リアル竜宮城!「船長の家」がすごい! 食べきれない量の海の幸が並ぶ宿【北海道】

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ビリっ!

今、絶対胃袋破けた気がする!

 

すんごい宿を見つけてしましました。

1泊2食付でひとり8,640円。


この激安価格設定で、
カニやらカキやら刺身やら!

テーブルにのりきらない量が登場するのです。

 

さらにすごいのは。
食べきれなかったカニはお持ち帰り!
追加量、なし!

 

もう、うれしいを通り越し、「恐怖」すら感じる宿。
北海道・サロマ湖のほとりをご紹介します。

 

やってきましたサロマ湖

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札幌から高速道路で約4時間。

北海道のとんでもない広さを痛感しております。

 

食の宝庫で食べ歩き、メシ通レポーターの裸電球です。
今回はすごいです。

「リアル竜宮城を発見してしまいました!

 

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サロマ湖、とはいうものの海水が流入しているんです。

だから、カキやホタテの養殖が盛ん!

もちろんサロマ湖の先は海ですから、
魚介類もたくさん!

 

夢のような場所なのです。

 

今回の宿はこちら!

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すごい名前ですよね。

「船長の家」なんてもう!

魚がモリモリの予感しかしませんよ。
早速チェックイン。

 

ちなみに妻と子ども、友達夫婦で来ました!

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ロビーには橋が架かっているではありませんか。

すごいネーミングだな……

「成金橋」ですって!

この橋を渡った向こう側が、食堂やお部屋になっています。

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館内のオブジェも漁師感ムンムンです。

おそらく漁に使うカゴですよね。

このような飾りがあちこちにあります。

その時、視線を感じ、振り返ると……。

 

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おおおお!

壁のあちこちに、大きな魚を抱えた船長が!

海に市場にと、大変忙しい方で、
今回の旅では残念ながらお会いすることができませんでした。

 

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「船長の家」で船長に会う。

それって、テーマパークで主役キャラに会うくらいの感動でしょうね。

 

お会いできたなら。
一緒に写真を撮ってもらいたかったです。

この「ちょうざめ」のように、うちの子どもも抱っこしてもらいたい!

 

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長旅の疲れをいやすべく、「サロマの湯」へ!


風呂上りはビールをシュコっと飲みながら、
晩ご飯の時間を待ちます。

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こんなクイズも用意されていました。


全問正解するとカキなどが抽選で当たるんですって!
また、夕食後にクジの引換券になると!

飽きさせない工夫がいっぱいです。

 

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放送が流れます。

「夕食の準備ができました」

よっ!
待ってました!!

食堂からお客さんの、叫び声にも似た歓声が聞こえてきます。

 

夕食がとにかくすごい!

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ええっとですね。

これ、あってます?

今写真に写っている部分。
これで「2人分」です。

 

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4人で行ったので、圧巻。
貴族のテーブルみたいになっています。

ちなみに息子は人数に含まずですからね!
大人4人に対し、椅子が倍なんです!

 

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カニもこれで2人分。

毛ガニ、ズワイ、タラバと3大ガニが勢ぞろいです。

毛ガニにいたっては、1人1杯ですからね。
これだけで宿代の8,640円分、ありそうです。

 

まだまだ! 次々と運ばれる料理

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サロマといえば、カキのブランドですよ!

目の前でとれた新鮮ぷりぷり。

テーブルの上の料理だけでなく、
どんどん運ばれてくるんですよ。

こうなると、喜びを通り越し、
若干の「恐怖」すら感じるボリュームです。

 

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さっきのカニとは別に。

そう……別なのです!

カニしゃぶもありました。
身が甘くて最高!

 

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さっきのカキとは、これまた別に!

昆布の上で焼いて食べたり……

 

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大きな白貝が登場したり……

 

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刺身も外せません。
さらに……

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カニメシや海鮮グラタンなどなど……。

これで全ての料理じゃないのです!

まだまだありました。

船長の波状攻撃、恐るべし!!

気絶。

 

一夜明け、朝です

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おはようございます。

一夜明け、まだ満腹です。

あれからも汁物が登場したりと、
長い長い宴になりました。

あまりの品数に、泣く泣く割愛。
是非、体験していただきたいです。

お腹を空かせるために早朝散歩して朝食に挑みます。

 

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ご飯が進むありとあらゆる魚介類。

気づいたら、昨日から肉は食べていませんね。

魚、魚のオンパレード。
いや、すばらしい!

「船長の家」は、
「サロマ湖がウチの冷蔵庫」という考え方。
なんですかそれ! 最高ですね!!

 

朝食の後のお楽しみ

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館内アナウンスに促され、宿の外へ。

そこには海の幸を買える市場が!
お土産などを買うことができるんですね。

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昨日の晩、例の魚クイズでくじ引きに参加。

ぬか漬けと干物が当たりました。

 

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お土産、タダでもらっちゃいました。

干物です。
すごく立派で重たい!

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このカニは……買ったものではありません。

昨日の夕飯の余ったやつです!


冷凍してくれて、お土産にできるなんて!
これも無料。

ということは、ホントに宿代の8,640円しか使っていません。
ありえないです、「船長の家」!

 

帰宅しても終わらない

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昨晩の残りのカニで、今夜も楽しみます。

毛ガニが2杯、それにタラバが2足、ズワイも結構あります。

普通に「カニパーティー」で用意するレベル。
改めて……恐るべし!

 

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ということで。

北海道民でも驚愕(きょうがく)のメシ宿。

「船長の家」でした。

筆者・裸電球の家では、毎年恒例の行事にしたいと思います。
とにかく、胃袋が破けるほどに、魚介類の波状攻撃。

船長の企業努力、素晴らしすぎます!

みなさんも、満腹旅行はいかがですか?

 

お店情報

漁師丸 船長の家 

住所:北海道北見市常呂町栄浦 サロマ湖畔
電話番号:0152-54-1111
営業時間:チェックイン 15:00
              チェックアウト 10:00
ウェブサイト:サロマ湖「船長の家」公式サイト

www.hotpepper.jp

※この記事は2017年3月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:裸電球

裸電球

北海道を拠点に食べ歩き。CATVでグルメ番組のレポーターを担当したことをきっかけに、ハシゴ酒が趣味となる。入りづらいお店に突撃するのが大好き。現在はフリーで、映像制作とライターの仕事をしている。

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【未知の食感】東京のスーパーで売っていた「サメの卵」を料理してみた

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こんにちは。珍しい食べ物には手を出さずにはいられないメシ通レポーター工藤です。

みなさん、「サメの卵」を食べたことはありますか?

ある日私は、いつものように夕食の買い物に行ったんです。

場所は東京新宿区のとあるスーパーの魚売り場、「なんかおいしい魚あるかな?」と棚を見回した私の目に飛び込んできたのは……。

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「サメの卵」といえば、キャビア、チョウザメの卵くらいしか聞いたことありません!

しかも、チョウザメは本当は「サメ」ではないというハナシ。

 

手にとってしげしげと見ていると、鮮魚売り場に次々とやってくるご婦人方が「サメの卵」を見て、「あら何これ〜」「気持ち悪いわね〜」などと言いながら、スルーしています。

まあ、当然かと思われます……。

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7個も入って、204円(税抜)と安い! しかも売れ残ってて2割引。

 

大きさはピンポン球を一回り小さくしたくらい。見た感じ、ぷよぷよと柔らかそうです。こんな「サメの卵」は見たことがありません。

食べ方はわからないけど、「焼・煮魚用」って書いてあるので、火を通せば食べられるのでしょう。

この機会を逃すと、もう二度と巡り合えないかもしれない!

はい、もちろん買ってみました。

 

ぷよぷよの卵の中身は……?

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ラップを取ってみたら、こんな感じ。

ちょっと赤くなっていたり、汚れっぽくなっていたり、気持ち悪くないこともない……。

しかし、買ってしまったので、責任持って食べますよ!

 

まず、これは何のサメの卵か調べてみました。色々な画像と照らし合わせた結果、

アブラツノザメの卵、らしい。

アブラツノザメは身もおいしく、青森などでよく食べられているそうです。

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触ってみると、弾力があり、見た目通りぷよぷよと柔らかい。

しかし、皮は意外と厚いようで触っただけでプチッと破ける感じではないです。

 

さて、レシピも調べてたので早速料理してみましょう。

 

煮付けてみた

この日は他に魚の煮付けも作っていたので、そこに3個投入してみました。

皮はむかず、丸いままです。

すると、丸い煮物ができると思っていたのに、予想に反して、卵は中途半端に崩れていきました。

ちょっとがっかりしましたが、そのまましっかり火を通します。

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サメの卵の煮付け。

これは1個ぶん。

中途半端に地味なビジュアルになりましたが、食べてみましょう。

もぐもぐ……、

……ん、これは、イケる!

酒の肴には絶対イケる味です!

似ているものは、鮭の白子、そこに鶏卵の黄身を足した感じ。

ネットリと濃厚。そして結構、固め。ややザラッとした食感もあります。

生臭さはありません。味のクセもないので、色々な料理に応用できそうです。

 

オムレツはフランス料理風に

残りの4個はオムレツにしてみることにしました。

まずは皮をむこう、と思ったのですが、包丁の先で皮をチョン、としたら、その小さな穴からトロトロトロ〜と中身が流れ出てきました!

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4個分出し終わったのがこちら。最初から黄身と白身が混ざったような状態です。

粘度は鶏卵と同じくらい。

 

さて、先ほどの煮付けで、この卵の濃厚さがわかったので、フランス料理風にしてみたいと思います。

まず、少量の牛乳を入れ、それをこの、

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トリュフソルト!で味付けします。

このトリュフソルトはフランス・ゲラント産の塩に乾燥トリュフの粉末を混ぜ込んであるものです。

最近、このトリュフソルトでオムレツを作るのに凝っているのです。普通のオムレツがこの塩を入れるだけで、トリュフ香る素敵なフランス料理になるんですよ、ウフフ。

バターをたっぷり使って焼いてみましょう。

 

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サメの卵のトリュフオムレツ!

白っぽく焼き上がりました。

さて、いただきま〜す!

 

お、思ったより固い、そしてねっとりこってりしています。

オムレツっていうよりパテでしょうか?

 

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でも、トリュフの香りがふんわり、バターの良い香りがして、おいしいです。

たぶんベストな食べ方は、薄切りにしてチビリチビリとワインのお供にすることでしょう。

 

というわけで、「サメの卵」、わりとおいしかったです!

 

素材としては、どんな味付けでもいけそうなんで、韓国風とかカレーとかいろいろ試してみたいです。あれ以来スーパーでは見かけないんですけど、今度見つけたらまた買ってみます!

 

※この記事は2017年2月の情報です。

 

書いた人:工藤真衣子

工藤真衣子

カメラマン。美しい女性が好きなのでグラビア、音楽が好きなのでライブ写真、映画やドラマが好きなのでテレビドラマのスチール写真、美味しい食べ物が好きなのでグルメ雑誌など、素敵なものを愛を込めて撮るお仕事をしています。趣味は美味しい料理を作って食べること。

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ウニを使った福井県の発酵調味料「雲丹醤」がうますぎて道産子もハマった!

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こんにちは! 北海道から上京して、早5年。

紆余曲折を経て、新人作家の端くれとして、日々日々精進中の大谷です。

 

北海道に暮らしていたので、多少海鮮系の味にはうるさいです。北海道以上においしいごはんがあるなら、どれ紹介してみなさい!

 

と今回、上から目線で行ってみました。

 

なぜなら、今回紹介する商品はウニをふんだんに使った

小浜海産物株式会社「雲丹ひしお(小瓶)」

だったからです。こちら、獲れたての新鮮なウニを使ったなんともぜいたくなお品。140g入って1,188円(+送料)です。

 

若狭地方では、アジやサバ、イワシなどを使った魚醤を作っていたそう。

昔の魚醤を復活させようと試行錯誤をして生まれたのが生ウニを使用した「雲丹ひしお」なのです。

 

繊細な工程がこの味を作り上げる

熟成・発酵は、繊細な技術と丹念が必要で毎日欠かさず混ぜ続けなければ味を損なってしまい、気が抜けることはない職人の域。

 

ウニの発酵状態は日々違うため、温度管理や時間管理に気を使い、3カ月以上混ぜ続け発酵させたものが「雲丹ひしお」で、伝統の技術と職人のなせる業で生まれる商品なのであります。

 

どれどれ、幼少期からバフンウニを日々食していた自称雲丹貴族の私を喜ばせることができるのか?

 

いざ実食!!

 

しかし「雲丹醬」なので、そのまま食べるとさすがに濃すぎる。ということで、ぜいたくな卵かけごはんにしてみます。

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 ごはんと卵の上に、「雲丹醬」をたっぷりとかけますよ! 

 

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普通の卵かけごはんだとこちら。

 

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「雲丹醬」だとこちら。

 

色味の強さだけで濃厚さを物語っています。

 

一口、口の中に入れてみると……、

 

濃厚!!

いや、それ以上に優しい!!

 

ウニの香りが、濃厚なんですけど口当たりがよく優しく広がっていきます。

 

これは、おいしい……。

 

想像では、すごいガツンと来ると思っていたのに、いい意味で裏切られました。

 

北海道では食べられないウニの味が、ここにあったとは。

普通にウニを食べるより、おいしいかも!

 

他にも、「雲丹醬」の使い方はさまざま。お吸い物にしたり、ウニのクリームパスタにしたりとできます。

お肉にかけても、刺身につけても、サラダにかけてもなんにでも使えます。

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ウニが苦手な人も入り口は「雲丹醬」。

ウニを食べ飽きた人も「雲丹醬」

ウニを食べたことのない人も「雲丹醬」。

 

こちらの「雲丹醬」は、小浜海浜水産の通販で一年中全国どこでも買うことができます。在庫がない時もあるようですから、サイトで在庫確認もしてみたくださいね。

 

手軽に高級なウニを味わえる一品に、ぜひともお試しください。

 

お店情報

小浜海産物株式会社

住所:福井県小浜市川崎2-1-1
電話番号:0770-52-1600
営業時間:8:00~17:00
定休日:日曜日・祝日(水曜日不定休あり)
ウェブサイト:丸海オンラインショップ

※この記事は2017年3月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:うちとみ運輸

うちとみ運輸

放送作家、構成作家が所属するエンタメ集団。お笑いライブ、テレビ制作、舞台演出、Web記事制作などを主に活動を行う謎の集団。現在、月刊誌や広報誌、WEBなど各媒体で執筆中。

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ハードボイルド・「磯料理」の世界 ~ 食べ歩きマニア道 其の9【タベアルキスト】

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みなさん、こんにちは! メシ通レポーターのタベアルキストWakuiです。

各担当者が自分の好きな料理を徹底的にマニアックに掘り下げ、みなさんに魅力を伝える当シリーズの第9弾。

今回は現地に訪れなければ絶対に味わえない「磯料理」の魅力に迫ります。

  

「磯料理」の世界

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私が考える「磯料理」の定義は、こちらの3つの項目に該当していることがポイントになります。

  1. 海のそばで、地魚が水揚げされる漁港から活魚や鮮魚を直接仕入れている
  2. 水揚げされた鮮魚をその日のうちに調理して料理を提供している
  3. 現地に訪れなければ味わえない、名物料理を提供している

 

漁港近くに心踊る名店あり

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そのお店は、神奈川県小田原市、江の浦漁港の近くにあります。

 

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江の浦漁港の堤防は絶好の釣りポイントということもあり、取材をした週末のこの日も多くの釣り客で賑わっていました。

 

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江の浦漁港から一歩中に入ると狭い路地があり、懐かしさが交差する時間が止まったような昔ながらの風情が漂っています。

 

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そんな場所の一角に、創業45年になる「磯料理 一吉丸」はあります。

長年魚と向き合ってきたプロならではの目利きで、毎朝知り合いの漁師から上質な鮮魚を直接仕入れ、それぞれの持ち味をいかした料理を提供しています。

屋号の「一吉丸」は船の名前で、漁師だったご主人の祖父と父の名前を一文字ずつ合わせてつけられたそうです。

 

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この日は、お店の目の前にある離れに案内されました。

 

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離れは個室のお座敷スタイルです。

 

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窓からは相模湾が一望できます。

 

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窓を開ければ心地よい潮風が頬をかすめ、目の前に広がる水平線は気持ちまでのびやかにしてくれます。

 

活平目をおろしてもらう 

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創業以来ずっと海水を引き上げているといういけすの中には、捕れたての平目やサザエが所狭しと並んでいます。

 

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先程までいけすの中で生きていた小田原産の大ぶりの平目を、内臓を傷つけないよう活け締めはやらずに、いきなりおろします。

見事な包丁さばきで、あっという間に姿造りができあがっていきます。おいしい活き造りを食べていただくための大事な要素です。

 

豪快かつ豪華絢爛(けんらん)な刺し盛りが登場

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▲刺身盛り合わせ お一人様 (4,200円~)

 

テーブルが埋まってしまうほどの大きさのまな板盛りは圧巻です。

この板盛りが運ばれてきただけで、間違いなく胸が踊ってしまいます。

この日の鮮魚は、活平目 、活サザエ 、活アワビ 、ホテタ、アジ 、マグロ 、カツオ、カンパチ 、イカ、 甘エビなど。

圧倒的なボリュームに思わず笑みがあふれます。

 

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▲活平目の姿造り(6,300円~)

 

提供される寸前におろされたばかりの活平目の姿造り。

直前まで生きていただけに鮮度の良さは抜群です。

やや厚めに切りつけられている身は、プリプリした歯応えのある食感が感じられます。

そして、透き通るかのような身はほどよくしまり、脂がのってほのかな甘みがあります。

活サザエは、磯の香りが高くはつらつとした味わいで、歯応えのよさは独壇場です。

肝は、苦さが一切なく独特の甘みがあります。

 

名物料理「金目鯛のしゃぶしゃぶ」をいただく

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▲金目鯛しゃぶしゃぶ (7,000円~)

 

見ている間に表面の脂がキラキラと溶けてくる脂ののった極上金目鯛(キンメダイ)は、切りつけも美しいです。

皮が柔らかく、適度に脂がのった一級品です。

 

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ダシ汁は、まず鯛で出汁を取り、そこに焼いた金目鯛のアラの出汁を加え、最後にカツオの削り節の出汁で整える三重層です。

まさにこだわり抜いた黄金のダシ汁です。

 

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まずは、しゃぶしゃぶ前にダシ汁のみをいただきます。

澄んだダシ汁の中に素材のうま味がたっぷり溶け込んでいます。

いつまでも飲んでいたくなる、芳醇かつ和やかな味わいです。

 

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 脂ののった鮮やかな金目鯛の身を黄金のダシ汁にくぐらせていただきます。

 

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しゃぶしゃぶしたレア感の残る金目鯛でネギを包み、自家製のポン酢をつけていただきます。

食べた瞬間に体自体が歓喜する味わいです。

口に入れた途端の口溶け感はないものの、後から強い甘みが追いかけてきます。

 

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最後に、素材のうま味が溶け込んだダシ汁を使った雑炊をいただけば、もう何も言うことはありません。

 

なぜ、「磯料理」が魅力なのか?

「磯料理」を堪能するために足を運ぶ楽しさは、年間を通してその土地の旬魚を地場の味付けで味わえることです。

そのため現地に訪れなければ絶対に味わえない鮮魚と出合えることが、人をひきつける魅力なのだと思います。

尚、今回取材をしました「磯料理 一吉丸」を含め「磯料理」のお店は、当日の入荷状況によって鮮魚が異なりますので、お店に訪ねる際は是非とも早めに予約を入れてから訪問してもらいたいです。

 

お店情報

磯料理 一吉丸

住所:神奈川県小田原市江ノ浦180
電話番号:0465-29-0211
営業時間:11:00~20:00
定休日:年末年始

www.hotpepper.jp

※この記事は2017年3月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:Masayuki Wakui

Masayuki Wakui

食べ歩きコミュニティ「Tabearukist Association」を主宰する、鮨、魚介料理、麺料理をこよなく愛するタベアルキスト。学生時代より食べ歩きを始め、現在も年間500軒以上の外食を体験し、述べ5000軒以上も食す。食べ歩きのモットーは、「百聞は一食に如かず」。

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【イカの楽園】函館には「イカのスイーツ」が存在する? 気になるので行ってきた

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函館は一年通してイカを食べられるイカの楽園です。旬もなにも、一年中イカがうまいのです。そんなイカに恵まれた函館ゆえでしょうか、「イカのスイーツ」まで存在するらしいのです。

ちょっと想像ができませんね……そこで現地に取材に行ってきました!

 

超ド生鮮のイカをおさえておこう

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北海道の玄関口、函館にやってきました。
前日は強風に大雨、最高気温が8度と雪国感ゼロ。この日は打って変わって雪景色となりました。まずは、駅周辺を散策してみました。

 

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道路はきちんと雪かきがされていました。ただし、前日の雨が凍ってツルツルです。
足全体で垂直に地面を踏むと転ばずに移動できます。冬場の観光は本当に気をつけていただきたい!

 

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函館駅から徒歩約10分、例のウォーキング技術を駆使し、函館自由市場にやってきました。観光客はもちろん、飲食店の調理担当者も品物を選びに来る、モノの良さに定評のある市場です。

 

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建物のなかには30軒の鮮魚店のほか、塩干(えんかん)店6軒、生花店1軒、青果店1軒が営業しています。いい雰囲気ですね。
実は今年は、イカの水揚げ量が少ないのだそう。おまけに前日嵐だったためそもそも漁に出られたのか……。

 

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かなり厳しい状況にも関わらず、いました! イカです。ありがとうございます!!
函館は12月から6月はヤリイカ、6月から12月はマイカと、年中イカを捕ることができます。この時期のヤリイカは身が柔らかく、甘みがあるのが特徴です。

 

市場ならでは! 冷蔵庫のない喫茶店

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自由市場には4軒の飲食店があります。今回はそのうちの一つ、「coffee マルシェ」でイカをいただきます。市場には似つかわしくないポップなお店、一方でメニューは本格的な海鮮を取りそろえ、札幌の名店「菊地珈琲」仕込みのコーヒーも楽しめます。

 

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メニューはこちら。「いか刺し定食」(1,000円)……2位!? 市場に来たからには鮮度が問われる生のものを食べたい気がしますが、1位は「銀だら定食」(1,200円)です。うわー、イカ以上に気になる……! でもここはやはり、「いか刺し定食」でしょう。

 

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注文するとおもむろにお店の外に出て行った板前さ……マスター。

 

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ああっ! すぐ隣のお店でイカ買ってる! なんという鮮度!!! そういうことなので、「coffee マルシェ」の店内には冷蔵庫がないのだそう。

 

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ついさっきまでまんまの姿だったイカが、数分でお刺身になりました。透明度のあるきれいな白さは、この鮮度ゆえなのでしょう。写真左側のほんのり色がついているのはヒレ、いわゆる耳の部分です。こちらは少し歯応えがありますね。

 

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食べてみると筋っぽさがほとんどない! かむほどにイカが溶け出し、甘味とともにコクがでてきます。食べた瞬間からガツンとうまい、というよりも、かみ締めることでしみじみとうま味が感じられる……うまい、うまいだけに1位の「銀だら定食」が気になる……!!

 

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胴の部分のほかに、イカのワタとゲソも食べられます。
吸盤のコリコリしたゲソは、胴の繊細なうま味よりも強めな味わいが特徴。胴と交互に食べるとイカをイカで味変できます。そして好みのわかれるワタは、苦みの薄い優しい味でした。食べたことのない人に是非挑戦してもらいたい! そして酒飲みたい!

 

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どうしても気になったので、人気ナンバーワンの「銀だら定食」も食べてみました。
裂け目からあふれる脂……いやこれは肉汁といったほうがいいかもしれない。箸を入れてみるとふわっふわの身。そして味付けがまたご飯が進む! 「分けて食べようぜ!」とか絶対無理、瞬間的になくなります。

 

和菓子屋さんのイカは刺身にできない

シンプルながら極上の市場直送イカ刺し。これを超えるものなんて存在しない! そう思えるほどのコク、うま味が詰まっていました。しかしここはイカ天国、函館。私たちの想像をはるかに超える「イカのスイーツ」が存在しているのです。

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「イカのスイーツ」をいただけるのは、函館駅から車で約7分、和洋菓子店の「はこだて柳屋」です。甘いイカのお菓子……想像がつきません。

 

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店内に入ると外観以上にお菓子屋さん。
噂の「いかのスイーツ」について聞こうとショーケースに近づいて見ると……

 

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発見しました、イカの楽園函館のイカスイーツ「いかようかん」(1,188円)です。
パッケージを読むと「絶対に刺身にしないでください」。謎すぎる……。

 

見た目はおろか、食感までイカ!?

「いかようかん」を購入し、家に持ち帰ってきました。早速その姿を拝むことにしましょう。

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パッケージを開けると、いきなりイカの絵が飛び出してきた!
柳屋さん曰く「箱って食べたら捨てられてしまう。この仕組みで少しでも家に飾ってもらい、楽しかった函館旅行を思い出してほしい」とのこと。確かに箱はすぐ捨ててしまいますよね。観光地のお土産にはぜひ標準装備してほしいアイディア!

 

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お待たせいたしました、これが「いかようかん」の全容です。
10本の足のうち2本は獲物を捕まえるための長い触手、それをきちんと再現しています。顔の前でクロスさせると、エジプトの王みたいな風格が出ますね。
ちなみにヤリイカ、マイカといった種類のモチーフはないそうです。

 

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パッと見ものすごい手がかかっているのがこの足。一つ一つ吸盤がついている!
足一本に10個、長い触手には20個の吸盤、イカ一匹につき120個!! 絞り袋にようかんを詰めて、一つ一つ手作業でくっつけています。くっつけたら1日置いて冷やすため、「いかようかん」の製作には2日間必要です。

 

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「いかようかん」のなかでも最も目を引く部位がこの目。飛び出し気味です。目玉はねりきりを丸めて作っており、少し硬めの食感がアクセントになっています。
ヒレはようかんの層が複数あり、かみ応えのある食感……本物のイカと食感の分布が一緒じゃないか!

 

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胴を切ってみると、中は3層構造になっていました。中心の白いものはかみ応えのある求肥、そのまわりはほんのりコーヒー風味のあんで包まれています。
なるほど、イカ刺しと同じように調理したら、ただのようかんになってしまうのですね。

 

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食べ進めると突起が現れました。この突起が「いかようかん」を固定し、長旅で箱が揺れても形崩れしません。贈答用として買われることの多いいかようかん、見た目を守る工夫が見えないところにありました。

 

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食べてみると、ようかん、コーヒーあん、求肥と歯ごたえの違いが感じられます。それぞれの相性も良く、和菓子として完成されていますね。味はようかんなのに本物のイカを食べている感覚、見た目って大事!

ただ一つ気になるのは、いかの目線です。罪悪感が出ちゃうかたはまず目玉を食べましょう。そして結構な分量があるので、シェアしてみんなで食べるとおいしく盛り上がるはず!

 

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吸盤、ヒレといった見た目だけでなく食感まで作り込み、箱へのこだわり、形崩れ防止の工夫など、「いかようかんって面白ネタ?」 と思っていた自分が恥ずかしい!
職人さんが手間ひまかけて、函館人の誇りをこめた芸術品、いや、これは新種のイカ! ぜひ新鮮なイカと「いかようかん」、食べ比べてみてください!

※「いかようかん」は生産できる数に限りがあるため、まえもって予約をしておくと確実です

 

お店情報

coffee マルシェ

住所:北海道函館市新川町1-2はこだて自由市場内
電話番号:0138-22-7686
営業時間:7:00~17:00
定休日:日曜日(はこだて自由市場もお休み)

hakodate-jiyuichiba.com

www.hotpepper.jp

 

はこだて柳屋 

住所:北海道函館市万代町3-13
電話番号:0138-42-0989
営業時間:8:30~20:00
ウェブサイト:http://hakodate-yanagiya.com/ikayokan
※「いかようかん」は通信販売もあり。

www.hotpepper.jp

 

※この記事は2017年3月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:毎川直也

毎川直也

風呂が好きで、風呂デューサーを名乗り活動中。銭湯、スーパー銭湯、温泉旅館での勤務経験を持ち、銭湯に勤めながらメディア出演をしている。酒が弱いうえに小食なため、「メシ通」には間違いなく向いていないライター。

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食材発掘~知られざる食材の生産地を訪ねて~「戸倉っこかき」【タベアルキスト】

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みなさん、こんにちは! メシ通レポーターのタベアルキストWakuiです。

食材発掘~知られざる食材の生産地を訪ねて~とは、地方に埋もれている食材を発掘し、実際にその生産地を訪ねてその魅力を存分に味わう企画です。

よってこの企画で紹介する食材は、舌の肥えたタベアルキストが生産地に行って、実際にその味を確かめた旬の厳選食材になります。

 

今回の厳選食材は、牡蠣

1年間を通して味わえる牡蠣は、生やさまざまな調理で味わうことができる万能食材。

日本中の浅場に生息し、流通するほとんどが養殖です。

養殖の始まりは広島県で、現在でも生産量日本一(※)を誇ります。尚、養殖に使う稚貝の生産日本一(※)は宮城県になります。

そんな牡蠣の稚貝の生産日本一の宮城県で、東日本大震災後にいちから牡蠣の養殖を再開し、最高品質の牡蠣を育てて日本初の二枚貝養殖のASC国際認証を取得した牡蠣があるとの噂を聞きつけ、宮城県南三陸町を訪れることにしました。

ちなみに、宮城県南三陸町はFSC(森林管理協議会)の国際認証もうけています。自治体の養殖場と森林が国際認証を取得したのは世界初とのことです。

 

【ASC養殖場認証とは】

環境に大きな負担をかけず、地域社会(人権や労働等)に配慮した養殖業を認証する国際的な認証制度です。

【FSC森林認証とは】
持続的な資源活用を目的に、責任ある森林管理を認証する国際的な環境認証制度です。

(※)農林水産庁 海面漁業生産統計調査 平成27年漁業・養殖業生産統計

 

南三陸町戸倉地区にて食材発掘

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宮城仙台市から車で約100分。
リアス式の豊壌な海に面した宮城県北東部の志川湾の南半分に位置する場所に、今回訪れた戸倉地区はあります。

 

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「戸倉っこかき」についてご説明頂いたのは、生まれも育ちも南三陸町戸倉地区の漁師の松岡さん。
戸倉の漁師グループ「戸倉漁師の会」を運営されている方です。
漁師の味を多くの人に届けたい思いで、加工場を造り地域産品のブランド強化と6次産業化を目指しいろいろと取り組まれておられます。

 

「戸倉っこかき」に出会う

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お話をうかがった後、松岡さんの漁船に乗船し「戸倉っこかき」の牡蠣棚に向かいます。

内湾なので波は穏やかです。

 

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川湾では、牡蠣、ワカメ、銀鮭、帆立、ホヤなどの養殖を主軸に、タコ、ウニ、アワビなど1年中海の恵みをもたらしてくれます。

 

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ご案内頂いたのは、松岡さんの息子さん 。

松岡さん曰く、「継続可能な養殖を目指そうと牡蠣の養殖いかだを震災前の3分の1以下に減らしたことで、漁場に余裕が生まれ海の水質環境が改善。現在では、一粒一粒の牡蠣に栄養が十分に行き渡るようになり、養殖期間も震災前の2~3年から1年に短縮し高品質になったんです」とのこと。

 

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透明度の高い水面をのぞきこめば、牡蠣がびっしりと垂れ下がっています。

牡蠣は帆立の貝殻を海中につるしておくと、海中に漂っている牡蠣の幼生が帆立の殻に付着し、その帆立をすみかのようにして牡蠣が育ちます。

 

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牡蠣棚から水揚げされた牡蠣の表面には海草や小さな貝がこびりつき、ゴツゴツした形状はまさに牡蠣そのものです。

 

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松岡さんに頼んで割ってもらったが、とれたばかりの1年ものの「戸倉っこかき」

手にすると、ずしりと重い。
身は大粒でふっくらとしていて、きれいな乳白色をしています。

味は濃厚で旨味の余韻が長く、まさにクリーミー!

 

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向かいの漁船でも「戸倉っこかき」の水揚げする姿があります。

 

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美しく豊かな志川湾ではワカメの養殖も盛んです。

 

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海鳥が舞う先には、1年間手塩にかけて育てられる銀鮭の養殖いけすがあります。

 

「戸倉っこかき」をBBQで味わう

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水揚げされた山盛りの「戸倉っこかき」をBBQで味わいます。

まさに、生産地に訪れるからこそ味わえる贅沢です。

 

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漁師小屋にある焼き台には炭の準備が整っています。

 

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熱々に熱した鉄板の上に、所狭しと「戸倉っこかき」を並べていきます。

 

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そして地酒をふりかけ、約10分蒸し焼きにします。

 

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開けた時にたちこめる芳醇な磯の香りと共に、多幸感が広がります。

なんとも言えない美しい「牡蠣の山」の光景です。

 

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松岡さんがひとつひとつ丁寧に「戸倉っこかき」をさばいてくれました。

 

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生牡蠣とは異なる凝縮された味と磯の香りが特徴の「戸倉っこかき」の蒸し牡蠣です。

堅い殻の下にあるぷっくりとした身には、磯の香りとうま味が閉じ込められており、口に含むと濃厚な磯の香りが鼻腔を突き抜け、追ってほのかな甘みが広がります。そしてかむ程に、穏やかながら強いコクのあるうま味があふれてきます。

蒸すことでクセがなくなり 、深い味わいになるのでいくらでも食べることができます。

 

「戸倉っこかき」は漁師の努力と誇りで育つ

分水嶺に囲まれ山の木々がもたらす腐葉土の栄養素が、川を伝わって志川湾に流れ込み、海水とほどよく混ざり合う。それが、牡蠣の餌になる栄養豊かなプランクトンを育てるからこそ、うま味の余韻が長い「戸倉っこかき」が育ちます。

海、山、里が密接に関わる地形を持つ南三陸町戸倉地区は、「戸倉っこかき」にとって好条件と言える環境なのだと、実際に訪ねたことて感じることができました。

また、この環境はもちろんのこと、二枚貝養殖のASC国際認証を取得を成し遂げる為の戸倉漁師のたゆまぬ努力が「戸倉っこかき」を育てていることも、漁師の方々と触れ合うことで理解することができました。

「海を守る漁師の努力と誇りが、この味を支えている」

知られざる食材「戸倉っこかき」の生産地を訪ねてみて、改めてこの地域の恵みの海と漁師の方々のことを深く知りたくなりました。

 

取材協力

宮城県漁業協同組合 志川支所 戸倉出張所
住所:宮城県南三陸町戸倉字の宮1番地
電話番号:0226-46-9211

 

書いた人:Masayuki Wakui

Masayuki Wakui

食べ歩きコミュニティ「Tabearukist Association」を主宰する、鮨、魚介料理、麺料理をこよなく愛するタベアルキスト。学生時代より食べ歩きを始め、現在も年間500軒以上の外食を体験し、述べ5000軒以上も食す。食べ歩きのモットーは、「百聞は一食に如かず」。

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【牡蠣料理記事まとめ】まるまる太った牡蠣をいただく幸せ【極上のプリプリ感】

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牡蠣が美味しい季節です! もうドキドキわくわく、幸せな気分のメシ通編集部です!

この上の写真を眺めているだけで、もう昇天しそうな勢いです。

ああ、今日は牡蠣の季節がもうすぐ終わってしまうのを惜しんで、メシ通厳選の牡蠣記事をお送りしましょう。

 

まず最初は、日本全国、そして外国からの厳選された牡蠣を堪能できるこのお店から。

 

【最高品質】牡蠣の達人に教わる「絶品すぎる牡蠣」ベスト10を食べ比べてみた

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ご覧ください、この牡蠣の数々。

こちらは、日本、そして外国からのものも合わせた絶品牡蠣とそれに絶妙にマリアージュするお酒を紹介する記事でございます。

なにはともあれ、見ただけでアドレナリン噴出、即昇天してしまいそうな牡蠣をご紹介していきましょう!

 

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牡蠣の指南をしてくれるのは恵比寿牡蠣ツ端(かきつばた)」店長の本田さん。

 

本田さんは日本におけるオイスターバーの黎明期だった12年前、都内のオイスターバーの料理長として日本各地の牡蠣を取り扱っていました。

それ以来、産地の生産者さんと直接取引きしているのだそうです。

 

トップバッターは、本日一番の濃厚さを誇るこちら!

北海道 仙鳳趾(せんぽうし)

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大きい!!!!

「非常にクリーミーで濃厚、白子みたいな濃厚さです。食べ方は生でも焼きでもOKですが、お好きな方はやっぱり生ですね。焼いても焼き縮みが少ないのでいいですよ」

とろける! クリーミー! まさに海のミルク!

 

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この牡蠣に合うお酒も紹介してもらいました。「二世古」(北海道)です。

 

「牡蠣と日本酒って、まあ何を合わせても美味しいんですが、目安として地域を合わせるのも良いんですよ。牡蠣って、森から流れ出て海に注ぐ水で育つじゃないですか。お酒も同じ水で作ったものが合うと思うんですよ」

 

そんな感じで、10種類の牡蠣の特徴と、それに合うお酒をどんどん紹介していきます。

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小粒だけで濃厚な宮城浜市(はまいち)クリーミーパールと、魚介系に合う「日高見」(宮城

 

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兵庫(むろつ)は大きくて丸みがあり、

 

「貝柱に甘みがあって、塩分とクリーミーさのバランスがいいです。これは洋風にしてみましょうか」

 

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カクテルソースを添えて。

スペインのスパークリングワイン「カヴァ」でいただきます。

ここだけ、オイスターバーになりました!

 

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宮城浜市(はまいち)珠姫(たまひめ)。

 

「小粒でさっぱりめです。でもうま味は強いんですよ。こちらは生と焼き、両方いってみましょう!」

生には、ごま油+塩を添えます! これはなかなか新鮮な味わい!

 

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焼きバージョンは、

 

左から、とろろ昆布、ポン酢+もみじおろし、ガーリックバターでいただきます。お酒は「菊姫」(石川)で。

 

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外国の牡蠣もこの通り!

 

そして、こんなものも……。

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牡蠣酒!

炉端で、煙で燻されながら干された牡蠣の濃厚なうま味が酒に溶け出しています。

 

熱燗にした日本酒の中にさきほどの牡蠣が沈んでいるのが見えるでしょうか?

乾燥した牡蠣を注文を受けてから炉端で炙り、熱い日本酒に投入。

濃縮された牡蠣のエキスがじんわりと浸み出したお酒……。

 

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ここ「牡蠣ツ端」では、全国から取り寄せた牡蠣を常に8種類以上、11月から2月のトップシーズンには15種類も取り揃えているのです。

 

10種類全部の牡蠣を見たい方は、下の元記事もどうぞ。

まさに、牡蠣パラダイス! いますぐ走って、牡蠣を食べに行きたい!

 お次は夏の旅先で、思いがけず出会った特大岩牡蠣!

 

特大の岩牡蠣をライブで食べられる販売所が『奥の細道』最北端の道の駅にあった!

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秋田県にかほ市象潟(きさかた)、ここの道の駅では、手のひらサイズの岩牡蠣をライブで食べられるらしいんですよ!

 

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こちら、道の駅象潟「ねむの丘」では、

 

岩牡蠣がマジで山積みです。

このフレッシュな岩牡蠣をその場でむいてもらって、つるんと食べることができる即売所なのです。気になるお値段は大きさによって変わり、おおむね450円から850円くらいまで。

 

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見た目が最高にロックな岩牡蠣はバカでかく、もちろん身も大きいです。

 

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竹串で持ち上げる。

ほら、でかいでしょう。ぷりぷりでしょう。

 

こちらでは、焼き牡蠣もいただくことができます。こちらももちろんむきたてです。

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口に入れた瞬間、香ばしい醤油の風味が!

生牡蠣とはぜんぜん違う濃いうま味が一気に口の中を占領します。小躍りしたくなるおいしみ。(中略)岩牡蠣の旬は初夏から8月あたりまで。ここ、象潟の道の駅ねむの丘は8月いっぱいを目安に岩牡蠣のシーズンはオフになります。つまり今年はもう終わっちゃってます。いまから来夏のスケジュールに入れといてください。

 

夏になったら、秋田で岩牡蠣! 覚えておかねば。


【冬限定】ぼってり&ぷりっぷりの牡蠣にあのタレが絡む絶品ご当地丼。浜名湖食材が結集した「牡蠣カバ丼」がバカうまい!

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実は静岡県の浜名湖は養殖牡蠣の名産地なのでした。

 

牡蠣といえば全国的に有名なのは広島岡山県、そして宮城県の三陸産ですが、実は浜名湖は食通の間では知られる養殖カキの名産地なのです。

その牡蠣を冬の名物としてPRすべく誕生したのが「牡蠣カバ丼」。浜名湖産の牡蠣にうなぎの蒲焼のタレを絡めて焼き、地元産の食材をトッピングしたご当地丼です。「牡蠣カバ丼」には使う食材が決められています。

  1. 浜名湖産の牡蠣
  2. 浜名湖産の海苔
  3. 遠州産の玉ねぎ
  4. 三ヶ日のみかん
  5. 鰻の蒲焼タレ 

 

味付けに鰻の蒲焼のタレを使うので、鰻料理のお店で食べられることが多いのです。

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今回訪れたのは昭和44年創業の老舗「うなぎ・和食処 松の家」。

牡蠣カバ丼の誕生当時からあるお店です。

浜名湖名物のうなぎ料理はもちろん、すっぽん、ふぐ、牡蠣料理全般を扱っています。

牡蠣カバ丼の前に、かき殻焼き(3個 972円)を頼んでみました。

 

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粒がデカい!!

7~8㎝の大ぶりな牡蠣を殻ごと天火で炙り、シンプルに醤油で味付けしてあります。添えられているのは浜名湖産の生海苔です。殻を持ってチュルッと……というより、ひと粒が大きいのでズズズッとな。

 

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味が濃ゆいーーーーー!!

牡蠣のうま味が濃厚で、味が濃いんです。大ぶりながらもしっかりかみ応えがあって、身の弾力を味わうことができます。香ばしい醤油が磯の風味をより引き立ててくれて、浜名湖牡蠣の美味しさをシンプルに味わえる一品です。

 

そしていよいよ、牡蠣カバ丼(1,620円)の登場です。

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ぼってりと大ぶりな身が5つも!!

ごはんに細切りの炒め玉ねぎと海苔の台座がしかれ、その上に丼を埋め尽くすように鎮座した浜名湖産牡蠣。すりおろしたみかんの皮が散らされています。

 

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想像どお……いや、想像以上にうまいぃぃ!!

 

こちらの牡蠣は毎朝5時に水揚げされた牡蠣をその場でむいて、10時にはお店に届けてもらっているというもの。牡蠣が肉厚で、火を通しているのに全然縮んでいません。

 

「うまいら? うどん粉をはたいてるもんで牡蠣の身が縮まないし、タレもよく絡むんだ。玉ねぎは篠原産で、みかんは三ヶ日」

 

牡蠣カバ丼は11月〜3月中旬頃まで「浜名湖丼研究会」が認定する各店で食べられるということです。

お店によって、タレや調理法、トッピングが異なるので、何軒か食べ比べてみるのも良いですね!

ああ、もう今夜は牡蠣を食べずにはいられません!

 

※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

 

書いた人:メシ通編集部

メシ通編集部

メシ通編集部です。

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