こんにちは! 鮮魚魚武の三代目、料理家の魚屋三代目です。
身近な魚介で作るオイル煮シリーズ、
今回は、まぐろを使った一品です。
スーパーなどで「まぐろのブツ切り」がたっぷり入ったパックがお安くなっていること、よくあります。ところが「よし、今日はこれで山かけ、アヒポキ、丼だ」なんて意気込んで買ってみたものの、結局、筋が多くて食べづらかったり……。
あとは、まぐろのサクでも、脂のりはいいのに筋が多くてお安くなっているものも結構見かけます。
そんなまぐろは包丁で叩いてネギトロのようにするか、今回ご紹介する「オイル煮」にするのがオススメ。まぐろの筋は熱を加えると溶けて、しかも甘味が出るんです。香ばしく焼き上げた長ネギと一緒にオイルに漬けてさらに風味アップ。冷蔵庫で保存すれば4~5日は食べられますよ。
魚屋三代目の「まぐろのオイル煮」
【材料】2人前
- まぐろのブツ切り(まぐろのサクでもOK) 200g程度
- 長ネギ 1本(5cmの長さに切る)
- にんにく 1片(芯をとってスライス)
- ローリエ 1枚(あれば)
- 粒黒こしょう 10粒程度(粗びき黒こしょうひとつまみでもOK)
- オリーブオイル 適量(今回は100ml程度使用)
- サラダ油 適量(今回は100ml程度使用)
作り方
1. まぐろのブツ切りに軽く塩(分量外)をふって10分おきます。
サクの場合は厚めに切って使います。
2. その間に、長ネギを魚焼きグリルやフライパン(油は引かないでOK)で焼き色がつくまで焼いておきましょう。
3. 塩をふったまぐろから水分が出てきますので、キッチンペーパーなどでおさえて水気を吸い取ります。
4. まぐろが重ならないように並べられる大きさの小鍋を準備し、まぐろを並べていきます。ローリエとにんにく、粒黒こしょうを加えます。
お好みでディルなどのハーブや、赤唐辛子を加えると味に幅が出ますよ。
5. 4に油を注ぎます。オリーブオイルは香りや風味が強いので、今回はサラダ油と半々にしました。まずは、オリーブオイルをまぐろの半分の高さくらいまで注ぎます。
これくらいが目安。
次に、サラダ油をまぐろがかぶるくらい注ぎます。
油の割合はお好みで。風味を強くしたい場合はオリーブオイルの量を増やすかオリーブオイルのみで、すっきりとした仕上げるならサラダ油を増やすか、サラダ油のみで。米油やグレープシードオイルなどでも美味しくできます。
6. 弱火で、小さな気泡が出てきてから2分くらい、まぐろをひっくり返してさらに1分くらい煮たら火を止めます。
これくらいの火加減で煮ていきます。
7. 煮沸やアルコール消毒をした密封できる耐熱容器にまぐろと長ネギを移し、ローリエ、黒こしょう、にんにくが入ったオイルを加えてください。
8. 粗熱が取れたら、
フタをして冷蔵庫に入れます。冷蔵庫で保存して、4~5日を目安に食べ切るようにしましょう。
食べる際、まぐろを容器から取り出す箸やスプーンは、使いまわさずに常に清潔なものを使ってください。
食べ方いろいろ、残ったオイルも最後まで楽しめます
ねぎま鍋という食べ方もあるように、まぐろとネギの相性は抜群。火を通して甘味を増したまぐろがネギや黒こしょう、ハーブの香りをまとって、そのままで酒の肴になるのはもちろん、バゲットにのせたり、ご飯にのせて「ツナ丼」にしても最高です。
マヨネーズと薬味ネギをたっぷりのせて、コンビニおむすびのツナマヨ感覚でかきこんでください。
そうそう、残ったオイルはパスタオイルや香味油として残さず使えますよ。
今回使ったまぐろは、メバチマグロ。値段的にもお求めやすい種類になります。その他、まぐろならキハダやビンナガ(ビンチョウ)、まぐろ以外ではカツオでも美味しくできます。そういえば市販のツナ缶もキハダやビンナガ、カツオが使われていますよね。
まぐろのブツ切りは、そぼろにしても美味しいですよ。
作った人:魚屋三代目
本名・柳田昇(やなぎたのぼる)。神奈川県厚木市で60年以上続く鮮魚店の三代目。父と魚屋を営むかたわら、旬の魚介の簡単な料理や捌き方をブログ『魚屋三代目日記』にて紹介しています。レシピ本などの書籍やテレビなど幅広く活動。62種の魚介の詳しい捌き方と、それらの魚をおいしく食べる100を超えるレシピ、捌き方やおろし方の動画が見られるQRコードも掲載の最新刊『魚屋三代目の魚のおろし方と料理』(エイ出版社)が発売中。2023年4月、新鮮な魚介類を使ったお惣菜店「noboru 魚武商店」もオープン。
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