キャビアで有名なチョウザメをやりすぎなほど食べられる?「びふか温泉」に行ってみた【北海道】

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世界三大珍味のキャビア。
チョウザメの卵ですが、
北海道の美深町は、マチをあげてチョウザメの養殖に力を入れているのです。

これってもしかして。
キャビアをガッツリ食べられるってことじゃないですか?
そんな軽い気持ちで行ってみると……。


キャビアどころか、
チョウザメの刺身に、蒸篭(せいろ)に、お寿司まで!

「びふか温泉」がとんでもないことになっていました。

 

チョウザメのマチに行ってきた

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札幌から高速に乗って3時間以上。

移動距離、220キロ。

そんなに車を走らせても食べたいものがあると行ってしまう。
メシ通レポーターの裸電球です。

だって、キャビア食べられるっていうんですよ!
それも自家製の。

なんでも、チョウザメを養殖しているんですって。
すごい! そんなマチがあるとは!

 

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東京で考えると、
距離的には上諏訪に行くよりもちょっと遠いくらいでしょうか。

ちなみに稚内はさらにここから先。
北海道は本当に広いです。

やってきたのは美深町。
人口4,500人ほどの自然豊かなマチです。

 

温泉やキャンプ場などがある、
「びふかアイランド」が目的地!

 

本当にここにいるの?

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このパークに行けば、
チョウザメを「見る」、そして「食べる」ができると!

パッと見た感じ、
チョウザメがいるとは思えない、のんびりとした雰囲気です。

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食べられるのは「びふか温泉」なのですが、
まだ夕食にはちょっと時間があるので。

おっかなびっくり行っちゃいますか?
パーク内にある「チョウザメ館」に。

皆さんは見たことありますか?
私は初めて。

なかなかチョウザメを見学する機会なんてないですよね。

 

 

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おおおお!
おおおおおお!

入ってすぐにお出迎え。
チョウザメの皆さんです。

怖い!

想像していたよりもたくさんいます。
それに大きい!

ちょっとこれ……。
怖い! (しつこい)

 

ご覧ください、この顔!

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とがってますよ。
オラオラ系ですよ。

チョウザメ、かなりの迫力です。

養殖場は他にあるのですが、
ここチョウザメ館でも稚魚の飼育をしているんですって。

見学していきましょう!

 

マチをあげてチョウザメの養殖

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かわいい稚魚です。
手のひらよりも、少し大きいサイズでしょうか。
元気に素早く泳いでいます。

まだ、悪そうな感じはありません。
無邪気な様子です。

ちなみにチョウザメの名前の由来、ご存じですが?

 

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背中に並んだゴツゴツのうろこが、
「蝶々」に見えることから、「チョウザメ」だそうです。

知らないことがたくさん!

 

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館内の説明を読んでいると、うそでしょ。

チョウザメは「鮫」ではない!

タイやサケ、マグロなど硬骨魚類の仲間らしいです。

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あー!
よく見ると、サメと言えばの「歯」がありません。

さっきの怖さが一気に無くなり、
かわいく見えてくるチョウザメです。

 

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生きた化石とも言われるそうで、
シーラカンスなどが有名な「古代魚」というわけです。

すごいな、チョウザメ!

 

「びふか温泉」でコースを堪能

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「びふか温泉」には、宿泊者向けに、
これでもかとチョウザメが堪能できるコースがあるんです。

楽しみですね。
チョウザメといえば世界三大珍味のキャビア!

地元産のキャビアなんて。
全国的に見ても珍しいのではないでしょうか。

 

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▲チョウザメ堪能プラン(平日 1室2名様以上 9,250円~)

 

豪華な夕食です!
美深産のキャビアが食べられると話題のプラン。

早速味わっていきましょう。

 

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待ってました!
黒い宝石、キャビア!

いや~、美しいですね。
いただきます!

おお、高貴な味わい。
芳醇(ほうじゅん)なうま味が広がります。

キャビアは輸入が多い中、
自家製が食べられるなんて。

ぜいたくじゃありませんか!

 

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なんと!
チョウザメはその身も美味なんですって。

食べたことないですよ!
手前がチョウザメのお刺身。

透き通るような白身魚です。

 

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弾けるような食感でおいしい!
驚きました。

チョウザメってこんなにおいしいんですか。
淡水魚の臭みも全く感じません。

今まで食べた魚で例えるなら、そうですね。
個人的な意見ですが、「スズキ」に近いと思いました。

 

 

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次は蒸篭(せいろ)で。
蒸すと鶏肉のような食感!

パサつきはなく、しっとりとしています。

脂がのっているのに、
あっさりと淡泊でおいしいです。

 

 

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チョウザメだけではなく、
地元の食材も堪能できます。

こちらは美深牛のヒレ肉。

飲み込むのがもったいない味わいです。

 

美深へチョウザメを食べに行こう!

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さらにお寿司!
握りの上にはキャビアものったぜいたくな一品です。

ああ、たまりません。
チョウザメ大満喫!

 

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ということで。
思い切って長距離走って大正解!

こんなに珍しいお料理が味わえるとは。
これだから食べ歩きはやめられませんね。

 

自家製キャビアに、新鮮なチョウザメのお刺身を食べて、
「食の経験値」を上げてみませんか?

 

ちなみに、美深町では近い将来、
キャビアをもっとたくさんの人たちに食べてもらえるようにと、
養殖施設などを強化する計画とのこと。

北海道産のキャビアが、
全国のレストランで使われる日も近いかもしれません!

 

美深のチョウザメから目が離せませんね。

 

お店情報

びふか温泉

住所:北海道中川郡美深町字紋穂内139番地
電話番号:01656-2-2900
営業時間:11:00~21:30(日帰り入浴)
定休日:無休(4月・11月にメンテナンスで2日間休館)
ウェブサイト:
びふか温泉 – 北海道美深町の宿泊予約は【びふか温泉】公式サイトで!

www.jalan.net

※この記事は2017年9月の情報です。
※金額はすべて消費税込です。

 

書いた人:裸電球

裸電球

北海道を拠点に食べ歩き。CATVでグルメ番組のレポーターを担当したことをきっかけに、ハシゴ酒が趣味となる。入りづらいお店に突撃するのが大好き。現在はフリーで、映像制作とライターの仕事をしている。

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駅近&24H営業で急成長し続ける「磯丸水産」を楽しみつくすには?【チェーン居酒屋解体新書】

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「磯丸水産」の推しポイントは……

  1. 自分で貝や魚を焼くのが楽しい
  2. 24時間いつでも開いているので便利
  3. じつはお酒の種類も豊富

みなさん、飲んでますか〜?

最近忙しくて友達とスケジュールが合わず、もっぱらお酒がお友達。

酔っぱライターの江口まゆみです!

 

コンビニみたいな存在感

今回は、「磯丸水産」渋谷新南口店へ行ってきました。

「磯丸水産」といっても、まだなじみがない地域もあるかもしれませんが、2009年に東京・吉祥寺で1号店を出して以来成長を続け、今では全国153店舗まで拡大。

首都圏ではどこの駅前でも見かけるチェーン居酒屋店になりました。

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とにかくごちゃごちゃと賑やかな外観。

 

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そして、こうこうと明るい店内。

 

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「24時間営業ですから、よくコンビニみたいと言われます。おかげで女性お一人様でも安心して入れると好評なんです」

そう話すのは、店長の松本慎吾さん。

 

研修制度がしっかりしているのと、24時間営業ということで働きたい時間に働けると、かえってスタッフが集まるのだとか。

なるほど、店長も楽しげなはずですね。

 

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入口には水槽があり、活きの良い貝や魚たちを見ることができます。

 

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おいしそう〜! 

 

「焼き物マイスター」に頼るべし

さて、ビールは芸がないので、何かないかとメニューを探すと、なんとハイボールが6種類もあるじゃないですか!

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さっそくジンジャーハイボールをオーダー。

ジンジャーエールが入っているのでちょっと甘いですが、

1杯目にはいいですね。

 

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つまみはもちろん活貝の盛り合わせ。

水槽から揚げたばかりの貝たちがどどーん!

白蛤(シロハマグリ)、ホタテ、サザエ、ホッキ貝がギッシリ詰まっています。

 

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これに蟹味噌甲羅焼を加え、豪快にテーブルの上で焼き上げます。

うわ〜、これめっちゃ楽しい!

 

自分で焼くのに自信がない人には、店長が認定した「焼き物マイスター」が焼いてくれるので安心です。

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▲「焼き物マイスター」と書かれている腕章に注目! 焼き方に迷ったら、この方々に迷わず尋ねてみるべし

 

豊富なトッピングメニュー

貝を焼いている間に食べるのは、まぐろの2種盛り。

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バチマグロとビンチョウマグロがまたしてもどどーん!

すごいボリューム、そしてうまい〜。

 

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飲むのはシャーベット状の冷酒に梅酒をかけた「風神」。

飲みやすいけどけっこう強いので気をつけましょう。

 

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さて、そろそろ貝が焼けましたよ〜。

身は熱々のプリプリ!ハフハフといただけば、

磯の香りがびゅーっと吹き抜けます。

醤油をつけなくても、海水の自然な塩味でじゅうぶんです。

 

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貝につけるトッピングメニューも、バター醤油やマヨネーズソースなど、

5種類もあって飽きさせません。

生海苔醤油をホタテにかけると、海苔のうま味が加わっておいしいです!

 

お値打ちな昼飲みがおすすめ

魚介にはやっぱり日本酒でしょう。

お、大好きな菊正宗の樽酒を発見!

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このお酒、ほんのり樽の香りがしてうまいんですよ〜〜。

 

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つまみは一番の評判メニュー、蟹味噌甲羅焼。

これがビックリするほど生臭さがなく甘いのです。

 

この味は磯丸水産オリジナルで、普通の蟹味噌はクセがあって食べられないという人も、これなら大丈夫!

実際、磯丸水産の蟹味噌しか食べないという人が続出中なのだそうです。

 

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シメにいただいたのは、秋が旬の「ひやおろし」。

 

冬に造ったお酒が夏を越して、ひときわまろやかになっております。

いや〜、これはぜいたく!

 

「ひやおろし」が終わると、ボジョレー・ヌーボーのシーズンがやってきます。

今年は11月16日が解禁日ですね。

日付が変わったと同時に解禁を祝う、ヌーボーパーティーはぜひ磯丸水産で!

(ただし、今年は本数が少なく限定になるとのこと)

24時間営業だからこそ、そんなことも可能なのです。

 

ちなみに昼間の時間は丼物が主体ですが、お店によっては夜メニューを出してくれるところもあるそうです。

しかも昼間はドリンクメニューの一部が150円引きになり、夜よりもお得に。

生ビールがジョッキ一杯300円は超おトクです!

 

さあ、磯丸水産で貝を焼きながら昼飲み、いかがですか〜?

 

【お会計】

お通し=399円、ジンジャーハイボール=399円、活貝盛り合わせ(大盛り)=1,988円、蟹味噌甲羅焼=499円、まぐろの2種盛り=699円、風神=499円、生海苔醤油=50円、樽酒本醸造=499円、磯丸ひやおろし純米酒=499円(すべて税抜料金)

 

お店情報

【閉店】磯丸水産 渋谷新南口店

住所:東京渋谷渋谷3-28-7 青ビル1F
電話番号:03-5778-9151
営業時間:24時間営業
定休日:無休
ウェブサイト:https://www.sfpdining.jp/brand/isomaru/

取材先は「磯丸水産 渋谷新南口店」でしたが、お店情報のリンクは「磯丸水産 さかな(貝)加工センター 渋谷マークシティ横店」となっています。ご了承ください。

※このお店は現在閉店しています。
飲食店の掲載情報について。

 

毎週火金限定!「土佐清水ワールド 生けすセンター」の清水サバが新鮮すぎた【兵庫】

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土佐清水から生きたまま直送される清水サバ

こんにちは。メシ通レポーターの西尾明彦です。今回ご紹介するのは、店内にある大きな生けすから、さばきたての清水サバや、土佐清水市から直送された新鮮な食材や高知のお酒が楽しめる、「土佐清水ワールド 生けすセンター」です。

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こちらが外観。神戸に4店ある「土佐清水ワールド」で最大の150席、旗艦店です。各線三宮駅から徒歩3分圏内です。

 

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入店すると、いきなり目にとびこんでくるのが、カウンターの上に鎮座する、大きな水槽です。清水サバが元気よく泳いでいます。定期的に水質チェックしているそうで、見るからに水もきれいです。

 

「毎週火曜日と金曜日に土佐清水市から神戸まで、活魚車で6時間以上かけて清水サバを生きたまま運んでくるのです」と、広報の梶原さん。

 

さっそくお料理をいただきましょう。

……と、テーブル上に気になるものが。

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「うちのお店は土佐清水市と結びつきが強いのです。神戸の方が、土佐清水市についてどう感じているのか知りたいとのことで、お客様にアンケートにご協力いただいています」

 

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さっそく登場しました! 看板メニューの「活泳ぎ清水さば 姿造り」(1尾 4,298円/会員価格 3,758円)です。

 

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さばきたての新鮮なサバ。腹側(右)と背側(左)を食べ比べてみると分かりますが、部位によって脂ノリや歯応えが異なり、それぞれのおいしさが楽しめます。

 

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土佐の魚にあうのは、当然、土佐の日本酒です。

 

「まけまけ(なみなみ)一杯注ぐぜよ! 」

 

ヨイショ! (こちらはお客様も)

 

コール&レスポンスも楽しく、グラスはもちろん、升にも表面張力ギリギリ一杯まで器用に注いでくれます。

 

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1杯目はスッキリ飲みやすい「土佐菊水 四万十川 純米吟醸」(572円)を。

 

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続いて、土佐料理と言えば、やっばり「かつおの藁(わら)焼き塩たたき」(並1,058円)は外せませんね。

 

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前後しますが、藁焼きシーン。土佐直送の藁を使っているそうです。

 

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ぶ厚くカットされたタタキの断面図の美しさ!

 

「まずは塩でお召し上がりください」

 

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ニンニクとミョウガ、玉ねぎとともに。香ばしい香りが移ったカツオのうま味がダイレクトに楽しめます。

 

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続いては万能たれでいただきます。甘辛いまろやかなうま味で、カツオとの相性抜群。お酒も進むススム……。調味料も土佐清水から。

 

当然2杯目に突入しています。

 

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スッキリした中にもコクがある「藤娘 純米吟醸」(626円)。

今回は、純米吟醸の飲み比べで攻めてみたいと思います。

 

「生産者の方と直接取引をしているので、クエやクジラ、マンボウなど、漁獲量が少ない珍しいものも送られてくるんですよ」

 

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後から見返してみたら、ハガツオ、しろはげ、ねいりと、聞いたこともない魚がいろいろとあります。次回の訪問が楽しみになりました。

 

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本日のおすすめメニューから、「土佐和牛藁焼きたたき」(1,814円)を。牛肉の藁焼きタタキは初体験です。

 

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肉と脂身のバランスが良い土佐和牛のモモ肉を藁焼きにすることで、肉と脂のうま味がとろけて、これはたまりません。魚介のお店のイメージが強かったのですが、肉料理も相当高レベルです。

 

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肉に合う日本酒はと、3杯目はあえてフルーティーな「久礼 純米吟醸」(734円)をチョイスしてみました。常時20種類+季節限定酒などもあるので、日本酒を選ぶのも楽しいですね。

 

魚、魚、肉ときて、お腹もかなり膨れてきたので、そろそろシメとまいります。

(野菜は付け合せの玉ねぎ、ミョウガ、ネギなどをたっぷりいただきました)

 

「先日、新たに土佐清水鰹節水産加工業協同組合と連携協定を結んだので、高品質な宗田節を安定供給していただけるようになりました。『土佐清水ワールド 東京上野店』と『三宮中央通店』では、宗田節を0.01ミリの極限まで薄く削る削り機を導入したので、削りたての風味たっぷりな宗田節を使ったメニューがたくさんありますよ」

 

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その情報で気になった「宗田節ラーメン」(626円)を。

 

濃厚な宗田節の魚介スープをベースに、鶏ガラスープとのブレンドで、うま味が濃醇です。メジカの宗田節はアミノ酸の一種、タウリンが豊富でうま味が強いそうで、魚介ベースながら、力強いうま味。飲んだ後にはもちろん、シラフで食べてもおいしいラーメンです。

 

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メジカがたっぷり! 〆まで大満足です。

 

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4杯目に飲んだ、オリジナルカクテルの「土佐モスコミュール」(518円)。

 

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土佐ショウガを漬け込んだウォッカを使用した、程よい刺激のスッキリした甘さです。

 

「土佐清水ワールド」は神戸に4店と東京に1店。メニューや雰囲気はそれぞれ異なるそうなので、用途によって使い分けるのも良さそうですね。

 

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清水サバは「土佐清水ワールド」全店と姉妹店の「土佐清水ワールド 幡多バル」に、毎週火曜日&金曜日のみ入荷されます。ほぼその日のうちに売り切れるので、どうしても食べたい方は火曜日、金曜日の早い時間が狙い目ですよ。

 

さて、最後に3階まである店内をご紹介します。

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こちらの水槽には長太郎貝という、土佐清水産の濃厚な味の二枚貝。

 

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1階のテーブル席。

 

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2階のボックス席。

 

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間仕切りできる2階のテーブル席。

 

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こちらは2階奥の個室です。

 

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3階のお座敷。

 

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同じく3階のテーブル席。こちらの席では宴会のご予約が入っているようですね。

 

お店情報

土佐清水ワールド 生けすセンター

住所:兵庫県神戸市中央区北長狭通1-2-11 ワコーレ北長狭ビル
電話番号:078-321-1034
営業時間:月曜日~金曜日 16:30~24:00(LO 23:30)、土曜日・日曜日・祝日 11:30~24:00(LO 23:30)
定休日:無休
ウェブサイト:http://www.world-one-group.co.jp/

www.hotpepper.jp

※この記事は2017年9月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:西尾明彦

西尾明彦

外食ライター&コピーライター。食と酒を中心に、堅めのビジネス系など執筆中。趣味は酒蔵巡り。北は北海道から南は四国まで50蔵以上を訪問。大阪在住のきき酒師。

HP:大阪のコピーライター西尾事務所

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魚屋さんが伝授する、旬のサンマ「ウマい焼き方のコツ」【永久保存版】

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サンマ! サンマ! サンマがおいしい季節ですよね! だがしかし、昨年に引き続きサンマが不漁でべらぼうに高い……。庶民の味方、安くておいしいさんまが高級魚に大変身。買うお客さんも大変だけど、売り手の私も頭を抱えています。「旬で脂のりのりサンマが安くてお得だよ!」なんて言えない(涙) 。

でもね、どうしても食べたい。今回は、サンマ好きな皆さんに魚屋の私から「おいしいサンマの選び方と焼き方」をちょこっとお教えいたします。

 

魚屋が教える「サンマの基本のき」

【サンマの選び方】魚屋の目利きワザ、教えます!

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見た目でのチェックポイントは、

  • 目が黒々と澄み、胴体に幅があり太っているもの
  • クチバシの先端、突き出した下顎が黄色いもの
  • 魚体の背が黒く、腹は銀色に輝き艶やかなもの
  • 首の付け根がこんもりと盛り上っているもの

というところでしょうか。エラが赤々と鮮やかなものや、サンマの尾の方を持ってサンマがピシッと立つものは鮮度が良いのですが、普通だと触れないですものね。

 

あとはですね、ぶっちゃけ値段。サンマはサイズによって値が結構違うのです。ちょいと小さいけど安いからいいかな……。わかります、安いのはうれしいです。でも焼いてみたらパサパサだった、なんてことが結構あったりするんですよ。

たとえば、小さめのサンマが100円、それよりもサイズが大きいサンマが150円で売られていたとします。50円の差ですが、食べるとその差は歴然! 少し高くても大きい方を選ぶべし!!(金額はあくまでも例えです)

 

ここだけの話ですが……、箱の数字もチェック!

これは言っていいか…… まぁいっか。サンマを仕入れる時に箱の大きさがあります。

多いのは2kgサイズの箱と4kgサイズの箱、そしてこの箱には数字が書いてあるのですよ。(ほとんどだと思う) この数字は箱に入っているサンマの本数を表していて、4kgの箱には「22」とか「25」とか書いてある。はい、数字が小さいほどサンマが入っている本数が少ない=つまり1本(尾)が大きい、ということになります。

4kgの箱に「30」なんてこともありますが、そうなると小さめですよね。スーパーさんの安売りで発泡スチール箱ごと出されている時など、箱に書いてある数字を確認できますよ。(2kgの箱だと8や9、10~15と書いてあることが多いかなあ……)

 

【サンマの焼き方:準備編】切って焼くのはありなの?

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次に、サンマを切って焼くか、切らずに焼くか。

まず、魚焼きグリルに入るならば、見た目もいいし切らずに焼きたい!

ただし、片面焼きのグリルの場合、長いと返すのが大変だったり、身崩れしたりしそうだと思ったら切っても良いと思う。とくにフライパンだとはみ出したり、ひっくり返した時に身崩れや焼きムラができることが多いので、やはり切って焼くことをおすすめします。

 

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切り方は、真ん中あたりを斜めに切るのが一般的かな。あとは、焼いている際にワタ(内臓)が流れ出さないよう肛門あたりから背に向かって大きく斜めに切る方法もあります。

 

【サンマの焼き方:準備編】塩を振ってから焼くとウマい!

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ここからは、私が実際にやっている焼き方をご紹介しますね。まず最初にうろこなどないか確認し、洗ったサンマの両面に3つまみずつくらい塩を振り、手でなじませて15分くらい置いておきます。(サンマの大きさにより15~20分ちょい時間を変えます)

 

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皮目に水分(青魚のクセや臭み)が浮いてくるのでキッチンペーパーなどで軽くおさえて取り除きます。(ペーパーでおさえ、水分を吸い取っても塩気は残るので大丈夫です)

 

【サンマの焼き方:焼き編】魚焼きグリルとフライパンでどう違う?

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では焼いてみましょう! 魚焼きグリルで「両面焼き」の場合は、中火~中強火で様子を見ながら8分くらい。「片面焼き」の場合は最初の面は6~7分、ひっくり返して5~6分を目安に焼き上げます。

 

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フライパンの場合は片面ずつ6分前後、中火~中弱火で焼き色を見ながら焼いていきます。この時に何度もひっくり返すのではなく出来れば1回、もしくは2~3回くらいで焼きあげましょう。

 

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それと、フライパンの場合はこんな専用のフライパンシートを使うとくっつかずに焼けておすすめです。

 

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あっ! 大事なことを書き忘れてた。魚焼きグリルで焼く場合は予熱をすると良いですよ。塩を振っておいてあるのですが、もっと網にくっつきにくくなります。心配でしたら網にサラダ油などを塗っておくのも手です。そして、サンマを置く位置は効率よく火が当たる網の両端あたり、2本以上焼く場合は場所を入れ替えながら焼き時間も調節して下さいね。

 

【サンマの食べ方】やっぱりワタは食べるべき?

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最後に、苦くておいしいワタのお話。「頭も内臓も嫌! いらない!」と言われる方、特にお子さんに多いと思います(当たり前ですよね)。良いんです、好きなように食べるのがベストです! 「サンマはワタを食べてなんぼ、食べるべき」確かに好きな方にはたまらない味です。だけどもそれが苦手になってサンマが嫌いになっちゃたら元も子もない。

うちのお店の場合、先にお客さんに聞いちゃいます。「サンマ、どうしましょう?」「そのままですか?」「内臓抜いちゃいます?」「頭取っちゃいます?」「二つに切っておきます?」という感じに。

お客さんによっては「お父さん用に1本はそのまま、私と子ども用は内臓を取ってください」などリクエストはさまざま。でも、食べる人が一番おいしい、と思う食べ方がベスト。それを踏まえて「ワタもうまいっすよね~」なんて話をします。

 

【サンマの小話】秋のサンマは、ワタにウロコが入ってる?

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ワタを食べていると、たまにウロコが入っていて気になることがあります。これは漁の方法によるもの。7月中頃から8月頭まで行われるのが「刺し網漁」、その後に始まるのが「棒受け網漁」です。

前者は網にかかったサンマを水揚げ、漁獲量は棒受け網漁に比べて少ないが、サンマがウロコを飲むことが少ない。しかし、棒受け網漁は一気に大量のサンマを水揚げするので、その段階でサンマ同士がこすれ、ウロコがはがれてそれをサンマが飲んでしまうことが多い。すると、ワタにウロコが入ってしまう、というわけなんです。

秋に出まわる棒受け網漁のサンマは、ワタを食べる時は箸でウロコが残っているか確認するのがオススメです!

 

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今年のサンマ、本当に値が高いです。魚屋の私からも、安くておいしいサンマ、戻ってきてほしい!!!

 

作った人:魚屋三代目

魚屋三代目

本名・柳田昇(やなぎたのぼる)。神奈川県厚木市で50年以上続く鮮魚店の三代目。父と魚屋を営むかたわら、旬の魚介の簡単な料理や捌き方をブログ『魚屋三代目日記』にて紹介しています。レシピ本などの書籍やテレビなど幅広く活動。

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※この記事は2017年9 月の情報です。

【やってみた】香ばしい「屋台のイカ焼き」はフライパンでも焼けるの?【今週は屋台の味】

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賑やかな祭ばやしに誘われてお祭りの屋台や夜店に出かけると、どこからともなく香ばしく胃袋を刺激する香り。そこに待っているのは、焼き鳥や焼きトウモロコシ、そしてイカ焼きの屋台たち。私、家が魚屋なのに昔からわざわざイカ焼きを買って食べるのが好きでしたよ(笑)。

その血を引き継いだのが娘! お祭りに行くとイカ焼きの匂いを嗅ぎつけ、屋台がある場所まで脇目も振らずズンズン進んで行く。父の「家にイカあるけど……」の声もスルーして、我慢できず買ってかぶりつく。高校生になっても昔から変わらない娘、うん、わかる気がする。

 

あっ、前置きがチョ~長くなってしまった。今回、紹介するのがその「イカ焼き」。記憶にある懐かしい屋台のイカ焼きをフライパンで再現してみました。ピリ辛ジャンクVer.も合せて紹介します!

 

魚屋三代目の「懐かし祭り屋台のイカ焼き風」

【材料】2~3人前

  • スルメイカ 3杯
  • サラダ油 適量
  • マヨネーズ、七味 or 一味 お好みで

(A)

  • 醤油 100ml
  • みりん 50ml
  • 酒(日本酒)大さじ2
  • ニンニク 1片(すりおろします)
  • ショウガ ニンニクと同量(すりおろします)
  • うま味調味料 少々

(B)

  • 砂糖 小さじ1/4
  • 赤唐辛子(輪切り) 適量
  • 炒りごま(白) 小さじ1
  • ごま油 小さじ1

 

作り方

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1. スルメイカをさばいておきます。胴体をしっかり持って、内臓や目、くちばし、ゲソ(足)をゆっくりと引き抜き、さらに軟甲(薄く透明でペラペラしたもの)もゆっくり引っ張って引き抜きます。仕上げに、もう一度指を入れて残りのワタを取り出し掃除しておきます。ゲソの吸盤は指で滑らせるようにこそげ落とします。ボウルに(A)の材料を加えよく混ぜて漬けダレを作り、1/3を違うボウルに移しておきます。

※さばいていないイカは、こうして自分でさばく分、スーパーなどでも安く手に入ります。スルメイカは一番よく見かけるポピュラーなイカです。

 

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2. よく洗った 1のスルメイカに包丁で切り込みを入れ、ゲソは開いて半分に切っておきます。水分はキッチンペーパーなどでおさえてよく取っておきます。1で分けた少ない方の漬けダレに(B)を加えてよく混ぜ、ピリ辛ダレも作ります。

 

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3. 丈夫なビニール袋を2枚用意し、スルメイカ2杯と普通の漬けダレ、もう一つのビニール袋にスルメイカ1杯とピリ辛漬けダレを加えてよくもみ込み、冷蔵庫で1時間くらい寝かせて味を染み込ませておきます。

 

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4. 熱したフライパンにサラダ油を加え、漬け込んだスルメイカをふたをしながら中弱火くらいで焼き始めます。

 

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時々様子を見ながら、こんがり色づくまで両面を焼き上げます。火の入り方が違うのでゲソは後から焼きました。

 

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※ひっくり返すとスルメイカが反りますが、ターナーやフォークでおさえると戻りますので大丈夫です。

 

マヨと七味をプラスでジャンク度アップ!!!

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タレに漬け込んだスルメイカ、私はフライパンで焼いています。こうしてふたをするといい照りが出るんです。ふたを外してから、仕上げにフライパンにイカをこすり付けるようにするとさらに香ばしく仕上がりますよ!

 

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タレにはうま味調味料を少々入れていますが、これはお好みで加減をして下さい。マヨネーズ&七味(一味)を添えてジャンク度アップ! ためしにパックに入れてみたら、もう屋台の雰囲気そのものです!

ちなみにこのイカ焼き。食事を終えたばかりの娘が、テーブルを見るなり「あっ! イカ焼きだ、もう食べていいの? 写真撮り終わった?」と言うがはやいか早速パクパクと片づけてくれました。父譲りのイカ好き、イカは別腹らしい(笑)。

 

作った人:魚屋三代目

魚屋三代目

本名・柳田昇(やなぎたのぼる)。神奈川県厚木市で50年以上続く鮮魚店の三代目。父と魚屋を営むかたわら、旬の魚介の簡単な料理や捌き方をブログ『魚屋三代目日記』にて紹介しています。レシピ本などの書籍やテレビなど幅広く活動。

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※この記事は2017年9月の情報です。

【魚のプロ・森田釣竿氏に教わる】絶品すぎる「アジのりゅうきゅう」のつくりかた 【超シンプル】

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絶品!「アジのヅケ りゅうきゅう」のつくりかた

千葉県浦安市、堀江三丁目。

もともとは漁師町だったこの地も、今はありふれた郊外の姿である。

そんな住宅街の片隅に、先日ひとりの男が鮮魚の新店舗をオープンさせた。

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浦安魚市場で天然マグロ・クジラ専門店を営む老舗「泉銀(いずぎん)」の三代目、森田釣竿(もりた・つりざお)氏である。

 

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森田氏は、伝説のフィッシュロックバンド「漁港」のリーダー(ボーカル・包丁担当)。『メシ通』でも話題となったこの記事を覚えている方もいるかもしれない。

www.hotpepper.jp

 

さらに森田氏は、昨年より水産庁長官から魚食文化の普及と伝承に努めている方だけが選ばれる「お魚かたりべ」に任命された。「日本の食文化を魚に取り戻し鯛(たい)!」と日夜奮闘中なのである。

 

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バンドマンとしての森田氏の勇姿は、こちらの動画を参照されたい。

 

まさに潮の匂いの似合う、男の中の男……。

 

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ちなみに現在、6thシングル「イカ」を絶賛発売中だ。

gyoko.thebase.in

 

ところで皆さんは普段、おいしい魚を食べたいときに、どんなお店で魚を選んでいるだろうか?

もちろん「地元のなじみの魚屋さんで!」とカッコ良く答えてもらいたいところだが、実は街場の鮮魚店は年々衰退の一途をたどっている。

昭和47年には55,000軒を超えていた日本の鮮魚小売店、いわゆる町の魚屋さんは、現在、全国で14,000軒までに減少してしまっているのだ(水産庁・平成28年度水産白書、総務庁統計局・平成26年経済センサス基礎調査結果より)。

これは人口1万人に対して、魚屋さんはたった約1軒という、極めて少ない数字。

 

そんな魚屋業界の惨状を憂いた森田氏が

これは何とかしないと烏賊(イカ)ん!

と、立ち上がった。

 

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浦安市場にある家業の場内店を飛び出して、さらに浦安の街なかに「泉銀2号店」を町の魚屋さんとして開店したのだ。

 

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さっそく店内を見回してみると、おいしそうな魚でいっぱい!

手作りのフライや天ぷらなどのお総菜があったり、マグロ・クジラ専門店だった市場の場内店よりも、こちらは魚のバリエーションも豊富な様子。

ここだけで、今晩の食事がすべて賄えます。

 

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町の魚屋さんなので、自分の食べたい物を好みの量で購入することも可能。

一匹丸ごとの魚でも、食べやすくさばいてもらえます。

 

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自家製のサバの西京漬は、脂の乗ったサバを無添加の味噌にしっかりと漬け込んだ逸品。

通常は3日から4日間漬け込むのだが、季節や気候によっても変わるので、購入時に食べ頃を聞いてくださいとのこと。

 

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店舗にはひっきりなしにお客さんが来店する。

今夜の夕食の相談など、店内は会話で活気にあふれている。

 

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f:id:Meshi2_IB:20170801150418j:plainぼくの子どもの頃は、まだ魚屋さんが町にたくさんあって、今晩のおかずを店員さんと相談したり、お客さん同士が料理の仕方を教えあったり、そんなコミュニケーションの輪が魚屋さんで広がっていたんですよ。

 

そんな人と人との交流を、このお店を通してさらに広げていきたいと森田氏は語る。

 

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そこで今回は、町の魚屋さんとしてあらゆる魚を取り扱い、大衆魚を知り尽くした森田氏に、これからの季節、最高においしくなるアジを使って、安くてうまいオススメ料理を教えていただきました。

 

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いやこれ、本当に絶品なんですよ。


絶品!「アジのりゅうきゅう」のつくりかた

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メシ通読者の皆さん、こんにちは。森田釣竿です。 

今回は大分県の郷土料理「りゅうきゅう」を紹介いたし鱒(ます)。

 

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大分県なのに“りゅうきゅう”?」と思った方。大丈夫です。間違えていません。

これ、もとは沖縄の漁師から大分に伝わった料理なんだとか。

それで、名前が「りゅうきゅう」に。

大分では、漁師の賄い飯や、刺身を多く作りすぎた時の保存食として普及した洋(よう)です。地元ではお母さんの味・ソウルフードとして、各家庭でレシピや使う魚もさまざまです。

でも当の沖縄では、今では廃れてまったく作られていないらしいんです洋(よう)。

不思議ですね~。

 

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まずは新鮮なアジを用意いたし鱒(ます)。

一匹で、だいたい男性の一人前です。そして材料は、

  • 醤油
  • みりん
  • ネギ
  • 生姜
  • 白ごま

たったのこれだけです。

 

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このアジは静岡県の沼津港産。静岡のアジは駿河湾の高級サクラエビを食べて育つので、脂が乗って身がふっくら。本当においしいんです。

 

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これをサクッと、三枚におろします。


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と、ここでうれしいハプニング。

アジから白子が出て来ました!!

これが一匹買いの醍醐味(だいごみ)です。最初から刺身で買っていたら、出合えません。

アジの白子は「湯引き」して食べると、またうまいんだ。

 

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三枚におろしたら、小骨を毛抜きで抜き鱒(ます)。

ここで、重要なポイント。

三枚におろした身を刺身にしていき鱒(ます)が、刺身を細かく切りすぎないようにしてください!

 

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身の、尻尾の方はやや太めに。

 

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身の、中ほどはこんな感じに。

 

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なぜ薄く切ってはいけないのか。実はこの後、醤油とみりんにアジの身を漬けるときに、刺身が薄いと漬かりすぎて塩辛くなってしまい、魚のうま味を殺してしまうからなのです。大事なことなので、2回言い鱒(ます)。

「刺身は、細かく切りすぎない」

 

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刺身を漬ける器は、魚を買ったトレーをそのまま使いましょう。

洗い物が一つ減って、エコで海の環境にも優SEA(やさしい)です。

 

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トレーに醤油とみりんでタレを作り鱒(ます)。

醤油とみりんの割合は1:1。

でも、きっちりと計る必要はありま鮮(せん)。

だいたい、こんな感じです。

ここでも、刺身にタレが浸りきらない洋(よう)に、タレは多くなりすぎない洋(よう)に注意です。

 

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タレに刻んだネギとおろし生姜を投入。

 

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はやる期待に、自然と笑顔も浮かび鱒(ます)!

 

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ここで、タレにアジの刺身を漬け込み鱒(ます)。

刺身全体に行き渡るように、お箸でしっかりと混ぜ合わせてください。

 

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最後に、白ごまを加え軽くあえ鱒(ます)。

 

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これで、「りゅうきゅう」の完成です!

 

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驚くほど簡単でしょう?

それでは、さっそく食べてみます。

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お、お、お、おいSEA(おいしい)!!

うまいぞ! うますぎる!

 

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ひとつまみ口に含んだだけで、アジのうま味ごまの風味ネギの香りが口いっぱいに広がって、何とも言えない幸福感!

旬を迎え脂の乗ったアジは、刺身だけでも十分においSEA(おいしい)ものですが、たったひと手間加えただけで更に別次元のうまさに変わり鱒(ます)。

どんぶり飯にも合い鱒(ます)し、日持ちもするので次の日にお茶漬けにするのも最高です。

夏バテや二日酔いで食欲がない日も、ご飯がどんどん進み鱒(ます)よ。

もちろん、日本酒や焼酎との相性もばっちりです。

大分の料理なので、大分名産・麦焼酎がおすすめですね。

 

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今回は薬味をネギにしましたが、本来の「りゅうきゅう」ではミョウガを使う方が多いです。ネギの代わりにミョウガを使った方が、より香り高い一品になるでしょう。

使う魚はアジ以外にも、マグロやイナダ、イサキなどでも大丈夫。

これからは、刺身があればサクッと漬け込んで、どんどん「りゅうきゅう」にしてしまいましょう。

夕飯で食べきれなかった切り身や、スーパーの特売の柵なども、「りゅうきゅう」にはうってつけです。もとの刺身の時よりもうま味の幅が広がりますので、いろんな「りゅうきゅう」を試して食べてみてくださいねー。


「泉銀」で見かけた珍品ーーこれはいったい、何なんだ?

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おいしい料理、「りゅうきゅう」を教えていただいたついでに、もう一品ご紹介。

これ、トリッパではありません。

新鮮な、マンボウの腸なんです。

見た目がハチノスや牛のトリッパに似ていますが、調理方法も同じように炒め物や塩焼き、煮物などがおすすめだそう。

「泉銀」では鮮魚の他にも他店ではなかなか目にすることがない稀少な活魚の取り扱いも始めたそうで、この腸も生きたままのマンボウを森田氏が自ら市場でさばいて販売しています。

 

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マンボウの他にも、ノコギリエイやサメ、ウツボなど水族館級の珍種も入荷するそう。

これは、オオグソクムシのホルマリン漬け。素揚げにするとおいしいとのこと。

 

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いつも入荷しているものではないので、こまめにお店をのぞいてみてください。

ダイオウグソクムシで有名なオオグソクムシ、どんな味なのか気になります。

 

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市場を飛び出し、街中にも新店舗を開いた老舗鮮魚店、「泉銀」

今回教えていただいた「りゅうきゅう」同様、非常に味わい深いお店でした。

みなさんも是非、普段使いの街のお魚屋さんとして、立ち寄ってみてください。

森田氏の軽快なトークとともに、新しい魚のおいしさを発見するかもしれませんよ。

 

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※この記事は2017年8月の情報です。

お店情報

泉銀

住所:千葉県浦安市堀江3-25-1
電話番号:047-713-8274
定休日:電話確認

twitter.com

「漁港」公式ウェブサイト

 

書いた人:平山訓生

平山訓生

浅草在住のカメラマンです。ここで一句。「思ひおく マグロの刺身 鰒汁 ふっくりぼぼに どぶろくの味」

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【徹底検証】噂の新食材「ホンビノス貝」は本当にうまいのか

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「ホンビノス貝」という貝をご存じだろうか?

北アメリカの大西洋岸が原産の二枚貝だ。日本では、1998年に千葉市で初めて発見された。

 

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左がハマグリで右が「ホンビノス貝」なのだが、見た目の印象から「白ハマグリ」「大アサリ」という名前で売られているのを見たことがある読者もいるかもしれない。

 

この「ホンビノス貝」が、漁獲量の減少したハマグリやアサリに変わる新しい水産資源として期待されているという話を聞いた。

そのうえ、味もいいのだという。

そこで『メシ通』では、「ホンビノス貝」の食材としてのポテンシャルを測るべく取材を敢行。

「ホンビノス貝」とはどんな貝なのか?

果たして、本当においしいのか?

 

「ホンビノス貝」の名産地・船橋へ

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まずは、船橋港へ。

船橋といえば、スズキの漁獲量・国内第1位で知られているが、実は「ホンビノス貝」の水揚げも日本一。港のある三番瀬は江戸時代、御菜浦(徳川幕府に魚介類を献上するための漁場)に指定されており、現在は、潮干狩りを楽しむことを目的に、首都圏から人が集まる。

 

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取材に協力してくださったのは貝類の仲買卸業者、かねはち水産株式会社代表取締役の内海金太郎(うちうみきんたろう)さん。

 

内海さんによれば、船橋港で「ホンビノス貝」が採れ始めたのが2005年ごろ。かねはち水産が「ホンビノス貝」を扱い始めたのは翌2006年からという。

採ったアサリに混じっている「ホンビノス貝」を食べた地元の漁師さんが「これはうまいから仲買で扱ってみてはどうか?」と持ち込んだのがキッカケだったそうだ。

 

元はシステムエンジニアだった内海さんが会社を辞め、家業のかねはち水産に入社したのが2006年だから、内海さんの仲買卸業者としての歩みは「ホンンビノス貝」とともにあったと言っていいのかもしれない。

現在、かねはち水産で取り扱う貝類の9割が「ホンビノス貝」なのだそう。

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船橋港で「ホンビノス貝」を採っている漁船は20杯ほど。

かねはち水産を含めて4社の仲買卸業者が取り扱っている。

採れた「ホンビノス貝」は直販ぶん等を除いて築地などの市場に出荷される。

「ホンビノス貝」を扱い始めたころの市場の反応は芳しくなくなかったようだ。

 

それまで誰も食べたことのないものだから、売るのは難しかったですよ。仕入れてもなかなか買ってもらえない。いまでも厳しい状況は続いてます。まだまだこの貝のことを知らない人のほうが多いですからね」

 

魚介類を知り尽くした漁師さんの舌も持ってして「うまい」と言わせた「ホンビノス貝」。東邦大学理学部の風呂田利夫教授によれば、アメリカの大西洋岸では主要な水産資源であり、本場のニューイングランドクラムチャウダーは「ホンビノス貝」のみを使うという。

そんな食材であるにも関わらず、日本での知名度はまだまだ低い。

なんだか実にもったいない話だ。

 

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内海さんに、「ホンビノス貝」を手軽においしく食べられる調理法をうかがってみた。

答えは「鍋もの」。

 

「砂出しは必要ないですし、そのまま入れるだけでいいダシが出るから調理もしやすい。鍋ものならなんでもイケますよ 

なるほど。午後からの取材が楽しみになってきた!

 

老舗料亭出身・齊藤摩多以さんのホンビノス貝料理を味わう

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内海さんにお話をうかがったあとは船橋港を離れ、京成線で東日本橋へ移動。

向かうは今回、「ホンビノス貝」を調理してくれる日本料理店「薬研堀まごころ料理 摩多以」。 こちらがオーナー料理人の齊藤摩多以(さいとうまたい)さん。

 

赤坂の老舗高級料亭で10年の修行を積んだのち、国の外から日本料理を見直し視野を広げるためにオーストラリアに渡って料理人修行。帰国後は、船橋市内の大手ホテルで和食料理長を務めたという齊藤さんはこの3月、東日本橋の薬研堀不動院のそばにご自身のお店をオープンしたばかり。

 

齊藤さんと内海さん、そして「ホンビノス貝」との関係は意外と古い。齊藤さんが船橋市内のホテルで和食料理長を務めていた時、内海さんが「『ホンビノス貝』を使った料理をホテルで出せないか?」と齊藤さんに持ちかけた。その頃ちょうど、地元産の食材を使った新メニューを模索していた齊藤さんと意気投合したのだという。

 

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「ホンビノス貝」の食材としての印象を、齊藤さんに尋ねてみた。

 

「初めて食べた時、味の濃い貝だと思いました。かつおだしとの相性もよくて、素材としての守備範囲が広い。それと、ハマグリなどよりも日持ちするのがいいですね」

 

プロの料理人の評価も上々だ。

 

「『ホンビノス貝』で初めて作った料理は確か酒蒸しでした。今日は、読者の方ができるだけ手軽に作れておいしい料理がいいですよね」という、齊藤さんが用意してくれたのは和洋中の3種類。こんなにたくさんのレシピを考えてくださって、ありがとうございます!

 

ホンビノス貝料理のレシピ 和食編:ホンビノス貝と小松菜と油あげのおひたし

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材料は、「ホンビノス貝」と小松菜、油揚げ、ショウガ、かつおだしと日本酒。調味料は塩と薄口しょうゆ。かつおだしは市販のだしパックでOK。作ったら冷蔵庫に入れて冷やしておくこと。

 

ちなみに、船橋は小松菜の生産地としても有名だ。

 

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まずは小松菜をゆでる。

鍋で沸かしたお湯に小松菜を入れ、色止めのための塩をひと振り。蒸し器があれば蒸すほうがベター。栄養素が逃げず、余計な水分が残らず、歯ごたえが失われず、色が落ちないからだ。

 

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小松菜は火が通ったらすぐに鍋から上げる。鍋に入れてから10秒ほどでOK。

 

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鍋に「ホンビノス貝」を入れ、日本酒を注いで酒蒸しにする。

 

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アルミホイルで落としぶたをする。鍋のフタでもいいのだが、アルミホイルを使えば洗い物が少なくなる。これぞプロ料理人の知恵。

 

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「ホンビノス貝」は火が通ってから身が硬くなるのが早い。

それゆえ、口が開いたらすぐに鍋から出すことがおいしく食べるコツだ。自然に口が開くのを待とう。開かない貝は死んでいるからおいしくないし、運が悪いとお腹を壊す可能性もある。煮汁は捨てずに取っておくこと。

 

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鍋から上げた貝の身を取り出す。

 

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取っておいた煮汁を裏ごししてかつおだしに入れる。

 

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塩と薄口しょうゆを加えて味を調整。貝の中の塩分が染み出すため、塩は下味を付ける程度にしておくのがポイント。味見をさせてもらったところ、「ザッツ海!」。

濃厚な潮の香りが口の中に広がった。

 

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「ホンビノス貝」、小松菜、湯通しした油あげを入れて、だし汁に入れて混ぜる。

冷やしたほうがおいしいしいので食べる直前まで冷蔵庫に入れておこう。  

 

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冷えたら器によそって……

 

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江戸前の刻みのりをかけて出来上がり!

 

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身がキラキラ光って美しい。

口に入れて、肉厚でぽってりとした「ホンビノス貝」の身をかむと、潮の香りと濃厚な貝のうま味が口の中の広がり出す。思いのほか品のいい味わいだ。

 

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お気付きの方もいるかもしれないが、このお箸、普通のものと少々違う。竹一番の「帯付」という、料理人が使う盛り付け箸をモデルに作られた竹製の箸だ。

防腐剤や漂白剤を一切使わずに作られているのが特徴で、先細だから料理をつかみやすく、味わいを損なわず、体にも安心。提供した料理をできるだけいい状態でおいしく食べて欲しい、という齊藤さんのまごころが感じられる。

 

ホンビノス貝料理のレシピ 中華編:紹興酒炒め

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次は紹興酒を使った中華風の炒め物。材料は、「ホンビノス貝」、紹興酒、長ネギ、ショウガ、ニンニク、ごま油、トウバンジャンと塩コショウ。

 

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長ネギ、ショウガ、ニンニクを刻んでおく。長ネギは青いところでOK。

 

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フライパンにごま油を強いて中火で熱し、長ネギとショウガ、ニンニクを炒める。ほどよく炒まったら、貝を投入。フライパンを動かしながら火を通す。

 

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紹興酒をフライパンに注ぐ。

 

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ここでもアルミホイルの落としぶたが大活躍。

 

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うーん、いい匂い。

 

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貝の口が開いたらフライパンからトレーに取り置く。

「ホンビノス貝」は味が濃いため、水を入れて味を調整するといい。

 

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残った煮汁にトウバンジャンを投入。貝から出る塩味だけで十分なので、基本的に塩は不要。

 

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お皿に盛り付けた貝にスープをかけて……

 

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刻んだ浅葱をお好みで散らして出来上がり! 

齊藤さんいわく、浅葱の代わりにパクチーも結構イケるらしい。

 

長ネギ、ショウガ、ニンニクの風味が香ばしい。紹興酒と貝の濃厚なうま味ががっぷり四つで組んだナイスタッグ。コイツはビールが進みます。

 

ホンビノス貝料理のレシピ イタリアン編:トマトパスタ

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最後はイタリアン風のパスタでシメ。「ホンビノス貝」は元々北米原産。東海岸名物ののクラムチャウダーに使われる食材だから、イタリアンとの相性は鉄板だ。

 

材料は「ホンビノス貝」、パスタ、きのこ、トマトペースト、ニンニク、生クリーム、ワイン、オリーブオイルと塩。ここでは、齊藤さんが普段お店で出している玄米麺を使用。この玄米麺は島根県の宮内舎が、南雲市産の玄米で作った逸品。香りと食感がよく、グルテンフリーで栄養価が高いのが特徴だ。もちろん一般のパスタでもOK。

 

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オリーブオイルをフライパンで熱し、刻んだニンニクを炒める。

辛めが好きな人は鷹の爪を入れてもいい。

 

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フライパンに貝を入れ、塩コショウをして火を通す。

 

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ワインを投入。

 

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ファイヤー!

 

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アルミホイルの落としぶたをして貝を蒸す。

 

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貝の口が開いたらすぐに取り出す。

 

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トマトペーストと生クリームを煮汁に入れてソースを作る。

 

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ゆでた麺をソースの中に投入。

玄米麺の場合は風味を逃さないよう、齊藤さんは蒸したものを使っている。

 

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ソースが絡んだら火から下ろし、先に麺をお皿に盛り、その上に貝を配置して完成!

 

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白ワインと一緒にいただきます!

 

貝のうま味とトマトの酸味の相性はバッチリ。玄米麺のもちもち感が肉厚な身の弾力とマッチしている。貝から出た塩分だけで塩加減は絶妙。貝→麺→ワインという幸せのループ。お酒が弱くて普段はあまり飲まない筆者なんですけれど、どうしちまったんだ!?

 

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ワインを注いでくれる齊藤さん。恐縮です!

 

薬研堀まごころ料理 摩多以のカウンターに座って気づいたことがひとつある。それは、幅が広くて厨房との間に仕切りがないこと。だから、気の置けない雰囲気のなか、リラックスして料理を楽しめる。そんな齊藤さんの気配りがうれしい。

 

結論:「ホンビノス貝」はイケる。そして……

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実際に「ホンビノス貝」を食べて思った。

「ホンビノス貝」はおいしい。

食べる前に筆者は「外来種ゆえに国産のハマグリと比べて大味なんじゃないか?」と想像していた。ところがどっこい、濃厚なうま味を内に秘め、和洋中どの料理にもマッチする優れた食材だった。

 

そのうえに、

  • 砂抜きが不要で日持ちもいい
  • 鍋に入れれば勝手にいいだしが出る
  • おまけに値段は割安

これ、仕事が忙しくて料理に手間と時間をかけられない、でも、なるたけおいしい料理を作って食べたい自炊派の読者にはうってつけですよね。

思いのほかイケてるなあ、「ホンビノス貝」。

記事を読んで「自分も料理を作って食べてみたい」と思った読者はぜひぜひ試してみてください。ご近所のスーパーで手に入らない方は、かねはち水産のネット通販を利用するといいですよ。「温度管理がしっかりしていて鮮度がいい。スーパーで買うより確実です」と、齊藤さんもおっしゃっていた。

 

納得です。

 

お店情報

薬研堀まごころ料理 摩多以

住所:東京都中央区東日本橋2-6-7 本間ビル1F
電話:03-5829-6356
Facebook:https://www.facebook.com/magokoromatai

 

かねはち水産直販サイトホンビノス貝の船橋かねはち水産

※この記事は2017年5月の情報です。

 

撮影:新納翔

 

書いた人:渡邊浩行

渡邊浩行

編集者、ライター。アキバ系ストリートマガジン編集長を経て独立。日本中のヤバい人やモノ、面白い現象を取材するため東へ西へ。メシ通で知ったトリの胸肉スープを毎日飲んでるおかげで、私は今日も元気です。でも、やっぱりママンの唐揚げが世界一だと思ってる。

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