古風な街並みとイスラムカルチャー
博多駅からJR線に乗り、北九州方面へ向かって2つ目の駅「箱崎駅」。
箱崎はかつては学生街であり、老舗の喫茶店なども残る風情ある街です。
そんな箱崎の街を歩いていたところ、何やら気になるものが……。
どうやら、モスク(イスラム教の礼拝堂)のようです。
駅から歩いて3分の場所ですが、箱崎にイスラムの文化があったのですね。
さらに、その近くに飲食店らしき建物を発見!
ハラルフード マルハバ!?
とりあえず入ってみると、お米や調味料など食料品を売っているお店のようです。
眺めていると、丁寧で流暢な日本語で迎えてくれたのが、こちらの店主・ジャマルさん。
お店について話してくれました。
「もともと4年前にハラールショップ(イスラム教の中で、食べることが許されている食材を売るお店)としてオープンしました。ですが、仕事の合間に自分が調理したものを食べていたら、それを見ていた日本人のお客さんから「おいしそうだから食べさせてほしい」という声があって評判になり、料理も出すようになりました。そんな経緯で2年前から料理の提供を始めたので、一般的なレストランとは異なります。メニューは2〜4種類だけですが、何が出るのかは日によって変わります(店主・ジャマルさん)」
なるほど。その日の仕入れによってメニューを変えているのですか?
「いえいえ、その日に私が食べたいと思ったものを出しているんですよ」
すごい! 完全に店主都合で動いてるのですね!
「ハハハ、そうなんです。何が出てくるのか来店してみないとわからないのに、ありがたいことに多くのお客さんに来てもらっています。ただ、人気メニュー「ビリヤニ」はお客さんからの要望もあり、毎週、金土日に出すようにしています。それでも「チキンビリヤニ」なのか「マトン(羊肉)ビリヤニ」にするかはその日の気分ですが」
メニューはジャマルさん自身が本当に食べたいものしか作らないので、出来合いのものはなく、どの料理も手間がかかったものや品質のいい食材を使ったもの。
牛肉に関しては、ハラール処理された高品質な和牛をわざわざ群馬から仕入れているそうです。
本場の「マトンビリヤニ」に舌鼓
そして、今日のメニューはこちら。
今回は「マトンビリヤニ」「チキンカライ」を注文しました。
1皿目は「マトンビリヤニ(1,500円)」。
九州のインド料理店ではあまり見かけない「ビリヤニ」です。
お米は細長く、弾力のあるパキスタン米。そして後からじわじわくる、ほどよいスパイスの調合。
見た目のインパクト以上に、辛くてうまい!
マトンもぜいたくにゴロゴロ入っています。
よく「マトンは匂いがあるから苦手」という声を聞きますが、こちらは匂いがほとんどしません。非常に柔らかいですし、上質なマトンを使用しているのでしょうね。
ご飯の量が多いのですが、同じ味に飽きてきたらヨーグルトソースをかけて味を変えることも可能。
青唐辛子や玉ねぎ、きゅうり、ミントなどさまざまなものが入ったソースですが、青唐辛子の辛さが効いてますね!
スパイシーなチキンにはロティを
2皿目は「チキンカライ(1,500円)」。
日本の「カレー」とは異なり、ルーではなくスパイスとトマトを炒めたもので、「ビリヤニ」より少し辛いです。「チキンカライ」とはよくいったものですね!
先ほどのマトンもそうでしたが、こちらに入っている鶏肉も骨ごと豪快に煮込まれており、独特の風味が食欲をそそります。
こちらのメニューはライスかロティを選べるので、ロティを選びました。
ロティはパン状のもので、日本でなじみのあるナンに似ていますが、ナンよりも薄くサクサクしています。
こういうパンチの効いた味わいには、ボリュームのあるナンよりもロティの方が断然マッチする気がしてきました。
料理はどれもボリューム満点ですが、食べきれなかった分はお持ち帰りもできます。
本格的なパキスタン・インド家庭料理店は国内では珍しいので、口コミや雑誌、ウェブサイトなどで関西や関東からも多くのお客さんが来られるそうです。
毎週金曜日の13時から15時はモスク帰りのお客さんで店内がいっぱいになりますし、売り切れ次第料理の提供は終了するので、来店する際は事前に電話確認した方がいいかもしれませんね。
お店情報
ハラールフード マルハバ
住所:福岡県福岡市東区筥松3-10-13
電話番号:080-3224-9864
営業時間:11:00〜21:00、毎週金曜日のみ12:00〜21:00(料理は売り切れ次第終了)
定休日:不定休
Facebook:ハラールフード マルハバ
※この記事は2017年1月の情報です。
※金額はすべて税込みです。