「牡蠣のおいしい食べ方」について美人ママさんに教わってきた【美人ママさんハシゴ酒】

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美人ママに教わる「もっとお酒がおいしくなる牡蠣の食べ方」【美人ママさんハシゴ酒 19

カメラマンの沼田学さんが、「僕がよく行く、牡蠣のおいしいお店に美人ママがいますよ」とのこと。

もっと早く言ってよぉ、牡蠣の旬って冬でしょ?

「なに言ってるんですか、今は牡蠣って、一年中おいしいんですよ」と笑う沼田カメラマン。そ、そうなんだ、知識のないのが露呈して恥ずかしぃ。

というわけで、取材にうかがうことにしたのです。

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世田谷線松陰神社前駅から商店街を南へ1分も歩かないうちにある「マルショウ アリク」

おっと、開店前ですね。すみません、こんにちは。

オーナーの廣岡好和(ひろおかよしかず)さんが開店準備に追われていた。

「ヨッシー、よろしくね」

沼田カメラマンは、彼のことをヨッシーと呼んでいます。僕もヨッシーって呼ぼう。 

 

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ママはまだいらっしゃっていないので、ヨッシーさん、本日の牡蠣を見せてもらってもいいですか?

 

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おおっ。壮観ですね。

これって生きているんですか?

「はい、生きてますよ。仮死状態といえばいいですかね」

ところで、「マルショウ アリク」という店名変わってますよね。

「マルショウというのは、丸に商い、商店のことです。アリクというのは古語で『歩く』ということなんです。また、『在り来』という字を書いて、変わらずにずっと存続するという意味もあったようです」

 

なんだか、いろいろこだわりがあるお店なんですね……なんて話をしていると、おっと、美人ママ登場だ。

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本業は女優さんだそうだと事前に得ていた情報をぶつけてみました。

 

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「お店では、本業とは区別しているんです。ですから、ここでは、マユという名前でやっています。はい、おしぼり」

おお、ありがとうございます。

ところでママ、乾杯したいのですが、なにを飲まれますか。

「え、私、ママじゃないので」

あ、すみません。では、マユさん、なにを飲まれます?

「では、レモンサワーで」

それじゃ、僕も同じものを!

 

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さっそくレモンサワーを作ってくれたマユさん。

レモンの絞り方が力強くて素敵!

 

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カンパーイ!

それじゃ、さっそく牡蠣をいただきましょうか。

 

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やはり、この「牡蠣の食べ比べ三種盛り」から行きましょうか。これ、毎日、内容が変わるんですよね。

ちなみにこのメニュー、絵本にメニューが貼りつけられています。

「きょうは下関の牡蠣もありますから」とヨッシーさん。

なんだかうれしいね。ちなみに僕は生まれたのが下関なので、こんなペンネームをつけているんです。

 

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おっと、さっそくヨッシーさんが、牡蠣を取り出して調理にかかっている。

そういえば、祝3周年の文字が店内にありますね、このお店は3年目なんですね。

こちらのお店を始める前は?

「築地にある、牡蠣や鮮魚を扱う会社で働いていたんですよ」

なるほど、だから牡蠣には詳しいんですね。

 

ちょっと手元を見てみましょう。

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さすがに手際がいいですね。

自分も何度か牡蠣をむいたことがありますけど、けっこう難しいんですよね。

 

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今回の牡蠣はこちら。牡蠣もブランド化が進み、いろいろなものが出ているんですね。

自分でむくと、お店みたいに美しくならないんですよね。

 

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「たぶん、“向き”じゃないですかね。殻にはこんな形でついているんですよ」 

 

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「それを裏返して盛り付けるんです」 

 

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あー、なるほど。

お店で出されるのはこの白いほうが上だもんね。なるほど、むいてひっくり返すのか。

 

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おお、出来上がり。 

 

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レモンサワー500円)、牡蠣の食べ比べ三種盛り1,500円)

では、いただきましょうか。まず、一番右。

大振りの三重県の桃小町。

 

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レモンをかけていただきますか。

 

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おっ、磯の香りが、広がりますね。

 

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ちゅるちゅる~と吸い込みます。

 

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へえぇ、これ、めっちゃおいしいじゃないですか。

 

58年生きてきたけど、こんなおいしい生牡蠣を食べたのは初めてかも。ものすごくおいしい。

 

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んでもって、レモンサワーにあうぅ。いやぁ、いいねぇ。

あと、2個あるぞぉ。と、マユさんが

「ちょっと変わった食べ方をしてみます?」

と誘惑する。なになに、どんな食べ方?

「じゃーん!」

 

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おっ。それは胡椒ですね。

それを山口県の才川にたっぷりかけるんんだそうです。

 

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あ、ヨッシーさん、これが下関の牡蠣ですね。

「はい、そうです」

 

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そ、そんなに?

 

そして、ヨッシーさんが「これすぐに飲んでみてください」と何やら注いでくれてます。

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それなんですか?

「ウィスキーです」

えっ、ストレートで? 

 

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それでは、これを口に入れてから、ウィスキーで流し込む。

 

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おやおや、これはどういうことだろう。

まず、あれだけかけられた胡椒をほとんど感じません。

で、ストレートのウィスキーなのに、口あたりがまろやかで、なんならボトル1本飲めそうなかんじです。

こりゃ、不思議。

 

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「それじゃ、もう一個にはこちらを」とマユさん。

それはなんですか?

「ハバネロです」

 

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「これは数滴でじゅうぶんですよ」とヨッシーさん。

 

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激辛スパイスで有名なハバネロを数滴かけてから……。

 

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「そして、これに合わせるのは白ワインですね」 

 

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あれれ?

辛さはまったく感じません。

なんだか、さわやかな味覚が口に広がりますね。そして、白ワインが心地いいです。こういう食べ方をすると、牡蠣の味が変わるというよりはお酒の味が変わるんですね。

はい、実はこのあたりから記憶がございません。

いつの間にか岩牡蠣を注文していたようです。

 

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岩牡蠣、すごく大きいのです。

 

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長崎の岩牡蠣1,280円)

 

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マユさんに持ってもらったりしてます。

 

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なぜか、沼田さん、マユさん、僕で食べようと言ったら、ヨッシーさん、三等分に切ってくれてます。

まずは、マユさんから。

 

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うれしそうなマユさん。

 

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いやぁ、この表情を見れば、おいしいのわかりますね。

 

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味いかがですか?

 

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「初めて食べましたけど、おいしいです。味が豊かですね。甘いとかしょっぱいを通り越して、5次元のおいしさです」

いやぁ、表現力が豊か!

でもって、どういうわけか、この日のお通しが蒸し牡蠣だと聞いて、それもくださいって言ってます、あたくし。

「いつも牡蠣がお通しというわけじゃないんです。むしろ牡蠣がお通しのというほうが珍しいですね」

 

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レモンサワーとともにいただきました。

 

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もう、真っ赤な顔して牡蠣をいただいてます。

牡蠣は、生もいいけど、蒸しにするとよりいっそう牡蠣の味が引き出されますね。

 

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「私、ヨッシーの絵を描いたんですよ」

 

そう、この界隈はアーティストの方々が多く、お店のあちらこちらに作品らしきものがあります。それを見るだけでも楽しいですね。

なんだか、楽しいお店だ。かなり酔っぱらって、実は後半まったく覚えておりません。すみません。

 

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マユさん、またくるね。

あら、どういうわけか牡蠣の顔出しがありました。記念写真を!

 

美人ママFile #019

「マルショウ アリク」マユさん

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お店のモットーを教えてください。

そのときそのときの瞬間しか共有できないので、ぜひ、来てみて体験してください。

 

ママさんの好きな男性のタイプは?

やさしくて、自分の夢を持った人。

 

自分の性格をひとことで言うと?

素直だけど、ややこしい(笑)。

 

いちばんの得意料理はなんですか?

オムライス&パスタですかね。

 

どんな言葉で口説かれたらドキッとしますか?

言われたことないからわかんないです。いや、言われているかもしれないけど、照れて、耳をふさいじゃってるかも。

 

『メシ通』の読者にひとことお願いします!

このお店は知れば知るほど知るほどクセになりますよ。

 

お店情報

マルショウ アリク

住所: 東京都世田谷区世田谷4-2-12 共悦マーケット
電話番号:03-6432-6880
営業時間: 17:0023:00
定休日:月曜日
Facebook:マルショウ アリク

※この記事は2017年5月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

写真:沼田学

 

書いた人:下関マグロ

下関マグロ

1958年生まれ。山口県出身。出版社、編集プロダクションを経てフリーライターへ。『東京アンダーグラウンドパーティー』(二見書房)、『歩考力』(ナショナル出版)『まな板の上のマグロ』(幻冬舎)など著書多数。

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www.hotpepper.jp

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※この記事は2017年5月の情報です。

 

書いた人:なかむらみつのり

なかむらみつのり

ラーメン好き。漫画とか描く人。自治会役員。1999年ヤングマガジンギャグ大賞 優秀賞受賞『ハゲ60W』にてデビュー。単行本『びんぼうまんが家!都内で月3万の3DKに住んでます』(芳文社)、『出版業界すっとこ編集列伝』(アスキーメディアワークス)など。

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タヒチ在住24年日本人夫婦が愛する「まぐろのSASHIMIソース」とは?

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寿司が世界のSUSHIになってから、生魚を食べることへの抵抗がなくなった外国人はきっと多いことでしょう。しかし日本から約1万キロ離れた南の島タヒチでは、SUSHIが世界に認められる前から、レストランでも家庭でも「SASHIMI」が食べられてきました。呼び名もそのまま「SASHIMI」です。

 

フランス領ポリネシア、通称タヒチ。南の楽園とうたわれ、美しいラグーンに囲まれた島に浮かぶ水上コテージは、ハネムーナーの憧れでもあります。ゴーギャンが晩年を過ごした地でもありますね。

 

四方を海に囲まれているため漁業が盛んで、南太平洋で収穫されたまぐろの多くは日本へ輸出されるそうです。そしてもちろん、タヒチアンも日常的に魚を食べます。一般的なのはまぐろの赤身(赤身のみ、トロは好まれません)と白身魚のシイラ(現地ではマヒマヒと呼ばれます)など。

シイラはソテーするメニューをよく見かけますが、まぐろは生のままが好まれます。冷水で締めてライムとココナッツであえたポワソン・クリュはタヒチを代表する料理のひとつですし、SASHIMIもタヒチの食生活になくてはならない存在です。

 

ただ赤身のため、味わいはあっさり淡白。そこで現地ではしょうゆ&わさびのほか、タヒチならではのSASIHIIソースでも食べられます。これがおいしいのです!

 

市販もされていますがどのお店、どの家庭にも「うちの味」があり、固定のレシピがあるわけではありません。しょうゆ、オイスターソース、マスタードの3種はほぼ共通で使われるようですが、その分量もまちまちだし、それ以外にケチャップ、にんにく、コショウ、砂糖などは入れたり入れなかったり。

 

そこで今回はタヒチのランギロア島に24年間住んでいた夫婦おすすめのレシピをご紹介します。


こちらは奥様。ご協力ありがとうございます!

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ランギロア島で暮らしていた頃は、まぐろは知り合いの漁師さんから買っていたそうです。価格はフィレ(切り身)が1キロ約1,000円。首都パペーテのあるタヒチ島でもほぼ同じか、もう少し安いお店もあるかもしれないそうです。さすが現地、日本より安い! あ、でもタヒチの物価は基本的にとても高いです。

 

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まずこちら、日本で食べるまぐろの赤身の刺身。

 

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タヒチでは薄くスライスします。肉でいえばそぎ切りみたいな感じ。柵ではなく、スライスされたまぐろを買ってください。まぐろの形状は結構大事なので、ここは守ってくださいね。

 

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まぐろは薄めにスライスし、キャベツの千切りの上に並べて一緒に食べるのがタヒチ風です。ツマが大根じゃなくてキャベツというわけです。あらかじめお皿にこんな風に敷いておきます。

 

ではソースのレシピです。

ソースはキャベツのドレッシングにもなるので、やや多めに作るのがおすすめ。

 

【材料】(まぐろ400~500g分くらい)

  • しょうゆ 40ml
  • オイスターソース 大さじ1
  • 砂糖 大さじ1/2
  • マスタード 小さじ1
  • 白こしょう 適量
  • サラダ油 適量
  • きざみにんにく 適量

※このほか、ショウガやレモン汁を加えるのもOK、サラダの代わりにごま油を使う人もいるそうです。

 

これらを全部よく混ぜます。それでできあがり!

 

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まずは刺身を盛り付けて……

 

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右手が上記のレシピで作ったSASHIMIソースです。

 

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夫妻に教えていただいたレシピはしょうゆの比率が大きいので、比較的「和」の要素が強め。といってもマスタードやオイスターソースが入っているし、赤身によく合うおいしさです。


まぐろを薄めにスライスするからソースとよく絡むし、下に敷いたキャベツと一緒に食べやすいです。薄切りにはこういう意味があるのです。

 

タヒチのレストランと家庭の数だけレシピがあるようなソースなので、もう1種類、「洋」の要素が強めのレシピもご紹介しておきます。写真では左側のソースです。

 

【材料】(まぐろ400~500g分くらい)

  • しょうゆ 30ml
  • マスタード 大さじ1
  • オイスターソース 大さじ1
  • 砂糖 大さじ1~大さじ1.5
  • ケチャップ 小さじ1
  • サラダ油 適量
  • きざみにんにく 適量

 

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こちらのほうがややこってり。とろみもあります。

 

いずれのレシピも分量は自分好みにどんどんアレンジして、「マイベストサシミソース」を見つけてください。人によってはマヨネーズを加える人もいるかもしれませんね。ごま油を使えば、少し中華っぽくなります。

 

このソースで食べると、安売りしている赤身もおいしく食べられます。まぐろ以外でも、脂の乗っていない魚ならよく合います。特別な材料はなにひとつ使わず作れるので、自宅でタヒチ気分、味わってください!

 

※この記事は2017年5月の情報です。

 

書いた人:椿あきら

椿あきら

猫の下僕をしているライターです。猫と暮らすようになってから、断然家飲み派になりました。著書に『オリンピックと自衛隊 1964-2020』(並木書房)。

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ホヤってうまいの?どうやって食べる?ほやほや学会会長にいろいろ聞いてみた

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突然ですが、ホヤです。

海のいきもの、ホヤ。食べたことありますか?

岩手宮城の沿岸部ではメジャーな食材。最近では東京近郊のスーパーでも並ぶようになってきましたね。

 

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独得の香りと潮の味がホヤの魅力ですが、形状もふくめてやっぱり……好き嫌いが分かれるだろうなあ。いや、「食べたことない」という人が多数なのかも?

ツイッターでアンケートをとってみたところ、こんな結果になりました。

 

 

総数は1050票。そのうち、

  • 食べたことある→44%
  • 食べたことない→56%

おや、わりにホヤ体験あるものですね。未体験56%中、30%の方が「きらいじゃないよ」という反応なのもうれしい結果でした。今回レポーターをつとめます私、白央(はくおう)も宮城県出身。ホヤは小さい頃から、身近な存在でした。

 

ほやほや学会とは?

今回は、5月頃からどんどんおいしくなるホヤの魅力をお伝えしたいと思います!

水先案内人はこのかたです。

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ほやほや学会 会長 田山圭子さん

ほやほや学会というユーモラスな名前の団体は2014年、宮城県・女川町を訪れた有志と地元加工会社の方々など10人によって結成。

宮城は東日本大震災の前、国内ホヤ生産の約8割を占める県で、中でも女川町は県内屈指の養殖地でした。波によって壊滅的被害を受けた現地の状況を目の当たりにして、「ホヤを買い支えることで浜の復興を!」という思いから発足されたのだそう。

 

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さて、ほやほや学会のみなさんは現在“ホヤファン”を増やすべく活動されてるそうですね?

 

田山:ええ。こんなポテンシャルのある食材はありませんからね! ホヤには五味、つまり「うま味、苦味、酸味、甘味、塩味」すべてが詰まっているんですから」

 

田山さん、のっけからすごい熱量!

 

田山:万人受けする食材じゃないのはわかっているんです。でもそれって、裏を返せば「好きな人には唯一無二」の存在になりえるということ。鮮度のよい上質なホヤを多くの人に味わってもらって、ホヤ好きを増やしたいんです。まずは東京で、おいしいホヤに出合えるお店にお連れしますよ!」

 

つ、ついていきます!

 

ホヤをまずは刺身&天ぷらで

ということで、田山さんが紹介してくれたお店がこちら。

門前仲町にある「三陸港町酒場 女川男(おながわまん)」です。

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田山:こちらのお店は、女川町認定居酒屋なんです。宮城県ゆかりのお店は他にもありますが、ホヤ料理がここまでそろうお店はそうそうありません。鮮度のいいホヤを楽しめます。

 

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メニューを開けば、確かにホヤ料理がいっぱい!  お、まずは刺身が運ばれてきましたよ。

 

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ホヤの刺身(600円)

いいホヤだなあ! 身は柔らかいけどグニャッとしてない。この違い、大事なんです。口に広がる海の味、そして亜鉛感。「ホヤ食らってる!」という充足感に満たされます……ああ、なつかしい味だ。

 

田山:昨日水揚げされて、今日届いたホヤです。赤い色が鮮やかでしょう? 鮮度が悪いとドス黒くなるんです。おっしゃるとおり、ホヤはカキ同様、亜鉛などのミネラルを含んでいます。また、アミノ酸の一種で疲労回復によいといわれるタウリンなども含まれ、栄養価の高い食材でもあるんですよ。

 

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つづいては、ホヤ刺 天ぷら(700円)

 刺身でもいけるところを揚げちゃう。ぜいたくだなあ。大葉で巻かれてあるんですね。これはずいぶんと食べやすい。香りがやさしくなるんですね。

 

田山:加熱すると香り成分がほどよく飛んで、食べやすくなるんです。ホヤ初体験の人に一番好評なのが天ぷらですね。

 

うま味凝縮! 蒸しホヤ

田山:あ、私の好物が来ましたよ!

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田山さんが思わず身を乗り出したのがこちら、蒸しホヤ(650円)

その名のとおりホヤを蒸しあげたもので、身がキュッとしまってます。

 

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内側の部分を食べます。田山さんに実践してもらいましょう。

 

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こんなふうに上下の部分をつまんで……

 

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パクリと!

田山さん、いい表情ですねえ、さすが学会長だ。

 

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しかし蒸しホヤ、うま味が凝縮されて……いいもんですねえ。蒸すことで食感もしっかりして、かむほどに味わいが出てきます

宮城の内陸部のほうにはホヤを吸い物に入れてダシにする地域があるんですが、納得のうま味。知人でも「ホヤは苦手だったけど、蒸しホヤでうまさに目覚めた!」って人、いたなあ。

田山さん、写真のとおり薄皮までしゃぶっていました。ここにもうま味があるんですよ……ふふふ」とご満悦(笑)。マネしてみれば、たしかに!

 

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ご覧ください、このきれいな食べ方!

 

田山:私はいつもこうですよ(笑)。

 

日本酒を誘う、ホヤの魔力

田山:さてこんなにホヤを食べると……お酒飲みたくなってきませんか?

 

は、はいィ!! 実はさっきから飲みたくしてしょうがなっかったんです!!!

 

田山:ですよね。私も大の日本酒好き、ホヤにハマったのもおつまみとして素晴らしいな、と思ったからなんです。

 

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メニューには全国の日本酒がたっぷり、もちろん東北のお酒が充実です。

 

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田山:私のおすすめは宮城県石巻市のお酒、「墨廼江(すみのえ)」と「日高見(ひたかみ)」です。石巻は海側のまちで、ここでつくられるお酒はやっぱり海のものとよく合うといわれます。ホヤとの相性もばっちり!

 

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そんな日本酒に合わせたいホヤつまみがこちら、ホヤのバター焼き(650円)

貝殻にのせて焼かれたホヤはうま味も倍増。ひと口かじって日本酒を含めば、口の中でうま味がふくらむふくらむ!

あ、ちょうど店内のBGMがさとう宗幸の『青葉城恋唄』になりました(宮城県ご当地ソングの代表格)。ああ……なんという東北感……帰りたくなっちゃったよ、俺。

ホヤを愛する人よ、ぜひ門前仲町へ!

 

無限の可能性を秘めるホヤ

シメにはぜひ、ホヤめし(480円)をお試しあれ。

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こちらも食べやすく、ホヤ初心者におすすめしたい味わい。海の塩気とホヤの味がごはんに染みまくってます。

 

しかし……こんなにホヤって、いろんな料理に使えるものなんですね!

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田山:そこなんです! ホヤって、刺身だけのイメージありませんか?

 

はい。仙台市内でも、ホヤ料理といえば刺身か酢の物のイメージしかない人、少なくないと思います。

 

田山:そう。現地でも「ホヤは酢の物」「酒のつまみ」「夜に居酒屋さんで食べるもの」って考えが少なくない。ホヤの行く末はこれじゃ広がりません。ホヤは、いろんな食べ方ができる食材です。たとえば、トマトやチーズとの相性もいい。韓国だとコチュジャンを使った料理もあるし、ビビンパに入ったりもする。フランスではブイヤベース的な料理で使われたりもするんです。

 

えっ、日本以外でも食べられているんですか!

 

田山:意外ですよね、やっぱり。食べられています。ほやほや学会はいろんなホヤの食べ方を提案して、東北以外でもホヤ料理がもっと食べられていくようになったらいいな、と考えています。せっかく女川町で養殖が復活しても、購買が増えなければ意味がないし、復興は進みませんからね。

 

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そんな思いから田山さんは日々、ホヤ料理を研究されているそう。ジャンルを問わずいろんな料理に使って、味見をくり返しているのだとか。スマホにはその研究成果がいっぱいでした!

 

田山:アボカドとタルタルにしたのもおいしかったし、ジェノベーゼ(バジルを使ったパスタソース)に加えたのもよかったですよ。シュウマイの肉あんに加えたのも美味。もっともっといろんなレシピを考案して、ホヤの良さを広めていきたいです。飲食店にも積極的に伝えていきたい。「ホヤはお店の価値を高める食材です」と説得できなければ、売り込めませんからね!

 

田山さんは東京都出身、「だからこそホヤに特定のイメージがなくてよかったのかも」という言葉には胸をつかれました。仙台育ちの私、ホヤに固定概念もってたんだなあ。

「ホヤを広めるためには、誰よりもホヤを知って、誰よりもホヤ料理にチャレンジしたい」

と意気込む田山さん。ホヤのアレンジ料理の数々、また機会があったら『メシ通』でもお伝えしたいと思います。

ホヤ未体験のかた、そしてあまりよいイメージのないかた、まずは門前仲町でホヤ料理、試してみませんか? 以前のように盛んに育てられている女川町のホヤ、味わってみてください!

 

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お店情報

三陸港町酒場 女川男(おながわまん)

住所:東京都江東区富岡1‐24‐6 2F
電話番号:03-5646-5250
営業時間:17:00~24:00
定休日:不定休
Facebook:https://www.facebook.com/onagawaman/

 

大阪出張時に訪れるべし! 新大阪駅構内の「海鮮が安いだけの店」でサク飲み【大阪】

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こんにちは、メシ通レポーターのケメコです。

わたしは大阪在住なのですが、たまに東京出張がありまして、そんな時新大阪駅で軽く呑んで帰るのがとても好きであります。
「仕事、終了…!」という開放感に浸りながら呑むビールのうまさは格別です。

そんな新大阪駅構内に2016年3月、「新なにわ大食堂」という飲食スペースがオープンしました。普段使うルート上にはない場所だったのでスルーしていたのですが、先日ふと気が向いて訪れてみたところ、こんなものを発見。

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え、ストレート……! 気になる。

今回はこの「魚屋スタンドふじ」が、本当に「海鮮が安いだけの店」なのか調査してきたのであります。

 

含み一切なし! 気持ちいいぐらいどストレート

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でましたドーン。
「魚屋スタンドふじ」という店名よりも、「海鮮が安いだけの店」というキャッチコピーの方が目立っています。

 

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潔いとはこのこと!!

この「魚屋スタンドふじ」の何が味わい深いって、含みをもたせた美しい日本語、的な表現とは一線を画した直球どストレートなキャッチコピー。

 

「海鮮が安いだけの店」もそうですし、これ見てください。

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朝から 呑める 素晴らしい

この、それ以上でもそれ以下でもない、いってしまえば身もふたもないこのキャッチコピーたまりません。そして、朝から呑めるのは間違いなく素晴らしいです。

 

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スタンドとはいっても、立ち飲みではなくカウンターを中心としたお店。テーブル席もあるので、複数名で訪れてもテーブルを囲んでワイワイ楽しめます。

お店に入ると、店員さんたちが「いらっしゃいませ!」と威勢よく迎え入れてくれました。とても活気がよくワクワクしてきます……!

 

さて、メニューを見てみましょう。

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おおっ。たしかに安いぞ。多くのメニューが300円台(※税抜)です。こりゃ期待できる。

 

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生ビールも安いではないか!! いい、これはいいですよ(ごくり……)。


「海鮮が安いだけの店」、本領発揮!!

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まず登場したのがこちら。こんな立派なの頼んでないけど……と思ったら、なんとお通し(324円)でした。え、でかい!


居酒屋さんのお通しといえば、切り干し大根とかちょっとした煮物が小鉢で出てくるぐらいじゃないですか。なのにこれですよ。

ではさっそく。

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身、ほろほろーーー!!!!
甘辛い煮汁が染み渡っていて、たまらないおいしさ。身もたくさん付いていて食べどころ満載。

 

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豆腐もしゅんでるぅ。はぁーーしみじみ、うまい。
というか、お通しとビールとかでわりと満足できる感じです。これはすごい。のっけから期待以上。

 

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続いて登場したのが、お刺身、大阪魂 魚盛り(1,058円)


その日によって魚が違うのですが、この日は中トロ、太刀魚、つぶ貝、青アジ、カンパチ、エビ、クジラの8点盛りでした。
何がうれしいって、これお値段据え置きなんです。時価とかじゃないんです。いよっ明朗会計!!

 

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でました。直球どストレートで含みなしの「おいしい醤油」に付けていただきます。

 

とはいえちょっと心配でした。刺身は鮮度が命で、時間が経つと途端においしくなくなるのは知っています。今でこそ大阪在住ですが、地元は福井県。日本海、リアス式海岸の荒波でもまれた鮮度たっぷりの魚介は地元で食べると新鮮でとてもおいしいのですが、都会に出てくるとウーンチョット……となることが多いのです。

都会の魚を食べて衝撃を受けるって、海沿いの街で育った子どもたちのあるあるだと思うんですが、どうですか。

 

そんな気持ちにもなりながら、まずは中トロをいただきます。

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…… 

……えっっっっっっ!?!?!?!?

すんごいおいしいーーーー!!!!!
なんだこれ、びっくりしました。ほんとにおいしいです。
うま味たっぷりの脂が口の中に広がり、クサみもなし。舌に絡みつくような濃厚さを保ちながら、すっきりといただける中トロの刺身です。これ、すげえええ!!

 

刺身、どれもこれもおいしい。カンパチも太刀魚も適度にかみ応えもうま味もあって抜群。青アジはなんだかとっても味が濃いし、つぶ貝はコリッコリ。

我を忘れて一心不乱に刺身をむさぼります。普通だったら数人で食べる盛り合わせをひとりで食べるこの贅沢よ。

大好きなエビを。

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ぷり甘ーーーー♡
石川県・能登で獲れる「トキエビ」という品種だそうで、普通の甘エビよりもぷりっぷりしてる印象。きっと鮮度がいいからなんでしょうね。

 

変わり種、くじらが入っていることもあります。

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おおお!!! 肉と魚の間みたいな、コクのある身でとってもうまいー!

すごい……この店、刺身のポテンシャル高すぎます。


「魚屋スタンドふじ」は、水産会社直営のお店。長年のノウハウがあるからこそ、問屋価格で新鮮でおいしい魚が味わえるというわけです。

 

まだまだ続きます。

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▲名物! 鯛とうふ蒸し(421円)

 

鯛(タイ)のお頭と豆腐、わかめをふっくら蒸しあげた一皿なのですが、これ、まずめちゃめちゃデカいです。
シンプルにポン酢で食べるやさしい味わいで、日本酒がすすみそう。鯛のうま味が染み出ただし汁がまたうまいのなんのって。

 

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▲だし巻き(302円)


302円だからと侮るべからず。でかいです。

 

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だしの味わいがしっかり感じられて、ふっくらおいしい期待通りのだし巻きです。みんな好きなやつ。

 

そして、お待ちかねのこちら!

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▲カマ塩焼き(421円)


20分間じっくりゆっくり焼き上げて提供されます。またしてもデカい!!! 魚の種類は日によって変わり、この日はハマチでした。

たっぷりついた身をほじって……

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香ばしい! そして脂がじゅわっ! 身はふっくら!!
骨まわりのおいしい場所をしっかり堪能できます。身だけでなく皮も香ばしくておいしいので、お箸でなくて丸ごとかぶりつきたい感じ。このクオリティでこの金額って、相当すごいです。

 

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魚パーティー!!

 

4品とお通しだけでこのボリューム。2人前ぐらいでしょうか。とにかく一皿が大きいので、ひとりだと2品+お通し、サク飲みなら1品+お通しだけでも十分かも。

さて気になるお会計はというと……

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2,528円!!!

2人でこの金額と考えたらかなり安いですよね?

しかも魚は新鮮で本当においしいときているので、まじでコスパ最強です。

さらに、不定期なのですが賑わう時間帯にはタイムセールを行っているので、さらにお安くいただるそうですよ!

 

「魚介が安いだけの店」とうたっていはいますが、いやいやチョットご謙遜を……と言いたくなるおいしさ。どれを食べても間違いない、安心感のあるメニューがそろっているのもうれしいところです。

 

大阪在住の方はもちろん、出張で来阪した際にもぜひ訪れていただきたいお店。

ここはひとつ、含みなしで言いたい。

 

安くてうまくていっぱい呑み食いできて最高だー!!

 

お店情報

魚屋スタンドふじ

住所:大阪大阪市淀川区西中島5-15-5 新なにわ大食堂
電話番号:06-6151-9444
営業時間:10:00〜23:00(LO 22:30)
定休日:無休

www.hotpepper.jp

※この記事は2017年5月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:ケメコ

ケメコ

福井県出身、大阪府在住。某エンタメ系企業にて雑誌編集に携わり、その後コピーライターを経てフリーランスに。大衆居酒屋から小洒落たカフェまで、うまいと聞けばどこへでも突入。ゆえに体重増量中。

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肉々しいマグロと、迫力満点の解体ショーに打ちのめされる【日本橋馬喰町たいこ茶屋】

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見た目は肉、その正体は……

ども、メシ通レポーターの松沢直樹です。
今日もおつかれさまでした。

ビールで乾杯の前に、いくつか料理を頼みましょうか。
とりあえず、煮込みとかどうかな?

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あら、よく煮込まれていて、いい感じじゃないですか。

 

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そうそう。スタミナつけたいなら、揚げ物はマストだよね。
串カツですか。いいじゃないですか、いいじゃないですか。

 

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レバーは貧血とか疲れにもいいらしいっすよ。濃厚でまったりしたタレ味のレバーは、ビールでも日本酒でもいけますよね。

 

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まだまだ、お肉食い足りないよね? ステーキも追加しましょうよ。
きたきたきた。ボリューミーで最高じゃないっすか!

 

さ、料理はとりあえずこんなところで。
生ビールを人数分頼んで乾杯しましょうか。

おつかれさまでした。かんぱーい。

 

あいや!
その乾杯、しばし待たれい!

 

せっかく盛り上がりかけたところで、水をさしてしまってスミマセン。

実は、この料理、ぜーんぶお肉じゃないんです。マグロ料理なんです。
一番上から「マグロの皮と筋の煮込み」「マグロの串カツ」「まぐろの心臓の串焼き」「マグロのほほ肉のステーキ」

でも見た目、完全に「お肉」でしょ?

 

10キロ級キハダマグロが!

これだけ、肉々しいマグロ料理を出すお店とはなんぞ?
東京は日本橋馬喰町にあります居酒屋さん「たいこ茶屋」です。

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ほぼ毎日19時からマグロの解体ショー、20時からはじゃんけん大会を行うなど、サービス精神たっぷりで勢いがあるお店なんですな。 

 

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ここが入り口。お店は地下にあります。

なんせ看板にも、マグロが飾られているくらいですから、マグロに対する思い入れはハンパない。


お店の入口のそばには、今夜の解体ショーでさばかれるであろう1匹が、氷の中でスタンバイしておりました。

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キハダマグロですね。重さは10キロ前後くらいでしょうか。

「ドナドナドーナードーナー♪」
まぐろの悲しい目を見て「ドナドナ」を脳内再生してしまったのはナイショです。


こちらの「たいこ茶屋」、マグロにこだわっているとはいえ、基本的には居酒屋さんなので、お肉や定番メニューもたくさんあります。こんな感じ。

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肉々しいマグロ料理が続々と

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こちら「たいこ茶屋」のメインはやはりマグロ料理。グランドメニューにもある通り、リーズナブルで、特徴のあるマグロ料理がたくさん提供されています。 

 

ではさっそく注文してみましょう。

ご覧ください。このボリューミーなこと。

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▲たいこ茶屋名物、大中赤てんこ盛(1,449円)

 

まさにマグロ山脈。

 

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この丼、上から大トロ、中トロ、赤身と層になってるんですが、黒マグロ本来のおいしさが楽しめます。

 

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赤身は、黒マグロの赤身独特のうま味と酸味が感じられます。
リーズナブルなので、部位ごとのうまさを楽しんでもいいですね。

 

火が入ったマグロ料理も負けていません。

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▲すじトロ煮込み(399円)

 

ちまたの酒場で出てくる「もつ煮込み」とは、ひと味もふた味も違います。
ゼラチン質のとろとろな口当たりは、一般的なもつ煮込みより風味が強いですね。それでいて、生臭さがなく後味さっぱり。
しつこくないし、皮にはコラーゲンも入っているため女性の方にも好きになってもらえるんじゃないでしょうか。

 

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▲串カツ (1本 294円、3串 819円)

 

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マグロを串カツにしたら、パサパサな食感になっちゃいそうなイメージがありますけど、全然そんなことはありません。確かにまぐろなんだけど、どこまでもジューシー。
衣との一体感がたまりません!

 

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▲ほほ肉おろしポン酢ステーキ(1,029円)

 

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ポン酢おろしをつけたまま食べても、美味であります。また、付け合わせのもやしに、味が染みていて、おいしいんだこれが。

 

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マグロのほほ肉だけを見ていただきましょうか。ほんと、魚には見えませんよね。

言われなければ「お肉」と間違える人がほとんどなんじゃないでしょうか。実に、食べ応えがある食感です。

 

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▲まぐろのへそ焼き(714円)

 

え? マグロにおへそがあるの?
いえいえ、これ実は、まぐろの心臓なんです。

ふつう、まぐろって漁師さんが捕った後、腐敗を防ぐために、えらと内臓は全て取り除いて身の部分だけを市場に出すんですね。

では、腸や心臓はどうするかっていうと、漁師さんの宴会とか家庭で食べられちゃうんです。ちょうどホルモン焼きみたいな感じで、網焼きにして食べちゃうんだとか。

まさに命をかけてマグロと戦ってきた漁師さんの特権的な食材でもあるわけですが、これがめっちゃうまい。
焼き鳥のハツを、さらにクセがない風味にして、歯触りをよくした食感といえば、イメージしていただけるでしょうか。


こういった希少部位の料理がグランドメニューに載っているのには、理由があります。
「たいこ茶屋」が、マグロをそのまま一匹買い付けてるから。

 

だから「へそ焼き(心臓)」や、まぐろ一匹から2本しか取れない希少部位「脳天」の刺身なんてのが、グランドメニューの中にあるんですね。
「脳天の刺身」残念ながらこの日は売り切れていましたが、来店されたらぜひ召し上がってみてくださいね。

 

シメがほしいというツワモノは、しじみラーメン(680円)ほか、ゴハンものも充実していますよ。

 

豪快! マグロ解体ショー

さて、お楽しみはこれからです。

「たいこ茶屋」の魅力は、毎日ほぼ19時から始まる「マグロの解体ショー」。

お店で包丁を振るって、マグロをさばきながらMCもこなす嵯峨店長が登場し、ショーが始まりました。

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「えー、みなさまが召し上がっておられるマグロは何種類もございまして、一番値が張るのが本マグロ。別名黒マグロとも申しますが、今年のお正月の初値で はなんと1キロ35万円の値がつきました(場内どよめき)。ちなみに、2年前は70万円を記録したこともございます(もはや場内ためいき!)」

 

インカムをつけた嵯峨店長が、まくしたてると常連さんたちが待ってましたとばかりに箸をとめて聞き入ります。

まぐろの解体は腕がいる仕事ですから、嵯峨さんが一流の板前さんなのは疑う由もありませぬ。それに加えて、しゃべりが心地よいこと。MCも一流。最高じゃありませんか。

 

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ふつう、「マグロの解体ショー」で大型のマグロをさばくときは、二人がかりで、まぐろ包丁という、日本刀みたいな包丁でやるんですね。

対して嵯峨店長は、どんな大きなマグロも、普通の包丁を使って一人で解体できるという凄腕の持ち主。

 

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「マグロのおいしさを見分ける目利きのポイントは三つございます。一つは腹が厚いこと。それから尻尾の断面を見て、脂がのってること。そしてもっとも重要視していることがございます。これです!」

 

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嵯峨さん、 やおら切り落としたマグロの頭を掲げて全てのお客さんに、マグロの顔が見えるように見せて回ります。

 

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「おいしいマグロを目利きする最後の決め手は、顔なんですね。餌を豊富に食べてるマグロは、顔が優しい顔をしてるんですね。お人形と同じでマグロも顔が命なんです!」

なるほど。なんとなく説得力を感じるお話ですね。

 

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マグロの頭も、カブト焼きなどに供されますが、解体ショーが進む中で、解体されたまぐろの部位は、お客さんの間で競りにかけられていきます。

 

まずは、1匹で2個しかとれない「カマ」から。こちらは、競り落としたお客さんに、調理して提供されるのだそう。

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「1,000円」

「1,500円っ!」

「2,000円っっ!!」

威勢のいい声が客席から響きます。
お客さんの入札の値がつり上がっていくに従って、他のお客さんの歓声がヒートアップ。まさに、マグロを愛するお客さんの真剣勝負。
まるで、ボクシングの試合で、ハードパンチの応酬が繰り広げられているシーンをリングサイドで見ているかのようであります。

果たして、カマは無事に競り落とされ、焼き物として落札したお客さんに供されました。

 

今回、解体ショーに出されたのは、キハダマグロ。

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ふつう、キハダマグロは、赤身の部分しかなく、一昔前までは、ツナ缶などに使われることも珍しくありませんでした。

ただ、嵯峨さんいわく「ここまで脂がのっているキハダマグロは珍しい」とのこと。

 

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▲嵯峨さんから渡さされたマグロを、アシスタントの方が手際よくブロックに切り分けていきます

 

マグロは、真横に寝かせて上半分の頭寄りの部位を「背上(せかみ)」、上半分の尻尾寄りのほうを「背下(せしも)」といいます。

同様に、下半分の頭寄りの前半分は、「腹上(はらかみ)」、下半分の尻尾よりの部分は「腹下(はらしも)」といわれます。

 

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▲ブロックに切り分けられたキハダマグロ

 

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本当に脂がのっているのか比較しやすいように、嵯峨さんが本マグロ(黒マグロ、右側)の同じ部位と比較して見せてくれました。

さすがに本マグロは脂がのっていますが、左側のキハダマグロも、なかなかの脂ののり具合ですね。

 

その後も競りが続き、競り落とされるたびに、お客さんが自宅まで持ち帰れるように保冷剤を入れてパックして、お渡ししておられました。

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▲なんと、板場の側には、MC用のミキサーとエフェクターが!

 

被災地をマグロで支え続ける

解体ショー後、嵯峨店長にお話をうかがいました。

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── 嵯峨店長、マグロの魅力ってなんでしょうか?

 

「やっぱり、日本人が一番好きな魚だと思うんですよ。もちろん、日本にはいろんなおいしい魚がありますけど、マグロが嫌いという人はあまりいないでしょう? マグロ自体は50年間扱わせていただいていますけど、やはりみなさん喜んでいただく方が大多数ですから、日本人が一番好きな魚といっても過言ではないんじゃないでしょうか」(嵯峨店長、以下同)

 

── お店を始めた当初から解体ショーはやられてたんですか?

 

「いえ、実は10年前くらいなんですよ。居酒屋さんだからみなさん酔いが回ってるでしょ? だから、みなさんに注目していただくには良い方法かなと思って始めたんです。とはいえ、人前でしゃべるのは素人でしたから、手探りで勉強させていただいて、今のスタイルに落ち着いています」

 

ちなみに、ご出身は宮城県の仙台。東日本大震災を機に解体ショーを披露する意義も大きく変わったといいます。

 

「震災が起きて以来ずっと、大恩がある生まれた場所に何かできないかと思って、マグロの解体ショーをやらせていただいています」

 

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震災直後の被災地は、新鮮な魚どころか、保存食で食いつなぐ状態だったといいます。そこで大恩ある故郷のために、黒マグロをひっさげて解体ショーを実演し、被災した方々に新鮮なマグロを振る舞われたのだとか。熊本地震の後は、やはり現地の熊本に出かけてショーを行ったそうです。

 

「被災地での開催は40回を超えましたね。でもまだまだ支援し続けます」


嵯峨店長、男気満点です。「たいこ茶屋」店内で行う解体ショーで得た収益金は、被災地で解体ショーを行うための資金に回すと公言する潔さ。なかなかできることじゃありません。実にあっぱれ!

 

いよっ大将、男だねえ。

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▲お店のメニューにも嵯峨店長のイラストが。めっちゃソックリ!

 

さてさて、解体ショーが終わったと思ったら、20時からはじゃんけん大会が。

この日は、ふだんMCを務めている嵯峨店長の娘さんが夜の部を卒業されるということもあってか、ファンの方が盛り上がっていました。

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もう、盛り上がりは最高潮。

居酒屋さんに来たのに、ライブハウスにいるみたい。

もちろん、ここのいちばんのスターは、わかってますよね。

そう、マグロです!

 

【おまけ】

ちなみに、「たいこ茶屋」はランチもチョー有名。
バイキングでお刺身、海鮮、サラダ、ごはん、味噌汁、フルーツポンチなどが食べ放題
今度はお昼にうかがってみようと思います。

※ランチ価格は1,200円で、要整理券。整理券は午前10時より配布。整理券が配布終了次第、当日のランチは受付終了。

 

お店情報

たいこ茶屋

住所:東京都中央区日本橋馬喰町2-3-2 セントピアビルB1
電話番号:03-3639-8670
営業時間:11:30~14:00、17:00~23:00
定休日:不定休
ウェブサイト:http://www.taikochaya.jp/

※この情報は2017年4月時点のものです。
※金額はすべて消費税込です。

 

書いた人:松沢直樹

松沢直樹

1968 年福岡県北九州市生まれ。SE、航空会社職員などを経て、1994年よりフリーランスの編集者・ライターとして活動。主に扱うジャンルは、食全般、医療、 農業、安全保障、社会保障など。マグロ解体ショーの実演、割烹の臨時板前などとして、メシを作ることも。近著に「うちの職場は隠れブラックかも(三五 館)」。

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「かつおのたたき」のサクのコスパのよさに注目したい

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東日本で赤身魚の刺身といえば、真っ先に思い浮かぶのはまぐろです。お店で刺身盛り合わせや刺身付きの定食を頼むとき、あるいはスーパーなどで刺身盛り合わせセットや手巻き寿司セットを買うとき、100%と言っていいほどそこにはまぐろが含まれています。

 

とはいえ、本まぐろやインドまぐろは大変高価。めばちまぐろでようやく、サクの冷凍ものが100g 300円以下で買えるかな、という感じです。

同じ赤身魚のかつおも、初かつおや戻りかつおといった旬のかつおはそれなりに値が張ります。しかし「かつおのたたき」として売られている冷凍のサクは、意外にリーズナブル。100g 200円以下で売られているところも少なくないので、これを利用しない手はありません。

 

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サクのサイズがわかるよう割りばしを並べました。

 

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この安い「かつおのたたき」には、こんな表示があります。「解凍」と書かれているものがお安い証拠。ちょっとよれたりちぎれたりしているのは、この部分を撮影することを忘れて一度は豪快に丸めて捨て、後から慌てて拾ったからです……。

 

本場高知の「かつおのたたき」は、「これまでの人生で食べてきた『かつおのたたき』は一体なんだったんだ!」と叫びたくなるほど感動的なおいしさでした。スーパーで売られているこの「かつおのたたき」に、同じ味を求めるのは酷というもの。

そこで、このリーズナブルな「かつおのたたき」のサクをおいしくいただけるレシピを2種、ご紹介します。

 

まずは下処理をします。リーズナブルな「かつおのたたき」は、炙られた皮の部分があまりおいしくないというか、その厚みや固さが口に残る感じがします。そこで、残っている皮が気になるかもしれないと思った方は、皮をはがしておきましょう。こんな感じ。

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さて、1つめは「かつおのたたきの漬け丼」です。

丼ものは大概のものがおいしいですね。人の期待を裏切りません。ご飯はすし飯にしてもそのままでも、お好みでどうぞ。砂糖・塩・酢の分量は山ほどレシピがあるので調べてください。作るのが面倒な方はすし飯用の酢も売られているので、そういうものを利用するのもありです。手を抜けるところは抜きましょう。

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「かつおのたたき」を切ります。ぶ厚すぎると漬け汁が染みにくいのでほどほどに。

 

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漬け汁は、醤油とみりんと酒を3対2対1の割合で作ります。今回はわかりやすい分量で、醤油が60ml、みりんが40ml、酒20mlで作りました。あまりたくさん作って余らせてしまってももったいないので、「かつおのたたき」の量に合わせて増減してくださいね。

 

面倒かもしれませんが、汁は火にかけてアルコールを飛ばしてください。ここは手抜きしてはいけないところです。

 

こってりした味が好き、もしくはカツオの臭みが気になるという人は、火から下ろした漬け汁に大さじ1/2ほどのごま油を加えてみてください。これ、鮮度が落ちた刺身を漬けにするときにもとてもおすすめです。

 

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汁が冷めたら「かつおのたたき」を浸して冷蔵庫で30分ほど置きます。今回はプラ容器を使っていますが、ジッパー付きの保存袋でもいいですし、長時間ではないので皿にラップをかけてでもOK。「かつのたたき」全体が浸っていれば問題なしです。

 

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ご飯の上に盛りつけて、「かつおのたたきの漬け丼」のでき上がり!

 

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お好みで大葉、刻みのり、白ねぎ、いりごまなどをトッピングするのもおすすめです。うーん、うまそう!

 

続いては「かつおのたたきのカルパッチョ」です。

カルパッチョはドレッシングを作るのが面倒だと思いがちですが、その通り。実際面倒です。そこで今回はずぼらな方でも作れる、簡単でおいしいドレッシングを紹介します。

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「かつおのたたき」は、刺身よりもやや薄めに切ります。ドレッシングが染みてしんなりした野菜もおいしいので、ぜひ「かつおのたたき」の下にはなにかしらの野菜を敷いてください。レタスでもいいし、大根の千切りでもいいし、今回はちょうど旬でおいしい時期だったので新玉ねぎを使いました。あとは華やかにするためにトマト。

 

普通の玉ねぎで辛さが気になる場合は、薄切りした後にラップをふんわりかけ、電子レンジで1分半程度加熱してみてください。すると見た目も食感も変わらないのに、みごとに辛味が抜けます。加熱しすぎてしんなりしないよう、時間の調整は怠りなく。

 

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さて、新玉ねぎを皿一面にたっぷり敷き詰めます。

 

その上に「かつおのたたき」とトマトを並べます。

そしてドレッシングですが、オリーブオイルと醤油とレモン汁、使うのはこの3つのみ。オリーブオイルがなければサラダ油でもかまいません。

オリーブオイル大さじ2、醤油大さじ1~1.5、レモン汁大さじ1/2をよく混ぜて、もしも塩気が足りない場合はお好みで塩を加えてください。もう少し酸味が効いた方が好きな人は、レモン汁を大さじ1に。

 

今回はこのドレッシングを使いましたが、ポン酢とオリーブオイルを2:1で混ぜるという究極に簡単なドレッシングも「かつおのたたきのカルパッチョ」にはぴったりです。簡単でしょう?

 

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できました!

 

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ビジュアルがいいですね。女子受けしそうです。

 

市販のカルパッチョ用のドレッシングもありますが、今回ご紹介したドレッシングの材料が自宅にあるならばぜひ挑戦してみてください。挑戦というのが仰々しいほど簡単なのにおいしいです!

 

安い「かつおのたたき」のサクは、1年中買うことができます。冷凍ものでない刺身用の旬のかつおは、かつお本来の実力を味わわせてもらい、リーズナブルな「かつおのたたき」は、ほんの一手間加えておいしくいただきましょう。自炊レシピのレパートリーにぜひ。

 

 ※この記事は2017年4月の情報です。

 

書いた人:椿あきら

椿あきら

猫の下僕をしているライターです。猫と暮らすようになってから、断然家飲み派になりました。著書に『オリンピックと自衛隊 1964-2020』(並木書房)。

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