【漫画喫茶】「お酒飲み放題」のネットカフェなんて、天国すぎるじゃないか【ヒョイ飲み】

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漫画を読みながらダラダラとお酒を飲むのが好きです。

家で一人飲みをする時は、ラズウェル細木先生の『酒のほそ道』が最高のおつまみになります。相性がいいんですよね、漫画とお酒。

ちょっと空いた時間があると、ネットカフェに行って漫画の一気読みなんかをします。

一気に読み飛ばす快感ってあるんですよね、一冊あたり10分くらいでガーッと読んでいく。精魂込めて描いている作者の方には申し訳ないんですけどね。

で、そういう時に飲みながら読みたいわけなんですが、たいていのネットカフェはドリンクバーでソフトドリンクは飲み放題なのに、アルコールはおいてないんですよね。なので、実は僕はキンミヤ焼酎の小瓶なんかをこっそり持ち込んで、ドリンクバーのウーロン茶やソーダで割って飲んだりしてるのです。持ち込みも禁止のところも多いのでドキドキしながら……。

 

ところが発見したんですよ。アルコールのドリンクバーのあるネットカフェを。つまり漫画読み放題でお酒飲み放題。

なにそれ、天国過ぎるじゃないですか。

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そのネットカフェは、池袋にある「ハイリーファイブカフェ」。

通常料金にプラス1,080円(1時間)で20種類のお酒が飲み放題ということです。

さっそくカメラマンのねじ君と一緒に行ってみました。池袋駅東口からすぐの小さなビルの5,6,7階の3フロア。受付は5階です。

店内は、ずいぶんシックで大人のムード。実際に「大人のためのプライベート空間」というコンセプトということで、18歳未満は入店できないそうです。大人でよかった。

また女性客やカップル客がすごく多いとのこと。確かに、店内でずいぶん女性客を見かけます。きれいでおしゃれだもんなー。

 

さっそく入店してみます

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まずは受付で会員登録してメンバーズカードを作ります。現住所が確認できる身分証明書が必要です。ま、これは普通のネットカフェでも同じですね。入会金は324円。

面白いのは、このお店は、一度メンバーズカードを作ってしまえば、後はセルフチェックイン、セルフチェックアウト。

つまり二回目以降は店員さんと顔を合わせることなく利用できるということなんですね。煩わしくなくて、こういう方がいいという人も多いんじゃないでしょうか。

またネットで予約が出来るのも便利ですね。

 

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チェックイン端末で部屋を選びます。

 

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チェアルームとフラットルームという通常の部屋以外にも、6人入れるカラオケルーム、5.1chサラウンドシステムと大画面モニター完備のシアタールームがあります。

今日はフラットルームをセレクト。

 

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シティーホテルのようなカードキーです。

 

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そしてゲートを通って店内へ。今回は6階の部屋なので、階段をあがって上へ。

 

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完全個室なので、ネットカフェというよりも、高級カラオケボックスといった感じの店内なんですよね。

 

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カードキーを使って部屋に入ります。四畳半より少し広めという感じです。

 

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入り口のところのタタキ(靴をぬぐ所)は、パタンと倒してそこも床として使えるように出来るのが、気がきいてますね。

 

f:id:Meshi2_IB:20170601024021j:plainさて、問題のお酒飲み放題=アルコール・バーは、受付で別途申し込む必要があるのでした。ここでまたカードキーを渡されます。

 

そして、5階のドリンクバーの更に奥に……。

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「Alcohol Drink Bar」があるのでした!

 

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ここは専用キーがないと入れない秘密の小部屋。

 

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そしてそこは、酒飲みの天国!

 

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焼酎に果実酒、ハイボール……

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もちろん生ビールサーバーも!

 

個人的には焼酎がいろいろそろっているのがうれしいですね。

黒霧島やさつま白波、いいちこも二階堂、そしてキンミヤ。さらには泡盛なんかもありますよ。ウーロン茶やソーダなどの割物も用意されてるので、自分でいろいろサワーも作れます。これは楽しい。

 

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まぁ、最初はやっぱりビールですかね。キーンと冷やされたジョッキに自動ビールサーバーで注ぎます。これを持って6階の自分の部屋に戻ります。

 

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カメラマンのねじ君と乾杯。

 

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あー、ビール最高。超最高。すぐに飲み干してしまって、また階段降りて「Alcohol Drink Bar」へ取りに行きます。

 

ジョッキは交換制になっているので、ピッチが早い人には、少々面倒くさいかな。

 

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おっと、その前に「お酒を飲みながら、漫画を読む」の目的のためには漫画も持ってこなければ。
漫画は2万4千冊、雑誌は140誌あるとのこと。

漫画の冊数は、ネットカフェとしてはやや少なめな感もありますが、「累計10万冊を読破したコミックマイスターが厳選した2万4千冊」らしいですよ。

確かに、渋い名作が目につきます。そして女性客が多いということで女性誌が充実してますね。

 

で、僕が選んだのは……。

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小林まこと先生の『女子柔道部物語』。前作『柔道部物語』は僕のバイブル的な愛読作品なのです。さて、部屋に戻って、ハイボール&漫画。

超最高。

 

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個室ということもあって、完全に自分の部屋感覚でくつろげます。

 

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もうこんな感じになっちゃいます。フラットシート、素晴らしいな。

 

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しかし、お酒にはツマミが必要ですよね。

店内ではスナック類も販売してるんですが……。

 

「ハイリーファイブカフェ」には、本格的なフードも用意されてるんですね。

 

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注文は個室のPCから。

個室に届けてもらっても、取りに行ってもよいようです。

 

そして届いたのがこれですよ。

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ハイリードック、734円!

 

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生ハム・クリームチーズのハーブサラダ(ジャー入り)、572円!

 

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そしてぷりぷり海老と彩り野菜のアヒージョ(バゲット付)、626円!


どうですか、これ! 

とてもネットカフェのフードとは思えない本格的な料理じゃないですか。

 

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そしてうまい。

ほほう、「ドイツから直輸入した希少価値の高いスティックプレッチェルに、農林水産大臣賞を受賞したやまと豚を使用したソーセージ」なんですか、ハイリードック。

いやぁ、ビールに合うなー。

 

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そしてアヒージョですよ。

オイルをバゲッドにつけて食べると、もうたまらない。こんな料理をつまみにビールが飲めるネットカフェなんて、考えられますか?

それにしても、この個室くつろげます。漫画を読みながら飲もうという当初の目的を忘れて、ダラダラとねじ君と話ながら飲むという展開に。なんというか、誰かの家で飲んでいるような気分になってくるんですよね。

 

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ねじ君も完全にリラックスモード。

あー、こりゃいいや。普通に個室の飲み屋さんとして使うのにもいいですね、これ。

「ここ、シャワーもあるんだよな、30分 540円。シャワー浴びてから、ビールとか最高じゃないの?」

「あー、それ、いいですね。そのまま昼寝しちゃってもいいわけですし」

「しかし、あれだね。こうやって、おっさん二人で飲んでるのも楽しいけど……できたら、女の子と来たいところではあるね」

「……そうですね」

「ここ、女性客も多いけど、カップル客もすごく多いんだって」

「……けしからんですね」

「けしからんよね」

個室でダラダラとお酒を飲んでいると、いやぁ、あっと言う間に時間が経っちゃいますね。気がつけば、2時間半以上経っていました。

それなら1時間コースじゃなくて3時間コースにしておいた方がお得だったか、と後悔する必要はありません。精算時に自動的に一番オトクなコースに変更してくれるとのことです。これはありがたい。

お酒飲み放題の方も、1時間1,080円、2時間1,728円なので、2時間の方が適用されてました(さらにオーバーすると10分ごとに108円)。が、後半はペースが落ちてあんまり飲んでいなかったので、お酒は1時間だけにして最後の1杯を焼酎ストレートにしておいて、ドリンクバーで割って飲むというのが正解だったかもしれません。

とか、セコい攻略法をつい考えてしまう貧乏性。

というか、持ち込みもOKらしいので、そっちの方が安くあがるかも。

 

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ちなみに店内でもワインやシャンパンなどをボトルで売っていまして、これが酒屋さんで買うのと変わらないような値段なので、こっちを利用するのも手ですね。

 

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そして〆は、一番好評だというセルフサービスのソフトクリーム。

ドリンクバーのメロンソーダの上に乗せてクリームソーダにする手もありますね。

 

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あー、酔い覚めのソフトクリーム、うまいなー。

 

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帰りの精算もセルフチェックアウトです。

 

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基本料金が3時間パックで1,296円。

飲み放題が2時間プラス10分で1,836円。

料理が3点で1,932円。

一人あたり合計5,064円。

料理を頼みすぎちゃったのと飲み放題を切り上げ忘れたので、ちょっと高く付きましたが、満足度はそれ以上でしたね。

とにかく至れり尽くせりのサービスとアメニティーがうれしいんですよね。

「これは確かに女の子連れてきても喜ばれるね」

「おれと『ハイリーファイブカフェ』行かない? って誘うのアリですかね」

「アリな気がするな」

と、おじさん二人は満足しながら池袋の街へと消えていくのでした。

ま、女の子はともかく、今度は平日のフリータイム(9時~18時 1,620円)で一人でゴロゴロしにくるかな。うち一時間だけ飲み放題にして(笑)。

 

お店情報

ハイリーファイブカフェ

住所:東京都豊島区東池袋1-40-2 池袋旗ビル5・6・7階
電話番号:03-3980-3733
営業時間:24時間営業
定休日:無休

www.hotpepper.jp

※この記事は2017年6月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:安田理央

安田理央

1967年生まれ。フリーライター、居酒屋お通しコレクター、アダルトメディア研究家、ニューウェーブ歌手、イベント司会、駅弁大会エバンジェリストなど、色々。好きなサッポロ一番はしょうゆ味。

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男子の二大好物が食べたいなら「バルカン」に行けばいいじゃない!【京都】

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餃子と唐揚げが二枚看板。

こんにちは。メシ通レポーターの泡です。

 

老いも若きも、男子たるものこの2つが嫌いな人っているんでしょうか。

(もちろん女子もですが)。

 

餃子と唐揚げ。

 

あー、この語感だけでビールが飲みたくなるっ!

 

さて、今回ご紹介するのは、この2つを名物として掲げる酒場「バルカン(VULCAN)」です。

 

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地下鉄東西線、京都市役所前駅から河原町通を北へ。

 

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河原町通と丸太町通の交差点をさらに北上してください。

 

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河原町通の西側にあります。

 

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どうです、この端的な看板。ソソられますでしょう?

 

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店内はこんな感じ。ゆったりとスペースを空けて、カウンターとテーブルが並んでいます。

 

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カウンターの上にある黒板メニューの中でも、例の2つが大きく存在感をアピールしております。

 

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お酒メニューもいろいろ。この手のお店にしてはちょっとお安めの設定ではないでしょうか。ヱビスの生が500円はうれしいですよね。

 

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店主の田中大雄さん。

 

木屋町のクラブやパン屋さん、居酒屋さんなどを経て5年前に独立。

 

「とにかく自分の好きな餃子と唐揚げを出そうと、それだけ決めてお店を始めました。この2つがあればなんとかなるやろ、と(笑)」

 

餃子は大学生で一人暮らしをしていた頃から作っていて、友人にふるまったりしていたそうです。男子学生と餃子、似合うなー。

 

「店用のレシピを考えた時に、特に女性は『ニンニクの匂いが残るのがイヤ~』なんて言う人が多いのでニンニクは外しました。イタリアンなんかでは平気でニンニク食べてるくせにねぇ。まぁ、いろんな人に気にせず食べてもらえるなら、それに越したことはないなと」

 

唐揚げは酒場のアテとしての個性を大切に。

 

唐揚げ界で(あるのですね、そんな世界が)、よりトップに近づけるような味を目指しました。家庭で作るのではなく、プロっぽい、お店の味ですね」

 

7種のスパイスなどを使った下味付きの衣に、鶏モモ肉を漬け込んでおくスタイルだそう。

それ、絶対お酒に合うやつ!

 

まずは餃子から焼いていただきましょう。

 

注文を聞いてからあんを皮で包み始める田中さん。

 

包むのめっちゃ早い!

 

と思ったら、それもそのはず。

皮の中心にあんをのせ、2つ折りにしたてっぺんをくっつけるだけ!

ヒダを入れないどころか、全部をとじることもしない! 斬新!

 

「開いているサイドから肉汁がこぼれるかなと思ったんですけど、意外と大丈夫。こぼれずに皮にしみていくので皮自体にうま味がつくんですよ」

 

どっしりとした鉄鍋(LODGE!)で焼くので、焼き上がりまでは3分少々とスピーディー!

 

さー、焼けましたよ~。

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▲ギョウザ 6個 400円。生ビール 500円

 

見事な焼き色は鉄鍋ならでは。

包み込んでいないので棒状に焼き上がり、パリパリの面が大きいのがうれしい。

 

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ほ~れ、ほれほれっ。

 

パリッ、

さくっ、

じょんわ~(アチッ)。

……グビビビビビ、

ぷっはーーー!!!

 

ってな感じです。

 

餃子のあんは、キャベツやニラ、ネギ、セロリと野菜が大半なのでとても軽やか。

自家製ラー油と2種類の酢、醤油をブレンドしたタレがスパイシーで実によいです。

 

続いては唐揚げ。

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▲カラアゲ 3個 550円

 

これで3個。ちょっとしたマウンテンですよ。

 

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1個がこれ。でかっ。でもいい感じに肉を薄く延ばしているので重すぎることはありません。

 

クリスピーなのにしっとりという不思議な食感です。

フライドチキンと唐揚げのいいとこどりっぽい。

 

いろんなスパイスがふわっと香り、即時にビールがほしくなります。

いや、ビール以外でもなんでもイケそう。

 

こんなん、いかがでしょう。

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▲生パクチー酎ハイ 550円

 

茎も丸ごとグラスに入れて、モヒートのミントさながらにペストル(すりこぎ棒)でギュギュッと潰して香りを立たせています。

ベースは甲類焼酎、炭酸は大阪は能勢の「ノセソーダ」。関西の気の利いた酒場でよく使われているやつです。レトロな瓶もかわいいんだこれ。

 

パクチー好きなら身悶えして喜ぶ青々しい一杯。

 

ちなみに料理にもパクチーは多用されていて、そのまんまの「パクチーサラダ」700円、「ラム肉とパクチーのクミン炒め」900円、「かきスモーク缶とパクチーのオムレツ」750などが好評です。どれも激ウマなのでぜひお試しを。

 

ほかのお酒ならこんなのも。

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▲田中さんの地元・滋賀の「不老泉 山廃純米吟醸」500円(半合)

 

スパイスなどを使ったパンチのある料理にも負けない、どっしりとしたお酒なんです。日本酒バーの大将に『ここの料理にはこれが合うで』と教えてもらったんですよ」

ひやでも、熱燗でもお好みで。

 

「キンミヤ」の焼酎は、サワーのベースなどに使っています。

クローブなどをキンミヤに漬け込んだ、「チャイスパイスサワー」500は、スパイス好きにはぜひ飲んでみてほしい一杯です。

 

エエ感じにほろ酔いになってきたら、〆にこんなメニューをどうぞ。

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▲ナポリタン焼そば 700円

 

実はこれ、麺がパスタじゃなくて中華麺なのです。

でも言われないと気づかないくらい、むっちり加減が絶妙~。

ウインナー、玉ねぎ、そしてピーマンのナポリタン三勇士に加え、オリーブが入っているところが酒場仕様ですな。粉チーズも忘れてはなるまい。

 

例の鉄鍋でケチャップにしっかりと焼きを入れて炒めるので、とっても香ばしい。

濃いめの味付けで、〆のはずなのにこれでまた一杯飲みたくなるっていうね……

 

酒場だけど、ぜひともお腹を空かせて向かってほしい、そんな一軒なのであります。

 

お店情報

バルカン(VULCAN)

住所:京都京都市上京区出水町255-2
電話番号:075-231-1009
営業時間:18:30~翌1:30(LO)
定休日:火曜日
Facebook:バルカン

本記事の20174月の情報です。
金額はすべて消費税込です。

 

書いた人:泡☆盛子

泡☆盛子

ライター。沖縄出身、京都在住。京都の水というか食がカラダに合い、45kg肥えたのが自慢。立ち呑みと、おかずケース食堂での昼酒が好き。

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美人に釣られて今宵もフラリ……。大人の街春吉でまったりと日本酒をたしなむ夜【福岡・春吉】

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意外と困る二次会のお店選び

一次会が終わって三々五々散っていく参加者たち。「じゃあ親しい仲間と二次会に行こうかな」と思った時に、意外とお店選びに苦労することはありませんか?

ラーメンで〆て帰るのはまだ早い、かといってカラオケで騒ぐ気分でもない。オトナ同士がゆっくりお酒を飲みながら軽くコミュニケーションを図りつつ親睦を深めたい……。

そんな気分にベストマッチする「オトナが集う本格的な日本酒バー」を春吉エリアに発見しました!

季節によって日本酒のラインアップを入れ替え、その時期の旬の日本酒を提供することにこだわった「日本酒バー 雲レ日」に今回訪問してみます。

 

隠れ家的なお店の集まる春吉エリア

以前レポートしたホテルイル・パラッツォめしや女とみそ汁がある春吉エリア。
東側が日本有数の歓楽街中洲、西側には九州最大の商業エリア天神というビッグネームに挟まれたこの場所には、煌々(こうこう)としたネオンもおしゃれなファッションビルもありません。その分、街並みは情緒ある落ち着いた雰囲気を醸し出しており、隠れ家と呼ぶにふさわしいこじんまりとしたお店がいくつも軒を連ねています。

街の雰囲気としては、外苑西通りから1本入った西麻布4丁目付近に似た感じでしょうか(ちょっとひいき目)、有名人がお忍びで来るようなエリアです。

お店の場所は少し入り組んだ場所にあります。まずは国体道路の春吉橋西交差点を目指してください。

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▲春吉橋西交差点。角にパチンコ屋さんがある

 

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▲パチンコ屋さんの横に、川沿いに伸びる道(春吉リバーサイド通り)がある

 

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▲春吉リバーサイド通りをまっすぐ進み、ホテルイルパラッツォを右手に見ながら奥へ

 

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▲しばらく歩くと右手にコンビニがあり、そのコンビニの先を右に曲がる

 

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▲曲がってすぐのマンションの1Fに「日本酒バー 雲レ日」がある

 

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▲お店の入り口

 

お店の入り口の植物には下からスポットライトが当てられ、その陰が天井の白い壁に映し出されています。入り口の扉も年季の入った木製の引き戸で、入ってすぐの壁には障子が貼られていて落ち着いた雰囲気を醸し出しています。いいお店オーラがビンビンに伝わってきますね。

 

空いている扉から店内をチラ見すると……

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美人発見!! 好みのタイプど真ん中、ストライクです!

 

よし! 早速お店にお邪魔してみましょう!!

 

のべ2000種以上の日本酒を仕入れているこだわりのバー

この「日本酒バー 雲レ日」は、店長の四丸美佳さんとスタッフの中村照葉さんの2人で切り盛りしています。お二人ともに日本酒に対する造詣が深く、お客さんにはその日の気分や食事にあわせておススメの日本酒をその都度選んで提供してくれるとのこと。

お二人の日本酒愛やお店のこだわりについてちょっと聞いてみました。

 

ーーおいしそうな日本酒が並んでいますね

うちのお店は日本酒を1本ずつ仕入れているんですよ。日本酒は季節や産地によって味も香りも異なるので、品ぞろえが偏らないようになるべく多くの種類を随時入れ替えています。これまでトータルで2000本以上は仕入れましたね。

 

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▲店長の四丸さん。日本酒の話をする時の目の輝きが印象的です

 

ーーじゃあ、バーの常連さんがよくやる「いつもの!」みたいなオーダーは無理ですね

そうですね、お酒のラインアップは随時入れ替えていますので。今店頭に並べているお酒も、大体1週間ですべて入れ替わってしまうくらいの勢いです(笑)。日本酒には四季があるので、その都度おいしいお酒を用意しているんですよ。

 

ーー日本酒に四季があるんですか?

ありますよ! 知らない人の方が多いと思いますが、日本酒は同じ銘柄でも季節によって味が変わります。例えば、お米の収穫が終わって冬になると出てくる新酒はフレッシュな味わいが特徴ですし、春には少し柔らかい味わいになります。夏から秋にかけては寝かせて丸みのある味わいを感じる風味に仕上がってきます。その季節ごとにいろいろな味わいを楽しめるのが日本酒の魅力なんですよ。

 

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▲スタッフの中村さん。蔵元まで出かけて直接買い付けることもあるとのこと

 

ーーお二人とも日本酒大好きなんですね!

大好きですね。味わいの幅が広くておいしくていろんな料理にマッチするお酒ですし。このお店をオープンして8年以上経ちますけど、未だに新しい発見があります。あと、最近の蔵元さんは代替わりしてイケメンが増えましたから(笑)。

 

ゆっくりとおススメの日本酒を堪能するとしましょう

さてさて、会話にばかり夢中になって肝心のお酒をオーダーしていませんでした。

今日はまだ体にアルコールを入れていないので、最初の一杯は少し軽めのものをお願いします!

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▲1杯目 若竹屋「渓(たに)」 600円

 

まずは地元福岡県のお酒、久留米市田主丸にある若竹屋酒造場の「渓(たに) 袋こぼし」です。少し濁りのある色合いが特徴的ですね。袋こぼしというのは袋搾りのことであり、圧力をかけずに滴り落ちる原酒をろ過せずそのまま商品にした生原酒。酵母が生きている状態で瓶詰めしているので軽く発泡しており、シュワシュワ感も味わえます。

飲み口はフルーティーで、スッと入ってきます。この味わいは初体験ですね。

 

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▲見てくださいこの濁り具合!

 

 軽めの味わいのお酒でスタートしたので、次はどうしようかな~。重みのあるテイストのお酒にしようかな~と思っていると

「こちらのお酒、珍しいでしょ。飲んでみません?」と言って出していただいたのが……

 

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▲おススメのお酒を出してくれましたが……

 

なんですかそのワインのボトルみたいなの!?

 

「こちらは長野のお酒です。小布施ワイナリーという有名なワイン醸造所があるのですが、そこで作られた日本酒なんですよ。ワインみたいなボトルとラベルですが、れっきとした日本酒です」

 

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▲2杯目 小布施ワイナリー「ソガペール エ フィス ヌメロシス 2016」 600円

 

これ絶対ワインでしょ!?(笑)

グラスもワイングラスっぽいデザインだし。

そう思って飲んでみると、確かに日本酒なのですがワインみたいな味わいもするのは気のせいでしょうか?

香りもそれほど強くなく、クセの無いそれでいてしっかりと舌に残る深い味です。これはちょっと口当たりがよすぎて危険かも!?

 

軽くおつまみもオーダーしましょう

日本酒バーというだけあって、メニューは日本酒がメインです。食べ物は軽いおつまみ程度ですので、じっくり飲みたい人はお腹に何か入れてきた方が良いですね。

 

とりあえず、何かおつまみをと……。

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▲おつまみのメニューです。どれも自家製とのこと

 

「小エビのチーズ焼きせんべいがこのお酒には合いますよ~」とおススメされたので、それをいただいてみることにします。

 

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▲小エビのチーズ焼せんべい 300円

 

香ばしいチーズの匂いが食欲をそそります。口に入れるとエビの風味がふわっと広がり、サクサク感もあって最高のおつまみになりますね。これはイイ!

 

ていうか、美人の店長さんと可愛らしいスタッフさんにこれだけいろいろおススメされると、際限なくオーダーしそうになるのでこの辺りで自重しておきましょう。

 

ちなみに、カウンター奥にはとってもおしゃれな器がいくつも飾られています。

 

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こんなおしゃれな器で日本酒をいただくこともできるそうです。次回来た時はこちらの器で味わってみるとしましょう。

 

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春吉の路地裏で見つけた通いたくなる日本酒バー。日本酒の品ぞろえも去ることながら、適度な距離感で接してくれる2人の笑顔が最大の魅力なのかもしれませんね。

 

そう思いながらお店を後にしたライター桂でした。

おいしいお酒、ごちそうさまでした!

 

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お店情報

日本酒バー 雲レ日

住所:福岡福岡市中央区春吉3-15-3 テソロ天神1F-B
電話番号:092-715-9032
営業時間:19:00~翌3:00
定休日:不定休
Facebook:https://www.facebook.com/kumorebi0912/

www.hotpepper.jp

※この情報は2017年4月時点のものです。
※金額はすべて消費税込です。

 

書いた人:桂浩一

桂浩一

1968年生まれ。福岡出身。東京で就職するも福岡の味が忘れられず、何のあてもなく退職してUターン。 現在フリーライターとして活動中。メシと酒とホークスをこよなく愛する自由人。 一応、人事組織コンサルタントみたいなこともやっているが本業は食べ歩きと思っている。

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「鶯谷」という街でお店をやるということ【ビストロ酒場の店員さんに話を聞く】

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ディープタウン・鶯谷のビストロの店員さんから見た鶯谷

山手線沿線の駅では随一とも言われるディープスポット・鶯谷。

みなさんは、この街のことをどこまでご存じですか? 

何しろ山手線内の駅でもっとも乗降者数が少なく(およそ新宿駅の1/30)、駅前にラブホテルが建ち並んでいるかと思えば、その並びに由緒正しき神社があったり、少し歩くと文豪ゆかりの地も現れる……ひとことで言えば「ちょっと不思議な雰囲気の街」ではないでしょうか。

 

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南口の改札を出るとすぐに広がるこの景色。何軒ものホテルがひしめき合いつつ、元キャバレーだったイベントホール(アイドルグループが出演したことも!)があったりと、そのカオスさも鶯谷の魅力です。

 

この陸橋を渡ると小さな飲み屋街があるのですが、そのなかに鶯谷のイメージからはちょっぴり外れたビストロを見つけました。

「なんで、あえてここにこのお店を……!?

その佇まいが妙に気になってしまったので、今回ついに意を決して入ってみることにしました。

 

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そのお店がこちら、「ビストロ酒場5感」です。

場所は鶯谷南口から徒歩1分ほどで、陸橋を降りてすぐの所にあります。お隣さんは、昼間から満員御礼の老舗の立ち飲み焼き鳥屋さん。そことはまったくイメージの異なる店構えですが、到着した1530分には同じようにすでに何人か先客がいる雰囲気。

早い時間から盛況のようです。

 

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扉を開けると「いらっしゃいませ~!」と明るい声が。

出迎えてくれたのは、料理長・太田智弘さん。カウンター席には、すでに飲みをスタートさせたお客さんが数名座っていました。一階はカウンターのみですが、2階は10人ほど座れる座敷もあるようです。

 

私もとりあえず、ジャスミンハイを注文し、料理メニューをチェック……

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……!?

え、全体的に値段がかなり安くない……

驚いてつい、思ったことをそのまま口にしてしまった私。

料理長・太田智弘さん(以下、太田):そうかもしれませんね~。けっこう、意識的に安くしているんですよ。


気を悪くした様子もなく、気さくに返答してくれる太田さん。思い切ってここで「なぜ、鶯谷にこんなお店を出したのか?」という疑問をぶつけてみることにしました。

 

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太田:正直なところ、僕もよくわかってないんですよ。


予想外の衝撃的な答え! え、わかってないってどういうこと!?


太田:うちのお店、系列店が7店舗あるんです。で、5年くらい前にオーナーからカレーの専門店を出そうって話が出て、その時にいい物件を見つけたってことでここに「五感キッチン」というカレー店をオープンしたんです。でも、カレーしかないお店だとどうしても経営が立ち行かなくて……。2015年の8月にビストロとして再オープンさせたんですよ。僕はそこからの店員です。


なんと……。ちなみに、オーナーさんは鶯谷がどんな街か、というリサーチはされていたのでしょうか。


太田:さぁ……。もしかしたら何も知らなくて、単にアクセスの良い場所に空きができたってだけで決めたのかも。実際、僕もここに来るまで鶯谷については何も知りませんでしたね。「なんで鶯谷に作ったんだろ……」って正直思いましたから。まあ、ホテルの街だなぁって漠然としたイメージはありましたけど。

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ジャスミンハイのお供に、自家製ピクルス108円)をいただきました。激安!

しっかり漬かった酸味強めのピクルスはお酒にぴったりです。
これをショリショリつまみながら、続けて「ここに来てから鶯谷のイメージは変わりましたか?」と、質問を投げかけてみました。


太田:変わりましたね! 実は有名な飲食店も多いし、老舗もいっぱいあって、面白い街だと思います。まあ、オープンして最初の頃は試行錯誤でしたけどね。この街に受け入れてもらうお店にするにはどうしたらいいかって。

 

それは……具体的にはいったいどんなことをされたんでしょう?


太田:それはもう、ズバリ値下げですよね。当初は、もう少し高めの価格設定だったんですよ。でも、それじゃ全くお客さんが入らなくて……。思いきって最初に設定した価格から全品100円~200円くらい値下げしました。というのも、鶯谷のお客さんって、何軒もはしごしたりする人が多いんですよ。だから、料理も激安のツマミや一品料理が喜ばれる。鶯谷の価格帯は、センベロがベースなんです。

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こちらが低価格になった一品料理・チリコンカン324円)。

枝豆が目に鮮やかでキレイですよね。食感も普通のチリコンカンと少し変わっていて、オリジナリティ満点。確かに普通のビストロなら500円クラスかも。


さて、ここに来てちょっと気になりだしたのが客層について。まだ日が落ちていないのですが、すでに50代くらいの男性2人組と、上品なご婦人がぐいぐいお酒入れてますね……(笑)

 

太田:昼間はランチメニュー目当てに近所の専門学校生がやって来るんですけど、夕方くらいからは今みたいな感じで、常連さんが順繰りに来てくれるんです。それが閉店間際まで続きます。年齢層はだいぶ高めですね。40代後半から60代くらいかな。男性が多いです。


もしや、お仕事帰りのサラリーマンがメイン客層ですか? いや、でも鶯谷って会社があるイメージが全然ないですね。あと、サラリーマンだとこんな時間からは飲まないですよね……


太田なぜか、サラリーマンの方はうちのお店を全スルーしていきます。ほんと、これが見事なまでに! メインの客層は鶯谷在住の地元の方々なんですよ。もうみなさん、毎晩のように来てくださるんですよね。一回、別のお店に行ってまた帰ってくる人も多いです。一晩に何回も顔を出すみたいな。


ちょっと意外でした! 地元民に愛されているタイプのお店だったとは!


太田:うちの全系列店で実施していることなのですが、「お客さんと会話をして、次の来店につなげる」という接客姿勢が功を奏してます。鶯谷って、実はあまり店員さんとお客さんが深いコミュニケーションをとるお店がなくて、ここはちょっと珍しいお店みたいなんですよ。つまり、うちにやって来るお客さんは、みんな寂しがり。一見さんも、ほとんど再訪してくれるようになっているので、本当にお客さんはほとんど常連さんですね。

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チリコンカンをバクバク食べていると、隣に座っていたご婦人が、「私も今日はそれ頼んだのよ~。間違えてチンコンカンって頼んじゃったんだけど~」と、陽気に話しかけてきてくれました。なんと週に4回は来る超常連だそう。

「ビストロ5感」の魅力を尋ねてみたところ「気を使わなくていいところ」という答えが返ってきました。


鶯谷在住というこのご婦人、お酒が大好きで昔は六本木や銀座を飲み歩いていたそう。しかし、最近は1万円も2万円も払って見えを張って飲むより、地元で激安なうえに一人でもリラックスして入りやすいこのお店がすっかりお気に入りになってしまったのだとか。「あと、この子がいるからっていうのも大きいわね~」と、太田さんを指してニッコリ。


太田さんも「まいったな~」と言いながらうれしそうでした。なるほど、確かに愛されている!

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〆に最適のゴロゴロ野菜カレー540円)も食べました。

前身のカレー専門店で出していた黒カレーをベースにした、牛筋たっぷりの濃厚味でお腹いっぱい大満足!


そして最後に、太田さんに「鶯谷で、このお店をどうしていきたいのか」聞いてみました。


太田:「鶯谷に5感あり」と言われるようになりたいですね。鶯谷の有名店といえば? と聞かれたら名前がすぐ挙がるような。老舗店ばかりで、新しいお店の入れ替わりも激しい街ですが、そこに新参として食い込んでいきたいです。そして、このお店の名前でこの街にお客さんを呼んで、もっともっと鶯谷が盛り上がればいいなぁと思います。

 

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太田さんから見た鶯谷とは、「高級店からセンベロまで、老舗が強い」飲食の街。

その中で、着実に常連客を増やして鶯谷の街に根付き始めた「ビストロ酒場5感」。ぜひ目標通り「鶯谷に5感あり」と言わしめるお店になって欲しいです!

 

お店情報

ビストロ酒場5感

住所:東京都台東区根岸1-3-20
電話番号:03-5808-0237
営業時間:11:30~23:45(LO 23:30)
定休日:無休

※この記事は2017年1月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:西たまお

西たまお

大学在学中より映像ディレクターを志したものの2年で挫折。その後は映像制作会社で宣伝を務めた後に、広告代理店に社内ライターとして勤務。2016年より独立し、フリーとなった。主にWEBサイトで健康や食に関するさまざまな記事を執筆中。ちなみに現在は、プロフィール写真から30キロくらい太っている。

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新業態「コワーキングスナック」ってなんだ?【美人ママさんハシゴ酒】

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第16回:五反田「コワーキングスナック CONTENTZ分室」の美人ママたちに会ってきた

このところ、『美人ママさんハシゴ酒』も浸透してきたようで、お店のご提案をいただく機会も多くなってきた。ありがたいことだ。

先日お仕事をさせていただいた編集者の方から、「コワーキングスナック」へ行ってみたらどうだろうというメールをいただいた。

オーナーの宮脇 淳(みやわき あつし)さんは、WEB編集者として業界でも有名な方だし、なんたってお店のママさんがとっても美人なんだそうだ。そりゃ行くでしょう。

というわけで五反田駅西口。

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お店は駅から歩いて2分ほどのリバーライトビル。

 

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いろんな飲食店が入ってますね。

ここまではすっと来たんだけど、ここから迷っちゃった。

住所の表記は2Fとあったんで、階段を上ったけれど、目当てのお店はない。

 

まごまごしてたら、平山カメラマンに声を掛けられた。

「迷っていると思ったんで、迎えにきました」と笑う。

もう1階上なのだそうだ。

 

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いちばん下のフロアは地下1階で、地上からだと2フロア上がらないといけない。

ここポイントですね。

 

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はい、お店の看板が見えてきました。

 

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やっとみつけたぜ。 

 

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うん、このお店で間違いない。

 

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そんな感じで写真を撮っていると、ドアが開いた。

 

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「いらっしゃーい!」

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ぐぬぬぬ。美人ママ、出ましたぁ。 

 

「あ、あの、下関マグロといいます」

と、名刺を差し出せば。

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こんな名刺をいただいた。

 

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営業している火曜日、水曜日、金曜日、土曜日にママをやっていらっしゃるサエコさん。みんなからはサエママと呼ばれているそうだ。年齢は26歳。

 

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もうひとりのこちらの方は小林有希さん。チーママなのだそうだ。ユキチーママと呼ばれているとのこと。チーママは日替わりでユキチーママは水曜日担当。

 

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彼女がくれた名刺の裏がこれ。

おっと、つやっぽい。インパクトあるねぇ。

ちなみにおふたりとも本業はライターさんなんだそうだ。

 

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そして、こちらがオーナーの宮脇 淳さん。平山カメラマンが「石原裕次郎っぽく撮りましょう」とカメラを向けている。

 

宮脇さんは、毎日ここへ来ていらっしゃるんだそうだ。

 

2016年の7月にオープンした「コワーキングスナック CONTENTZ分室」ですが、まず店名の意味から教えてください。

「“コワーキング”とは、ざっくりいえば、『協働』『協業』の意味です。“スナック”は、いわゆるスナックのことですね。ママがいて、チーママがいて、おっさんが主なお客さんというようなスナックですね。で、コワーキングスナックというのは、僕の造語です」

そうか、造語なんだ。で、最後のCONTENTZ分室というのは?

「“CONTENTZ”というのは、僕が2年半ほど前につくったコワーキングスペースなんですよ。シェアオフィスやレンタルオフィスのカテゴリに入る仕事場なのですが、ここがマグロさんの席とか決まっているわけじゃないんですね。どこに座ってもいいんです」

それって1カ月で、いくらなんですか?

9,900円ですね」

それは、安いですね。

「ただ、うちのコワーキングスペースの利用者は黙々と仕事をしている方が多いので、あまりしゃべったり、ワイワイ騒いだりとかできないんですよ。だから、スナックの分室つくろうと思ったんです」

ほう。なるほど。そういえば、ここは普通のスナックにはあるカラオケや灰皿などないんですね。禁煙なんだ。

「そのかわり、電源やWiFiを開放しているんですよ」

あ、なるほど。ノートパソコンを持ってくれば、飲みながら仕事もできるんだ。

ママたちも少し早めにきて、ここで仕事をしていたりするそうだ。どんなかんじなんだろうか。ユキチーママが見せてくれた。

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「この端っこの席がいいんですよ」

と自分のノートパソコンを取り出し、仕事をしているふりをしてくれた。さんきゅー。飲みながら、サクッと原稿書いて送っちゃえるわけですね。これはいいかも。

ちなみに、ユキチーママの年齢を聞いてもいいのかしら?

「きょう、31歳になりました」

おっ、お誕生日おめでとうございます!

 

美人ママから見た、仕事ができる男の飲み方、できない男の飲み方

そうだ、すっかり忘れてた。ママと乾杯したいんですけど。

あ、その前にここの料金システムを教えてください。

「基本はボトルを入れてもらうんですよ」と宮脇さん。

ああ、メニューを見たらボトルキープは松竹梅とあって、松が12,000円、竹が8,000円で梅が5,000円。で、セット料金が3,000円。あれ、このドロップインというのは?

「それは、チャージのことですね。ドロップインというのは、コワーキングスペースの料金の呼び方で、1日利用とか2時間だけの利用と言うようなことです」

あー。なるほど。ボトルを入れるのが、コワーキングスペースの月単位での利用で、1日とかちょっとだけ利用する場合がドロップインなんだ。それじゃ、ドロップインでお願いします。

飲み物はビールかな。

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▲品川縣ビール 800円

 

「はい、ビールはこちらです」

しかし、なぜ品川縣なんでしょう? 

宮脇さんによれば、かつてこのあたりは品川縣だったんだとか。 じゃなくてっていう旧字体がいいですね。

 

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サエママがビールを注ぎながら、「一生懸命の懸の心がないやつですね」とおっしゃる。

 

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それじゃ、ママと乾杯させてください。

カンパーイ!

うーん、かなりゴージャスなビジュアルです(喜)。

 

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いただきます。

コクのあるビールですね。

 

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▲ドロップイン(チャージ) 1,000円

 

「こちらがドロップインの方にお出ししているナッツの盛り合わせです」とサエママがだしてくれた。

 

ところで、サエママ、仕事ができる男の飲み方の特徴ってなにかありますか?

「うーん、そうですねぇ。できる方って、なにか珍しいお酒や食べ物があったら、面白そうだから試してみようって方ですかね。逆に珍しいものがあっても高いからやめておこうっていう方は出世しないなと思います」(一同笑)

ほう、なるほど。なんだか耳が痛いね。

 

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それにしてもコースターがレコードの形だったり。 

 

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なんか、こんな懐かしい星座占いのやつがあったりと、不思議なこだわりもありますね。

 

ちなみにサエママはライターさんとして、どういう仕事をやっていきたいんですか?

「鳥が大好きでして。インコとか。ライター業で鳥に携わる仕事があればやってみたいです。あ、私文章だけではなく絵も描くんですよ」

おっ、じゃ、この後ろの黒板に何か絵を描いてくださいよ。

 

宮脇さんによれば、以前はこの黒板にメニューを書いていたのだけれど、月曜日と木曜日はロックバーになり、紛らわしいので、消しちゃったとのこと。

 

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「じゃ、似顔絵を描きます」

えっ、鳥じゃないんだ。

 

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えっ、僕の?

 

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似てるかな? 

 

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「そうだ、ここって電車が見えるんですよ」とサエママ。

 

宮脇さんが言う。

「そうなんですよ、ここは鉄道マニアの方にも人気なんですよ。酒を飲みながら電車を眺められると」

ああ、なるほど、カウンター席からも電車がよく見える。

「あ、りんかい線だ」

「埼京線かな」

「山手線だ」

など、しばし、みんなで電車を見る時間。

と、メニューを見ていると

「ママのお持ち

というメニューのがあった。これはなんでしょう?

「あ、これ、私が打ったんですけど、誤植なんですよ、磯辺焼きなんです」とサエママ。

ああ、お餅ね。何を持ってくるのかと思ったら、餅を持ち寄るわけですね、とおやじギャグを言いつつ「それお願いします」と注文。

 

しばし、調理。出てきたのが、こちら。

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▲ママのお持ち 600円

 

「ママ、ひとつ食べてくださいよ」と平山カメラマン。

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なんだかよく伸びるお餅。

 

これはマジでおいしかった。醤油はほんの少し香りづけ程度で、チーズがのりの下にある。これはお酒に合うね。

 

ところで、ママは、どんなお客さんに来てほしいんですか?

「もちろん男性のお客さんもうれしいですが、女性のひとり飲みのお客さんで私とおしゃべりしに来てくれる方がいて。スナックっていう名前のせいで入りにくく感じてしまわれるところあるかもしれませんが、そういうお客さんが来て下さるのはとてもうれしく、ありがたいことです。そんな感じで気軽に来て欲しいです。

あと……個人的には『週刊少年ジャンプ』で連載している『僕のヒーローアカデミア』が大好きなので、作者さんがいらしてくれたらこの上なくうれしいです。先生が来てくれるかもしれないって妄想しながら日々頑張っています」

おお、堀越耕平さんね。来てくれるといいですね。うん、なんだか来てくれそうな予感がする。根拠はないけど。

 

と、気がつけば、店内はお客さんであふれている。みんなユキチーママのお誕生日を祝いに来てくれているのだ。

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プレゼントをいっぱいもらってユキチーママもうれしそう。 

 

いやぁ、いいお店でした。

またくるよ!

 

美人ママFile #016

五反田・コワーキングスナック「CONTENTZ 分室」サエママ&ユキチーママ

 

サエママ

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お店のモットーを教えてください。

お客さんに楽しんでほしいですね。普段は会わない異業種の人同士でなごんでほしいです。

 

ママさんの好きな男性のタイプは?

やさしくて絵がうまい、穏やかな人。

 

自分の性格をひとことで言うと?

ちゃっかりしている。

 

いちばんの得意料理はなんですか?

磯辺焼き(笑)。

 

どんな言葉で口説かれたらドキッとしますか?

うーん、それはよくわからないですね。言われたことないので。

 

『メシ通』の読者にひとことお願いします!

一人飲みの女性の方とか、ぜひお越しください。

 

ユキチーママ

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お店のモットーを教えてください。

お客さんも、ママもチーママもオーナーもみんなが楽しくなくちゃいけないと思っているんですよ。そんなお店であってほしいですね。実際、私は水曜日ここにくるのが楽しみなんですよ。

 

ママさんの好きな男性のタイプは?

ホッと、自分が安心してその人の元に戻れるタイプ。

 

自分の性格をひとことで言うと?

破天荒! 猪突猛進!

 

いちばんの得意料理はなんですか?

ハンバーグと餃子。

 

どんな言葉で口説かれたらドキッとしますか?

ストレートに「好きです!」

 

『メシ通』の読者にひとことお願いします!

お待ちしております!

 

お店情報

コワーキングスナック CONTENTZ 分室

住所: 東京都品川区西五反田1-9-3 リバーライトビル2F 49号 ※JR五反田駅のホームから2分
電話番号:03-6431-9511
営業時間:18:30~0:00(火曜日、水曜日、金曜日)、18:00~23:30(土曜日)
定休日:日曜日・祝日

snack.contentz.jp

※この記事は2017年1月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

写真:平山訓生

 

書いた人:下関マグロ

下関マグロ

1958年生まれ。山口県出身。出版社、編集プロダクションを経てフリーライターへ。『東京アンダーグラウンドパーティー』(二見書房)、『歩考力』(ナショナル出版)『まな板の上のマグロ』(幻冬舎)など著書多数。

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凝り性マスターが凝りに凝ったラムは、常時300種以上!「ラム酒最強宣言」カフェに夢中【福岡・天神】

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「あのカフェ」はこの春、もっとカフェになる。

 

飲んでますか? メシ通レポーターのあずま梓です。
ラムはお好きですか? ビール酒、ワイン酒とは言わないのに、シェリー酒と並び「ラム酒」と表記されるのはなぜでしょう? これは、主に製菓材料として輸入されていた時代の名残。ラムがお酒の名であることが知られていなかった時代の製菓レシピ本の表記から来ているそう。また、仔羊の肉(lamb)との誤解を避ける意図もあるそうです。ビキニの鬼娘の話は、またの機会に。
今回はラム好き、さらにコーヒー好き垂ぜんのとっておきをご紹介しますね。

 

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天神三丁目のランドマーク、安国寺隣。多数の飲食店が入る、雑居ビルの2階にひっそりと「あのカフェ」はあります。和の雰囲気もある、特徴的な扉。知らないとなかなかたどり着かない場所ですが、一人でもくつろげる優しいお店ですのでどうぞ開けてみてください。

 

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「あのカフェ」ってどのカフェ? 「Un Known Cafe」と書いて、「あのカフェ」なんです。センスを感じるネーミングに、コピーライターとして素直に嫉妬しています。

 

知られざる、未知のカフェ。アン ノウン カフェ→「あのカフェ」。
2017年3月にオープン7周年を迎えました。

 

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バーカウンター内の棚に、ラムばかりがずらりと並ぶさまは壮観!


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わたしはいつも、一人でカウンター。

 

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グループの皆さんは広いソファ席でくつろいでください。

「あのカフェ」は、九州最大級の品ぞろえを誇るラムのお店として、一部のマニアにしっかり定着しています。しかし実はマスターの野中さん、輝国のササコーヒーでの修行を経て独り立ちしたそうで、今後コーヒーにも力を入れ、ますますカフェの名にふさわしいお店になるそうです。

 

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「エスプレッソマシンも、近日導入することになりました」と、野中朗マスター。

 

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本格的なひきたて、入れたての自家焙煎コーヒーが、常時7種類ほどそろいます。焙煎まで手がける辺りに、マスターの凝り性ぶりがうかがえます。

 

ノンアル派の支持も厚い、フードメニューも魅力。

ともかく種類豊富なラムは、ガツンとパンチの効いたものから甘く飲みやすいデザート系まで、さまざまな味わいや香りがあるので、料理に合わせるのも楽しいお酒です。今日はマスターにおまかせで、オススメのフードとそれに合うラムをコーディネイトしていただくことにしました。

 

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最初の一品、いきなりドカンとローストビーフ(700円)が出て来ました。ふわっと香り高い柔らかなお肉。口いっぱいに頬ばるサイズ感もたまりません。
「肉のドリップをラムで洗い流してから、味付けしています。表面を直火で焼いた後に、オーブンで40分くらいかけてゆっくり焼きました」。
ここに合わせる一杯目のラムは?

 

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マルテコのハイボール(1,000円)。香りが甘く味もまろやかで、ソーダの刺激の奥に、ミルキーな後味がふんわり残る、魅力的な一杯。ふんわり柔らかいお肉や、甘さが引き出されたバルサミコソースによく合います。

 

「マルテコはグァテマラのラムで、もともとコーヒーやカカオのフレーバー、オイリーなアロマがあるんですが、そこに炭酸が混ざることで、カフェオレのような甘さが出るんです。ロックやストレートで飲むと、この味にはならないんですよ」とマスター。いろいろな飲み方を試した人ならではの解説です。

 

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軽々と飲み干したところに、次の一杯。ジャマイカマティーニ(1,000円)。
「アップルトンというラムを使っています。マティーニと言えばジンとベルモットですが、ジャマイカマティーニはジンでなくラム、ベルモットでなくシェリーのフィノが使われたと言われています」。


こちらはさっきと打って変わって、ハードボイルドな一杯。肉汁とカクテルに甘やかされた口中を、一気に洗い流してくれました。

ちなみにラムの表記、英語はRUM、スペイン語がRON、フランス語がRHUM。そのくらいは、酒飲みライターには常識です。しかし。
「もともとフランスでも、RUM表記で扱いが始まったんですが、フランス人がそれを『ルム』と呼んでしまうため、読み違いをなくすためにHを入れるようになったんだそうです」。
それは初耳です! ラムのことなら何でも知っているマスターの前では、知ったかぶりせず謙虚に学びたいと思います。

 

続いて「あのカフェ」のお肉メニュー。

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骨付きポークソテー(1,600円)、ドカンと400g!

「特別なお肉は使っていません。事前に塩こしょうでマリネして、オロロソシェリーでフランベして、しっかりとふたをして香りを中に閉じ込めてしまうんですよ。緑のソースは、自家製のバジルソースに生クリームを合わせたものです」。


道理でソテーしている時から良い香りがすると思っていました。シェリーと肉汁の混じった香りが、オーダーの連鎖を招くひと皿です。

 

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対するお酒は、キューバリブレ(650円)。合わないわけがない。
「ベースをライトな3年のハバナクラブで作って、最後に同じハバナクラブのダークラムをフロートさせているんですよ。表面を少しラムの香りで覆うことで、よりお酒らしさが引き立っています」。


コーラとダークラムは色が似ていて、フロートさせていることなんて言われなければ気づきませんが、確かにコクのあるラムの香りが鼻孔をくすぐり、コーラだけでは感じられない大人の飲み物になっています。


「実はかなり薄く作っても、表面のフロートで香りはしっかりお酒らしく仕上がるので、お酒の弱い方や守りに入りたいときに、オススメの作り方です」なんて、胃腸の疲れがちな大人にうれしいマスターの入れ知恵もごちそうです。

 

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続いてのラムは、イーストロンドン(850円)。
「ボトラーズなんですが、元はガイアナのラムです。その中でもちょっと特殊で、木製の蒸留器を使っているんですよ。3年という非常に短い熟成なんですが、蒸留器も樽も木を使うことで、しっかりとした熟成感があります」。


ちなみになぜ馬がひっくり返ったデザインなのか、そこまではマスターにも分からないそうですが、イーストロンドンがボトリングしたお酒は、ウォッカもジンも馬のひっくり返ったラベルが付いているそうです。


こちらはパワフルで重厚な味のラム。「ラムは甘くて飲みやすい」というイメージを覆す、かなり雄々しい味わいです。
チェイサーとして添えられたのは、何と水出しのアイスコーヒー。あのカフェでは、ラムをロックで飲む人にアイスコーヒーのサービスが付くのです。


「チェイサーとしては、どなたにも好かれるような優しいコーヒーをお出ししています。コーヒーの個性を楽しむと言うよりは、アロマウォーターとして捉えていただければ」。
コーヒーとラム、お互いの香りと甘さを引き立て合って、いくらでも飲めてしまう組み合わせです。ぜひ、お試しください。

 

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このお店の特徴的なメニューをもう一つ挙げるなら、こちらのミートソーススパゲティ(950円)。
「ミートソースは麺に絡まないくらいがちょうど良い」というマスターの持論通り、ソースという名の重いひき肉の塊が、ゴトッとパスタの上に乗っています。ナツメグやカルダモンなどのスパイスをきかせ、ブーケガルニを入れて煮詰めたお肉は、風味豊かでお酒を呼びます。これは本当に、ランチで食べる味じゃない。明らかに、酒飲みパスタです。

 

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▲JM(1,000円)

 

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シングルカスクと書いてあります。一つの樽からそのまま瓶詰めした原酒のことですが、ウィスキーでしか聞いたことがありません。ラムでもシングルカスクってあるんですね。
「ありますよ。ちゃんとシリアルも振ってあります」。

 

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本当だ! 世界にたった320本しか存在しない味わいが、ここに。

 

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▲剥き海老のアヒージョ(700円)

 

動画でお見せしたいくらい、グラグラに泡だった状態で供されました。興奮!

 

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続いて、きんかんのラムトニック(1,000円)。
奥の乳鉢でクローブをつぶし、コーヒー抽出用のエアロプレスで果肉のざらつきを徹底的にこして作ってくださいました。凝るなあ。
爽やかな甘さと後味が、アヒージョのオイルをさっぱりと切ってくれるので、いくらでも食べられるし飲めそうです。

 

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食後は、ロン デ ジェレミーXO(1,000円)。
ラベルの人物はチェ・ゲバラ……ではなく、アメリカのポルノ俳優さんだそう。彼の名「ロン・デ・ジェレミー」の「Ron」が、ラムと同じスペルのため、アダルトなイメージでネーミングに使ったのだそうですが、確かに濃厚で甘ったるくて、キスだけで3時間、なんて男を想像しました。付き合うならもう少しさっぱりした男が……なんて四十路の独り言。

 

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ふと、カウンターの奥にこんな手書きラベルを発見。
「うちで漬けているコーヒーラムです。ホワイトラムをベースに、右がグァテマラ、左がエチオピアの豆を仕込んだものです」。
世界に一本しかない味わいも、ここにありましたよ。懲りますね。マスター、どこまでも懲りますね。

 

日本でこのお店にしかない、外国土産のレアボトルも!

これだけの種類のラム、なかなか一度に見る機会も飲む機会もありませんが、マスターは全部飲んだんですか?
「初めて入荷したラムは、すべてお客さまを待たずに飲みます! 自分で飲まずにお客さまにはすすめられませんから」。
福岡でここにしかない銘柄もありますか?
「あると思います。もしかしたら、日本でうちだけという銘柄も、中にはあるかも知れません」。
その可能性が高いボトルを、一つ見せていただけますか?

 

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「ドイツのスパイスラムです。シトラス系の味わいで、アニスのフレーバーがあります」。
ラムにアニス?? それって、おいしいんですか?
「ペルノやアブサンほどアニスは強くありませんが、僕はあまり好きじゃありません(笑)」
やっぱり。わたしも遠慮しておきます。

さっきから気になっていたんですが、バカルディだけで何本あるんですか?


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「ざっとこのくらいですね」。
……多すぎでしょう。で、ロン・サカパは?

 

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「こんなもんでしょうか」。
……ほとんど見たことないし(笑)。懐かしい“おくるみサカパ”もあって、何と中身も入っています。若い方は、この懐かしいボトルをご存じないかも知れませんね。

 

カフェも凝りに凝った「あのカフェ」クオリティー。

なぜわざわざ焙煎からしようと思ったんですか?
「僕は実は、あまりコーヒーが好きじゃないんですよ。でも今年の頭に『コーヒー イン グッド スピリッツ』というコーヒーを使用したカクテルの大会に出場するに当たって、なるべく奥深く潜る必要があると思い、焙煎の勉強を始めたんです。良いものを飲み続けているうちに、コーヒーっておいしいものだなと思うようになりましたね」。
そんなマスターの入れるコーヒーなら、コーヒー嫌いの扉まで開いてしまうかも知れません。

 

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サイフォンでコポコポと。「86〜88度くらいに調節します」。そんなにピンポイントなんですね! 書ききれないほどの豆や入れ方のウンチクをうかがっているうちに、恐れ多くなり「1杯 1,800円くらいします?」と尋ねると「600円ですよ」。こんなスペシャリティーコーヒーをこの値段で飲めるとは!

さて、そろそろお腹もいっぱいです。せっかくなので、デザート代わりに「あのカフェ」特製ラム版アイリッシュコーヒー(1,300円)をいただけませんか?

 

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「かしこまりました」と、マスターがおもむろに取り出したのは乳鉢。クローブにカルダモン。何が始まるのでしょうか。

 

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几帳面に豆を量り、お湯の温度を調節して、

 

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丁寧に、丁寧に。

 

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ハーブ入り乳鉢にも、豆を少し分けて、そこへラムが入ります。コーヒーとスパイスをラムになじませて、

 

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またもエアロプレス登場。

 

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スパイスとコーヒーの香りをいっぱいに吸ったラムをこします。

 

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温めたグラスにコーヒーとラムを注ぎ、

 

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香り付けしたホイップを浮かべて

 

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ようやく完成! ここまで何工程あったでしょう? もったいなくてグラスを持つ手が震えそうです。


お味は、とても言い尽くせないような複雑さと豊かさで、思ったほど甘くなく、濃縮したコーヒー豆の輪郭を感じました。ぜいたくなケーキをいただくように、じっくり時間をかけて飲み干し、お店を後にしました。

 

丁寧な仕事で、集まる人を幸せにしてくれる「あのカフェ」。
まだ見ぬお気に入りに、必ず出合える素敵カフェです。ぜひ、お出かけください。

※ハイボールをはじめカクテルの価格は、使うラムやフルーツにより変わります。

 

お店情報

あのカフェ Un Known Cafe

住所:福岡福岡市中央区天神3-14-9 公建ビル2F
電話番号:092-731-0011
営業時間:19:00〜翌3:00(LO)
定休日:日曜日(月曜が祝日の場合日曜営業、月曜定休)
Facebook:UnKnownCafe~あのカフェ~

※この記事は2017年3月の情報です。
※金額はすべて消費税込です。

 

書いた人:あずま梓

あずま梓

福岡県生まれの40代。地元情報誌の編集・ライターを経て2000年独立。現在コピーライター、エディター、プランナー、ディレクターとして、主に紙媒体と映像を中心とした広告制作に携わる。趣味は料理と食べ歩きと俳句。

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なにこれすごい……「バー カオス」の中毒必至なカレーと特製ジントニック【京都・木屋町】

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飲んべえ大絶賛のカレーはバーにある!?

こんにちは。メシ通レポーターの泡です。

『メシ通』読者のみなさんはうすうすお気づきかと思いますが、アタクシにありがちなこと、深夜の飲み食いがやめられません。

酔った帰り道、気づけばコンビニでカップ麺のカレー味(もちろんBIG)をまとめ買いすること多々。翌朝キッチンに残るほのかなカレー香に何度後悔の念を呼び起こされたことか。

先日もお気に入りの納豆入りバージョンを堪能したはいいけれど、翌朝の胃もたれで寄る年波を実感したところでございます。

 

そんな時に思い出しました、食欲仲間のライターやカメラマン、そして取材先のお店の方々から「あそこのは食べとかなあかんで」といくたびもすすめられたカレーのことを(倒置法)。

 

曰く「バーやねんけど、カレーがめっちゃうまいねん!

曰く「夜中でもするっと食べられるって。野菜いっぱいやし

曰く「あー、思い出したら食べたなったわ。今日絶対行こ

 

総じて大絶賛。

なるほど、バーで飲みながら食べるのなら、そこで〆られるし寝る前の暴食も抑えられるのじゃないかしら。それも期待したいけど、なにより年齢も性別も酒の趣味もバラバラなみなさんが口をそろえてうまいという一杯を食べたい気持ちが先走ります。

 

というわけで、行ってみました。

京都の飲み屋街・木屋町にある「バー カオス」へ。

 

結果を申しますと、はい、想像以上に素晴らしいカレーでした!

 

まぁゆっくり聞いておくんなせぇ。

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阪急の河原町駅①出口(北側)から木屋町通を北へまっすぐ。

 

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左手に「ミニストップ」が見えてきたらその手前を左折してください。

 

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20歩ほど歩いた北側「サキゾーバル北ビル」の2階にあります。

 

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廊下の突き当たりへどうぞ。扉に心霊写真のようなものが見えますが、撮影時に気づかなかった筆者の写り込みですのでご安心を。

 

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店内はカウンター席のみ。しゃれただけで座りにくいことこの上ないハイチェアーではなく、ちゃんと座り心地のいい椅子が並んでいます。うれしい。

 

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流行りのエタノール暖炉が暖かく迎えてくれます。

 

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この手のバーには珍しく、バックバーではなくてカウンターにボトルがずらり。しかもなんだか不思議なボトルですな……

 

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一見コワモテなご店主・福岡裕詞さん。正直いってはじめは怖そうなお方と思ってしまいましたが、「いらっしゃぁい」という声のトーンが温かみを含んでいてホッ。

 

メニューは置いていないようなので、「どう注文すればいいですか」と問えば、

「うちではまずジントニックをおすすめしています」とのこと。

ジンにいろんなフルーツやスパイス、ハーブを漬け込んだものをトニックウォーターで割るスタイルだそうです。この日は10種類以上が飲み頃のようでした。

 

一口飲めばジンのとりこ! 漬け込み系新感覚カクテル

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こんな感じでみっちりと漬け込まれています。

右から、ガランガルとバイマックルー(ともに、タイカレーなどに使われるハーブ)、イチゴと黒胡椒。

 

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リンゴとキャラウェイシード。

 

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じゃばら。

 

まずはイチオシだという、こちらをいただきました。

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▲バジル&キウイのジントニック 800

 

実は私めジントニック好きで、初めてのバーでは必ずオーダーするのですが、これは今まで飲んだことのない新感覚の味!

ジンのもつ清涼感にバジルのハーバルさがほんのり加わってとても爽やか。そして後からキウイのさりげない甘さがぽわぽわ~っと広がる感じです。

 

しかし、バジルとキウイってなかなか思いつかない組み合わせですよね。

なぜこのようなカクテルが生まれたのでしょう。

 

「このお店は7年前にオープンしたんですけど、その前のお店で勤めていたときからバーテンダーとしてカクテルコンペにも出場したりしていました。開店当初のウリは、オールドボトルのウイスキーと主にフレッシュフルーツを使ったカクテルだったんです」

 

しかし、突然に転機が!

 

「左腕をきつく骨折して両手でシェーカーを振るカクテルができなくなってしまいました。それで、前もって仕込みができて片手でもサーブできるようなお酒をと考案したのがこのジントニックなんですよ。市販のリキュールやシロップのように人工的な風味ではなく、フルーツやスパイスで自然な味を出したいと思ったんです。海外で話題になった“ミクソロジー”(フレッシュな野菜や果物、ハーブ、スパイスの素材そのものの味を生かしたカクテル)の考えがベースになっています」

 

カウンターに並ぶジンは、例えば前出のイチゴ&黒胡椒の組み合わせなら、「黒胡椒はベリー系の甘味をほどよく和らげて自身のスパイシーさは前面に出ない」というように、きちんと計算された意味のある素材合わせで成り立っているとのこと。

 

数多のカクテルを作ってきてマッチングの妙を知り尽くしたバーテンダーだからこそできる“仕込み”ですよね。

 

続いてはこちら。

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▲リンゴとキャラウェイシードのジントニック 800円

 

キャラウェイシードの甘やかな香りがちょっと大人ぽい余韻を演出。

ちなみにほとんどの種類が無色なので見た目で違いはわかりにくいですが、飲めばわかる! ひと口の前にまずは香りを楽しんでみることをおすすめします。

 

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フランボワーズとローズマリーと黒胡椒のジントニック 800

 

こちらは珍しい(?)色付き。ベリー&黒胡椒の鉄板コンビにひとクセあるローズマリーがニュアンスを加えています。どこか色っぽい味わい。

 

そしてお気づきでしょうか。どのグラスにも美しい氷が使われていることを。

 

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氷屋さんで仕入れた塊氷を1杯ごとに中華包丁で切り出す福岡さん。

 

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ひーーー! 寸止めが見事です。

 

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びしっとエッジの立った氷は、ゆっくり味わった後でもほぼ溶けることなく姿を保ちます。これも職人技の一つですね。

 

混ぜておいしい、アテになるカレー!

ジントニックでエンジンのかかったカラダがそろそろカレーを求めています。では福岡さん、お願いします!

 

はい、キタ!

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き、き、きれい!

う、う、う、うまっそ~~~!

 

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カレー 1,500円(※ 具によって価格は変動します)

 

どこから食べていいのかわからないほど盛りだくさん。

 

ひとつずつご覧くだされ。

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ラッサム。酸味の強いトマトのスープです。最初酸っぱくて後からじわじわと辛い。

 

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合挽き肉を使ったキーマカレー。一番わかりやすいカレーで、コクが深くバランスのいいスパイス感。右はキャロット・ラペ(ビストロでよくあるやつ)。タイムで香りづけしてあります。左はオクラのココナッツミルク和え。ココナッツのマイルドさがキーマカレーのスパイシーさといい感じに調和。

 

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牡蠣のカレー(季節がわり。春先はホタルイカなど)。牡蠣の磯っぽい味を損なわないくらいにスパイスの香りをまとわせた絶妙な仕上がり。ふっくらとした身もたまりません。

 

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チキンとレモンのカレー。ほろりと骨から外れるほど柔らかく煮込まれた肉は、辛味はなくスパイスの風味がカレーっぽさを感じさせます。右に添えたのは紫キャベツとクミンのマリネ、左はキュウリと赤玉ねぎのマリネ。

 

ご飯はコシヒカリを使ったターメリックライス。これまた見事なアルデンテ加減で適度にかみ応えがあり、かつスパイシーなカレーと合わせると米の甘味がよき底力になるのです。

 

最初はそれぞれの味をひと通り楽しんだら、

その後は

 

混ぜて!

混ぜて!

混ぜて食すべし!

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さまざまな食感と香りが入り混じり、ひと口ごとに違う味わいなのが楽しい!

 

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そして、ひとさじですくって口に運ぶだけなので、飲みながらでも楽々食べられる!(ほら、酒飲みって面倒くさがりですやん?)

 

前評判通り野菜たっぷりな上に油は使っていないので、これだけ食べてもお腹は重たくなりません。なんて理想的なバーフードなのでしょう。

 

じゃばらのジントニックを片手にいただいたのですが、これがまた合うこと。

カレーにお酒を合わせるってせいぜいビールくらいかと思っていたのに、目からウロコです。

 

「和食を食べるときは、最初はビールでもお刺身がきたら日本酒に切り替えたりするでしょう。でもバーでは、フード+カクテルという文化がほぼないんです。なんでお酒のプロがいてお酒もようけあるのに提案しないの? って思ったので、僕がやろう! と」

 

もともとカレー好きだった福岡さん。3年ほど前にカレー仲間からスパイスをもらい「これでカレーを作ってくれ」とおねだりされたのがこのメニューの始まりだったそうです。

 

1ペースで常連さん相手にカレーをふるまっていたのがいつしか表メニューに。当初は30種類以上使っていたスパイスも今では半分ほどに削ぎ落とされ、野菜の量が増え、ビジュアルも進化を遂げたといいます。

 

「盛り付けのスタイルなどからスリランカカレーと呼ばれることが多いのですが、僕自身は実はそうじゃないと思っているんです。キャロットラペがのっていたりするし、つまみながら飲めるように熱々ではない状態でお出ししますし」

 

はっ、そうだ。そういえばどれも猫舌の私でもすぐに食べられたわ。

 

「タコライスにヒントを得て、熱くなくてもうまいように仕上げているんですよ」

 

豪胆に見えて、繊細な心配りが素晴らしいっ。

すっかりこの味と福岡さんのファンになりました。

先達がコーフン気味にすすめてくれたのがよくわかります。

だから私もみなさんにおすすめしたい。します。

 

京都の夜にはカオスのカレーとジントニック!

 

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二日酔いどころか五日越しの酔いを引きずりつつも、こんなに爽やかな笑顔の福岡さんが待っていますよ!

 

※こちらはバーですので、カレーのみのオーダーはNGです。ちゃんとお酒も一緒に楽しんでくださいね。 

 

お店情報

バー カオス

住所:京都京都市中京区河原町三条下ル北車屋町2丁目東入ル サキゾーBAL北ビル2F
電話番号:075-256-0233

営業時間:20:00頃~翌3:00頃(カレーは売り切れ次第終了)
定休日:不定休 

※本記事の20172月の情報です。
金額はすべて消費税込です。

 

書いた人:泡☆盛子

泡☆盛子

ライター。沖縄出身、京都在住。京都の水というか食がカラダに合い、40kg肥えたのが自慢。立ち呑みと、おかずケース食堂での昼酒が好き。

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