【結論】秋なすは丼で食べるのがウマい!甘辛ダレが絶品「いわしと秋なすの蒲焼き丼」

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やっぱり今年はサンマが高い! でもね、イワシはお手ごろ。この時期はイワシだってうまいのです。(産地にもよります)というわけで、今回は旬の秋なすと、脂がのったイワシを合わせた丼。

蒲焼きの甘辛~いタレを絡めた秋なすとイワシ、そこに大葉と刻んだ紅生姜、そして炒りごま香るご飯が合うんですよ! さらに、炒った桜えびの素干しを素揚げにして、細かく刻んでなすにふりかけると更に香ばしさやうま味がUP! 箸が止まりません。

イワシは魚へんに弱いと書くくらい足が速い(鮮度が落ちやすい)魚。丸々と肥えた、刺身で食べられる鮮度のいいイワシで作れば間違いないです。イワシは、ほとんどのスーパーで頼めばさばいてくれると思います。

 

魚屋三代目の「いわしと秋なすの蒲焼き丼」

【材料】2人前

  • マイワシ(真鰯) 三枚におろしたもの160~180g(大きければ2尾、小さければ4尾くらい)
  • ご飯 茶碗2杯分くらい(約400g)
  • なす 1本
  • カイワレ 1/2パック分(3等分に切る)
  • 白髪ネギ お好みで
  • 大葉 6枚(みじん切り)
  • 紅生姜のみじん切り 大さじ1
  • 炒りごま 大さじ1
  • 乾燥桜えび(桜えび素干し) 大さじ1
  • 片栗粉 適量
  • サラダ油 適量

(A)

  • 醤油 大さじ3
  • みりん、日本酒 大さじ2
  • 砂糖 大さじ1

 

作り方

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1. ナスを縦半分に切り、2~3回斜めに包丁で切り込みを入れながらスライスし水につけておく。

 

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乾燥桜えびはフライパンで乾煎りし、細かく刻んでおく。

 

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2. 小鍋に(A)を入れてよく混ぜながら一煮立ちさせ、蒲焼きのタレを作る。

 

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3. 温かいご飯に大葉と紅生姜、炒りごまを加えてよく混ぜておく。

 

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4. 三枚におろしたマイワシを半分に切り(今回は大きかったので)、片栗粉をふっておく。

 

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5. フライパンに多めのサラダ油を熱し、しっかりと水気を切ったなすを素揚げ(白い部分が色づくまで3分ほど)にして取り出し、同じフライパンで片栗粉をまぶしたイワシを両面、揚げ焼きにしていきます。

 

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6. 2のイワシを揚げながら、1で合わせたタレの鍋に火をかけます。イワシにこんがり色がついたら油を切りながら取り出し、

 

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すかさず隣の鍋に移し、よくタレをからめて蒲焼きにして取り出します。丼に2で混ぜたご飯をよそい、イワシの蒲焼と素揚げにしたなす、カイワレを添えて白髪ネギを天盛りにします。仕上げにタレをナスにかけ、炒って刻んだ桜えびもお好みでふりかけます。

 

ご飯に梅干しやたくあんなどを混ぜてもうまいっす!

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イワシは、揚がった順に沸々とさせたタレに絡ませ取り出していくと、サクッとした食感が活きてウマいっす! もしタレが味濃く煮詰まってしまったらお湯を加えてちょうど良くすればOKです。

 

魚屋の小話~イワシの名前~

真鰯(マイワシ)は大きさにより呼び方を変えます。

10cm前後は「小羽(こば)」、私が仕入れに行っている市場では「平子(ひらご)」とも呼びます。そして15cmを超えると「中羽(ちゅうば)」、25cmくらいになると「大羽(おおば)」と呼びますよ。

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今回のマイワシは25cmはあったので「大羽鰯(おおばいわし)」になります。梅雨時季に捕れる「梅雨鰯(入梅鰯)」なんてのもありますね。

産地は北海道、ここ何年か北海道産のイワシがとても多いです。(昨年今年はサンマよりも)この時期の北海道産、型が良いと脂がノリノリですよ!

 

※この記事は2017年10月の情報です。

【脱定番】魚屋さんが「揚げだし豆腐」を作ったらこうなった!【秋鮭満喫レシピ】

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前回の「秋鮭といくらの親子パスタ」に引き続き、

www.hotpepper.jp

今回も鮭を使ったレシピ! だって秋鮭の季節でお手頃価格なのですから。今度の料理は「揚げだし」です。そうです、揚げだし豆腐の鮭Ver.! もちろん養殖もの(サーモントラウトなど)でもOKです。

つゆにもキノコを加え、水溶き片栗粉であんにしてあるので食べ応えバッチリ。使うキノコも好きな種類を使ってください。私が使ったキクラゲは生、コリコリ食感が最高でしたよ~!

 

魚屋三代目の「揚げだしサーモン」

【材料】2人前

  • 生鮭の切り身(今回は秋鮭を使用) 2切れ
  • えのき茸 1/2パック(100gくらい)
  • キクラゲ(乾燥のものなら3~5gを戻す) 50g
  • ししとう 3本~お好みの量
  • 大根おろし お好みの量
  • 塩 適量
  • 輪切り赤唐辛子 適量
  • めんつゆ(市販品:三倍濃縮) 大さじ4
  • 水 150ml
  • 日本酒 大さじ1
  • サラダ油 大さじ2
  • ごま油 小さじ1
  • 片栗粉 適量
  • 水溶き片栗粉(片栗粉1に対し水2で溶く) 適量
  • 三つ葉 適量

 

作り方

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1. 鮭の切り身を一口大に切り、軽く塩を振っておきます。えのき茸を3等分に切り、キクラゲも食べやすい大きさに切っておきます。ししとうはつまようじなどで数カ所穴を開けておきましょう。

 

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鮭を切る時、骨抜きでこの部分、血合い骨を抜くと食べる時に気にならないのでオススメです。

 

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2. 鍋にめんつゆ(エノキからも水分が出ますが、薄味が好みの方はめんつゆの量を減らして下さい)、水、日本酒を加えて一煮立ちさせたら、輪切り赤唐辛子とキクラゲとえのき茸を加えます。

 

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えのき茸とキクラゲに火が通ったところで水溶き片栗粉を加えてよく混ぜ、好みのとろみにしたら一煮立ちさせます。

※キクラゲは乾燥キクラゲを戻したものでもOK。ぬるま湯に30分くらい浸すと、3~5gで50gくらいに戻ります。

 

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3. 1の鮭をキッチンペーパーなどで抑え、余分な水分を取ったら片栗粉をまぶします。(ビニール袋に入れてまぶすと楽です)

 

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4. フライパンにサラダ油とごま油を熱し、ししとうを先に揚げ焼きにし、

 

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次に3の鮭を揚げ焼きにして油をよく切ります。器に2で作った熱々のあんを入れ、その上に揚げ焼きにした鮭とししとうを盛り付けます。最後に大根おろしを天盛りにしたら三つ葉を添えます。

 

ご飯にのせてもおいしい! しっかり「おかず」になる揚げだしです

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揚げだし豆腐だと、酒の肴や箸休め的な感じ(私のイメージでスイマセン……)なんですが、今回の一品はちゃんとおかずになるのがいいところ。秋鮭の季節にぜひ!

 

酒の肴に、魚屋の小話~サーモンとサーモントラウトの違いって?~

サーモン(鮭/サケ)とトラウト(鱒/マス)の違いって何? とたまに聞かれます。大まかに言えば「鮭は海に行き、海で暮らす。鱒は川や湖、淡水にとどまる」です。

さらにややこしいのが、「サーモン」と「鮭」と2つの表示があること。同じ鮭なのになぜ? 以前までは天然物の鮭(白鮭)を「鮭」と呼び、輸入物を「サーモン」と区別することが多かったらしいです。それから養殖物も「サーモン」と呼ぶことがありますが、これは「サーモントラウト(トラウトサーモン)」が正しく、海でニジマスを大きく育てたものを言います。

食べ比べると、鮭は上質な脂のり、サーモンは全体的に身が柔らかくてさらに脂がのりのり、といった感じ。お好みで選んでみてください!

 

近年、日本では海で育てた鱒がブランド化されていたりします。餌にハーブを与えたりして身質の向上を図るなど、産地によっていろいろ工夫されているみたいです。お店でぜひ探してみてくださいね。

 

※この記事は2017年10月の情報です。

和風パスタ好きは覚えておきたい「めんつゆバターソース」【秋鮭といくらの親子パスタ】

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海の幸も山の幸もウマいもの目白押しの秋、今回は秋鮭といくらの親子パスタです!! 味付けはシンプルにめんつゆを使った和風パスタ。鮭(サケ)と相性が良いきのこ、今回は山のウマいもの代表、舞茸も加えて仕上げましたよ。

ちなみに、舞茸はうちの妻の大好物なんです! ですので舞茸は多め、でも炒めると縮むので多めでも問題なし! バターを加えてコクと香りを出し、仕上げの大根おろしでサッパリ感。いくらは醤油漬けでもOKですが、私は手に入りやすい「塩いくら」に。ちょいぜいたく感があってオススメですよ~。

 

魚屋三代目の「秋鮭といくらの親子パスタ」

【材料】2人前

  • パスタ 180~200g
  • 生鮭(今回は秋鮭を使用) 2切れ
  • 舞茸 2パック(200~250gくらい)
  • 塩いくら お好みの量
  • 大根おろし、薬味用のネギ お好みの量
  • 輪切り赤唐辛子 ひとつまみ
  • オリーブオイル 大さじ2
  • めんつゆ(3倍濃厚) 大さじ1~2
  • バター 10g
  • 塩 少々

 

作り方

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1. 鮭の皮を包丁などでそぎ取り、一口大に切って軽く塩を振ります。舞茸は手でほぐしておきます。(私は大きめが好き)パスタをゆでるため大きめの鍋にお湯を沸かし、塩(分量外)を加えておきましょう。

※今回はめんつゆをストレートで使うのと、ゆで汁も使うので、ゆでるお湯の塩気は少なめにしています。塩を入れずにゆでる方法もありますが、パスタにほんのり塩気があったほうが好みなので私は塩を加えていますよ。

 

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2. パスタをゆで始めたらフライパンを熱し、大さじ1強のオリーブオイル(分量外)をひき、中火で1の鮭を両面焼き色がつくまで焼きます。

 

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焼いたら鮭は取り出し、同じフライパンで舞茸をしんなりするまで焼いて、仕上げに塩を少々振り、これも取り出しておきます。

 

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3. 今度はフライパンにオリーブオイルを入れ、輪切り赤唐辛子を加えたら点火して風味を出し、表示時間よりも気持ち早めにゆでたパスタ(1分くらい早め、もしくは食べてみて若干芯が残るくらい)をフライパンに入れ、ゆで汁も加える。(お玉1杯、約50cc分)菜箸やトングなどでパスタとオイル、ゆで汁が乳化(水分と油分が一体化してトロリとなる状態)するように混ぜ合わせ、ここにめんつゆを大さじ1を加えてさらに混ぜる。

 

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4. 2のフライパンにバターを加え、焼いた鮭と舞茸を戻し入れます。鮭の身をボロボロに崩さないよう混ぜたら味見をし、

 

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残りのめんつゆをお好みで加えます。(私は残り大さじ1を入れています)器に盛り付け大根おろしと塩いくらを天盛りにし、薬味ネギを散らします。

 

もちろん、いくらは醤油漬けもオススメ!

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和風パスタには「めんつゆバター」の香りはたまりません! 今回は秋鮭を使っていますが、普通の生鮭でもOK! 切り身の皮をはぎ取っているのは食べやすくするためです。この皮に塩を振ってカリカリに焼き、このパスタにトッピッグしてもおいしいですよ。

 

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鮭やサーモンは中心から少し背側に血合い骨あります。(画像の赤丸部分、切り身だと焼く面に切れた骨があるので指で確認してください)これが意外と硬くて長かったりするので、食べる時に気にならないよう抜いておくといいかも。

 

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ちなみに、魚屋的には秋鮭=生筋子の季節でもあります。スーパーなんかでも手に入る生筋子で醤油漬けを作って、塩いくらの代わりにトッピングするのもウマし! ご飯にのせてもパスタにのせてもいけるよ~!(パスタの場合はいくらの醤油漬けの塩分を考えて塩分を調節するとGood)

 

※この記事は2017年10月の情報です。

今年のサンマは高い!ので、蒲焼缶詰できんぴらライスバーガーを作ってみた

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相変わらず生サンマが高い! 本当に高い!! 庶民の味方、サンマが高級魚になっちゃってます!!! でも、この時期無性に食べたくなるんですよね……。

仕方ない、生のサンマが高いなら缶詰で食べましょうか、というわけで、今回は「サンマの蒲焼き缶」を使ったレシピを紹介しますね。秋の行楽、これからの時季は紅葉を楽しみながらお外でごはん、片手にビール、片手に「ライスバーガー」、なんてお休みはいかがでしょう?

 

魚屋三代目の「サンマの缶詰できんぴらライスバーガー」

【材料】2人前

  • ごはん 80g×4
  • サンマの蒲焼缶詰 1個
  • ごぼう(千切り:水につけておく) 100g
  • にんじん(千切り) 40g
  • れんこん(小さければ輪切り、大きければ半月切り:酢水につけておく) 40g
  • 輪切り赤唐辛子 ひとつまみ
  • 白ごま 適量(小さじ1くらい)
  • サラダ油 小さじ2~大さじ1
  • ごま油 少々

(A)

  • 醤油、みりん、水 小さじ2
  • 砂糖 小さじ1/2

 

作り方

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1. 温かいごはん(80g)をラップで包み、丸めてしっかり強めに握る。

 

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ラップを広げ丸めたごはんの上にもう1枚のラップをのせて手のひらで押し、周りが崩れないように成形して、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やしておきます。蒲焼き缶はサンマとタレとに分けておきます。

 

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※100均キッチングッズのこんな「ライスバーガー用のご飯型」を使ってもキレイに仕上がります!

 

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2. 熱したフライパンにサラダ油を入れ輪切り赤唐辛子を加え、ごぼう、にんじん、れんこんを入れて炒めます。全体に油がまわり、火が通ってきたら1の蒲焼のタレと(A)を混ぜて加え、汁気を飛ばすように炒って煮詰めていきます。

 

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サンマの身を加え、仕上げにごま油を加えてひと混ぜし、白ごまを散らします。

 

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3. フライパンを熱し、1で冷やしたごはんを焼いていきます。中火で両面に焼き目を付け、醤油とみりんを1:1(分量外)で混ぜたタレを外側に塗って焼き色をつけます。カリッと焼けたごはんにフリルレタスを敷き、2のさんまの蒲焼き、きんぴらをのせ、焼いたごはんで挟みます。

※ごはんを焼く時はクッキングホイルを使うとくっつかず、崩れにくくなるのでオススメです。

焼く時に触りすぎると崩れやすくなるので注意! ご飯を固めに炊いて、まとまりづらい場合は片栗粉を小さじ2くらい混ぜてから80gずつ4等分にして下さい。魚焼きグリルでも焦げ目がついておいしく焼けます。

 

焼きのりや目玉焼きなどトッピングしてもおいしいよ!

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きんぴらは市販のお総菜を利用したって問題なし。でも、自分で作ったほうが辛めにできたり甘めにできたり、断然ウマい!

 

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目玉焼きや、本家きんぴらライスバーガーのように焼きのりをプラスしてもおいしいです。私は目玉焼きとマヨネーズをトッピングしましたよ~。大葉やカイワレもオススメ、ゆかり(赤しそふりかけ)や青のりをライスバンズにかけたり、焼く前にごはんに混ぜてもOKです。

 

※この記事は2017年10月の情報です。

魚屋さんが伝授する、旬のサンマ「ウマい焼き方のコツ」【永久保存版】

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サンマ! サンマ! サンマがおいしい季節ですよね! だがしかし、昨年に引き続きサンマが不漁でべらぼうに高い……。庶民の味方、安くておいしいさんまが高級魚に大変身。買うお客さんも大変だけど、売り手の私も頭を抱えています。「旬で脂のりのりサンマが安くてお得だよ!」なんて言えない(涙) 。

でもね、どうしても食べたい。今回は、サンマ好きな皆さんに魚屋の私から「おいしいサンマの選び方と焼き方」をちょこっとお教えいたします。

 

魚屋が教える「サンマの基本のき」

【サンマの選び方】魚屋の目利きワザ、教えます!

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見た目でのチェックポイントは、

  • 目が黒々と澄み、胴体に幅があり太っているもの
  • クチバシの先端、突き出した下顎が黄色いもの
  • 魚体の背が黒く、腹は銀色に輝き艶やかなもの
  • 首の付け根がこんもりと盛り上っているもの

というところでしょうか。エラが赤々と鮮やかなものや、サンマの尾の方を持ってサンマがピシッと立つものは鮮度が良いのですが、普通だと触れないですものね。

 

あとはですね、ぶっちゃけ値段。サンマはサイズによって値が結構違うのです。ちょいと小さいけど安いからいいかな……。わかります、安いのはうれしいです。でも焼いてみたらパサパサだった、なんてことが結構あったりするんですよ。

たとえば、小さめのサンマが100円、それよりもサイズが大きいサンマが150円で売られていたとします。50円の差ですが、食べるとその差は歴然! 少し高くても大きい方を選ぶべし!!(金額はあくまでも例えです)

 

ここだけの話ですが……、箱の数字もチェック!

これは言っていいか…… まぁいっか。サンマを仕入れる時に箱の大きさがあります。

多いのは2kgサイズの箱と4kgサイズの箱、そしてこの箱には数字が書いてあるのですよ。(ほとんどだと思う) この数字は箱に入っているサンマの本数を表していて、4kgの箱には「22」とか「25」とか書いてある。はい、数字が小さいほどサンマが入っている本数が少ない=つまり1本(尾)が大きい、ということになります。

4kgの箱に「30」なんてこともありますが、そうなると小さめですよね。スーパーさんの安売りで発泡スチール箱ごと出されている時など、箱に書いてある数字を確認できますよ。(2kgの箱だと8や9、10~15と書いてあることが多いかなあ……)

 

【サンマの焼き方:準備編】切って焼くのはありなの?

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次に、サンマを切って焼くか、切らずに焼くか。

まず、魚焼きグリルに入るならば、見た目もいいし切らずに焼きたい!

ただし、片面焼きのグリルの場合、長いと返すのが大変だったり、身崩れしたりしそうだと思ったら切っても良いと思う。とくにフライパンだとはみ出したり、ひっくり返した時に身崩れや焼きムラができることが多いので、やはり切って焼くことをおすすめします。

 

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切り方は、真ん中あたりを斜めに切るのが一般的かな。あとは、焼いている際にワタ(内臓)が流れ出さないよう肛門あたりから背に向かって大きく斜めに切る方法もあります。

 

【サンマの焼き方:準備編】塩を振ってから焼くとウマい!

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ここからは、私が実際にやっている焼き方をご紹介しますね。まず最初にうろこなどないか確認し、洗ったサンマの両面に3つまみずつくらい塩を振り、手でなじませて15分くらい置いておきます。(サンマの大きさにより15~20分ちょい時間を変えます)

 

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皮目に水分(青魚のクセや臭み)が浮いてくるのでキッチンペーパーなどで軽くおさえて取り除きます。(ペーパーでおさえ、水分を吸い取っても塩気は残るので大丈夫です)

 

【サンマの焼き方:焼き編】魚焼きグリルとフライパンでどう違う?

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では焼いてみましょう! 魚焼きグリルで「両面焼き」の場合は、中火~中強火で様子を見ながら8分くらい。「片面焼き」の場合は最初の面は6~7分、ひっくり返して5~6分を目安に焼き上げます。

 

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フライパンの場合は片面ずつ6分前後、中火~中弱火で焼き色を見ながら焼いていきます。この時に何度もひっくり返すのではなく出来れば1回、もしくは2~3回くらいで焼きあげましょう。

 

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それと、フライパンの場合はこんな専用のフライパンシートを使うとくっつかずに焼けておすすめです。

 

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あっ! 大事なことを書き忘れてた。魚焼きグリルで焼く場合は予熱をすると良いですよ。塩を振っておいてあるのですが、もっと網にくっつきにくくなります。心配でしたら網にサラダ油などを塗っておくのも手です。そして、サンマを置く位置は効率よく火が当たる網の両端あたり、2本以上焼く場合は場所を入れ替えながら焼き時間も調節して下さいね。

 

【サンマの食べ方】やっぱりワタは食べるべき?

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最後に、苦くておいしいワタのお話。「頭も内臓も嫌! いらない!」と言われる方、特にお子さんに多いと思います(当たり前ですよね)。良いんです、好きなように食べるのがベストです! 「サンマはワタを食べてなんぼ、食べるべき」確かに好きな方にはたまらない味です。だけどもそれが苦手になってサンマが嫌いになっちゃたら元も子もない。

うちのお店の場合、先にお客さんに聞いちゃいます。「サンマ、どうしましょう?」「そのままですか?」「内臓抜いちゃいます?」「頭取っちゃいます?」「二つに切っておきます?」という感じに。

お客さんによっては「お父さん用に1本はそのまま、私と子ども用は内臓を取ってください」などリクエストはさまざま。でも、食べる人が一番おいしい、と思う食べ方がベスト。それを踏まえて「ワタもうまいっすよね~」なんて話をします。

 

【サンマの小話】秋のサンマは、ワタにウロコが入ってる?

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ワタを食べていると、たまにウロコが入っていて気になることがあります。これは漁の方法によるもの。7月中頃から8月頭まで行われるのが「刺し網漁」、その後に始まるのが「棒受け網漁」です。

前者は網にかかったサンマを水揚げ、漁獲量は棒受け網漁に比べて少ないが、サンマがウロコを飲むことが少ない。しかし、棒受け網漁は一気に大量のサンマを水揚げするので、その段階でサンマ同士がこすれ、ウロコがはがれてそれをサンマが飲んでしまうことが多い。すると、ワタにウロコが入ってしまう、というわけなんです。

秋に出まわる棒受け網漁のサンマは、ワタを食べる時は箸でウロコが残っているか確認するのがオススメです!

 

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今年のサンマ、本当に値が高いです。魚屋の私からも、安くておいしいサンマ、戻ってきてほしい!!!

 

※この記事は2017年9月の情報です。

【シリーズ第2弾】老舗魚屋の主人が作る「チャーハン」が抜群にウマい理由

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前回好評だった魚屋のチャーハン、

www.hotpepper.jp

今回は我が家の定番メニュー「しらすチャーハン」です。しらす干しは随時お店にあるのでストック切れほぼなし。後はレタスを入れたり長ネギたっぷりだったり、その日の気分や冷蔵庫の中身でしらす以外の具材がちょこちょこ変わります。

そして、今回はちょいと趣向を変えて「あんかけ」にしてみましたよ! 香味野菜が大好きな私、しらすチャーハンには大葉と万能ネギ、卵白入りのあんかけにはミョウガやかいわれ、三つ葉を入れてみました。あんに加えた香味野菜は食べる直前、仕上げで入れているのでシャキシャキの食感&風味良し。おいしいですよ~!

 

魚屋三代目の「あんかけしらすチャーハン」

【材料】2人前

  • ごはん 茶碗2杯分くらい(400g前後)
  • しらす干し 50g
  • 大葉(青しそ) 8~10枚(縦半分に切り、千切り)
  • 万能ネギ(小口切り) 20g
  • 塩、胡椒、醤油 少々
  • 卵 2個(卵黄と卵白に分ける)
  • サラダ油 大さじ2

(あん)

  • 水 400ml
  • 鶏ガラスープ(顆粒など) 大さじ1
  • 酒(日本酒) 大さじ1
  • 醤油 小さじ1
  • 塩、砂糖 少々
  • ミョウガ 2個(縦半分に切り、千切り)
  • かいわれ 1パック/50g(3等分に切る)
  • 三つ葉 1束/15g(食べやすい大きさに切る)
  • 片栗粉、水 大さじ1

 

作り方

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1. まずは、あんかけの「あん」から。鍋に水を入れて沸かし、鶏ガラスープと酒、醤油、砂糖を加えたら塩で味を整える。片栗粉を水で溶き、鍋に入れてトロミを付け、スープをかき混ぜながら卵白を流し入れる。(ミョウガなどはまだ入れません)

 

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ここで【ポイント1】。卵白は、スープにトロミをつけた後に加えることでふんわりと仕上がります!

 

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2. 次はしらすチャーハン。温かいご飯に溶いた卵黄を加え、全体によく混ぜ合わせる。

 

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フライパンで油を熱しご飯を入れて強火で炒め、ご飯がパラパラとしてきたら大葉と万能ネギ、しらす干しを加えて炒める。塩、胡椒で味を整えたら、仕上げに鍋肌から醤油を回しかける。

 

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卵を卵黄と卵白に分けたので、チャーハンを作る時に卵黄だけ炒めると食感的にもよくありません。【ポイント2】は、溶いた卵黄をご飯に混ぜて炒めること。米全体がコーティングされ「パラパラ黄金チャーハン」に仕上がります!

 

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3. 1のあんかけを一煮立ちさせ、火を止めたらミョウガ、かいわれ、三つ葉を加えて混ぜておく。器に3のチャーハンを盛り付け、香味野菜あんをかける。

 

黄金チャーハンとふんわり卵白のあんがバッチリ合う!

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卵黄と卵白に分けた卵の使い方が今回のポイントです。そして、香味野菜は最後、食べる直前に加えたほうが食感や風味がいい! 今回は香味野菜ですが、レタスやキノコ、キクラゲなど好きなものでOKです。彩りが良く仕上げたいのでしたらパプリカやアスパラ、キヌサヤにヤングコーンなどをあんに入れるのもありですよ!

 

※この記事は2017年9月の情報です。

【やってみた】香ばしい「屋台のイカ焼き」はフライパンでも焼けるの?【今週は屋台の味】

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賑やかな祭ばやしに誘われてお祭りの屋台や夜店に出かけると、どこからともなく香ばしく胃袋を刺激する香り。そこに待っているのは、焼き鳥や焼きトウモロコシ、そしてイカ焼きの屋台たち。私、家が魚屋なのに昔からわざわざイカ焼きを買って食べるのが好きでしたよ(笑)。

その血を引き継いだのが娘! お祭りに行くとイカ焼きの匂いを嗅ぎつけ、屋台がある場所まで脇目も振らずズンズン進んで行く。父の「家にイカあるけど……」の声もスルーして、我慢できず買ってかぶりつく。高校生になっても昔から変わらない娘、うん、わかる気がする。

 

あっ、前置きがチョ~長くなってしまった。今回、紹介するのがその「イカ焼き」。記憶にある懐かしい屋台のイカ焼きをフライパンで再現してみました。ピリ辛ジャンクVer.も合せて紹介します!

 

魚屋三代目の「懐かし祭り屋台のイカ焼き風」

【材料】2~3人前

  • スルメイカ 3杯
  • サラダ油 適量
  • マヨネーズ、七味 or 一味 お好みで

(A)

  • 醤油 100ml
  • みりん 50ml
  • 酒(日本酒)大さじ2
  • ニンニク 1片(すりおろします)
  • ショウガ ニンニクと同量(すりおろします)
  • うま味調味料 少々

(B)

  • 砂糖 小さじ1/4
  • 赤唐辛子(輪切り) 適量
  • 炒りごま(白) 小さじ1
  • ごま油 小さじ1

 

作り方

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1. スルメイカをさばいておきます。胴体をしっかり持って、内臓や目、くちばし、ゲソ(足)をゆっくりと引き抜き、さらに軟甲(薄く透明でペラペラしたもの)もゆっくり引っ張って引き抜きます。仕上げに、もう一度指を入れて残りのワタを取り出し掃除しておきます。ゲソの吸盤は指で滑らせるようにこそげ落とします。ボウルに(A)の材料を加えよく混ぜて漬けダレを作り、1/3を違うボウルに移しておきます。

※さばいていないイカは、こうして自分でさばく分、スーパーなどでも安く手に入ります。スルメイカは一番よく見かけるポピュラーなイカです。

 

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2. よく洗った 1のスルメイカに包丁で切り込みを入れ、ゲソは開いて半分に切っておきます。水分はキッチンペーパーなどでおさえてよく取っておきます。1で分けた少ない方の漬けダレに(B)を加えてよく混ぜ、ピリ辛ダレも作ります。

 

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3. 丈夫なビニール袋を2枚用意し、スルメイカ2杯と普通の漬けダレ、もう一つのビニール袋にスルメイカ1杯とピリ辛漬けダレを加えてよくもみ込み、冷蔵庫で1時間くらい寝かせて味を染み込ませておきます。

 

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4. 熱したフライパンにサラダ油を加え、漬け込んだスルメイカをふたをしながら中弱火くらいで焼き始めます。

 

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時々様子を見ながら、こんがり色づくまで両面を焼き上げます。火の入り方が違うのでゲソは後から焼きました。

 

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※ひっくり返すとスルメイカが反りますが、ターナーやフォークでおさえると戻りますので大丈夫です。

 

マヨと七味をプラスでジャンク度アップ!!!

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タレに漬け込んだスルメイカ、私はフライパンで焼いています。こうしてふたをするといい照りが出るんです。ふたを外してから、仕上げにフライパンにイカをこすり付けるようにするとさらに香ばしく仕上がりますよ!

 

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タレにはうま味調味料を少々入れていますが、これはお好みで加減をして下さい。マヨネーズ&七味(一味)を添えてジャンク度アップ! ためしにパックに入れてみたら、もう屋台の雰囲気そのものです!

ちなみにこのイカ焼き。食事を終えたばかりの娘が、テーブルを見るなり「あっ! イカ焼きだ、もう食べていいの? 写真撮り終わった?」と言うがはやいか早速パクパクと片づけてくれました。父譲りのイカ好き、イカは別腹らしい(笑)。

 

※この記事は2017年9月の情報です。

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