
先日、フィンランドに行ってきました。理由は「サウナに入りに」です。
実は「sauna(サウナ)」はフィンランド語であり、フィンランドの文化なんです。
体験してみると、日本にある「風呂あがりの一杯」の発想と同じように、「サウナあがりの○○」が存在していました。
フィンランドグルメとは?
そもそもフィンランドの名物料理が謎ですよね。
最初に代表的なものを紹介しましょう。

やってきたのは「Ravintola KAMONE」。日本で売っているフィンランドのガイドブックにはほぼ100%掲載されているお店です。というのも、映画の舞台となったお店で、日本語メニュー完備、日本語ができる店員さんもいます。

まず紹介するのはこちら、魚料理です。フィンランドはバルト海に面しており、サーモンやニシンがよく食べられています。脂がのっていて、素材のよさを感じられました。ちなみに乗っかっているつぶつぶは木の実です。

そしてミートボールにかかっているのは甘みのあるベリーのソース。肉と甘いベリー……、日本人には馴染みのない組み合わせですが、なかなかうまい! 付け合わせのマッシュルームはしっかりした歯ごたえ、キノコらしい味わいがあってこちらもうまいです。
国土の約7割が森林のフィンランド、「森の幸」こそがお国のメシなんですね。
日本でいう秘湯的なサウナに行ってみた

ここはフィンランドの首都、ヘルシンキからバスで約40分、Kuusijärvi(クーシヤルヴィ)というところにあるサウナ施設です。
森のなかにあり、日本でいうところの山の温泉地のイメージですね。

この建物が脱衣場兼サウナ。昔ながらのスタイルであるスモークサウナが現存する数少ない施設です。スモークサウナは燃料がまきです。入っているとまきを燃やしたすすが出て、顔がちょっと黒くなったりします。

「サウナあがりの○○」の前に、フィンランドに来たからには体験しておかなければならないことがあります。サウナ後のクールダウン、湖へのダイブです。

やってみました。あらためて動画で見ると、かっこわる!!!
フィンランドのベテランサウナーたちは、水しぶきを上げることなく湖に吸い込まれていきました。
サウナあがりにビールは、世界共通だった!
サウナ→湖→サウナ→湖を満足するまで繰り返し「サウナあがりの○○」をいただきに、食堂にやってきました。

食堂にはガッツリとお腹を満たせるハンバーガー、サンドイッチから、サクッとつまめるお菓子が揃っていました。デザートにマフィンやスムージーなど、選択肢に幅があります。

そのなかから見つけました、フィンランドのビールです。この自然あふれる環境に相応しい、熊の絵柄が書かれた「KARHU(カルフ)」をチョイス。

すごくパンチがありそうな熊のイメージとは裏腹に、軽い口当たりでグビグビ飲める!
日本の風呂あがりの一杯と同じように、たっぷり汗をかいた後のビールはうまい!
サウナの後にビールを飲むだけで、なんだかフィンランドに親近感がわいてきました。
日本でいう銭湯的なところに行ってみた
「サウナあがりの○○」はビールだけではありません。
それを求めて首都ヘルシンキの公衆サウナに行ってみました。

こちらは「SAUNA ARLA(サウナオーラ)」。ヘルシンキ駅前からトラム(路線バス)に乗りHelsinginkatuで下車、徒歩1分ほどで到着です。日本の銭湯というとお寺っぽい建築ですよね。フィンランドは牢獄風の外観のようです(多分ここだけ)。

突然うかがった私に店主さんは快く対応してくれました。ここが銭湯でいう番台、ここから先は女性は1階、男性は2階に分かれます。ちなみに扉のところに置いてあるトマト、常連さんらしき人がさりげなく食べていたのでテイクフリーなようです。

店主さんがサウナ内の絵葉書をくれました。
こちらはサウナの手前にあるシャワールーム。シャワーやサウナが混雑している時、たくさんある椅子に腰掛けて待ちます。
奥の頑丈そうな扉がサウナです。サウナ内部のつくりは日本のものと大差はありません。フィンランドでは自分で温度調整できるのが特徴で、熱源であるアツアツの石に水をかけて温度をあげます。

サウナ後は中庭に出て涼みます。ビールを飲んでいる人もいれば、雨のなか新聞を読んでいる猛者もいました。実はここでの涼みの時間こそがフィンランドサウナの真髄。サウナユーザー同士でのコミュニケーションの場になっているのです。
ちょっと意外なフィンランド式「サウナあがりの○○」!!
「SAUNA ARLA」にあったのは、自由に飲んでいい水と自由に食べていいのかよくわからないトマト。でもこれが「サウナあがりの○○」ではないはず。ヘルシンキの市街を散策してみると、あることに気が付きました。

日本のカフェには通常ないものが写真中央にでーんとあるのにお気づきでしょうか。

街のカフェでもアイスクリームの品揃えが専門店並みなのです。ここ「ROBERT'S COFFEE(ロバーツコーヒー)」では全16種類。日本では考えられない品揃え!
「なんで右端の真っ黒なやつにしないんだ!」とメシ通編集部に怒られることは覚悟しつつ、比較しやすいバニラ味を注文してみます。

分量は日本のレギュラーサイズの1.5倍以上あるように感じました。そして甘い! 途中でお茶がほしくなりました。他の味はバナナやシトロンシャーベットなど馴染みのある味が多い一方、すごい色をしたものはフィンランド語表記で解読ができませんでした。

ヘルシンキ市街にはヨーロッパらしい町並みが残っています。こちらはヘルシンキ大聖堂。このような史跡等でアイスを食べるのもフィンランドっぽくていいですね。

ただし、カップルの邪魔をしないように気をつけましょう。
日本の風呂あがりの定番と一緒じゃん! いえ違うんです!
風呂あがりにアイスを食べる、日本でも同じじゃん! そうですね、同じです。
ただし、フィンランドと日本では気候が全然違います。

この写真は8月19日のヘルシンキ駅前。真夏のこの時期、平均最高気温は20℃、朝晩はジャケットが必要です。冬場は連日氷点下の日々が続きます。
そんな環境にもかかわらずフィンランド国民のアイスクリームの消費量はヨーロッパでは1位、全世界で見ても3位に入るというデータがあるのだそう。

フィンランド人のアイスクリーム愛を強く感じたのは、往復の飛行機で機内食を食べた後、デザートにアイスクリームが配られたこと。
街にもアイスクリーム屋さんが日本のコンビニに近い感覚で営業しており、いつでも手に取れる環境でした。

※日本のサウナです
普通に考えて、寒いところでアイスクリーム食べたくないですよね。それでも愛されているのは、どう考えても長い間サウナという熱源がフィンランドにあったからに違いありません。
日本にもフィンランドのアイスクリームのように、文化が育んだ食べ物がありますね。風呂あがりの牛乳、コタツのミカン、土用の丑の日……いろいろ思い浮かべるとあるものです。
異国での体験を通して、自国の食をあらためて見つめなおす。海外ではそんな「調味料」をゲットできるのです。海外旅行ではぜひ独自の食を楽しんではいかがでしょうか。
お店情報
Ravintola KAMOME
住所:Pursimiehenkatu 12 00150 Helsinki
電話番号:+358 (0)9 657 422
営業時間:月曜日~金曜日11:00~14:30、17:00~22:00(金曜日は22:30まで) 土曜日17:00~22:30
定休日:日曜日
ROBERT'S COFFEE
住所:Aleksanterinkatu 52 00100 Helsinki
電話番号:050 305 4754
営業時間:平日9:00~21:00、土曜日9:00~19:00、日曜日11:00~18:00(stockmanの営業時間による)
Kuusijärvi Sauna
住所:Kuusijärventie 3 01260 Vantaa
電話番号:+358 10 322 7090
営業時間:レストラン9:00~21:00、電気サウナ9:00~20:00、スモークサウナ15:00~20:00
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。















































































































































