【大人の愉悦】ベランダで酒を飲む=「ベランディング」の誘惑【ヒョイ飲み】

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ベランダで酒を飲む、ということに目覚めたのは10年以上前に家族で沖縄旅行に行った時です。家族が寝静まった後に、ホテルのベランダに出て、海を見ながら(オーシャンビューの部屋でした)ひとりで泡盛を飲んだら大変心地よかったんですね。

 

それで味をしめて、ちょくちょく自宅のマンションのベランダで一人飲みなんかをするようになりました。実はうちの部屋は、ベランダから富士山と東京タワーが見えるのが自慢だったんですよ。夜はさすがに富士山は見えないけれど、東京タワーの夜景を肴にスコッチなんかを飲むのは、なかなかよいものです。……いや、実は数年前に新しく建ったビルのお陰で、富士山も東京タワーも見えなくなっちゃったんですけどね……。

 

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▲物干し竿に肘を乗せるのが基本姿勢です

 

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そもそも、外でお酒を飲むというのは楽しいものですが、何か必要になったらすぐに部屋から持ってこれるし、すぐに戻れて、また出ることができるという気楽さもベランダのいいところ。いわば、外飲みと自宅飲みのいいとこ取りなんですよ、ベランダ飲み。

 

で、聞いてみると、「ベランダ飲み、ちょくちょくやってるよ」という人が周りに結構いるんですよね。じゃあ、ちょっとお邪魔して、一緒にベランダ飲みさせてもらおう、と思いました。

レッツ・トゥギャザー・べランディング!

 

ベランディングその1:弓削さんちのベランダ

まず最初にお邪魔したのが、ライブフォトグラファーの弓削ヒズミさんのお宅。ライブハウスを中心にステージ撮影をしているカメラマンで、僕のやっているバンドもいつも撮影してもらっています。もう10年くらいのおつきあいですが、お宅にお邪魔するのは、これが初めて。

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▲弓削ヒズミさん。ライブハウスではいつも黒装束

 

東武東上線のときわ台駅から徒歩10分くらいのところにある大きなマンションの一階でした。一階なので、ベランダの先に小さな庭があります。
そうか、一階だとこういう特典があるのか。


「まぁ、この部分は共有スペース扱いになるから、別料金を払うことになるんだけどね」

なるほど。ここは部屋の敷地には含まれないのか。それでも庭があるというのは、いいなぁ。うらやましいな。

 

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テーブルと椅子が置かれていて、リゾート気分。この日は天気もよくて、それでいて暑すぎずという気候なので、外で飲むには最適でありました。
とりあえず、ビールで乾杯。

 

あー、昼に飲むビール最高。

外で飲むと、さらにレベルアップ。

 

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「だいたい土日は午前中に息子のサッカーの練習を見に行って、その後にここで軽く昼飯でビール飲んだりするんだよね」
なに、その極楽パターン。そりゃ、ビールも美味いよねぇ。

 

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来る途中に僕がデパ地下で買ってきた焼き小龍包と、ヒズミさんの奥様が出してくれたモツ煮やヒジキ煮などをつまみに、クイクイとビールを飲んでいきます。
屋外ならではの開放感と、家ならではのくつろぎ感を同時に味わえるのがベランダ飲みの醍醐味であります。

 

何よりも空。

見上げると空があるというのは、ビールを飲むのに最高の環境なんですよね。

 

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一階と言っても、グリーンで目隠しされているし、前の通りはほとんど人も通らないので、通行人が気になるということはありません。
「この辺はもともと大きな工場が多くて、その跡地にマンションが建ったんだよ」
なるほど、それで大型マンションが多いんですね。自分が小規模のマンション住まいなので、こういう大きいマンションって、なんかドキドキしちゃうんですよね。
ちょっとお店のオープンエアの席で飲んでいるような気分になれるベランダでした。

 

ベランディングその2:柳下さんちのベランダ

続いては、飲み仲間というか古本仲間というか、よく遊んでもらってる特殊翻訳家・映画評論家の柳下毅一郎さんちのベランダへ。新宿と大久保の間あたり。「ゴールデン街からも歩いて帰ってこられるのが最高なんだよ」とのこと。

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▲柳下毅一郎さん。ベランダとビールが似合う男

 

マンションの4階で、一般的に想像するマンションのベランダという感じの典型的な広さのベランダですね。僕の自宅のベランダもだいたい同じくらい。

 

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「椅子を一個、ベランダ用に置いてあるんだよ。んで、ここでビールとか飲むんだ。子どもの声聞きながら」


すぐ近くに幼稚園があるので、そこから子どもの声が聞こえてくるのです。実は、うちのマンションもすぐ隣が保育園なので、同じように子どもの声が聞こえてきます。騒音だ! なんて怒る人もいますが、微笑ましくて、僕は好きです。
あれ、でも、幼稚園の子どもの声が聞こえるって、平日の昼間じゃないですか。


「いや、おれ、ちょっと酔っ払った方が筆が進むからさ」


そうですか。僕は少しでも飲むと、もう仕事は出来ないタイプなので、それはうらやましいな。
というわけで、平日の昼間からお邪魔して、ベランダで飲み始めました。


「今の時間は、お迎えが来るんだよねー」

「ああ、なるほど。お母さんたちが自転車で」

「ほら、あのヤンママ、なかなかいい感じ」

「場所柄、ちょっとホステスさん風の人とか多いですね」

 

どうやら、子どもの声よりも迎えに来るお母さんを眺める方がいいつまみになってるようです。いや、まぁ、それはある意味で健全か(笑)。
僕が持ってきたビールは早々になくなり、柳下さん、冷蔵庫から瓶を持ってきました。


「昨日まで金沢映画祭に行ってたんだけど、そこで買ってきたんだ」

 

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ほほう、「夜空の恋音(こいね)」ですか。変わった名前の日本酒ですね。おお、これは爽やかでありながらコクもありますな。うめえ、うめえ……。

この日は日差しが強くて、かなり暑かったのですが、汗をかきながらベランダでダラダラと飲み続け、気がつけば「夜空の恋音」も一本空け、さらにワインまで……。

 

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▲もうかなりいい感じの顔になっている柳下さん(笑)

 

僕はベロベロになりながら事務所に戻って爆睡。もちろんこの日は全然仕事になりませんでした。柳下さんは、あの後、仕事をしたんだろうか……。

 

ベランディングその3:パリッコの実家のベランダ

さて、最後は『メシ通』でも「ほろよい調査隊」を連載中の居酒屋ライターでトラックメイカーのパリッコのうちのベランダへ。いや、パリッコの今の家じゃなくて、実家のベランダにお誘いいただいたのです。


「え、実家?」

「学生の頃、よく友だち集めてベランダで飲んでたんですよ」


というわけで、その学生時代のベランダ飲みを再現するというコンセプトでいってみました。なので、つまみもスーパーで安くてカサのありそうなお惣菜とお菓子を買ってきて、酒もできるだけ安いものを選ぶという組み合わせで。
大泉学園の住宅街の一軒家。なんというか、こう大変正しい実家感のあふれるお宅でありました。まだ残ってるパリッコの部屋には、懐かしいものが保存されていたりしてね。

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懐かしいなぁ、まだ取ってあるんだ。

そして、その部屋から出られるベランダ。かなり広いです。

「最初は、部屋の中で飲んでたんですけど、ふと窓の外をみたら、ここでも飲めるんじゃねぇ? って思って、出てみたんです」
ブルーシート敷いて、ちゃぶ台出して、座布団敷いて。暗いからランタンも用意して……。ベランダ飲みというよりも、夜の花見感が漂ってまいりました。

 

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このブルーシートは当時使ってたものらしい。物持ちいいな、パリッコ。

ここで、ご近所だという漫画家の服部昇大さんも参加。ますます宴会感が増してきましたよ。

 

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このシチュエーションが非常に似合う二人。

 

では、カンパーイ。

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くー。夜の屋外で飲むビールは美味いなぁ。いや、ビールはどこで飲んでも美味いんですけど、この開放感はたまらないですね。それでいて、ちゃぶ台と座布団という自宅のように安心できるくつろぎ感。

しかも、虫の声なんかもかすかに聞こえてきて、ムードも最高です。

 

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▲駅前のスーパーと近くのコンビニで買い揃えてきた今夜のメニュー

 

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▲焼酎と炭酸水があれば、だいたいなんとかなる

 

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ほぼホタテ、初めて食べたけど、なかなかイケますな。

缶詰とかお菓子とか、「ほぼホタテ」(ホタテ風かまぼこ)とか、飲み屋さんじゃなかなか食べられないですからね。それでいて、自宅飲みにはない、この開放感。

 

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▲いつも幸せそうに酒を飲む男、パリッコ

 

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▲パリッコの実家の近くには、よくゲームをしにうろついているという服部昇大さん


「あー、このベランダで飲むの、もう十何年ぶりなんですけど、学生気分に戻りますね」

素晴らしいぞ、居酒屋「パリッコのベランダ」。いや、居酒屋「パリッコ実家のベランダ」(笑)。またお邪魔したいと、本当に思いましたね。

 

これからの季節、ベランダ飲みには最適です。と、いうか、真夏とか真冬はあんまりベランダ飲みには適さないので、今こそベランダ飲みにチャレンジしていただきたい。そして、この楽しさに目覚めていただきたい。

実は、僕の仕事場のベランダがやたらと広いので、そこでもよくベランダ飲みとかしているんですよ。一階がコンビニなので、酒やつまみの調達も楽だし。この快適さを知ったら、もう飲み屋さんなんて行ってられない?

 

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▲優雅なアラフィフ男

 

では、みなさんも、よいべランディングを!

次はあなたのベランダにお邪魔しにいくかもしれませんよ!

 

書いた人:安田理央

安田理央

1967年生まれ。フリーライター、居酒屋お通しコレクター、アダルトメディア研究家、ニューウェーブ歌手、イベント司会、駅弁大会エバンジェリストなど、色々。好きなサッポロ一番はしょうゆ味。

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【うまい酒】飲んべえのための「ライブハウス飲み」の楽しみ方【ヒョイ飲み】

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四谷のライブハウス「アウトブレイク」は飲んべえの楽園!

イギリスなんかだと、パブ(パブリック・バー)という、みんなが集まる安い飲み屋さんがあって、そこでバンドの演奏なんかもあって、それを見ながら酒を飲むという文化があるそうなんですね。そうしたところで演奏するバンドを総称したジャンルがパブ・ロックと言って、それがパンクの発祥になったという話もあります。

 

僕はパブ・ロック系のバンドが好きだったりするので、「いいなぁ、イギリス。そういうの楽しそうだなぁ」なんて思っていたわけです。

いや、基本的に日本のライブハウスも分類上は飲食店なので、どこもアルコールを出しているんですが、これがヒドいわけですよ。ベコベコのプラカップに入れた薄ーい酎ハイを500円とか600円とかで出すわけですよ。普段、酎ハイ300円! なんて安い居酒屋さんで飲んでる身からすると、どうにも納得いかない。ここで飲むくらいなら、ライブ終わってから居酒屋さんに行って飲むよ! なんて気分になるわけです。いや、本当は我慢できなくて、ライブハウスで何杯も飲んじゃって、後で後悔するんですけどね。

 

そんな中で、ここなら飲んじゃうよなぁ、と思っている数少ないライブハウスが四谷の「アウトブレイク」なんです。

 

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四ツ谷駅から徒歩6分。新宿通り沿いです。

えー、実はワタクシ、高校生の頃から活動をはじめて、いまだにやってるというバンド歴30年以上のバンドおやじなんですね。
で、ここ数年一番お世話になってるのが、この「アウトブレイク」なんです。

 

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野獣のリリアンと言います。11人編成とやたらとメンバーが多いです。最近CD出しました。

とにかく面白いハコなんですよ。朝5時からスタートして午前中で終わる早朝ギグなんてイベントやったり、トイレ工事とノイズバンドのコラボライブをやったり、とにかく店長の佐藤さんがアイディアマンでフットワークが軽い。たぶん、今、日本で一番おもしろいライブハウスなんじゃないかと思っております。


で、出演したり見に行ったりしていて、感じるのは、ここのドリンクへの力の入れっぷり。飲み放題イベントをやったり、あのキンミヤ焼酎とのコラボイベントをやったり。

 

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キンミヤと「アウトブレイク」のコラボTシャツなんかもあります。

お酒も二杯目からは400円だったりするので、つい何杯も飲んでしまうわけですよ。ちゃんとお酒が美味しいし。


そうだよ、ちゃんと納得するお酒を出してくれれば、おれらだってちゃんと飲むんだよ!


というわけで、佐藤店長にライブハウスのドリンク事情について聞いてみました。どうしてライブハウスの酒って、あんなに高いんですか?

 

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店長の佐藤学さん。ギタリストとしてステージに立つこともある。

 

佐藤:まぁ、ライブハウスはそこで利益を出しているというところもあるんですよ。

ーー入場料だけじゃ利益が出ない?

佐藤:だいたい売上の三割くらいはドリンク代が占めてるんですよ。

ーーじゃあ、ドリンクがたくさん出た方が利益が出るってことですよね。

佐藤:だから、お客さんの年齢層が高いバンドって、ドリンクがたくさん出てうれしいということもあるんです。

ーーあ、そうか。若い子はあんまり酒飲まないもんね。おじさんバンドだとお客さんがそんなに入らなくても、お酒をいっぱい飲んだりすると、売上が高くなったりするのか。

佐藤:そうです。いかにお客さんに飲んでもらえるかが売上を左右するんですよ。おかわりしてもらえたら勝ちだった思ってます

ーーライブハウスでもドリンクが800円のお店とか、酎ハイが薄くてまずいお店とかあって、ああいうところだとおかわりする気がしなくなるんですよねぇ。

佐藤:ああ、確かに。わけのわかんない焼酎使ってるところが多いですよね。少しでも利益だそうと、そこを安くして。うちは焼酎はキンミヤ使ってますからね!

ーー全部キンミヤなんだ。すごい!

佐藤:他にも焼酎は芋とか麦とか黒糖も用意してますよ。あとは、割り物でも、お酒の濃さを選べるんです。薄め、普通、濃い目と。濃い目でも値段は一緒ですよ。

 

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酒飲みのかゆいところに手が届くサービスの良さ!

ーーそれじゃ、損しちゃいませんか?

佐藤:でも濃い目を頼む人は、必ずおかわりしてくれますからね。

ーーおお! 酒好きなわけだもんね。なるほど!

佐藤:あと夏限定で凍ったレモンを入れたレモンサワーを出してるんですが、これも売れてますね。600円なんですけど、同じグラスでの追加チューハイが400円。「そのままのグラスで二杯目、三杯目がウマイ」って書いたら、みんなおかわりしてくれました(笑)。

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▲もういかにも美味しそうなコピー!

 

ーーあ、それは前におれも飲みましたよ。確かにああ書かれるとおかわりしたくなるもんなぁ。ところで、「アウトブレイク」は飲み放題もやってますよね。

佐藤:毎週火曜日は、飲み放題になってます。

ーーあれ、普段のワンドリンク500円と同じ値段で飲み放題でしょ? 大損になるんじゃないですか?

佐藤:まぁ、それはそうなんですけど、そもそも飲み放題って、名古屋のライブハウスで昔からやってるところがあるんですよ。オーナーに話を聞いたら、赤字かと思ったら、意外にそうでもないぞ、と。

ーーえ、どうしてですか?

佐藤:飲み放題って言うと、お客さんが帰らないんですよ。普通だと、目当てのバンドが出るまで近くの居酒屋さんで飲んできたり、目当てのバンドが終わったら、すぐに帰って居酒屋さんに行ったりするじゃないですか。でも飲み放題だと早く来てくれたり帰らなかったりするから、お客さんがいっぱいいることになる。そうなるとバンドだってうれしいじゃないですか。

ーーあ、確かに。出演する側としては、できるだけお客さんがいた方がうれしいです。

佐藤:そうするとバンドが、「アウトブレイク」はいいハコだからまた出たいと思ってもらえるわけですよ。ライブハウス側にとって、それは大きなメリットなんですよね。

ーーなるほど。単なる売り上げの数字以外も見ていかないといけないと。あと、「アウトブレイク」って、フードを出す時がありますよね。モツ煮とかたこ焼きとか、出店みたいにして。

佐藤:あれはフード出店してくれる人がいるんですよ。持ち込み屋台。今は週一くらいで、誰かがフード出してくれてるかな。

ーーあれって出店料みたいなの取ったりするんですか?

佐藤:取らないですよ。もともとウチではフードは出してないから食い合うことはないし、お酒も進むじゃないですか。だいたいみんなお酒に合うものを作ってくれるし(笑)。

ーーなるほど!

 

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そんなことを言ってますが、実は僕もフード屋台を出したことがあるのでした。ちゃんと完売しましたよ!

 

佐藤:最近多いのが、500円で食べ放題っていうの。料理をどんどん作っていって、食べていってもらうの。ライブだとバンドとバンドの間が10分くらいじゃないですか。その時間でオーダー受けて作ってってやってるとキツイ。それならどんどん作っていく方が理になかってるなと。

ーー前に僕も食べたけど、あれは確かによかったな。満足感がすごくある。

 

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僕が以前食べたのは、投げ銭(値段は自由)システムでした。いや、これはお得感あったわー。


佐藤:平日のライブなんかは、みんな仕事終わってから見に来るじゃないですか。早い時間だと食べてくるヒマもないから、最後まで見てるとお腹空いちゃいますよね。そういう意味で、フードがあるといいんですよ。

ーー後でちゃんと食べに行くにしても、ちょっとだけ何か食べたいって時、ありますもんね。僕なんかは酒飲む時は、絶対につまみが欲しいから、何かしら欲しい。

佐藤:うちでは最近ゆでたまごを始めたんですよ。一個50円で、結構お腹のたしになるでしょ。

ーーおお、なぜゆでたまご?

佐藤:あれ、いっぱい作るの楽なんですよ。めったに失敗とかしないし。ゆでたまごの売り上げがたまったら、板東英二さんを呼ぼうなんて話してます(笑)。

ーーははは。しかし、色々考えますねぇ。

佐藤:よく言うんですが敵は居酒屋さんなんですよ。僕も他のライブハウスを見に行く時とか、つい居酒屋さんに寄ってっちゃったりする。でも、最初からうちに来て飲んでもらえればうれしいし、ライブが終わった後の打ち上げもウチでやってもらえれば、もっとうれしい。

ーーライブハウスも居酒屋さんに対抗できるだけのホスピタリティがあるといいですよねぇ。じゃあ、最後にライブハウスで酒を楽しむ時に注意するべき点とかありますか?

佐藤:うーん、そうですね。実はビールも美味いお店、まずいお店があるんですよ。

ーーあ、ビールサーバーの掃除をこまめにやってるかどうかですよね。

佐藤:そうです。ビールが美味いお店は、ちゃんとしてるから、他の酒も美味いです。だから一杯目はまずビールを飲んで判断するとかね。実はお店にとってはビールは原価が高いから、利益が薄いんだけど(笑)。

 

では、そろそろライブを見ながら飲みますかね。言われたとおりに、まずは一杯目はビールにします。「アウトブレイク」のビールはハイネケン!
おつまみには、「アウトブレイク」名物・ゆでたまご(1個 50円)。

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何種類もの塩やマヨネーズが用意されてるのはうれしい限り。

 

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あー、ビール美味し。

ゆでたまごも美味し。この日はバンドが用意したお菓子がテーブルに置かれたりするので、これまたおつまみに最高。

 

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ゆでたまご、いいつまみになるんですよね。
二杯目は特製レモンサワー行っちゃおう。そうなるとおかわりもしないとなぁ……。

 

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レモンのホロ苦さがたまりません。確かに二杯目も美味しかった……。

 

お店情報

四谷アウトブレイク

住所:東京新宿区四谷2-10 第2太郎ビルB1
電話:03-5368-0852

hor-outbreak.com

※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

 

書いた人:安田理央

安田理央

1967年生まれ。フリーライター、居酒屋お通しコレクター、アダルトメディア研究家、ニューウェーブ歌手、イベント司会、駅弁大会エバンジェリストなど、色々。好きなサッポロ一番はしょうゆ味。

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「サイゼリヤ」で1人千円以内で完璧に飲むための極楽メニュー【ヒョイ飲み】

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日本橋浜町のサイゼリヤで“せんべろ飲み”に挑戦

ファミレス飲みが流行っているようです。ファミレスがアルコールを安く提供し出したことで、安く気軽に飲めるお店として注目されるようになったわけです。なかでも、よく話題になるのが「サイゼリヤ」のコスパの素晴らしさ。もともと非常にコストパフォーマンスの高いイタリアンレストランとして知られる「サイゼリヤ」ですが、ワインの安さは、ちょっと驚くレベル。

 

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だって、グラスワインが1杯100円、500ミリリットルのデカンタが399円、1.5リットルのマグナムボトルが1,080円ですよ。安いなんてもんじゃないですよ。実は先日、大阪の安くて美味い飲み屋さんを飲み歩いてきて、その安さにびっくりして来たわけですが、「サイゼリヤ」はそれ以上のコストパフォーマンス力を持っているのです。

 

そんな話をしていたんですが、じゃあ、本当に「サイゼリヤ」で本当に1,000円でいい感じに酔っぱらえるのか試してみようということになりました。1人1,000円以内という取り決めでの飲み会です。1,000円でどんな組み合わせで行くのか、ここに酒飲みとしての経験とセンスがにじみ出てくるわけです。

 

負けられない戦いがここにある!

 

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参加者は、元ワイン雑誌編集長のモギ氏、神保町の特殊古書店・マニタ書房店主のとみさわ昭仁氏、カメラ係で写真には写っていませんが、『メシ通』編集のM氏、そして僕の4人です。予算はもちろん1,000円×4名=4,000円のみ!

 

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さっそくメニューを広げてメニューを吟味します。まず問題となるのは、酒と料理のバランス。せんべろと言う以上、ワイン一杯というわけにはいきません。ちゃんと酔っぱらえる程度の酒量は欲しい。料理にしても、つまみがひと皿だけなんて、寂しすぎる。あくまでも、たっぷり飲んで、たっぷり食べたい。しかも1人1,000円以内で。

そんな無茶な望みを聞いてくれるのが、「サイゼリヤ」ですよ。ね、そうですよ。

 

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「本当だったら、フルボトルを頼んでみんなで分けるのがお得なんだけど、それだけで1,080円いっちゃうからなぁ」

「そうか、サイゼリアって、基本的にワインとビールとサワーしかないのか。焼酎があれば、ドリンクバーと組み合わせる手があったんだけど」

スマートフォンの電卓アプリ片手にメニューを見ながら組み合わせを考えます。真剣です。なにしろ手練の飲み手ばかりですから、下手なセレクトをすると笑われてしまいます。ここはひとつ、みんなをうならせるような鋭い組み合わせを編み出したい。

「実はおれ、この間、近所の『サイゼリヤ』で1人で予行練習してきたんだよね」
とみさわさんがそんなことを言い出します。

うわ、この人、やる気だ。

 

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さて、それではそれぞれのデッキを見てみましょう。

まずは、モギさん。彼は僕の駅弁大会の師匠であり(長くなるので詳細は省略)、某ワイン雑誌の編集長でもあった人です。従ってワインにはうるさいです。ワイン以外にもうるさいです。僕の心の中では、『めしばな刑事タチバナ』と重なることがよくあります。

 

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メインの料理は、たっぷり野菜のミネストローネ(299円)。そこにフォッカチオ(119円)と、プチフォッカチオ(139円)。ワインは250ミリリットルのデカンタを赤と白の両方で、各200円。合計957円!

 

フォッカチオとワインのダブル使いに老練なテクニックを感じますね。フォッカチオはミネストローネにつけてもよし、テーブルに常備のオリーブオイル(に食塩も)につけてもよし。

 

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「はっきり言って、フォッカチオだけでワイン、いくらでもいけちゃうからね」

 

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ワインのデカンタは250ミリリットル2本と、500ミリリットル1本は1円しか違わないというところに目をつけての赤白2本セレクトというのも、さすがです。ここで、飲み方がグッと広がりますからね。

 

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続いては、とみさわ昭仁さん。自分の目で選んだ変な本しか置いていないという特殊な古書店・マニタ書房の店主にして、ライターでコレクター。自身のコレクター遍歴を綴った『無限の本棚』(アスペクト刊)が好評発売中。この人も、飲み屋さんにはめっぽううるさい人です。そしてこだわりの人です。

 

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メインの料理は「サイゼリヤ」の名物とも言えるエスカルゴ(399円)。そこにキャベツとアンチョビのソテー(199円)。そしてペコリーノ粉チーズ(69円)。ワインは赤の250ミリリットルデカンタ(200円)と白のグラスワイン(100円)。合計967円。

やはり気になるのが、羊の乳から作られるというペコリーノ粉チーズの追加。粉チーズならテーブルに備え付けのが無料であるのに……。

「そう思うでしょ、ふふふ」

とみさわさんは、そう不敵に笑うと、やって来たエスカルゴをひとつ食べると、

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その穴にペコリーノ粉チーズを投入! エスカルゴが入ったままの穴にも投入! 

エスカルゴの入った容器は熱せられているので、粉チーズが溶けて固まり、これはこれで一品のつまみとなるわけです。なるほど、それで無料の粉チーズではなく、味わい深いペコリーノを注文したというわけですか。やるなー!

 

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では、『メシ通』編集のM君のデッキを見てみましょうか。最初は今日は撮影だけで参加するつもりはなかったということですが、どうせなら人数が多い方が楽しいからと急遽参戦させちゃいました。

 

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メインの料理は、若鶏のグリル ディアボラ風(499円)。そこにフォッカチオ(119円)に白のデカンタ500ミリリットル(399円)で合計1,017円。

なんというか、あまり面白みのない組み合わせですね。しかも17円オーバーしちゃってるじゃないですか。これはやはりメインに499円もかけちゃってるのがよくなかったのでは? (いや、499円って十分安いんですけどね)。

 

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「いや、でも、僕、『サイゼリヤ』ではこの若鶏のグリル ディアボラ風が一番美味しいと思ってるんですよ! 他じゃダメなんです!」
そうですか。そこまで思い入れがあるんじゃ、他人が口を挟むのは野暮というものですね。でも17円オーバーってのは、失格ですよ。

 

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若鶏のグリルをフォッカチオで挟むと、たまらなく美味しいんですよー」とM君。
ま、幸せそうだから、あまり追及するのは止めておきましょう。

 

さてさて、それでは僕のデッキも公開いたしましょう。

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メインの料理はランチメニューからスパイシートマトのハンバーグサラダ、スープ、パン付き(500円)にランチドリンクバー(110円)。そして掟破りのグラッパ(379円)の合計989円。
え、ワインじゃなくて、グラッパ? だいたいグラッパって何? という人も多いと思いますので、説明しておくと、グラッパとはイタリアの蒸留酒でぶどうの搾りかすを発酵させたブランデーの一種。イタリアでは食後酒として飲まれることが多いんですが、僕はあえてこれをメインに据えてみました。その理由はアルコール度数の高さ。なんと40度です。

 

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いや、ファミレス飲みの重要ポイントとして、ドリンクバーの活用というものがあるんですね。焼酎のボトルなどを注文し、それをドリンクバーのドリンクで割ると、たいへん割安なわけです。しかし、『サイゼリヤ』には焼酎は置いていない。じゃあ、なにか強いお酒がないかなとメニューをひっくり返して見つけたのが、このグラッパ。30ミリリットルだけど、これだけ度数が高ければ、割ればかなり飲める。


そしてランチメニューを頼むと通常280円のドリングバーが110円になるんですね。しかもランチならサラダもスープもパンも付く。

うん、これはお得だ。完璧なデッキだ!

 

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というわけで、それぞれ自分の注文したメニューで飲み始めます。僕もドリンクバーに行って、グラスに炭酸と氷を入れてきます。味のついていない炭酸があるのは、うれしいですね。これでグラッパを割って……。


……うん、グラッパって、ちょっとクセがあるんですよね。

独特の香りと苦味というか……。これはこれで悪くはないけれど、うーん、ちょっと飽きるかも。あと、食後酒だけあって、料理と合わせるには、少々アクの強い味かも……。いや、悪くはないんですけどね。みんなが飲んでるワインがうらやましい(笑)。

 

トニックウォーターとか烏龍茶とかでも割ってみたんですが、味がぶつかっちゃって、あまりよろしくない。ああ、ここに焼酎かウォッカがあればなぁ……。イタリアンレストランなんだから、それは無理な希望ですよね。でも、250ミリリットルのデカンタでワインを頼んで、炭酸で割っていくという手もあったかな、なんてことも考えました。

 

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それはそれとして、サラダをパンに挟むとおつまみ力がグーンとアップ。パンはオリーブオイルをつけても美味しいし、もっとたくさん食べたいくらいだな。いくらでも欲しいな、パン。もしくはフォッカチオ。

 

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……おじさんたち、楽しそうですよね。

 

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さて、お会計です。4人で合計3,930円。M君が17円オーバーしたけれど(しつこい)、無事4,000円以内に収まりました。

 

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飲兵衛ばかりのメンバーなので、正直、もうちょっと飲みたいな、という酔い具合なのでベロベロとまでは行きませんでしたが、1,000円で十分に楽しめたことは間違いありませんし、実際はマグナムボトルをみんなで頼むなどすれば、もっと安くたくさんワインが飲めるわけです。

 

でも、こういうゲーム性をもたせた飲み会というのも、たまには楽しいんですよね。実は、以前にも「某コンビニで1人1,000円の予算で買ってくる飲み会」というのをやって、大変楽しかったんですよね。

さて、次はどんな1,000円飲み会をやろうかな。

 

お店情報

サイゼリヤ 日本橋浜町店

住所:東京都中央区日本橋浜町3-21-1 日本橋浜町Fタワープラザ2F
電話番号:03-5651-1251
営業時間:11:00~0:00、夜10時以降入店可、日曜日営業
ウェブサイト:サイゼリヤ

www.hotpepper.jp

 

【フクロウカフェ】秋葉原でフクロウにふれあいながらビール【ヒョイ飲み】

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安田理央のヒョイと一杯のつもりで飲んで フクロウカフェで飲む

フクロウカフェが流行しています。猫カフェのように、フクロウとふれ合えるカフェ。
実は大好きなんですよ、フクロウ。インコを飼ったことから鳥が好きになったんですが、中でもフクロウは触らせてくれるところがいいんですよね。小動物のようにモフモフ感が楽しめる。おとなしいし、結構人懐っこいし、賢いし、理想のペットなんじゃないかなと思うのです。

 

飼いたいなぁとは思うのですが、結構値段も高いし(ン十万円クラス)、餌も大変だし、そして寿命も長いし(ン十年生きる)、気軽に飼うわけにはいきません。なので、とりあえずは、フクロウカフェに出かけて、ふれあっているのです。

 

僕の仕事場のある高田馬場にもフクロウとふれあえるお店があって、よく通っているのですが、昼はフクロウカフェ、そして夜はバーになっています。夜はフクロウはケージの中にしまわれているんですね。なので、眺めながらは飲めるのですが、ふれあうことはできないのです。

 

ああ、フクロウをモフモフしながら飲みたいなぁ。あの感触をつまみに飲みたいなぁ。
と、思っていたら『メシ通』編集M君が「秋葉原に、モフモフしながらビールが飲めるお店がありますよ」と教えてくれました。聞けば、M君もフクロウ好きで、そのお店には行ったことがあるとのこと。
じゃあ、ちょっと行ってみようかということで、秋葉原は「アウルの森」でヒョイ飲みしてまいりました。

 

秋葉原駅から中央通りを末広町の方に向かって、ドン・キホーテの一本先を右に入ったところの雑居ビル5階。末広町駅からの方が近いですね。

 

さて5階でエレベーターを降りると、いきなり樹がうっそうと茂っていてジャングル感のある入口。

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なるほど「アウル(フクロウ)の森」なわけですね。
まずは植物に囲まれた受付で料金を払います。入場料は一時間890円でソフトドリンク1杯付きだそうです。

 

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「あの、アルコールがあるって聞いたんですけど」

受付のお姉さんに聞きますと、別料金で500円とのこと。モヒートやジントニックなんかもありますが、ここはビールにしておきますか。

 

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わ、置物かと思ったら、本物のフクロウだ。

 

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トラフズクのトラちゃんですか。このお店、こんな風にあちこちにフクロウがいるんですが、じっとしている子が多いので、置物と勘違いしちゃうんですよね。
おっと、フクロウとふれあう前には、手を消毒しておかないとね。

 

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お店のお姉さんがスプレーしてくれます。はい、これでキレイキレイ。
店内は正に樹木(だいたいは造樹ですが)が生い茂っているジャングル状態で、ベンチがいくつか置かれています。

 

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そしてまぁ、お店のいたるところにフクロウがいるのですよ。
その数、約20種類30羽以上! 最近話題のメンフクロウとか。

 

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世界最大種のシベリアワシミミズクとか。

 

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『ハリー・ポッター』のヘドウィックでおなじみのシロフクロウがウジャウジャいる光景の迫力!

 

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こいつら、すごく目つきが悪くて(そこが可愛いんですが)、一斉ににらみつけられると、ビビりますね(笑)。

 

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でも、慣れると可愛い。

 

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あ、ちなみに店内のフクロウはさわれる子と、さわれない子がいるので気を付けて下さい。さわれない子には「Don't Touch」と表示が出ていますので。シロフクロウもさわれません。

 

というわけで、さわれる子を探しましょうか。フクロウとふれあいながら酒を飲むのが本日の目的なんですから。

 

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え、なんだ、こいつ?

 

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見たことないフクロウだ。

 

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なんか少女漫画みたいな目をしてる……。


「この子はマレーワシミミズクのマレーちゃんです。国内初ブリード(繁殖)なんです」
とお姉さんが教えてくれます。


そんな超レアなフクロウですが、ふれあえるんですね。さわるときは手の甲で、頭の後ろや胸をなでるのが基本。

 

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あー、この羽の感触と温かさ。可愛いなぁ、いやされるなぁ。

 

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カプっと甘噛みもされましたが、痛くはありませんよ。
いやー、こいつ可愛いわー。

 

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しかし、非常にレアなフクロウということで、このままでは海外の動物園に引き取られてしまうそうです。なのでなんとかこのお店で買い取ろうということで募金をしておりました。またマレーちゃんと会いたいので、僕も募金しときましたよ。

 

店員さんにお願いすると、フクロウを手に乗せてもらうこともできます。
ではメンフクロウのヒナちゃんを……。

 

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ああ、この触り心地。

 

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メンフクロウと見つめ合いながら、ビールが飲める幸せ。

 

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続いてお店で一番評判だというアフリカオオコノハズクのピノちゃんもお願いしちゃいます。インコを飼っていてわかったんですけど、鳥の醍醐味は、肩に乗せられることだと思うんですよ。


肩に乗せられるペットって、鳥の他は猿くらいじゃないでしょうか。鳥が肩に乗っていると、「ああ、おれは安心されているのだ」という温かい気持ちになるんですよね。心がいやされます。

 

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フクロウを肩に乗せながらビール。これ、ものすごく幸せじゃないですか? いや、さっきやってみてわかったんですが、片手に乗せながらビール飲むのはちょっとキツイ(笑)。ビールを飲むなら肩乗せですね。いや、ま、もちろん無理してビール飲む必要はないんですけどね。

 

実はフクロウだけじゃなく、他の鳥もいます。個人的なオススメはオーストラリアガマグチヨタカちゃん。

 

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ニ頭身というか、口、でけえ。

 

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そしてオカメインコのチュンチュンちゃん。

 

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カゴの横にある箱に100円を入れて、そのハコをカゴの前振ると、歌い出します。

 

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「ドン・キホーテ」のテーマソングを歌ってくれました(笑)。

酒を飲むことが重要なこの連載ですが、はっきりいって途中からビールはどうでもよくなりました。むしろ瓶が邪魔。ああ、もっとフクロウを堪能したい、という気持ちです。

 

あとはもう、可愛いフクロウたちのスナップをご覧ください。

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それと、あの、すごく丁寧にフクロウたちの説明をしてくれたお店のお姉さんのツボイさんが、大変素敵でした。現役女子大生だそうです。

 

役得のツーショット。

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近いうちに僕はまた「アウルの森」に行くでしょう。ツボイさんに会いに……いやいや、フクロウたちに会いに。

 

フクロウにふれあい放題で1時間、890円。ビールを1本飲んでも1,390円。しかも空いている時間なら、時間無制限になることもあるようです。なんという天国でしょうか。
フクロウ好きならもちろんですが、フクロウに興味がない人でも、ここに来れば絶対にフクロウの魅力にハマるでしょう。いや、マジ、可愛いんですから、フクロウ。

 

お店情報

アウルの森

住所:東京都千代田区外神田4-5-8-5F
電話番号:03-3254-6366
営業時間:平日/12:00〜22:00(水曜のみ16:00〜22:00)、土曜日・日曜日・祭日/12:00〜23:00 
定休日:無休

※金額はすべて消費税込です。

 

書いた人:安田理央

安田理央

1967年生まれ。フリーライター、居酒屋お通しコレクター、アダルトメディア研究家、ニューウェーブ歌手、イベント司会、駅弁大会エバンジェリストなど、色々。好きなサッポロ一番はしょうゆ味。

過去記事も読む

【閉店】【溜池山王】インドカレーとクラフトビールは“ヒョイ飲み”にピッタリ、という話

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溜池山王でインドカレーとクラフトビール

ビールというのは立派な酒で、だいたいの料理に合うんですよね。和食でも洋食でもエスニックでも合う。


大衆食堂なんかで、昔懐かしい系の和風カレーライスに瓶ビールの組み合わせなんてのもよくやります。ま、カレーライスとビールは合うんだか合わないんだか、ちょっと微妙な気もするんですけど、両方とも好きだから、なーんとなくやっちゃうんですよね、カレー&ビール。

 

しかし、これが本格インドカレーだったりすると、どんな感じになるんだろうな、と思っていたら、見つけたんですよ、「クラフトビールとカレーの店」を。
それが溜池山王の「スパイスダイナー」というお店。本格的なインド料理のお店なのですが、ビールも珍しい銘柄のものをたくさん揃えているというじゃないですか。これはちょっと面白そう。

 

さて、『メシ通』スタッフM君と溜池山王駅へ向かいます。あんまり縁がない駅なんですよね。もしかしたら降りるのも初めてかもしれない。大変モダンな駅ですね。

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「スパイスダイナー」は、駅と直通の山王パークタワーというビルのB1Fにあります。

しかし、この山王パークタワー、同じフロアにアイリッシュパブの「ザ・ダブリナーズ」やビアホールの「銀座ライオン」もあったりして、ビールが充実してるんですよね。もしかして、ビールの聖地かも?

 

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目指す「スパイスダイナー」は、このレストラン街の一番奥にありました。

 

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おしゃれでカジュアルな店構え。にっこり笑ったトレードマークが可愛らしいですね。

 

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ちゃんと「カリーとクラフトビールの店」と書かれております。待ってろよ、カレー&ビール!

 

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店内はウッディな暖色系。考えてみたら、この連載でこういうオシャレなお店は初めてかもしれない(笑)。

 

やはり場所柄、お客さんはサラリーマンが多いようですね。みなさんスーツ姿。だらしない格好でスイマセン。

ということで、奥の半個室のテーブルに座ります。

 

さーて、とにくもかくにもビールをいただきたいですね。メニューを見ると、おお、確かにいろんなビールが用意されています。それも、あんまり聞いたことのない銘柄ばかり。なるほど、これがクラフトビールか。

 

ちなみにクラフトビールというのは、小規模な醸造所で作られたビールのことで、メジャーなビールとは違う個性豊かな味わいが魅力なわけです。メニューを見てみると、修善寺ヘリテッジヘレス、森閑のペールエール、黒の憩、ブラックIPA、俺のA.J.Iなど、変わった銘柄がずらりと並んでおります。それぞれに丁寧な解説がついているので、選ぶ参考になりますね。というか、名前だけ見ても、さっぱりわかんないですからね。

 

セットもいろいろ用意されています。僕はディーナーカリーセット(980円)にしました。お好みのカレーとナン、もしくはライスのセットですね。カレーは、辛口のスパイスダイナーチキンカリーにしました。

 

そしてクラフトビール3種飲みくらべセット(1,000円)。その名の通りにお好きなビール3種類セレクトできるというセットです。実は最近クラフトビールに凝っているというM君のアドバイスに従って、ダージリン、ヴァイツェンボック、黒の憩を選んでみましたよ。

 

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壁からニョッキリと生えた10本の蛇口からそれぞれのビールが出てくるのです。

 

さて、まずはダージリンからいってみましょう。色はかなり薄めの黄金色。ゴクリ。

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お、これはフルーティ。華やかな味わいですね。そして確かに紅茶、ダージリンの風味が感じられます。ちょっとビールのイメージとは違う感じですね。へぇ、こんなビールもあるんだなぁ。

 

続いて、ヴァイツェンボックと黒の憩も到着したので、どんどん味見してみましょう。

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ヴァイツェンボックはグッと色が濃いですね。ヴァイツェンというのはドイツ南部の製法で作られたビールで、これは岩手県のブルワリー産。このヴァイツェンボックは通常のヴァイツェンよりも1.5倍の麦芽を使用しているそうです。

 

おお、なるほど、これは濃厚。

しかもアルコールも7%と高めなので、ガツンと来る味です。苦味よりも甘みが強い感じかな。バニラっぽい風味を感じました。

 

最後は黒の憩。スタウトビールです。スタウトで有名なのは、あのギネスビールですね。スタウトっていうのは「強い」という意味らしく、これまた濃厚。黒くてドスンと来る風味です。この味はビールというより、コーヒーだなと思ったら、本当に挽き割りコーヒーがブレンドされているそうです。

 

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というわけで3種類とも、いわゆるビールのイメージとはかなり違う味わいでした。ううむ、ビールの世界っていうのは、ずいぶん幅広いものなんだなぁ。

おっと、今日はビールとカレーの組み合わせを楽しみに来たんだっけ。

 

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焼きたての大きなナンとスパイスダイナーチキンカリーをつまみに飲むことにしましょう。ビールのつまみにはライスよりナンだろうなと思ったら、これが大正解。ビール自体味が強いので、ナンだけでもいけちゃうんですよ。ビールをおかずにナンを食べる感じ(笑)。濃い味のビールがカレー代わり。思わず、これだけでナンを完食しちゃいそうになりました。


いかんいかん、カレーと組み合わせなくちゃ。

と、スパイスダイナーチキンカリーをスプーンで一口。うん、スパイシー。こりゃあ、インドカレーって感じのカレーですね。そこに黒の憩を一口。

 

おっ。強い味同士でぶつかるかと思ったら、なかなかどうして上手い感じに共鳴しますね。薄いダージリンの方が合うかと思ったんですが、むしろ濃いヴァイツェンボックや黒の憩の方がハマるかもしれません。

 

M君はカレーではなく、「1人飲みセット」というのを注文してます。好きなビール1種類と、おつまみ4種類がついて1,500円というセットです。

  • パパド(インドの豆せんべい)
  • サモサ(インドの揚げ餃子)
  • タンドリーチキン
  • シークカバブ(インド風つくね)

 

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それぞれ適度にスパイシーで、これまたクラフトビールに非常に合うんですね。

普段、ビールというと、あんまり銘柄も気にしないじゃないですか。たまに「キリンとアサヒどっちにします?」なんて聞かれて、「じゃあ、アサヒで」なんて言ったりするけど、別に有無をいわさずに決まった銘柄のビールを出されても、特に文句はないですよね。んで、同じ種類のビールをずっと飲んじゃう。

 

でも、こういう風に、いろいろと個性のあるビールを一杯ずつ飲んでみたり、料理との組み合わせを考えてみたりというのも、なかなか楽しいもんですね。ビールというよりも、ワインを楽しむ感じに近いのかな。

 

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店長の北村さんにお話を聞いてみると、こちらのお店、もともとは千葉県松戸のインド料理屋「印度亭」の支店として開店したのですが、溜池山王という場所柄、インド料理だけでは弱いと考えて、カレーとクラフトビールが楽しめる店「スパイスダイナー」としてリニューアルしたそうです。

 

クラフトビール目当てのお客さんとインド料理目当てのお客さん、そして当然、両方目当てのお客さんがいるそうで、狙い通りに客層が広がったとのこと。いや、もちろん僕は大衆食堂のカレーライスと瓶ビールの組み合わせも大好きなんですけど、たまにはこういうのもいいですね。


そして、クラフトビールは普通のビール(約5%)に比べて約5〜10%とアルコール度数が高めなので、いつもの調子であまり飲み過ぎないように気をつけないとね。

 

今回はヒョイと飲むというより、じっくり味わう系のお店でありましたけど、うん、たまにはいいよね。

 

お店情報

【閉店】スパイスダイナー

住所:東京都千代田区永田町2-11-1山王パークタワーB1F
営業時間:月曜日〜金曜日 11:00~15:00(LO 14:30) 17:00~23:00(LO 食事21:30 飲物22:00)
電話:03-5521-0005
定休日:年中無休

 

書いた人:安田理央

安田理央

1967年生まれ。フリーライター、居酒屋お通しコレクター、アダルトメディア研究家、ニューウェーブ歌手、イベント司会、駅弁大会エバンジェリストなど、色々。好きなサッポロ一番はしょうゆ味。

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「生ビールが飲めるパン屋さん」の歴史的なカレーパンをツマミに【ヒョイ飲み】

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安田理央の「ヒョイと一杯のつもりで飲んで」練馬のパン屋で歴史的なカレーパンと生ビール

買物から帰ってきた妻が言いました。

「駅のところのパン屋さんあるじゃない? デンマーク。あそこの二階がカフェになってるんだけど、ビールとかも飲めるのね」

へー。カフェ併設してるパン屋はよくありますが、ビールを出しているというのは珍しい。実は僕、惣菜パンでビールを飲むのは大好きなんですよ。よく、パン屋やコンビニでカレーパンとかホットドッグ買ってきては、それをつまみにビールを飲んだりしてるんですが、それを出来るお店ってなかなかないんですよね。

 

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というわけで、行ってまいりました、デンマークベーカリー練馬店。すいません、また練馬です。自宅の近所なので、こういう店の情報が入って来やすいのです。

西武池袋線練馬駅から出てすぐの千川通り沿いのオレンジ色の屋根が目印の、いかにも街のパン屋さんといった趣のお店です。

 

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練馬のパン屋さんならではの名物、「ねりまだいこん酵母パン」なんてのもあります。

 

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そして実はこのお店、カレーパン発祥の店のひとつとも言われているのです。そのお話は後ほど。

一階でパンを選んで二階に持っていって食べられるというシステム。パンの種類はかなり豊富で、選ぶのは迷います。

 

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まぁ、これは当然選びますよね、名物のゆで卵入カレーパン(160円)。

 

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さらに牛すじカレーパン(180円)チリビーンズカレーパン(160円)なんかもあります。うーん、牛すじカレーパンも行っちゃうか。

 

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サンドイッチ系も充実。エビチリパン(280円)って何だろう。珍しいですね。これも行ってみましょう。

 

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そして、最近評判らしいのが塩パン(90円)。シンプルながらも、これ、バター塗って食べると美味しいんだよねぇ。

 

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ピザパンも何種類もあります。このボリュームで280円は安いな。

 

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美人の店員さんにピザパンの中身について質問する筆者。ほほう、きまぐれピザというだけあって、中身は日替わりなんですね。

 

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さて、パンを選んだらトレイを持って二階へ。

 

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二階にもちょっとパンがありますね。

 

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ドリンクを注文するカウンターで、パンも一緒にお会計。

 

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生ビール中が250円ランチビールが100円とはずいぶん安いですね。サラダやスープなんかもありますよ。 

 

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パン5種類に蒸し鶏のゴマサラダ(180円)、そして生ビールとランチビール。あ、「メシ通」スタッフM君と二人前ですからね。


二階は70席ほどのカフェでなかなか広いのですが、平日の16時頃で8割くらい席が埋まっています。近所のマダムのグループ客が多いのですが、パソコン広げて仕事をやってる人も結構います。ビール飲んでる人は皆無。なんかこんな中で飲み始めるのは、ちょっと気が引けちゃいますね。


でも、そういう中で飲むのが、また美味しかったりするわけですよ。

 

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ではいただきます。あー、まだみんなが働いている明るいうちに飲むビール最高。しかも、飲み屋じゃないとこで飲んでるのが、また背徳感で味わいプラス。


さて、まずは名物ゆで卵入カレーパンから行きましょうか。

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割ると中には、しっかりゆで卵。おお、いてくれたか、という気持ちになりますね。僕はカレーライスでも、いつも玉子トッピングは必須なので、カレーパンに入っているのも嬉しいのです。

 

さて、このカレーパンなんですが、ウィキペディアにはその起源は江東区の「名花堂」が1927年に実用新案登録した洋食パンが元祖と言われることが多い、と書かれているのですが、同時に練馬区のデンマークブロートが元祖という説があるとも書かれています。どうも洋食が普及した時期に同時多発的に色々な場所で考案されたのではないか、と。

 

いや、それにしてもこのお店、1934年創業という由緒あるお店だったんですね。今年で82周年ですよ。すごい。

その歴史的なカレーパン。意外なくらいにスパイシーで辛さもしっかりあります。おお、これはビールに合う。ゆで卵のおかげで、ずっしりとした食べごたえもありますね。まわりを揚げてあるのもビールにぴったりなんですよね。揚げ物とビールの組み合わせは最強ですからね。

 

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お次は牛すじカレーパン。こちらは文字通りに煮込んだ牛すじが入っているんですが、弾力のある歯ごたえの牛すじがカレー味と合う、合う。ビールのつまみとしては、こっちの方がいいかも。


次は塩パンときまぐれピザですが、こっちは温めた方が美味いですよね。このお店にはオーブントースターと電子レンジがあって、客が自分で温めることが出来るのです。これは嬉しいサービスじゃありませんか。

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さっそく塩パンときまぐれピザをオーブントースターで焼きます。3分くらいですかね。じっと焼けるのも見守ります。いや、見守ってなくてもいいんですけどね。

 

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いい感じに焼き上がりましたよ。ウホっ、美味しそう。

 

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さぁ、いただきましょう。まずは塩パンからいきますか。

 

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ふたつに割って、バターも塗ります。バターやジャム、ハチミツは各20円です。


もぐもぐ……。ウマッ! ウマッ! 

なにこれ、すごく美味い。

香ばしさと微かな塩味。温めたことで、これが数倍に膨らんで……。そして、ビールに合う。すごく合う。やばい。もしかしたら、これが一番美味いかも。

 

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ほっかほかの塩パンをかじりながら、ビールを喉に流し込み、急速に暗くなっていく練馬の街を眺めます。あー、これはいいわ。非常に幸せな気分になりますな。

 

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ビール、一杯じゃ足りません。もう一杯いっちゃいましょうよ、M君。二杯飲んでも500円ですからね。

 

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おつぎはきまぐれピザパン。ちゃんとタバスコをかけていただきますよ。

ほほう。ベーコンにキノコに、カボチャも入ってるのか。これはボリュームあるな。これまたビールのつまみになりますね。

 

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最後はエビチリパン。刻んだレタスとエビチリがゴロっと入っております。ピリッとした味付けです。あー、これもビールに合うじゃん。合いすぎるじゃん。 

 

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あっという間に飲み干してしまいました。

ビール中を二杯飲んでも500円でしょ。惣菜パンを二個くらい買っても500円。あわせて1,000円で、きっちりと飲める。

 

意外な穴場じゃないですかね、デンマークベーカリー。

いや、90円の塩パン2個にバターで、ビール二杯いけるね。すると税込756円で満足コース。これは素晴らしい。

 

てな感じで、この後もちょくちょくデンマークさんでヒョイ飲みしております。牛すじカレーパンにランチビール。下手な喫茶店でコーヒー飲むより安いですよ。そしてこの満足感。

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ビールが飲めるパン屋、もっと出来ればいいのに……。

 

お店情報

デンマークベーカリー練馬店

住所:東京都練馬区練馬1-5-7 サンライズビル1F
電話番号:03-3994-3741
営業時間:[1Fベーカリー]7:00~21:00 [2Fカフェ]7:30~19:00
定休日:無休

www.hotpepper.jp

 

書いた人:安田理央

安田理央

1967年生まれ。フリーライター、居酒屋お通しコレクター、アダルトメディア研究家、ニューウェーブ歌手、イベント司会、駅弁大会エバンジェリストなど、色々。好きなサッポロ一番はしょうゆ味。

過去記事も読む

これは穴場!西武園競輪場で「昼間っからヒョイ飲み」の愉悦 〜本格ピザとハイボールでクイッと一杯〜

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安田理央の「ヒョイと一杯のつもりで飲んで」 西武園競輪場で焼きたて本格ピザとハイボール!

僕自身はギャンブルは全然やらないんですが、競馬場や競輪場にはそれぞれ名物メニューがあって、評判なんて話はよく聞いていて気になっていました。 

しかも、あの場なら昼から飲んでても、少しも後ろめたくなさそうだし。

 

そんなわけで、やって来ました西武園競輪場。1950年開設(当時は村山競輪場)というから、66年もの由緒ある競輪場なんですね。田中誠先生の漫画『ギャンブルレーサー』の舞台になってた競輪場なんですが、あの漫画だとヤジとかすごくて、かなりガラが悪そうな場所として描かれてたなぁ。ちょっとドキドキしますね。

 

西武線で、新宿からも池袋からも40分チョイ。意外に近いですね。しかし、行きの電車のお客さんは、おじちゃんと若い女の子ばかりという不思議な構成なんですが、駅前のコースで、おじちゃんは競輪場、女の子は遊園地とはっきりと分かれます(笑)。僕も立派なおじちゃんなので、競輪場へ……。

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競輪場へ向かう人は、みんな競輪新聞を読みながら歩いてます。真剣です。
しかし、気になったのは、この看板。

 

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「イヌ・ネコ・サルなどペット類の持ち込みは、ご遠慮ください」
イヌ、ネコはわかるんですが、サルとは……。きっと過去に連れ込んだ人がいたんだろうなぁ(後で聞いたら、本当にサルを同行させた人がいたそうです)。

 

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そしてお願いコーナーには、数々の注意書きが。そうなんです。場内は写真撮影禁止なんです。なので、今回はちゃんと取材の許可を得て撮影しております。

 

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入場ゲートに直に入場料100円を投入するシステムです。
いやー、いい天気です。競輪場は一周400メートルなので、競馬場に比べるとだいぶコンパクトですね。特に西武園競輪場は直線が短いので、よけいにそう見えます。

 

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レースも始まっておりますが、とりあえず僕らの目的は、競輪場で酒を飲むこと。競輪のこと、全然わかんないですしね。同行の『メシ通』スタッフM君は競馬は好きみたいなんですが、「いや、競馬と競輪は全然違うんですよ」とのことです。

 

ま、とりあえず場内で飲食できるところをチェックしておきましょう。いわゆる売店が3ヶ所、レストランが2ヶ所あるようです。

 

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こっちが1Fにあるレストラン「むさしの」。大きな窓からコースも見えるし、もちろんテレビも完備なので、ゆっくり食べながら観戦できるわけですね。

 

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面白かったのは、メニューに調理時間のランクが書かれていたこと。例えば広東風五目焼きそば800円は「調理時間A2」、所沢ラーメン500円は「S1」、カレーライス550円は「SS」。SSが一番早く、S1、S2、A1、A2と続きます。つまり急いで食べたい時はカレーライス、余裕がある時なら五目焼きそばがオススメというわけですね。

 

気になるアルコールは、生ビール500円、チューハイが350円、日本酒が400円、ハイボールが400円というところですか。ここも落ち着いて飲み食い出来そうですが、せっかくの晴れた好天候の日ですから、やっぱり外で飲みたいですね。

 

売店の方に行ってみましょう。売店はスタンド席の方に一軒、1Fに二軒あります。販売しているものが微妙に違うようです。

 

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とりあえず一軒で焼きそば400円と、チキンカツ300円、それとレモンハイ350円を購入。


焼きそばは、まぁ、スタンダードな焼きそばですが、チキンカツは骨付きの大ぶりな物でボリュームがあります。ソースをたっぷりかけます。

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串もつはこっちの店にもあるんですが、もう一軒の方だと「赤・白」と二種類あったのが気になります。確か、白は普通のホルモン(腸)で、赤は肺(フワ)じゃなかったかな。


どちらも180円ですか。

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「すいませーん、赤白一本ずつ下さい」

「ごめんね、赤、終わっちゃったんですよ」

ガーン。まぁ、しょうがないですね。とりあえず白ホルモンをもらいます。

 

さて、どこで食べようかな。当たり前のことですが、みなさん競輪目的なわけで、レースを映し出すモニターが設置されてない場所にはお客さんは全然いないんですね。なので、もう貸し切り状態みたいなところがいっぱいあるんですよ。

 

んで、いいところを見つけました。以前、自動販売機コーナーだったらしき場所。自販機は撤去されて、屋根だけ残っています。天気が良すぎて太陽が眩しいので、屋根があるのは嬉しいですね。

 

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よし、ここで始めちゃいますか。焼きそば、チキンカツ、串もつにレモンハイという素晴らしいラインナップを並べます。

 

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ではいただきます。まずは串モツいってみましょうか。大ぶりで美味しそう。

 

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むむ……。意外に柔らかいぞ。

それでいてしっかりと歯ごたえもある。美味いね、これ。

 

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焼きそばは、ん、見た目通りに、ん、普通の屋台の焼きそばですね。でも、これは、レモンハイには、合うんだよね。グビリ。

そして、チキンカツ。ソースたっぷりかけて来ました。うん、うん、これこれ。食べごたえもあって、いけます。

 

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チキンカツというか、フライドチキンですね。こんなのビールとかチューハイに合わないわけないじゃないですか。

 

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あー、天気のいい日に昼間から外で飲み食いするの最高だなー。

 

「安田さん、せっかく競輪場来てるんだから、レース見ながら飲みましょうよ」

 

M君に言われました。おれ、全然ギャンブルには興味ないんだけど、まぁ、確かにそうですね。せめて見るだけでもね。

 

焼きそばやレモンハイのカップを持って、そのままスタンド席へ。日曜昼間なんですけど、スタンドは空いてますね。競輪場としてはよくないんでしょうけど、こっちとしてはゆったりと席が取れて嬉しい限りですよ。

うん、こういうスタンドで飲む方が美味しいかも。

 

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「安田さん、次のレースはガールズケイリン、つまり女性選手なんですよ」

へー。女性! なるほど自転車までカラフルだもんね。でも、これだけ遠いと男性だか女性だかわかんないですねぇ。

 

「せっかくなんですから、車券買ってみませんか?

 

あ、M君、競馬好きだから、競輪にも興味あるのね。買いたかったのね。でも、おれ、全然わかんないよ。

 

「じゃあ、とりあえず名前で選んだらどうですか?」

 

なるほど。というわけで出走表を見て、完全に名前と年齢だけで選んでみました。成績とか得点とかギヤ倍数とか見ても、さっぱりわかんないですからね。

 

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「じゃあ、おれ、茉利名ちゃん27歳と、レナちゃん20歳でいいや」

「5−7ですね。じゃあ、買ってきます」

M君、なんか嬉しそうに車券売り場へ飛んでいきました。

 

そしてレーススタート。漫画『ギャンブルレーサー』で見たみたいな怖いヤジが飛びかうこともなく、レースは進みます。競輪というのは、出身地によるラインとか、そういうのが色々あるらしく、人間関係まで読んで予想するのが面白いそうなんですが、まぁ、僕は全然わからないので(車券の種類すらわかってない)、ボーッと眺めていました。

 

えーと、茉利名ちゃんが黄色で、レナちゃんがオレンジね。

 

なんかよくわからないうちに、レース終了。茉利名ちゃんもレナちゃんもダメでした。そして、M君は当たったらしいんですが、なぜか大赤字だったそうです。車券の買い方が悪かったとか何とか。

 

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まぁ、僕はそういうのはよくわからないので、気持ちよくチューハイを飲んでおりました。レースがわからなくても、いい天気の日に、こうやってスタンドでお酒を飲むのはいいもんですよ。

 

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「そういや、もうひとつレストランがあるんだっけ」

「ああ、なんでもそっちは最近、新しいシェフが入って、本格的なピザが食べられるそうなんですよ」

ほう、本格的なピザですか。

 

競輪場でピザってのは、珍しい。珍しいというか、ミスマッチ。面白いから行ってみましょう。

 

実はこのレストランは特別観覧席の中にあるんですね。特別観覧席とは、1,000円で入れる特別エリア。バンク側が全面ガラス張りになっていて、なかなか快適な指定席なのです。そして、こっちはお客さんがいっぱいでした。そうか、スタンドにいないと思ったら、みんなこっちにいたのか。

 

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ギャンブルやる人って、指定席にお金払うくらいなら、その分、車券を買いたいのかと思ったら、意外に快適さを優先するもんなんですね。

 

そして、この特別観覧席の中のレストラン。さっきのレストランと値段はだいたい同じですが、お、これですか、「おまかせピザ」600円。本格的というけれど、ずいぶんリーズナブルな値段じゃないですか。

 

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ピザならワインといきたいところですが、残念ながらないので、ハイボール400円でいきましょう。

 

ウエイトレスの方に食券を渡すと

ピザは15分くらいお時間かかりますけど、いいですか?」

とのこと。なんでもシェフこだわりのピザなので焼きあがるまでに時間がかかるとのこと。冷凍のものじゃなくて、本格的な手作りピザなんだそうな。

 

はいはい、もちろん待ちますよ。ちびちび飲んでますから。
先にやってきたハイボールは業務用と書かれた缶入りでした。

 

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特別観覧席はドーンと大きなガラス窓なので、レストランのカウンター席からも、レース場がよく見えます。なるほど、これは快適。よくわからないなりに、レースを見ながらチビチビとハイボールを飲みます。

 

こりゃなかなか優雅な気分ですな。
さて、待つこと15分チョイ。やって来ましたよ、おまかせピザ。ほほう、縁のところが盛り上がって厚みのあるタイプですね。

 

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おお、生地はサクサクと香ばしく、チーズはとろーりアツアツ。

これは確かに本格的。競輪場で食べられるピザと言って想像するレベルじゃないですね。

 

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実は、本当は冷凍をチンしたようなものじゃないの、なんて思ってたんですよ。だって600円だし。ところがこれは間違いなくちゃんと焼き上げたものですよ。時間かかるのもしょうがないわー。

その価値あるわー。

 

やっぱりワイン欲しくなりましたね。入れて欲しいなー、ワイン。

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特別観覧席だと、無料の飲み物サービスもあるのでした。ホットコーヒーに紅茶、オレンジジュース。6〜9月はアイスコーヒーもあるんですが、今の季節は梅こぶ茶が用意されてます。いいじゃないですか。

 

この快適さ、1,000円払う価値あるかもしれないな。

 

ちなみに、他の競輪場で開催するのを中継で見る「場外開催日」は300円ということなので、単に飲食目的だったら、その日に来るのもいいかもしれないですね。

 

ところで、実はこの特別観覧席よりも、さらにゴージャスな観覧席があるのですよ。それがロイヤルルーム。なんと5,000円! 取材ということで、ちょっと中を見せてもらいました。

 

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これは、確かに落ち着いたムード。というか、すごく静かで、無神経に喋ってると怒られてしまいそう。本当にここは競輪場なのか、と思うほどです。

 

ちなみにこちらはドリンクだけではなく、こんなお菓子も付いてきます。

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そして、係員のお姉さんも、すごく美人だったことを付け加えておきます。写真は断られちゃったけど(笑)。

 

いやー、正直、そんなに期待してなかったんだけど、

いい酒だったなー、西武園競輪場。

ギャンブル場ならではの高揚したムードと、まったりしたムードが共存してて。


 天気のいい日にダラダラとここで酒飲むのって、結構楽しいかもしれない。

「今度、ちゃんと(競輪を)勉強してから来たいですね」

 あ、M君は別のところに興味があるみたいですね。

「そういえば、ここと秋との無料バスが出てるんですよ」

「秋と言えば、飲み屋の聖地じゃないの」

「そう。車券で当てて、秋で豪遊。どうですか、このプラン」

「ああ、いいねぇ。おれ、やらないで横で見てるけど、M君が当てたら、おごってね。ダメだったら、串もつおごってあげるから」

「せめてピザを……」

 

お店情報

西武園競輪場

住所:埼玉所沢市荒幡1215
ウェブサイト:http://www.keirin-saitama.jp/seibuen/
※レース開催日などはウェブサイトをご確認ください。

 

書いた人:安田理央

安田理央

1967年生まれ。フリーライター、居酒屋お通しコレクター、アダルトメディア研究家、ニューウェーブ歌手、イベント司会、駅弁大会エバンジェリストなど、色々。好きなサッポロ一番はしょうゆ味。

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