j:plain

一煮立ちさせ、

 

f:id:sakanaya-sandaime:20210608155344j:plain

コンソメスープの素も加えて溶かします。

 

f:id:sakanaya-sandaime:20210608155349j:plain

トマトジュース、

 

f:id:sakanaya-sandaime:20210608155248j:plain

市販のカレールーを溶かし、

 

f:id:sakanaya-sandaime:20210608155252j:plain

味見をして塩で調えたら、エリンギを加えます。

 

f:id:sakanaya-sandaime:20210608155256j:plain

8. スープカレーを煮込んでいる間に、魚焼きグリルやオーブントースターで、オクラとミニトマトをこんがりと焼きます。

 

f:id:sakanaya-sandaime:20210608155401j:plain

9. オクラとミニトマトが焼けたら、スープカレーも火を止め、鯛のあらと一緒に器に盛り付け、

 

f:id:sakanaya-sandaime:20210608155406j:plain

焼いたオクラとミニトマトを添えます。お好みで粗びき黒こしょうをふり、パセリを散らして完成。ご飯をよそった器も添えて、いただきます。

 

f:id:sakanaya-sandaime:20210608182849j:plain

お好きな方は青唐辛子を添えて、かじりながら食べると辛さを堪能できますよ。

 

お手ごろな鯛のあらが手に入ったら、ぜひ作ってみて

f:id:sakanaya-sandaime:20210608155412j:plain

鯛のあらの出汁がたっぷりのスープカレーは、シンガポール料理の「フィッシュヘッドカレー」のような魚介系の深~い味わい。

ブイヤベースのカレー版という感じで、具だくさんのスープとして飲んでもいいですね。あらに残っている鯛の身も、下処理していて臭みはないので美味しく食べられます。

スープカレーに入れる具は、お手元にあるものやお好きなものを使ってください。じゃがいも、なす、ピーマン、インゲンや茹で卵も合います。 玉ねぎを炒めるときに、おろしにんにく、おろししょうがを加えてもGood。もっと辛くしたいなら、塩で味を調えるタイミングで粉唐辛子やカイエンペッパーなどを加えてくださいね。

また、このスープカレーにココナッツミルク100mlとナンプラーなどを加えると、本場のフィッシュヘッドカレーにさらに近づきます。

お手ごろな鯛のあらが手に入ったら、うま味たっぷりのスープカレーをぜひ楽しんでください。

 

作った人:魚屋三代目

魚屋三代目

本名・柳田昇(やなぎたのぼる)。神奈川県厚木市で60年以上続く鮮魚店の三代目。父と魚屋を営むかたわら、旬の魚介の簡単な料理や捌き方をブログ『魚屋三代目日記』にて紹介しています。レシピ本などの書籍やテレビなど幅広く活動。62種の魚介の詳しい捌き方と、それらの魚をおいしく食べる100を超えるレシピ、捌き方やおろし方の動画が見られるQRコードも掲載の最新刊『魚屋三代目の魚のおろし方と料理』(エイ出版社)が発売中。2023年4月、新鮮な魚介類を使ったお惣菜店「noboru 魚武商店」もオープン。

過去記事も読む

企画協力:レシピブログ

レシピブログ

テレビや雑誌で活躍する人気料理家やフーディスト・17,000名が参加する料理ブログのポータルサイト。毎日のおかずやお弁当、お菓子など120万件のレシピを無料で検索できる。

トップに戻る