ひと目で義理とわかるチョコ「ブラックサンダー」のサンダーショップが愉快すぎた【愛知県豊橋市】

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メシ通読者の皆様、こんにちは。ノッケからこんな姿で申し訳ない。

今や国民的チョコと言っても過言ではない「ブラックサンダー」が私の地元、愛知県に深~い縁があることをご存じだろうか?

 

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ブラックサンダーの製造・販売を手がける有楽製菓株式会社の本社は東京都小平市にあるが、ブラックサンダー自体は愛知豊橋市にある「豊橋夢工場」で製造されているのだ。

しかも、そこにはブラックサンダーをはじめ、シリーズ商品を販売する世界で唯一のサンダーショップも併設しているらしい。

ってことで、東名高速道路で豊橋方面へ車を走らせた。

 

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カーナビに従って音羽蒲郡ICで下りて、豊橋の市街地を抜けた。のどかな田園風景が広がり、いつの間にか静岡との県境に近づいた。

 

(こんなところに国民的チョコの工場が本当にあるのか……)

 

と思ったそのとき、「有楽製菓チョコレート直売店」の看板を見つけた。

ここだ!

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広々とした駐車場には地元の豊橋浜松ナンバーの車のほか、名古屋岐阜ナンバーもあった。車を止めて、建物の方へ歩いて行くと「有楽製菓株式会社 豊橋夢工場直営店」が目の前に。

倉庫っぽい外観はいかにも直営店といった雰囲気だが、平日の昼間だというのにどんどん人が入っていく。

 

店内にはそうそうたるサンダー兄弟たちが

お店の前には顔ハメ看板が。

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そう、冒頭の写真は右側の顔ハメ看板で撮影したものだ。左側には子ども用の看板も。家族連れで訪れる人も多いのだろう。

 

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何しろ、世界で唯一のサンダーショップなのである。

商品のラインアップもイナズマ級に違いない。胸の高鳴りを抑えながら、いざ店内へ!

 

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入ってすぐの休憩室の壁には、有楽製菓株式会社の河合辰信社長が北海道限定の「白いブラックサンダー」を手渡す3Dアートが!

せっかくなので、私も記念にパチリ。

 

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こちらが店内。広さはコンビニとだいたい同じくらい。

商品がうずたかく積み上げられているイメージを抱いていたが、シリーズ商品ごとに整然と並べられている。

 

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「柿の種サンダー」や「ふわさくブラックサンダーWきなこ」、「フルグラサンダー」など全国のコンビニ、スーパーやドラッグストアで販売されているブラックサンダーのシリーズがズラリ。

1本単位では購入できないが、試食しながら気に入ったものを1箱、いわゆる“箱買い”できるのがココのウリなのだ。

 

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こちらは、「白いブラックサンダー」をはじめ、北海道限定商品のコーナー。

「白いブラックサンダー」は、20本入りの箱(900円)と、ひと口サイズのミニサイズが600グラム(標準48本)も入った大容量(1,200円)を用意している。

 

レアなご当地サンダーも選び放題

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「この『白いブラックサンダー』が売れ筋ナンバーワンでして、北海道の工場で製造されているものを運んでいます。4箱、5箱と大量に購入されるお客様も多いんですよ」

そう話すのは、有楽製菓株式会社・マーケティング部の内藤瑠美さん。

 

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北海道限定商品はほかに北海道産メロンを使用した「メロ~ンなブラックサンダー」(12本入り1袋400円)も。

「白いブラックサンダー」は北海道へ行ったときお土産に買ったことがあるが、正直、この商品は知らなかった。試食してみたところ、リアルなメロンの風味に驚いた。

 

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東京限定の東京ブラックサンダー」(24本入り1箱800円)も。

こちらは、創業250年の雷おこしの老舗「浅草常盤堂」とのコラボ商品で、雷おこしの素(パフ)を使用。サクサク食感とともに広がる香ばしさがたまらない。

 

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ブラックサンダーは愛知豊橋市生まれゆえに、豊橋限定商品も。

中身はブラックサンダーミニバー(標準24本入り)だが、パッケージには豊橋の街を走る路面電車のラッピング車両「ブラックサンダー号」や豊橋の手筒花火などが描かれている。お土産にも最適だ。

 

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こちらも豊橋限定商品。路面電車「ブラックサンダー号」をイメージしたパッケージは鉄道マニアにも大好評!

電車の窓には、豊橋の名産品の大葉やウズラ卵、豊橋カレーうどんの被りものをしている有楽製菓株式会社の隠れキャラ「ユーラクぼうや」も。

 

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一つ一つ試食しながら見てまわるだけでも楽しい。楽しすぎる。

中でも私がいちばんレアだと思った商品は「ブラックサンダースペシャルアソート」(1,000円)。何しろ、空港などの免税店と直営店でしか買えないのだ。内容は定番のブラックサンダーと北海道限定の「白いブラックサンダー」、「メロ~ンなブラックサンダー」が7本ずつ。これは買って帰ることに決定。

 

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もう一つ、私の心を揺さぶられたのが「チョコケーキ」(12袋入り600円)。

フワフワのスポンジケーキに口どけの良いチョコレートをコーティングした素朴な味わい。私はこれが大好きで、コンビニで見かけると必ず買うのだが……。

 

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アラフィフのおっさんが大量購入するのはちょっぴり恥ずかしいのでいつもは2袋くらいしか買えないのである。それが箱買いできるのはめちゃくちゃウレシイ。

1袋ずつ大切に食べようか、それともお腹がいっぱいになるまで食べまくろうか。悩むところだ(笑)。

 

アノ秀逸なキャッチコピーの秘密とは

ここでちょっと歴史をひもといてみたい。

マーケティング担当の内藤さんによれば、1994年にブラックサンダーが発売される前の看板商品が「デラックスチョコレート」(写真下)という商品だったのだとか。

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f:id:Meshi2_IB:20181101113749p:plain内藤さん:豊橋に工場を開設したのは1979年、市東部の豊橋市大岩町に開設しました。当時はまだブラックサンダーはなく、通販限定の「デラックスチョコレート」を地元の方が事務所を訪ねて買いに来られていました。2011年に豊橋夢工場が完成し、直営店という形になったのは2013年です。当初は今、休憩室になっている場所に商品を並べていたのですが、年々お客様が増えて売り場のスペースを拡大しました。

 

何でもバレンタインデーの時期になると、お店の前に行列ができるという。

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あ、バレンタインデーといえば「一目で義理とわかるチョコ」というブラックサンダーのコピーがネットを中心にザワつかせた。

この秀逸すぎるコピーは、いつ、誰が考えたのだろうか。

 

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f:id:Meshi2_IB:20181101113749p:plain内藤さん:バレンタインへの取り組みは2013年からです。ブラックサンダーが発売されたのは1994年ですが、それまでバレンタインとはほぼ無縁でした。プロモーションをかけるにあたって、社内で一致したのは、少なくとも本命チョコではないだろうということでした(笑)。そんな話をしているときに生まれたのが「一目で義理とわかるチョコ」というコピーでした。

 

お得すぎ&楽しすぎな「詰め放題」

義理チョコ用に、大量のブラックサンダーが欲しいという方にオススメなのが、1日80セット限定の「ブラックサンダー詰め放題」(1,000円)だ。

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詰める商品は日替わりで、この日は「ブラックサンダー」と「ブラックサンダーミニバー」、「フルグラ®サンダーミニバー」の3種類。

 

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方法はいたって簡単。スタッフさんに声をかけて袋をもらい、そこに詰めるだけ詰めていくだけ。

ただし、袋からはみ出た場合は会計時に抜かれるのでご注意を。ちなみに私が手にしているのは、詰め放題のサンプル。ここに41本ものブラックサンダーがすでに入っている。

 

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ってことで、私も挑戦! たくさんゲットするコツは、袋の底に隙間ができないようにギッシリと詰めること。それを土台にして、上から順番に詰めていく。

その際、レギュラーサイズとミニサイズが混合していると無駄なスペースが生まれてしまうので、サイズは統一するのがベターだ。数を稼ぎたい欲張りな私はミニサイズを選択。

 

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やっと2段目が完成。3段目は上部が空いているので詰めにくい。

ブラックサンダーが割れてしまうのではないかと心配しつつ、押し込んでいく。

 

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開始から約10分。袋に隙間なくギッシリと詰めることができた。うん、袋からもはみ出していない。

 

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何個詰めることができたのか数えてみると、なんと72本!

1日2本ずつ食べたとしても2カ月以上は楽しめる。これはかなりお得だ。

 

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この日、私が購入したのは、この「ブラックサンダー詰め放題」(1,000円)と「ブラックサンダースペシャルアソート」(1,000円)、「チョコケーキ」(12袋入り600円)の計2,600円。

こちらで2,000円以上購入すると、大袋入りのブラックサンダー(内容は日替わり)がオマケとしてもらえる。1,000円以上でもちょっとした日替わりのオマケがある。オマケが大好きな愛知県民としては見逃せない(笑)。

 

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試食しまくったせいか、喉が渇いた。外にあるジュースの自販機へ行こうと思ったら、休憩室にフリードリンクのコーナーが!

冷水と緑茶、ほうじ茶のほか、ウレシイことにコーヒーも。チョコレートとコーヒーって合うんだよなぁ。まさに至れり尽くせり。

 

というわけで、すべてが愉快すぎたサンダーショップ。この機会にぜひ一度は訪れて、義理チョコの重みをかみ締めてほしい。

 

※直営店の商品ラインアップは時期によって異なります(掲載写真は2018年10月時点)

 

お店情報

有楽製菓株式会社 豊橋夢工場直営店

住所:愛知豊橋市原町字蔵社88番地
電話番号:0532-35-6620(直営店直通)
営業時間:10:00~17:00
定休日:不定休 ※以下のウェブサイトを参照のこと
駐車場:38台
ウェブサイト:有楽製菓オフィシャルオンラインショップ

 

大好きだった極太の「常滑チャーシュー」に再び会いたい……という切なる願いが完璧にかなった日【愛知】

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常滑にかつて存在した伝説の中華そば店

いきなり長ったらしい前置きから始めよう。

愛知県の常滑市といえば、日本六古窯のひとつで、今も焼き物「常滑焼」の産地として知られるまち。最近はレトロな町並みの風景や、2005年に開業したセントレア(中部国際空港)により、多くの観光客が訪れるスポットでもある。

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▲常滑の観光スポット①、常滑のマスコットシンボル「巨大招き猫」。ひたすらデカい。突然現れるとちょっと怖い

 

そんな常滑市民が昔から親しんできた中華そば店があった。

昭和37年に大衆食堂としてオープンし、次第に評判だった中華そばにメニューを絞り、中華そば専門店になった。

スープは醤油そのまま? と錯覚するほどの真っ黒さで、お世辞にも洗練された味わいではなかった。しかし特筆すべきは、中華そばにトッピングされたチャーシューであった。とにかく、尋常じゃないほどデカかったのだ!!

 

極厚のチャーシュー(というか豚肉のかたまり)が、ドン! ドン!! と2枚

このチャーシューを目当てに、遠方からも来店者が絶えないお店だった。

 

筆者は、このお店があった常滑市の近隣市町で生まれ育った。だから(常連というほどではないものの)自分でクルマを運転できるようになってからは、それなりの頻度で通っていたクチである。

しかし住まいを名古屋に移し、次第に足を運ぶ機会もなくなってしまった。
そして2012年ごろ、惜しまれつつもお店を畳んだという話を耳にした。

 

「あー!! もっとあのチャーシュー、食っときゃ良かった!!!」

 

と、海に向かって叫んだ(どこの海だよ)のは言うまでもない。

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▲段ボールに保管されていた過去の仕事の資料をあさったら奇跡的に発見された、そのお店の記事。この写真1枚だけでもそのデカさがうかがえるだろう。(2003年12月発行『究極のラーメン東海版』発行元:ぴあ)

 

しかしほどなくして、新たなウワサ話が耳に飛び込んできたのである。

 

それは「あそこで修行した弟子が、新しくお店を出したらしい」というものだ。

とはいえ、それもまた行く機会に恵まれないまま、いたずらに月日だけが流れてしまっていた。

そして今回、意を決して「思い出の味の極私的タイムトラベル」と銘打ち、記憶の迷路をたどる旅に出たのであった。

 

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▲常滑の観光スポット②、やきもの散歩道の「土管坂」

 

約15年ぶりの“再会”を果たすべく常滑へ

名古屋市(の自宅)から、名古屋高速経由で約1時間 ──

お目当てのラーメン店「名代中華そば 常滑チャーシュー」は、グーグルマップ通りの場所にあった。場所はかつて存在した旧店に近いが、少しだけ北に移転しているようだ(後で調べてみたら、1.5キロほど離れている)。

以前のお店はいかにも「昔ながらの大衆食堂」といった趣のある、赤いのれんが目印だった。いま目の前にあるお店は、やたら壁が白い。ただし看板は手作り感があって親近感がわく。

 

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▲たまたまオサレな自転車が停まっていたのでカフェにも見えなくはない。見ようによっては

 

とりあえず入店すると、午後1時過ぎなのにこの混みよう!

「お昼時を外せばいいっしょ」と安易に考えていた自分、バカバカバカ。ただしすぐ席に座れたのは、やっぱり回転が早いからか。

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▲店内も比較的シンプル。テーブル席のほか一人客用のカウンター席もある

 

壁に貼られていたメニュー表を確認する。

メニューは以前のお店の通り、中華そばとライス、おにぎりのみ。潔い。

ちなみに中華そばは、830円なり。

営業時間は、10時から14時30分まで(土日祝は9時30分から15時まで)。

元々このあたりは漁師町のため、朝早くからの仕事の人が多く「朝昼兼用で食べる人が多かったから」というのが理由だそうだ。

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▲2003年の「ぴあ」には600円と書かれていた中華そばが、830円に。こればっかりは時代の流れである

 

肉塊のようなチャーシューとついにご対面

さて、厨房をのぞき込んで中華そばの調理プロセスを拝見しよう。

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▲醤油ダレを丼に注ぎ〜の!

 

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▲スープを入れ〜の!!(この時点で真っ黒……)

 

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▲麺を入れてチャーシューをのせ〜の!!!

 

そして、いよいよご対面

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デデ〜ン!!!!

うわ!! これだよこれ! この真っ黒なスープ! そんで肉塊のようなチューシュー!!!

ひと口スープをすすると、醬油味というか、そのまま醬油を飲んでるような(あくまで例え。そのままホントに醬油飲んだら死ぬ)強烈なインパクトだ。

なんだろう、濃厚? いや違う、やっぱ「ザ・醬油」という、身もふたもない(褒めてる)味わいだ。

 

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▲MAKKUROなSOUPはまるでラーメン界のブラックホールのよう

 

麺は、中太の縮れ麺。真っ黒なスープが程よくのって、チュルリラチュルリラと鼻歌でも歌いたくなる。

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▲麺リフトに夢中になって危うく麺がのびそうになってしまった……

 

そして、肝心のチャーシューである。

豚バラならではの脂のトロトロ感。脂身以外の身肉の部分も、箸で簡単にちぎれる柔らかさである。

 

うわ〜、懐かしいわぁ〜

 

あまりの懐かしさぶりに、思わず無言で食す……。

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▲「トロトロ」と文字にするよりもっとトロトロなチャーシュー。持ち上げる箸も重いわこれ

 

正直に言おう。15年、いやそれ以上ぶりくらいに食べた味だ。多分に「思い出補正」で気持ちが盛られてる可能性は否めない。

しかし、過ぎし若きの日々を思い出すには十分な味わいだった。

 

主役はどっちだ? チャーシューのせいで米が美味すぎる

ブレーキの壊れたマッドマックス級の醬油テイストのため、人によってはそのまま食べ続けるのがキツくなるかもしれない。そんなときの神フードが、ライス(120円)やおにぎり(180円)といった飯モノだ。この濃い味に白米は、マストのお供となる。

ご飯の上にほぐしたチャーシューをトッピングすれば、特製チューシュー丼に変身する。これがまた尋常じゃないうまさである。脂質と糖質の悪魔の二重奏に身を委ねるしかないのだ。

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▲単にライスの上にチャーシューをのせると縮尺が視覚的におかしくなる

 

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▲チャーシューをほぐしてライスを食する。米粒に染み込んだタレが罪深い

 

ちなみにこのチャーシュー、ココで完食してももちろんいいんだが、実は食べきれないお客さんも多い。もしくはあえて完食せず「1枚食べて1枚持ち帰り」という実に堅実な道を選ぶ人も少なくない。だからテーブルにはご丁寧に「持ち帰り用のビニール袋」も完備されている。

このビニール袋完備も、前店と変わらない点だ。ただし筆者は思いっきり完食してしまったが。

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▲テーブルの脇に備え付けられた持ち帰り用のビニール袋

 

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▲いや、まぁ、ビニール袋要らなかったけどね……

 

というわけで、筆者の青春の味わいカムバックは、思いのほか高レベルで実現してしまった。こうなったら、もう少し詳しく話をきかねばなるまい。

この日、店主はあいにくの留守。というわけで後日、店主の榊原直樹さんに改めて話を聞くことにした。

 

店主に塊肉の秘密を聞いてみた

日を改めてアポをとり、店主の榊原直樹さんに改めて話を聞くことにした。

榊原さんは三重伊勢市出身。名古屋のホテルレストランで中華料理を学び、セントレアの開港とともにオープンした中華レストランに勤務するため、常滑にやって来たそうだ。

 

── そもそも、どうしてお店を継ぐ気になったんですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20181003113143p:plain榊原さん:常滑に来て、朝に散歩とかしてるうちに、前のお店のおやじさんと顔見知りになったんです。それで、そろそろ引退したいという話を聞いて。わたし自身も「いつかは独立したい」という気持ちがあったので、弟子入りすることにしたんです。

 

こりゃ驚いた。というのも、昔のお店は中華料理店というよりも、雰囲気としては大衆食堂に近かったからだ。

実際、かつては中華そば以外にもさまざまな食堂メニューを出していたのは、前述の通り。

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▲朝の散歩がなければこのお店はなかったかもしれない……

 

── 中華料理、しかもホテルの中華レストランとなれば、よりいっそう洗練された味覚を求めるはずですけど……。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003113143p:plain榊原さん:そうなんです。先代は和食出身なので、そもそもダシが中華っぽくではないんですよ。ダシは豚骨と鶏ガラの他に、煮干しにカツオ節、サバ節、コンブ、シイタケ……。和風ダシが中心です。

 

── それじゃ、あの濃厚でコクのある風味はどこから来てるんでしょう。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003113143p:plain榊原さん:中華そばの返しに、チャーシューの煮汁を加えているからです。豚バラのうま味エキスが凝縮されてますからね。これがスープのコクになっています。

 

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▲レンゲですくっても醤油の濃さをビジュアルが主張してくる

 

── でも、本格的な中華からの転身では、むしろビックリすることも多かったのでは?

 

f:id:Meshi2_IB:20181003113143p:plain榊原さん:そうですね。例えばチャーシューは、まず肉に下味を付けたり焼いたりして、下ごしらえをするのが中華料理のセオリーなんです。ところが先代は、肉を生のまま煮汁の中にドボンと入れる(笑)。中華のセオリー無視は衝撃でしたが、「これでもおいしく出来るんだ」ということで、目からウロコが落ちました。

 

お、おぅ……。

まぁ、中華そばが中華料理なのかどうかも議論が分かれるしな。

それにしても、さすが先代は下町の巨匠だけのことはある、ということか。

 

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▲チャーシューの仕上がりを確認する店主の榊原直樹さん

 

普段、チャーシューは4キロの豚バラ肉を4本にカットし(つまり1本1キロ)、煮汁で2時間ほど煮込んでいる。

ちなみにチャーシューの煮汁は、みりんに加えて地元知多半島産の「たまり醬油」を使っている。普通の濃い口醬油ベースよりも味が濃いため、より濃厚で醤油くさいタレになるのだ。

さらに煮汁は、もう50年以上継ぎ足しているそうだ。

月並みな言い方だが、ウナギのタレばりの時間の積み重ねこそが、あの濃厚なコクの味わいなのだ。

 

念のため解説しておくと、筆者も元地元民だから分かるが、この辺り(愛知というか、少なくとも知多半島)では「醬油」=「たまり(醬油)」のことであり、料理にたまりを使うのは、ひと昔前ならごく自然のことだった、ということはお伝えしておく。

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▲出来上がったチャーシューを抱える榊原さん。チャーシューと同じくらい濃い顔がワイルドこの上ない。「この人が作ったチャーシューなら間違いないだろう」という確信すら与えてくれる

 

完食するか、半分持ち帰るか、買って帰るか

話をチャーシューに戻そう。そのボリュームを聞いてみたところ、1枚 150グラム前後だそう。2枚で300グラムの計算だ。
確かにこれたけのボリュームだと、「持ち帰りがデフォ」という人が多くなるのも無理からぬことである。

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▲切りたてのチャーシュー。接写するほど存在感がハンパない

 

なお、心憎い配慮として、

 

f:id:Meshi2_IB:20181003113143p:plain榊原さん:チャーシューを食べる時間がどうしても長くなってしまうので、麺はあらかじめ硬めにゆでています。

 

だそうだ。

ちなみに、お店では1,000円でチャーシューの販売も行っているが「あくまでも店内で飲食していただいた方へのサービス(1家族 1つ限定)です。チャーシューのお持ち帰りだけはできません」とのこと。

逆に言えば、お店で食べれば買えるということ。来店の折にはぜひお求めしたいものだ。

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▲チャーシューは完食するか。半分持ち帰るか。買って帰るか。悩みどころだ

 

持ち帰りチャーシューでつまみやチャーハンを作ってみた

もしチャーシューを持ち帰ったとして、何かオススメの食べ方はあるのだろうか? それも店主に聞いてみた。

 

f:id:Meshi2_IB:20181003113143p:plain榊原さん:それぞれのお好みでいいと思いますが、個人的なオススメは、お酒のつまみですね。ひと口サイズにカットしたチャーシューを、フライパンやトースターで表面をカラッと炙り焼きしてください。カラシやマヨネーズなどを付けてそのまま食べるもよし、サラダにのせるのもよし。もちろんチャーハンの具材にも最高ですよ!

 

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▲宅飲みでも大活躍しそうなチャーシューちゃんたち

 

そう言われると、やらずにはおれないのが人のさがというものだ。
特別にチャーシューを譲ってもらい、自宅に戻って夜中にひとり調理を試みた。

 

まずは、酒のアテだ。

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▲チャーシュー刻んで〜♪

 

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▲フライパンでじゅうじゅう焼いて〜♪

 

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完成!!

これでマズいわけがない。ビールのアテとしては最高でござる。はい優勝。

 

次にチャーハン。いってみよー!

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▲サイコロ状に刻んで〜♬(以下略)

 

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完成!!

チャーシューのタレが全体になじみ、ほのかな香ばしさが食欲をそそる。

パラパラさ加減は調理者のウデ次第だけれど(大汗)、十分おいしゅうございます。

 

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▲チャーハンにチャーシューは鉄板中の鉄板具材

 

ちなみに榊原さん、現在は名古屋市内にもお店を出している。その名も「名代中華そば ばら」

こちらでも極厚チャーシューの中華そばを食べることができるので、名古屋市民にはありがたい。

そして榊原さんの元で修業を積んだお弟子さんが、福井でも「常滑チャーシュー」を開業してることも付け加えておこう。

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▲「名代中華そば ばら」。実は中華そば以外にもいろいろなメニューがある

 

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▲「名代中華そば ばら」のネギ塩チャーシュー麺(トリプル1,300円)

 

現 場 か ら は 以 上 で す 。

 

お店情報

名代中華そば 常滑チャーシュー

住所:愛知県常滑市榎戸町1-83

電話番号:0569-42-3355

営業時間:月曜日、水曜日~金曜日 10:00~14:30 、土曜日・日曜日・祝日 9:30~15:00

定休日:火曜日、月曜日不定休の場合あり

www.hotpepper.jp

 

名代中華そば ばら

住所:愛知名古屋市瑞穂区白砂町3-18-11
電話番号:052-834-6077
営業時間:11:30~14:00、18:00~22:00
定休日:木曜日、第4日曜日

 

名古屋めしのデパート「名古屋大酒場 だるま」が、旅行者・出張族だけでなく地元民にも重宝されるワケ

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名古屋めしを愛して止まない私だが、あえて苦言を呈するとするならばこの点だ。

 

ボリュームがありすぎ。

 

そう、量が多すぎて、他のご当地グルメのように食べ歩きができないのだ。

名古屋めしを心ゆくまで堪能するには、日帰りは論外。1泊2日間でも足りない。最低でも2泊3日間以上は覚悟せねばならない。とはいえ、海外旅行じゃあるまいし、それは無理があるだろう。

 

手羽先や味噌煮込みうどんなどの専門店の中には他の名古屋めしを用意しているところもあるが、あくまでもサイドメニューの扱いであることは否めない。

が、見つけてしまったのである。名古屋めしの品ぞろえが充実していて、それぞれが専門店に匹敵するようなクオリティーを誇るお店、いわば、名古屋めしのデパートのようなお店を。

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しかも、名古屋最大の繁華街、錦3丁目のど真ん中で。

 

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それが、今年で10年目を迎えた名古屋大酒場 だるま」だ。

ココのこだわりと、名古屋めしメニューの魅力に迫ってみようと思う。

 

その① 圧倒的な名古屋めしメニューのラインアップ

名古屋大酒場 だるま」の特徴はなんといってもそのメニューの豊富さにある。

f:id:nagoya-meshi:20180930164110j:plain店内の壁には、定番の「手羽先唐揚げ」や「味噌串カツ」から、居酒屋さんでは珍しい「鉄板ナポリタン」、「ひつまぶし」などのポップがズラリ。

 

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「地元のお客様が名古屋めしで接待したり、週末や連休には家族で名古屋めしを楽しむお客様もいらっしゃいます。このように、錦3丁目という場所柄、名古屋めしを求めて来られるお客様が多いので、できるだけ多くのメニューを用意しました。壁に貼ってあるのは代表的なものですが、他にも当店オリジナルのメニューもあります」と、店長の伊藤大賀さん。

やはり、これだけあらゆる必須アイテムがそろっていれば、名古屋の内外で重宝されているのも納得がいく。

 

その② 迷ったらまずは「手羽先唐揚げ」か「味噌串カツ」を

名古屋めし以外のメニューも含めると、その数なんと、100種類以上!さらに日替わりのオススメメニューも約20種類あり、選ぶのに迷ってしまう。

そんなときは、「手羽先唐揚げ」(3本 583円)をセレクトすべし。

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手羽先唐揚げは、名古屋の居酒屋さん定番メニュー。スパイス多めの辛口系からタレ多めの甘口系までお店によって味付けはさまざま。

ココのは、名古屋人好みの甘辛い自家製ダレとスパイスの絶妙なマッチング。ビールやハイボールを片手に楽しもう。

 

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ここで伊藤店長から耳寄りな話を。

「半年に1回、手羽先が1本 10円の『手羽先10円まつり』を開催しています。この日は何本食べても1本 10円です。事前に告知すると、お客様が殺到してしまうので、ゲリラ的に開催しています」とのこと。

50本食べても500円。これは見逃せない!

 

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手羽先と並んでオーダー率が高いのは、サクサクの衣に甘さ控えめの自家製味噌ダレをかけた「味噌串カツ」(1本 194円)。

こちらも肉のうま味を引き出した味噌ダレのコクがビールやハイボールとよく合う。

 

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「手羽先唐揚げも味噌串カツも食べ飽きたわ!」というディープな名古屋めしマニアには「大海老フライ」(1本 367円)はいかがだろう?

名古屋における海老フライの基準はただ一つ。その大きさにある(笑)。デカイもんがエライ。地元の方でもこのサイズなら満足すること間違いナシだ。

 

その③ 名古屋でも少数派の「味噌串」がお店イチオシ

名古屋の焼鳥は、東京と同様にタレか塩で食べるのが一般的。たまに味噌ダレという変化球メニューを用意しているお店もあるが、ごく少数。

しかし、ココはあえて味噌串をイチオシしている。それだけ味噌ダレに自信があるのだ。

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▲左から、もも味噌(216円)、ぼんじり味噌(216円)、皮味噌(216円)、鶏ネギマ味噌(216円)、つくね味噌(216円)

 

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味噌ダレはもちろん、自家製。焼いてから味噌ダレに浸して、さらに焼いてあるので、味がしっかりと染みている。

お酒やご飯に合うように、甘さ控えめに仕上げているので、何本でも食べられる。

 

その④ 「づけ串」もあるでよ!

はて?「づけ串」というのは、地元でも聞いたことがないが……。

それもそのはず。ココのオリジナルメニューなのだ。

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▲左からおっぱい(205円)、豚カルビ(216円)、赤せんまい(259円)、牛ホル並(281円)、牛ホル上(346円)

 

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「牛ホルモンや赤せんまい、牛レバーなど内臓系をタレに漬けながら焼き上げます。このタレを完成させるのに試行錯誤しました。これも名古屋の人々が好む甘辛い味付けに仕上がっています」(伊藤店長)

 

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オススメは脂がたっぷりの「牛ホル上」。脂の甘みと自家製ダレが相まって、めちゃくちゃうまい。

お酒との相性は言うまでもないが、オン・ザ・ライスにして脂とタレまみれになったご飯を思いっきりかっこみたい!

 

その⑤ 大鍋で煮込む絶品「どて串」は、中までシミシミ

これから寒くなる季節にぜひおすすめしたいアイテムがある。

それが、この「どて串」。

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▲写真は右から「とんちゃん」(216円)、「こんにゃく」(162円)、「大根」(162円)、「玉子」(162円)、「赤棒」(130円)、「牛すじ」(216円)、「焼き豆腐」(194円)

 

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 一般的には味噌おでんと呼ばれているが、牛すじをじっくりと煮込んだ「どて味噌」がベースとなっているので、あえて「どて串」と命名したという。

 

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「どて串」は、牛すじがトロトロになるまで4時間以上、じっくりと煮込む。

大きなどて鍋の中で味噌の濃厚なコクと甘みのあるダシの中にたくさんの食材を入れて煮込むことで、それら一つ一つのうま味がダシの中に溶け出す。

 

いったいどれだけ味噌が染みているかというと……。

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こちらは「大根」。

ご覧の通り、中までしっかりと染みている。これをアテに熱燗をキューッとやりたい。

 

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「玉子」も白身が味噌の色に染まっている。

ちなみに私は、箸でグチャグチャにつぶした玉子を白ご飯の上にのせて、ダシをかけて食べる。見栄えはさておき味は最高。ぜひ試してほしい。

 

その⑥ 岐阜・飛騨名物の「鶏ちゃん焼き」もあるでよ

「鶏ちゃん焼き」とは、しょうゆや味噌をベースにしたタレに漬け込んだ鶏肉をキャベツなどといっしょに焼いて食べる岐阜県下呂市を中心とする南飛騨地方や郡上市を中心とする奥美濃地方の郷土料理のこと。

名古屋めしがウリなんだろーがっ!」と、目くじらを立てる必要はない。名古屋駅の売店でも三重伊勢の名物、赤福や静岡浜松のうなぎパイがポピュラーのように、近隣地域のうまいものをすべて飲み込んでしまうのが名古屋のダイナミズムなのである。

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ココの「鶏ちゃん焼き」(1人前 950円)は、塩と味噌、タレの3種類(写真は味噌)を用意。ややピリ辛の味付けで、これもまたビールやハイボールとベストマッチ。

お店のスタッフが調理してくれるのもウレシイ。

 

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鶏肉や野菜を食べ終わった後もお楽しみが。

〆のセットとして「焼き飯」(464円)、「焼きうどん」(464円)、「チーズ焼き飯」(626円)の中からひとつ選ぶことができる。

私がチョイスしたのは「焼きうどん」。ハフハフしながら頬張ると、鍋に凝縮された鶏と野菜のうま味と焦げた味噌の香ばしさが広がる。

もう、たまらんうまさ! 〆というよりも、これをアテにまた飲んでまうがね(笑)。

 

その⑦ 〆メニューは最強ラインアップ

名古屋めしのすばらしさは、お酒の肴にもなるし、〆の食事にもなる点である。

ココには、定番のおにぎりやお茶漬けなども用意しているが、やはり名古屋めしで締めくくりたい。

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まずは定番の「きしめん」(626円)。

具材はワカメとネギ、花がつおとシンプル。味の決め手はダシが香るつゆ。〆に最適なのは言うまでもないが、これをアテにお酒を飲むのはかなりのツウ。

 

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続いて「台湾ラーメン」(842円)。

ニンニクチップやニラがたっぷりと入ったパンチのある味わいは酒の肴にも〆にもぴったり。そこらのラーメン店よりもクオリティーが高いのに驚いた。深夜に、これだけを食べに来るファンもいるそうだ。

 

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こちらは「鉄板ナポリタン」(842円)。

熱々の鉄板に回しかけられた溶き卵、たっぷりの赤ウインナーはまさに名古屋の喫茶店の味。ケチャップとともに炒めたやや甘めの麺を頬張りながらお酒を飲むお客さんが多いとか。

 

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最後は、キング・オブ・名古屋めしの「ひつまぶし」(2,138円)。

〆のメニューにしてはやや値が張るが、専門店よりもかなりお値打ち。もちろん、ネギやワサビなどの薬味や〆のだし汁も付く。細かく刻んだ蒲焼きを肴にお酒を飲み、だし汁をかけたお茶漬けで締めくくる。そんなオトナな楽しみ方をぜひ!

 

その⑧ ドリンクメニューも超個性的

お酒はビールや焼酎、日本酒、ワインと豊富にそろうが、オススメはオリジナルのハイボール。

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▲左から、赤ワインをレモンとソーダで割った社長メガ推しの「岡田のハイボール」(540円)、日本酒を柚子とソーダで割った「侍ハイボール」(540円)、マンゴーとみかん、ソーダの「初恋のマンゴー」(540円)、某有名バーの裏メニューでカルピスのビール割り「カルビー」(540円)。ネーミング、味わいともに超個性的だ

 

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「初めて来られたお客様は、味噌を使ったメニューがやたらと多いと思うでしょう。『味噌串カツ』と『味噌串』、『どて串』、『鶏ちゃん焼き』に使う味噌ダレは、同じものを使い回すのではなく、食べ飽きないようにそれぞれ異なるレシピで仕上げています。味噌ダレの味の違いを食べ比べるのもウチの楽しみ方の一つだと思います」と、伊藤店長。

 

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味噌を使ったメニュー以外の名古屋めしにも、一つ一つにこだわりがあることがお分かりだろう。しかも、居酒屋さんの価格で楽しめるのだ。

これはもう、行くしかないだろう。

 

お店情報

名古屋大酒場 だるま

住所:愛知名古屋市中区錦3-18-18
電話番号:052-973-2088
営業時間:月曜日〜木曜日16:00~翌4:00(LO 翌3:30) 、金曜日16:00~翌5:00( LO 翌4:30)、土曜日11:00~翌5:00(LO 翌4:30)、日曜日・祝日11:00~翌1:30( LO 翌1:00)
定休日:無休

www.hotpepper.jp

 

名古屋には創業111年を迎えてなお「居酒屋好きなら一度は行ってみたい最高の老舗」がある【大甚本店】

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居酒屋評論家が「日本一!」、と太鼓判を押す居酒屋さんがあるらしい──。
そう聞くと、東京京都の老舗店を思い浮かべがちだが、それは名古屋にある。

場所は広小路通と伏見通の交差点。地下鉄東山線・鶴舞線の伏見駅、7番出口の目の前にたたずむ「大甚(だいじん)本店」がそれだ。

 

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創業は日露戦争の勝利から2年後の1907(明治40)年。以来、一世紀以上にもわたって名古屋の飲兵衛たちに支持されているのだ。

私、永谷も何度か足を運んだことがあるが「昔からあるお店」という程度の認識だった。それだけハードルが低いのである。

そこで今回は、あらためて「大甚本店」のスゴさを飲みながらレポートしようと思う。

 

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同行したのは、以前紹介した「いもかわうどん」を出す刈谷のうどん店「きさん」の店主、都築晃さん。

『メシ通』の取材で意気投合し、今では私の飲み友。自他共に認める酒好きで、とくに日本酒に関しては全国の地酒を飲み歩くなど、強いこだわりを持っている。

彼の助言を借りながら「大甚本店のここがスゴイ」という点をいくつか紹介したい。飲兵衛ならずともきっと「一度は行ってみたい」と思うはずだ。

 

その①夕方4時に開店し、夜9時すぎにスパッと閉店

大甚本店劇場の幕が上がるのは夕方4時。お店が開くと、待ってました! とばかりにお客さんがなだれ込み、18時頃にはピークを迎える。

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私たちがお店に到着したのは17時半頃。店内はほぼ満員だったが、かろうじて座ることができた。

閉店は夜9時。残ったお酒をダラダラと飲むことは御法度だ。「ハイ、今日はもうオシマイですよ~!」と追い出される(笑)。お客さんとなれ合いの関係にならないところがココの魅力なのだ。

 

その②配膳台に並ぶ約40種類の総菜が壮観!

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大甚本店の料理は小鉢に盛り付けられた煮物や酢の物、サラダなどの総菜がメイン。配膳台に並べられ、好きなものを自分で取っていく。

 

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値段はひと皿250円~。野菜類が250円で魚介類が290円と覚えておくと目安になる。

どれもうまそうなので、選ぶのに困るほど。席を立って配膳台に向かう際に、店員さんがお盆を手渡してくれるのもウレシイ。

 

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まず、私が選んだのは、「筍と高野豆腐の煮物」(250円)。

筍はとてもやわらかく、しっかりと味が染みている。これがまた名古屋人好みの甘辛い味付け。心が和むなぁ。

「いや、ただ単に甘辛いだけではないですよ。高野豆腐にダシの香りと風味も閉じ込められてる。く~っ、たまらん!」と、都築さんも大満足。

 

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続いて「ポテトサラダ」(250円)。

私は居酒屋さんで必ず注文するのだが、ジャガイモをつぶしたのが大半。一方、ココのはサイコロ状にカットされたものがゴロゴロ入っている。しかも、マヨネーズと塩、コショウのバランスが絶妙で、ジャガイモの味がしっかり。

私が求めていたのはコレなんだよ!

 

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こちらは、「里芋煮」(250円)。家で作ると、煮崩れてグチャグチャになるんだけど、やはりプロ。一つ一つがとても美しい。

想像していたとおりの素朴な味わいにお酒もすすむ。おろし生姜も心地良いアクセントになっている。

 

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素朴といえば、この「厚揚げ煮」(250円)はその最たるもの。ちまたにあふれる、イマドキの居酒屋さんでは見たこともないメニューだ。

かむごとにジュワッと煮汁があふれ出し、厚揚げの味と香りを引き立てる。

もー、たまらん!

 

その③お酒は日本酒、ビール、レモンハイ、ハイボールのみ

ここ大甚本店には、焼酎やカクテルなんてしゃれたものは置いていない。以前は菊正宗と賀茂鶴、2種類の日本酒(各1合 480円、大徳利 740円)とキリンとサッポロの瓶ビール(大瓶 各640円)のみだった。

しかし、今回訪れると、生ビール(グラス 550円)や瓶ビール中瓶(550円)、小瓶(420円)もメニューに加えられていた。

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さらに、これも時代の流れなのか、ハイボールブラックニッカリッチブレンドとレモンチューハイ(各550円)もあった。

都築さんと生ビールで乾杯した後、レモンチューハイを注文。ビターな味わいが口の中をリセットし、また料理がおいしく食べられる。 

 

その④産地と鮮度にこだわった魚介が美味

お店の料理は配膳台の総菜のほか、ガラスケースには焼き魚や煮魚、焼き鳥が並ぶ。そこから選んで焼いてもらうシステムだ。

また、刺身は注文すると、その場でさばいてくれる。都築さんは「アジ」をオーダー。価格は「時価」だが、だいたい1,000円前後とリーズナブルなので安心して注文できる。

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「うわっ! このアジ、スゴイ! 新鮮そのもの! めちゃくちゃうまい!」と、都築さん。ちなみに彼の趣味は、釣り。自ら釣ったものを料理して、それをアテにお酒を飲むという料理人ならではのゼイタクをしている。それだけに魚には少し、いや、かなりウルサイのだ。

 

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ほかにも都築さんは配膳台から「イワシの煮付け」(290円~ ※その日の仕入れによって値段が変わる)をセレクト。

丸かじりできるほどやわらかく、甘辛いタレがしっかりと染みている。とはいえ、イワシそのもののうま味も十分伝わってくる。

やはり、ここの魚料理はうまい!

 

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「永谷さん、これは絶対に日本酒と合わせた方がイイよ」と、都築さんは賀茂鶴の大徳利を冷やで注文。

ここの賀茂鶴は、入り口に鎮座する四斗樽から注がれるため、口に含むと木の香りがふわっと広がる。口当たりがやさしく、都築さんの言うとおり、イワシとのペアリングは最高だ。

 

その⑤日替わりメニューも超絶うまい

そろそろ温かい料理も食べたくなり、店内のボードに書かれた日替わりメニューから「だし巻き卵」(400円)を注文。「注文がたて込んでいまして、少しお時間がかかりますが」とのことだったが、どーしても食べたいので待つことに。

ちなみに日替わりメニューは、魚介のほか牛や豚、鶏を使ったメニューが10~15品ほど用意されている。

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約15分後、目の前に運ばれたのがこれ。熱々&フワフワの卵がたっぷりの出汁を吸っているのが目で見てわかる。

ハフハフしながら頬張ると、卵の甘みとともに出汁がジュワッとあふれ出す。口の中で暴れ回るおいしさを静めようとお酒を飲む。まさに至福のひととき。

だし巻き卵は都築さんのお店でも出しているが、果たして感想は……。

「焦げ目がまったくないですね! 同じ味は出せるかもしれないけど、こんな風に焦げ目を付けずに焼くのはかなり技術がいりますよ」と、驚きを隠せない様子だった。

 

その⑥お会計はそろばんで!

この日、私たちは生ビール3杯とレモンチューハイ3杯、賀茂鶴の大徳利2本を飲んだ。

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料理は、今回紹介しきれなかったものも含めて、総菜8品と刺身1品、日替わりメニュー1品。

 

「会計をお願いします」と告げると、店主の山田弘さんが席までやってきて、空になった小鉢や徳利の数を見て、パチパチとそろばんをはじく。

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「ハイ、8,770円ね!」と山田さん。しっかりと飲み食いしたせいか、少し値が張ってしまったが、総菜3~4品とお酒1杯程度のサク飲みなら2,000円でお釣りがくるだろう。

それにしても、なぜ今どきそろばんなのか。

「昔からそろばんだでね。電卓だと押し間違うこともあるでね。こっちの方が正確なんだわ」とのこと。

 

その⑦店主の山田弘さんの仕事ぶりに脱帽

大甚本店の店主である山田さんは、1960(昭和35)年に三代目店主としてお店を継ぎ、奥様とともにお店を切り盛りしてきた。

お店に出勤するのは毎朝5時。食材の仕入れで柳橋中央市場へ足を運び、お店に戻るとすぐにメニューを考えて調理にとりかかる。お店は夕方4時~夜9時までだが、その準備と閉店後の後片付けを含めると、お店に立つのは毎日17時間にも及ぶという。

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「昔から通ってくださる方や遠くから来てくださる方もいるでね。お客さんが喜んで帰ってくれるのを見ると、明日もまた頑張ろうって思うよ」と山田さん。

帰り際、恐れ多くも戸口まで山田さんが見送ってくれた。料理やお酒のすばらしさは言うまでもないが、いちばんの魅力は山田さんのハートフルな接客かもしれない。

 

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新陳代謝の激しい名古屋の飲食業界にあって、創業1世紀以上経ってもなお暖簾を守り続け、お客さんの途絶えない大甚本店。名古屋を訪れた折には、ぜひ足を運んでみてほしい。閉店まで飲んでも、帰りの新幹線には間に合うのだから。

 

お店情報

大甚本店

住所:愛知名古屋市中区栄1-5-6
電話番号:052-231-1909
営業時間:16:00~21:00 ※土曜日は16:00~20:00
定休日:日曜日、祝日

www.hotpepper.jp

 

冷凍チャーハン界に新風!?自社工場を作ってまでなし得たかった愛知ラーメンチェーンのこだわりとは

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'98(平成10)年、愛知県春日井市に第一号店がオープンした「豚旨(とんこく) うま屋ラーメン」。'18年6月現在、愛知県と岐阜県、三重県、滋賀県に直営店11店、FC店24店舗を展開する、地元で知らない人はいないほど有名なラーメンチェーンだ。

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メニューの豊富さをウリにしているラーメンチェーンが多いなか、ここは「特製ラーメン」(写真上、580円)と「チャーシューメン」(700円)の2種類と、夏季のみ「冷やし中華」(780円)を用意している。

ラーメンスープは、「とんこつしょうゆ味」1種類のみ。ほかのメニューを開発するよりも、一途に味を追求したいというストイックさが伝わってくる。

 

「スープは、厳選した豚骨と香味野菜がベースです。骨を砕くところからはじまり、完成までに18時間以上はかかるのですが、各店舗で仕込んでいます。素材と製法にこだわったコクとうま味の“とんこく味”が特徴です。自家製のチャーシューやメンマもスープと同様に、各店舗で作っています」と、春日井本店の主任、中屋諒真さん。

 

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厳選した小麦粉と岐阜県・長良川の上流水で打ち上げる麺は中太ストレート。スープの絡み具合はもちろん、のど越しの良さと適度なコシが自慢だ。

 

名物に偽りナシ! の大評判チャーハン

もう、ラーメンだけでも記事が書けそうだが、ここにはラーメンと双璧をなすメニューがある。

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それは「名物チャーハン」(550円)。

ラーメンチェーンのチャーハンといえば、サイドメニュー的なポジションだが、ここは違う。チャーハンだけを食べに来るお客さんも数多くいて、その名の通り「名物」なのだ。

 

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材料は、写真の通り。前列右から刻み玉ネギ、自家製チャーシュー、九条ネギ、後列右から秘伝の醤油ダレ、溶き卵。

秘伝の醤油ダレの中身について聞くというのは野暮ってもの。それ以外はとくに変わったモノは入っていない。それこそ、スーパーで全部そろえることができそうだ。

 

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作り方もいたってフツー。熱した中華鍋にやや多めの油を入れてなじませたら、溶き卵を投入。しっかりと卵に油を吸収させたところで、ご飯と刻み玉ネギを投入してお玉でほぐして炒める。

そこに秘伝の醤油ダレと自家製チャーシュー、九条ネギをくわえて中華鍋を振る。

 

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驚いたのはそのスピード。中屋さんは厨房に立つと、それまでの温和な表情が一転、真剣な眼差しで中華鍋を振るさまはまさに職人!

ものの2~3分(1人前)で完成してしまった。

 

「『名物チャーハン』は、パラパラではなく、しっとりとした食感が特徴です。秘伝の醤油ダレがきいた香ばしい風味もお楽しみください」(中屋さん)

 

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レンゲですくって口の中に入れると、中屋さんの言うとおり、秘伝の醤油ダレの香ばしさが広がる。ふわっとしたやさしいものではなく、ガツンとくるのだ。

そして、ご飯一粒一粒に染み込んだ自家製チャーシューと九条ネギのうま味が後からやってくる。こりゃうまい! そりゃ名物になるわけだ。今まで食べたチャーハンはいったい何だったのかと思うほど。

 

ほぼ完コピの味! 冷凍版「名物チャーハン」

その名物チャーハン、なんと今年全国デビューを遂げてしまった。

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「実は、今年2018年5月に冷凍の『名物チャーハン』が発売され、ご家庭でもお楽しみいただけるようになりました。ネット通販のほか、各店舗でもご購入できます。ウチのお店でも買って帰られるお客様が多いですね」(中屋さん)

 

冷凍「名物チャーハン」については、商品開発部主任の増田明弘さんにお話をうかがった。

 

「お客様の声をもとに、本格的なプロジェクトが始まったのは2年くらい前ですね。当初は食品製造会社に作ってもらう、いわゆるOEMを考えていましたが、全国の業者に打診したところ、まったく同じ味にするのは難しく、ほんとど断られてしまいました。それならば、自社でイチから作ってみようということになり、自社工場を立ち上げました」

 

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自社工場というのは、冷凍「名物チャーハン」製造のために、西春日井郡豊山町に建てた工場である。ものすごい本気度じゃないか。

そして構想に約6年、開発に約2年かけてついに完成したのが、この商品だ。調理はいたって簡単。電子レンジ(500W)で約4分40秒(600Wの場合は約4分20秒)温めてから、軽くかき混ぜるだけ。

トレーに入っているので、お皿を用意する必要もない。値段は1袋380円。

 

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見た目はお店で食べる「名物チャーハン」と何ら変わらない。

肝心なのは、味だ。私はこれまでさまざまな冷凍チャーハンを食べてきた。それこそ、新商品が出るたびに。しかし、納得する味に出会ったことがない。正直、どれもパッケージの完成イメージとはほど遠いのだ。

 

そんなわけで、この商品もさほど期待はしていなかった。

しかし。

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レンゲですくって、ひと口……。

んっ、あれっ!? 秘伝の醤油ダレの香ばしさといい、ご飯に染み込んだ自家製チャーシューと九条ネギのうま味といい、さっき食べた「名物チャーハン」とまったく同じではないかっ!!

いちばん驚いたのは、最大の特徴であるしっとりとした食感までも完コピしてあったこと。

いやぁ、スゴイ。うまい。

春日井だけにとどまらせておくのは、もったいなさすぎる。

 

「まだまだ改良の余地はあると思っているんですけどね。気づいた点をすぐに改善できるのも自社工場の強みだと思っています」(増田さん)

 

取材終了後、私は冷凍「名物チャーハン」を買って帰った。仕事場で食事する際のレギュラーメニューになりそうだ。

 

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お店情報

豚旨(とんこく) うま屋ラーメン 春日井本店

住所:愛知県春日井市下条町1147-4
電話番号:0568-89-3367
営業時間:11:30~翌4:00
定休日:無休
ウェブサイト:http://www.umaya.co.jp/ 

www.hotpepper.jp

 

ひつまぶしを味わうなら、うまい・お値打ち・本家ほど混まない「のれん分け店」を狙え!【名古屋めしライター大推奨】

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ここ数年、価格が高騰している鰻。ひと昔前と違って、食べる機会が減ってしまった。名古屋で鰻といえば、何といっても「ひつまぶし」だが、3,500円~4,000円は覚悟せねばならない。

でも、土用丑の日くらいはおいしい鰻を食べたい。

とはいえ、老舗店や話題店となると、早朝から長蛇の列。並んでいる人の半数以上は県外のお客さんだろうが、3~4時間待ちなんてザラ。そこで今回は、地元・名古屋在住の私がアノ有名店の味を受け継いだ新店を紹介しよう。

 

名店仕込みの「うな丼」が2,000円!

名古屋の鰻を語るとき、絶対にハズせないのが市内熱田区の「あつた蓬莱軒」

ひつまぶしの発祥店ともいわれ、2000年代初頭の名古屋めしブームでその名を全国に知らしめた名店中の名店である。

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昨年12月、北名古屋市の名鉄犬山線西春駅近くにオープンした「うなぎ 蓬春(ほうしゅん)」は、その店名からもわかるように、「あつた蓬莱軒」からのれん分けしたお店だ。

 

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店主の近間篤さんは、「あつた蓬莱軒」で25年間にわたって修業を積み、矢場町の松坂屋名古屋店南館10階にある松坂屋店で料理長を務めた。

 

「蓬莱軒出身の方のお店はたくさんありますが、正式にのれん分けしたのは、ウチを含めて5軒しかありません。店名に“蓬”が付いていることと、本店の主人から贈られた口上書を掲げてあるのがのれん分けのお店になります」と、近間さん。

 

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これが口上書。要するに、料理人として本店の味と技術を修得したことと、お店を訪れたお客さんにこれからもひいきにしてほしいとの旨が書かれてあるのだが、言葉の一つ一つに何ともいえない重みがある。これを受け取った近間さんは、身の引き締まるような思いだったに違いない。

 

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さっそく鰻を焼いていただくことに。

本店と同様に、炭火で焼き上げる。うちわであおいで火力を調節し、鰻そのものの味を最大限に引き出す。鰻は脂ののり方や身のやわらかさなど品質を重視しているため、産地を特定せず、時季ごとに厳選したものを使用している。

私感だが、「あつた蓬莱軒」よりもサイズが大きいように思える。

 

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まず、作っていただいたのは、「うなぎ丼」(1,980円)。

シンプルに見えるが、近間さんが修業した25年間のすべてがこの一杯に凝縮されていると言っても過言ではない。それが今どき1,980円で食べられるとは!

鰻をひと口……。炭火焼きならではの香ばしい風味がふわっと広がって、鼻からスッと抜ける。

身はふんわりとしていて、皮はパリパリ。

うん、これ、これっ!

「あつた蓬莱軒」の絶妙な焼き加減そのものである。

 

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唯一、微妙な違いを感じたのは、タレの味付け。「あつた蓬莱軒」ののれん分けのお店であれば、まったく同じタレを使っていると思ったが、実はそうではないらしい。

 

「蓬莱軒のタレのレシピは、創業者一族しか知りません。本店の総料理長ですら知らないんです。戦時中、タレを“疎開”させていたくらい、お店にとっては命なんです。ただ、ヒントやアドバイスはいただけます(笑)。独立する際にいただいたタレに、自分なりにアレンジしたタレを注ぎ足しながら作っています」(近間さん)

 

やはりハズせない「ひつまぶし」

蓬春のメニューの中でも、やはり圧巻は「ひつまぶし」(3,200円)。

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おひつに入ったご飯の上にギッシリと敷き詰められた鰻をご飯とともに茶碗によそって、まずはそのまま。鰻を細かく刻んでも香ばしい風味は変わらず。

う~ん、やっぱりうまいなぁ。

 

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念のために、ひつまぶしの食べ方をおさらいしておこう。

まず、一杯目はそのまま。焼き加減など鰻そのものの味やタレの味付け、ご飯との一体感を堪能しよう。

 

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二杯目は、ネギやワサビ、海苔などの薬味をのせて。

そのままたべるよりも口当たりがさっぱりとするから不思議。私はこの食べ方がいちばん好き。考案した「あつた蓬莱軒」は本当にスゴイと思う。

 

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三杯目は、熱々のだし汁をかけてお茶漬け風に。

鰻の香ばしさとダシの味と香りが相まって、これもめちゃくちゃうまい! きっと、この食べ方が一番という方も多いだろう。

 

「お客様が『おいしかった!』と、笑顔で帰っていただければと思って、毎日鰻を焼いています。ひつまぶしの食べ方は、一応決まりはあるものの、お好きなように召し上がっていただければイイんです」と、近間さん。

味もさることながら、客をおもてなす心もしっかりと名店から受け継いでいる。

 

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お店情報

うなぎ 蓬春

住所:愛知県北名古屋市九之坪宮浦76-1
電話番号:0568-68-6004
営業時間:11:30~14:30(LO 13:30)、17:00~21:30(LO 20:30)
定休日:水曜日

www.hotpepper.jp

 

名物は「肝入り上ひつまぶし」

もう1軒ぜひ紹介したいのが、2018年1月、地下鉄東山線ほか伏見駅6番出口すぐの御園座タワー1階にオープンした「鰻う おか冨士」

 

こちらは市内昭和区白金にある「うな富士」初ののれん分け店舗だ。「うな富士」は、名古屋の食通たちの間で知らない人はいない名店中の名店。しかも、創業は1995年(平成7年)と、老舗鰻店が多い名古屋においては比較的新しい。

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「うな富士」の創業者、水野尚樹さんは、製粉会社で主に養殖鰻の飼料を研究、開発をしていた。同時に鰻のタレの糖度と塩分濃度を分析し、名古屋で好まれる味のデータ化にも取り組んでいた。三河一色や浜松などの養鰻場では、水野さんの仕事ぶりや熱心さは有名だった。

水野さんは30代で納得する味を完成させて、50歳のときに満を持してお店を開いた。瞬く間に評判となり、平日でも開店と同時に満席になるほどの盛況ぶり。週末ともなれば、お店の前に設置された日除けのテントの中で多くのお客さんが席が空くのをひたすら待っていた。そんな様子を目の当たりにして諦めて帰って行くお客さんも多い。

地元在住の私に言わせると、暑さ厳しい土用丑の日に行くのは、無謀そのもの(笑)。それなりの覚悟が必要なのである。

 

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▲「うな富士」創業者の水野尚樹さん(左)と、かぶらやグループ代表の岡田憲征さん(右)

 

「鰻う おか冨士」の経営母体は、市内に居酒屋さんや中華、寿司、ステーキハウスなど全18業態の飲食店を手がけるかぶらやグループ。代表の岡田憲征さんは、15年ほど前から鰻業界への参入を考えてはいたものの、なかなかできずにいた。

「私自身が納得できる、本当においしいお店で修業がしたいと思っていました。とくに『うな富士』の鰻に魅了されて、鰻のことを教えてほしいと水野さんに直談判しました」と、岡田さん。

素人が気軽に参入できるような世界ではないことを誰よりも知っているだけに水野さんはその申し入れを一蹴。しかし、岡田さんは諦めきれず、社員を養鰻業者のもとへ送り込み、鰻について一から学んだ。そんな岡田さんの鰻に対する情熱が伝わったのか、水野さんはお店での修業を受け入れた。

 

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現在、料理長を務める久國浩一さん(写真上)は、養鰻業で1年間働いた後、2年間「うな富士」で修業を積んだ。

期間こそ短いと思われるかもしれないが、修業で肝心なのは時間ではなく密度である。何よりも、水野さんから技量を認められたからこそ、料理長として焼き場に立っているのだ。

彼の腕には“根性焼き”のような痕が無数にある。聞いてみると、鰻を焼く際に脂が飛んでヤケドを負ったのだという。修業の過酷さが伝わってくる。

 

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さて、ここの名物は、大きな肝焼きをたっぷりのせた「肝入り上ひつまぶし」(5,450円)。

当たり前の話だが、肝は鰻一匹に付き一個しかとれない。そのため、このメニューは数量限定。しかも、すぐに売り切れてしまうので、注文時に確認が必要だ。

また、肝焼きのサイズから鰻の大きさも想像がつく。ひつまぶしには大ぶりで肉厚な鰻がまるごと一匹使っているそうだ。

 

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「『うな富士』と同様に、鰻の全収穫量の約2割しか獲れない“青ウナギ”を使っています。その名の通り、真っ青な色をしていて、肉付きがよくてやらわかいのが特徴です」(岡田さん)

 

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肝焼きと細かく刻んだ鰻を一緒に口へ運んでみる。

うわぁっ! 肝焼きの濃厚なうま味と肉厚な鰻のフワフワの食感、香ばしさが一つに。

これは鰻好きにはたまらない!

特筆すべきは、やはり甘さと辛さのバランスが絶妙なタレだ。これが鰻と肝焼き、ご飯を見事なまでに一体化させている。「うな富士」の味とまったく遜色がない。

 

「うな富士出身のお店はたくさんありますが、水野さんが研究を重ねて完成させたタレは門外不出。同じタレを使っているのは、のれん分け店であるウチだけなんです。ありがたいことです」(岡田さん)

 

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薬味をのせたり、だし汁をかけてもおいしい。それは、ひつまぶしそのものの完成度が高いからにほかならない。

今年4月、水野さんは「うな富士」の経営権をかぶらやグループに譲った。水野さんは相談役として、後進の指導にあたるという。水野さんは7~8年前から女将さんが膝を悪くしたことをきっかけに引退を考えていたのだが、後継者がいなかったために悩んでいた。そんな折に岡田さんとの出会いがあったのだ。

「水野さんから事業継承の話をいただいたとき、かつて私の両親が広島で営んでいた食堂のことを思いました。中華そばが名物でしたが、両親も高齢になったため、10年ほど前、お客さんたちに惜しまれながら廃業しました。帰郷したとき、多くの方から『あの味が忘れられない』と言われて心が痛みました。これと同じように『うな富士』の味を絶対になくしてはならないと強く思いました。『うな富士』と『鰻う おか冨士』の両店が今後100年、200年と続くために全力を尽くしていきます」(岡田さん)

 

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お店情報

鰻う おか冨士

住所:愛知名古屋市中区栄1-6-15 御園座タワー1階
電話番号:052-211-3988
営業時間:11:00~14:00、17:00~22:00
定休日:月曜日 ※月曜が祝日の場合は営業
ウェブサイト:http://tps://unagi-okafuji.com/

 

今回、名店ののれん分け店2軒を紹介したが、両店とも将来は行列必至のお店になるのは間違いない。

ちなみに今年2018年の土用丑の日は、7月20日(金)と8月1日(水)。さすがに本店よりは混雑が少ないかもしれないが、一年でもかき入れ時なので時間に余裕をもって行くのがベターだ。

 

書いた人:永谷正樹

永谷正樹

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

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コッペパンブームが生んだ力技ご当地コラボ「きゅうりのキューちゃんサラダパン」が予想外にイケる件【豊橋】

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今も昔もご飯のお供として親しまれている「きゅうりのキューちゃん」。発売されてから半世紀以上も愛されている、いわば日本を代表する漬物であると言っても過言ではない。実はあまり知られていないが、「きゅうりのキューちゃん」の製造元である東海漬物株式会社は、愛知豊橋市に本社がある。

 

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そんな地元が誇る全国ブランド、「きゅうりのキューちゃん」とコラボしたコッペパンがあるという。そこでJR東海道本線豊橋駅を東へ車で10分ほど走らせた三ノ輪町にある「ベーカリーショパン三ノ輪本店」を訪れてみることに。

 

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2013(平成25)年にオープンして以来、地元のみならず、隣の静岡浜松市や湖西市など遠方からもお客さんが訪れるほどの好評ぶり。食パンや菓子パン、総菜パンなど商品アイテムは約90種類。その中でも「きゅうりのキューちゃん」とのコラボ商品は、かなりの売れ筋だという。

 

 

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「きゅうりのキューちゃんサラダパン」(129円)。間違いない、これだ。

 

「きゅうりのキューちゃん」は醤油ベースの味付けゆえに茶色い。そのため、店頭に並ぶ他のパンに比べて地味なのは否めないが(笑)、肝心なのは味だ。何はさておき、食べてみることに。

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ん!? 白いのはマヨネーズか……? きゅうりのピクルスが入っているタルタルソースのような味を想像していたが、イイ意味で裏切られた。

ご存じの通り、「きゅうりのキューちゃん」の味付けは醤油がベース。ゆえに、醤油の香りが鼻から抜けてコクのある味わいがふわっと広がる。マヨネーズの酸味がやさしい味に仕上げている。

うん、これはアリどころか、かなり完成度が高い! 今、ブームになっているコッペパンの最終兵器だ!

 

試行錯誤を経てたどり着いたシンプルな味付け

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「『きゅうりのキューちゃんサラダパン』は、今年5月に販売を開始しました。平日は30個、土日は50個の限定販売ですが、おかげさまで店頭に並ぶとすぐに売り切れます。『きゅうりのキューちゃん』を細かく刻んだ『こつぶキューちゃん』を使っていますので、程よいパリパリとした食感が楽しめます」と、マネージャーの影山真智子さん。

 

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実は『きゅうりのキューちゃんサラダパン』は二代目で、以前は彩りも重視してトマトとベーコンも入っており、「きゅうりのキューちゃん」自体は従来のタイプを使っていたとか。1年ほど販売していたが、「きゅうりのキューちゃん」と同様に息の長い商品になるようにと試作と試食を重ねて、今のカタチになったという。

 

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コッペパンにサンドしているのは、マヨネーズで和えた「こつぶキューちゃん」。これなら家庭でも簡単にできると思いきや、マヨネーズと「きゅうりのキューちゃん」の割合、いわば黄金比は企業秘密とか。

そもそもコッペパン自体もおいしいので、似たようなモノはできるかもしれないが、完コピするのは不可能と思った方がよい。

 

豊橋の名産「ちくわ」を使ったパンも

そもそも、なぜ「きゅうりのキューちゃん」を使おうと思ったのだろうか?

「地元企業とコラボすることで豊橋をもっと盛り上げたいというのが一番の理由です。実は、『きゅうりのキューちゃんサラダパン』はコラボ商品としては第3弾になるんです。第1弾は、地元の方なら誰でも知っている豊橋の名産品とコラボしました」(影山さん)

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それがこの「磯ちくわ」(183円)。愛知県でちくわといえば、豊橋名産ヤマサのちくわ。豊橋市に本社を置く創業190年の老舗、ヤマサちくわとのコラボだったのだ!

「ちくわを使ったパンは、他店でもよく見かけますから、ひと味もふた味も違うものにしようと思いました。ヤマサの高級ちくわを使用し、表面には青さ粉が振りかけられていて、ちくわの下には塩昆布が敷いてあります。ビールなどお酒のおつまみにもオススメです」(影山さん)

実際に食べてみたが、ここまでしっかりとした和風テイストのパンは今までなかったのではないか。それほど磯の風味がハンパない。影山さんの言うとおり、これをアテに甘さ控えめのレモンサワーが飲みたくなった。

 

ヤマサちくわとのコラボ商品はもう一つある。ヤマサちくわを丸ごと1本、クロワッサン生地に包んで焼き上げた、その名も「ちくわッサン」(205円、写真下)である。

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ちくわの中に詰められた福岡「ふくや」の明太子がアクセントになっている。よほどの総菜パン好きでも未体験の味なんじゃないだろうか。

 

ラスボス感満点の「ブラックサンダー」コラボ!

ネーミングのユニークさも「ベーカリーショパン」の特徴でもある。以前、期間限定商品でチョコレート生地にパンダのクッキーをのせて焼き上げた「ブラックパンダー」なる商品もあったらしい(笑)。あ、そういえば、全国的に知名度を誇る「ブラックサンダー」の製造元、有楽製菓株式会社も豊橋が本社だった!

ってことで、コラボ商品第2弾がこれだ。

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「ブラックサンダーコッペ」(216円)。

「ベーカリーショパン」でも定評のあるチョコレート生地のコッペパンに、ブラックサンダーを丸ごと1個とたっぷりのホイップクリームをサンド。見た目的にもラスボス感漂う一品である。ふわふわのチョコ生地とホイップクリーム、サクサクのブラックサンダーの異なる食感が面白い。まったりとした甘さは、日々の仕事や家事、勉強で疲れた身体を癒やしてくれそうだ。

 

今年8月、こちらの「ベーカリーショパン」は、隣町の静岡浜松市に出店するという。もちろん、浜松にちなんだコラボ商品も企画している。

「餃子や三ヶ日みかんなど、浜松にもたくさんの名物がありますから。ちょうど今、まさに試作と試食を繰り返している最中です。楽しみにしていてください」(影山さん)とか。

浜松といえば、うなぎだが……。あ、夜のお菓子で有名な「うなぎパイ」の春華堂もたしか本店は浜松だったような……。まぁ、うなぎパイとパンではチャーハンをおかずにごはんを食べるようなもの。でも「ベーカリーショパン」なら、やってくれそうな気がする(笑)。乞うご期待!

 

お店情報

ベーカリーショパン 三ノ輪本店

住所:愛知豊橋市三ノ輪町本興寺23-5
電話番号:0532-35-9435
営業時間:8:00~19:00 ※土曜日・日曜日・祝日 7:00~19:00
定休日:火曜日

b-chopin.com

 

書いた人:永谷正樹

永谷正樹

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

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