豚肉を豪快に煮込んだ台湾フード、爌肉飯の作り方を台湾料理専門店に聞いてみた

こんにちは、酒場案内人の塩見なゆです。

突然ですが、皆さんは爌肉飯(コンローハン)という台湾料理をご存じですか?

爌肉飯は、醤油、八角などのスパイスで豚肉を塊のまま煮込み、ごはんにのせた料理です。爌肉飯と近しい料理に、魯肉飯(ルーローハン)がありますが、両者には明確な違いがあります。

それは豚肉のサイズです。魯肉飯は細かくカットした豚肉を使用しますが、爌肉飯は大ぶりの豚肉を使用します。台湾では、屋台などでおなじみの料理になっています。

爌肉飯と魯肉飯、類似した2つの料理にはどのような違いがあるのでしょうか?

今回は、爌肉飯を看板メニューにした台湾料理専門店、マンション台北に取材を実施し、店長の西村欣晋さんに、日本ではまだなじみのない爌肉飯について伺いました。

台湾を視察して出合った爌肉飯

塩見なゆ(以下、塩見):こんにちは! 今日はよろしくお願いします。お店に入った瞬間から八角の香りが漂っていて、まるで台湾の路地裏にある食堂に来たような気分です。

西村欣晋さん(以下、西村さん):ありがとうございます。台湾家庭料理のお店を開きたいと思って、内装は手作りしました。

塩見:内装に加えて、お店はレトロなビルに囲まれた路地にあるので、ロケーション的にも台湾を感じますね。

西村さん:こだわっている部分なので、そのように言っていただけてうれしいです。

塩見:では、爌肉飯をお店の看板メニューにしようと思ったきっかけを教えていただけますか?

西村さん:お店をオープンする上で、台湾家庭料理を看板メニューにしたいと考えていたので、実際に台北や台中のストリートフード(屋台)を中心に視察していました。

塩見:実際に視察に行かれたのですね。印象に残ったことは?

西村さん:印象的だったのはさまざまな豚肉を使った料理が多く、豚足や豚耳などの部位が当たり前に売り買いされていたことです。

塩見:確かに台湾では、日本であまり見かけない部位も普通に売られていますよね。

西村さん:そうなんですよ。なのでインパクトがあった豚足や豚耳などを名物にしようと考えたのですが、それだとややマニアックですよね。

そんな時、日本にまだなじみがなかった爌肉飯という料理に出合いました。魯肉飯にかなり近い味わいでしたが、豪快に豚の塊肉を使っていたのが印象に残りました。

塩見:豚肉を細かくカットした魯肉飯と、塊のまま提供する爌肉飯ですが、現地で食べた時はどのような違いを感じましたか?

西村さん:魯肉飯は八角などのスパイスがきいている印象でした。爌肉飯は豚皮や脂などを存分に味わえました。ただ、決して脂っぽいわけではなく、豚肉の味わいを活かしたシンプルな味付けになっていた印象です。

塩見:味わいも異なるんですね。

西村さん:そうですね。あとは、豪快に豚肉を使っているので、単純に写真映えすると思いました。日本ではまだなじみのない料理でもあったので、爌肉飯をお店の看板メニューにしようと思いました。

塩見:確かに台湾では爌肉飯を見かけますが、日本だとあまり見かけないですね。

マンション台北流、爌肉飯の作り方

塩見:では、マンション台北流の爌肉飯の作り方を教えていただけますか?

西村さん:現地では豚バラ肉や豚皮肉、スネ肉やもも肉などお店によって使う部位は色々です。うちでは豚バラ肉を使用しているので、まずは塊の豚バラ肉を1人前の大きさにカットします。この時、脂が多すぎても赤身が多すぎてもいけません。うまく豚バラ肉をトリミングしながら、赤身と脂のバランスを整えていきます。

豚バラ肉の下処理が終わったら串打ちして、水、八角、シナモンを鍋に入れて30分ほど下茹でします。

塩見:スパイスを入れた下茹では珍しいですね。これにはどのような効果があるんですか?

西村さん:スパイスを入れて下茹ですることで、豚バラ肉の臭みを取って、ほのかにスパイスを感じられるようにしています。

塩見:なるほど。ほのかにスパイスの風味や味わいを豚バラ肉に付けるために、このような工程にしているんですね。仕上がりが楽しみです!

西村さん:スパイスがほのかに感じられるように調整していますので、日本人の方にも食べやすくなっていると思います。

下茹でが終わったら、今度は味付けです。台湾の醤油と照りが出るザラメを圧力鍋に入れて再び30分ほど煮込んで、味が染み込むよう半日冷蔵庫で寝かせます。

塩見:台湾の醤油を使っているんですね。

西村さん:本場の味に近いものをお客さまに提供したいので、試行錯誤の末に調味料は選んでいますよ。

さらに、にんにくを入れて24時間ほど置いておきます。こうすることで、にんにくの香味がマイルドに全体になじむんです。

塩見:なんと、仕込みは約2日もかかるのですね! 

西村さん:そうですね。さらに提供前には、継ぎ足しのタレが入った鍋に入れて煮込んでいます。

塩見:継ぎ足しのタレというワードはなんとも魅力的ですよね。

西村さん:オープンからずっと、爌肉飯や豚足などのメニューを煮込んでいるので、最後にこのタレを使うことでうま味がグッと増します。

西村さん:温かいごはんの上に、継ぎ足しのタレをたっぷりかけて、豚バラ肉をのせれば、マンション台北の爌肉飯が完成です。

塩見:本場の爌肉飯を研究して、丁寧な仕込みを経て完成した爌肉飯。どんな味わいになっているか非常に楽しみです!

エキゾチックなのにどこか懐かしい爌肉飯

それでは、マンション台北の爌肉飯(790円)をいただきます!

まずは、トロトロになった豚皮と脂が口の中いっぱいに広がっていきます。豚の臭みは一切なく、あっという間に溶けて消えてしまいます。

また、台湾の醤油とザラメがタレ全体にとろみと照りを付けていて、日本の醤油よりもコクとうま味が強い印象を受けました。また、八角やシナモンなどのスパイスは、最後にほのかに感じられる程度で、日本人が食べやすい味わいになっています。

赤身の部分もしっとりと柔らかく煮込まれていて、ホロホロとほどけていくような食感になっています。

継ぎ足しのタレが染み込んだごはんも絶品で、豚バラ肉や豚足などのうま味が溶け込んだ味わいに、食欲が止まりません!

爌肉飯を一杯食べきると、しっかりとした食べ応えがあるものの、脂やスパイスの重さはほとんどありません。全体的に角のない調和のとれた味になっていました。

台湾家庭料理をつまみに台湾ビールを

せっかくなので、マンション台北でよく注文されるメニューもご紹介していきます。

まずは、排骨酥(パイグース 590円)です。

排骨酥は豚肉のからあげ。マンション台北では、お酒のつまみとして食べやすいように一口サイズで提供しているそうです。

食べてまず感じたのは、その食感です。

タピオカ粉を使った衣は、びっくりするほどザクザクしています。もっちりとした豚もも肉が使われているので、衣との食感の違いが心地よく、どんどん食べ進めてしまいます。

五香粉とカレー粉を中心に味付けされているそうで、ほどよいスパイス感と日本人が大好きなカレー風味が掛け合わされた味わいで、台湾ビールが最高にマッチします。

続いて、自家製の腸詰め(730円)も注文。

塩漬けした豚肉をお店で挽いて、台湾の山胡椒・馬告(マーガオ)とにんにく、ブラックペッパーなどで味付けしているそうです。一つ一つお店で手作りしている腸詰めを味わうのが楽しみです。

実際に食べてみると、非常にジューシーでモチモチとした食感で素材を活かした味わいになっています。粗びきのブラックペッパーが刺激的なアクセントになりつつ、余韻にマーガオの風味も感じられ、優しいバランスの取れた味付けです。

腸詰めにはさまざまな種類がありますが、しっかりとお肉感を味わいたい方にはおすすめの一品です。

大塚で気軽に台湾旅行気分を

大塚にお店を構えるマンション台北で、爌肉飯の作り方を教えていただきました。

驚いたのは、爌肉飯の仕込みに約2日をかけていることでした。香辛料を使った下茹でで豚バラ肉の臭みを取り、継ぎ足しのタレで煮込む作業など、日本人が食べやすい爌肉飯を作る工夫にあふれていました。

爌肉飯以外の料理も台湾感と食べやすさのバランスが絶妙なので、お酒に合う台湾料理を飛行機に乗らず、東京で気軽に楽しんでみてはいかがでしょうか。それでは。

お店情報

マンション台北

住所:東京都豊島区南大塚2-40-11 2F
電話番号:03-6902-2081
営業時間:11:30~14:30、17:30~22:00
定休日:火曜日、水曜日

食べ応えばっちり「ニラ豚ラー油そば」が美味い!【ツジメシの日常メシ】

こんにちは。プロダクトデザイナーときどき料理人、ツジメシこと辻村哲也です。「ツジメシの日常メシと週末メシ」シリーズ、今回は日常メシ。

春から初夏が旬のニラ。産地の栃木県鹿沼市の名物「ニラそば」は、日本そばとニラを一緒に茹でて、そばつゆで食べるというもの。昔はかさ増しの意味もあったでしょうが、ニラの香り、食感とそばの組み合わせは癖になる美味しさです。

そんなニラそばを、今回はつゆに豚肉、ラー油、生卵も加え、食事としての満足度の高い一皿にアレンジしてご紹介します。茹でて冷やしたそばとニラを、肉の入った温かいつゆで食べます。僕はいつも麺のつゆは水とナンプラー、しょうゆ、みりんで簡単に作ることが多いので、そのやりかたでご紹介します。もちろんめんつゆでも美味しく作れますよ。

ニラはそばと一緒に茹で、豚肉はつけつゆで弱火+余熱でやさしく火を通すことで硬くならず、つゆにも適度に豚のうま味と脂が加わります。しかもこの方法だとアクが出ないのでアク取りも不要です。

 

 

ツジメシ の「ニラ豚ラー油そば」

材料(1食分)

  • ニラ 1/2束(50g)
  • 豚スライス肉(お好みの部位、今回はロースの極薄切り) 80g
  • 水 200ml
  • ナンプラー 小さじ1
  • しょうゆ 大さじ1
  • みりん 大さじ1

(または水150mlにめんつゆ(3倍濃縮)50mlでも)

  • そば 80-100g(乾麺1束)
  • 白炒りごま 適量
  • ラー油 適量
  • 卵 1個

 

ニラは1/2束とたっぷり。
豚肉はロースの極薄切りが火も入りやすく、肉と脂のバランスもよいと思います。

 

作り方

 

ニラは5-6cm程度の長さに切ります。食べる時にそばとなじみつつ、箸でつかんで食べやすいサイズです。この日のニラは根本が太かったので、太さを半分に切っておきました。豚肉も同じくらいの長さに切ります。

1人分に対して1L程度のお湯(分量外)を沸かし、そばを茹で始めます(今回は5分茹での乾麺を使っています)。最初は強火、再沸騰したら吹きこぼれないように沸騰を保つ程度に火を弱めます。

 

小さめの鍋に水、ナンプラー、しょうゆ、みりんを入れて火にかけます。

麺のつけつゆなら、僕はいつも水200mlにナンプラー、しょうゆ、みりん各小さじ2を沸かしたものベースにしています。今回はそばなのでしょうゆ強めの味が合うのと、豚肉からのうま味も期待できること、後で卵も足すことを考え、ナンプラーを減らしてしょうゆとみりん多めの甘辛味にしました。

つゆ全体が沸騰したら(これでナンプラー特有の匂いはほとんど飛びます)弱火にし、豚肉を入れてほぐします。やさしく混ぜながら、肉の色が赤からピンク、さらに白っぽくなりかけたら火を消し、そのままおきます。

こうすると低温でふんわりと火が入って、汁には肉のうま味と脂が適度に出つつ、肉が硬くなりにくいです。肉を入れてから沸騰させないのでアクも出ず、取り除く手間がかからないのも利点です。

そばの茹で上がり30秒前になったら、鍋にニラを加えて火を強め、再沸騰したら吹きこぼれない程度に再度火加減を調整します。

茹で上がったらそばとニラを冷水に取り、手早く流水で洗います。

このとき鍋の中身を全部ザルにあけてもいいのですが、僕は無類のそば湯好きなので、鍋からザルに引き上げるようにしてそばとニラを取り出し、茹で湯を鍋に残します。乾麺のそばもそば湯が美味しそうな製品を選んでいます。やはりそば粉比率が高めもののほうがそばらしい風味があっていいですね。

 

そばとニラは水気を切り、器に盛り付けます。

 

つけつゆも器に移し、

ごまとラー油を好みの量加えます。たっぷりを推奨。

卵を添えて、はい出来上がり。

それほど塩っぱくないつゆなので、そばとニラをつけつゆにたっぷりつけてどうぞ。ニラのシャキシャキした食感と青い香りがそばのアクセントになり、豚肉のうま味とラー油でパンチ力が増したつけつゆでもりもり食べられます。

途中でつゆに卵を割り入れると、まろやかさとコクが増してさらにわかりやすく美味しさがブーストされます。

卵黄を崩して、そばとニラにからめて食べてみてください。

最後にそばの茹で湯を温め直してつゆを割ると、しっかり満足できます。僕は薄めに割ってたっぷり飲むのが好きです。そばはそば湯が本体ですからね!(異論は認めます)

さて、僕のここでのレシピ記事は、今回で最終回となりました。最初にこの「メシ通」に参加させていただいてから、ちょうど80本のレシピを掲載していただきました。少しでも見ていただいた方の日々の生活のお役に立てたら嬉しいです。

 

もやし1袋と豚こまで白メシガッツリの大盛りコスパおかず「辛みそケチャ炒め」の作り方【ヤスナリオ】

こんにちは、高円寺メタルめしのヤスナリオです。

今月『メシ通』でご紹介している、とくにコスパよく、手軽にできる新生活応援1人メシレシピ。

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今回は安くて食べごたえのある豚こま、もやしを使った濃厚ピリ辛おかず「大盛り豚もやしの辛みそケチャ炒め」をご紹介します。

ピーマンを切るところだけ包丁を使いますが、あとは材料を順番にフライパンに入れて炒めるだけ。みそ×トマトケチャップのうま味で白メシがはかどるひと皿が、10分ちょっとで完成です!

具材が少ないシンプルな料理なので、もやしは歯ごたえがよくうま味もある豆つきの「大豆もやし」を使います。大豆もやしは、一般的な緑豆もやしよりたんぱく質の量が多いのもうれしいところ。

その大豆もやしを1袋、そして豚こまもたっぷり入れて、コスパよく大盛りに作りますよ。

 

ヤスナリオの「大盛り豚もやしの辛みそケチャ炒め」

【材料】1人分

  • 豚こま切れ肉 200~250g
  • 大豆もやし 1袋(200g)
  • ピーマン 1個
  • みそ 大さじ1
  • トマトケチャップ 大さじ1
  • すりおろしにんにく チューブ1cm程度
  • すりおろししょうが チューブ3cm程度
  • 水 大さじ1
  • ごま油 大さじ1
  • 薄力粉 大さじ1
  • 塩、こしょう 適量
  • ラー油 適量

 

作り方

1. ピーマンは縦半分に切り、種を取って縦に細切りにする。

 

2. ボウルにみそ、トマトケチャップ、すりおろしにんにく、すりおろししょうが、水を入れてよく混ぜ、みそケチャップだれを作る。

 

3. フライパンにごま油、豚こま切れ肉、薄力粉を入れ、

 

軽く塩、こしょうをふる。弱火にかけ、肉に小麦粉をまぶしながら肉に火が通るまで2~3分炒める。

 

肉は下ごしらえをしていないので強い火加減で炒めるとかたくなります。弱火でゆっくり炒めることで、縮まずにやわらかく仕上げましょう。

 

4. みそケチャップだれを加えて、

 

豚こま切れ肉にからめる。

 

5. たれが全体にからんだら大豆もやし、ピーマンも入れ、中火にして、

 

よく混ぜながら、野菜がしんなりするまで2~3分炒める。

肉にまぶした薄力粉がもやしから出る水分と混ざり、うっすらとろみがついて仕上がりが水っぽくなりません。

 

6. 器に盛り、ラー油をかける。

 

濃いめ&ピリ辛の味つけでお酒のおつまみにも!

うま味の強いみそケチャップだれでしっかり味のついた豚こまと大豆もやしが大盛り! 濃いめ&ピリ辛の味つけで白メシがどんどんすすみます。

豚こまはじっくり炒めたので、とくに下ごしらえはしていませんがかたくならずに肉感あり。大豆もやしのポリポリした食感で食べごたえも抜群です。ご飯のおかずはもちろんお酒のおつまみにもベストマッチ! ラー油は途中でかけて味変を楽しむのもいいですね。

 

野菜炒め、とくにもやし炒めはもやしから水分が出て水っぽくなりがち。ですが、ここでは肉にまぶした薄力粉がもやしからでる水と合わさり、たれに軽くとろみがつくのでその心配はなし。濃厚なたれが具材にさらにしっかりからみますよ。

ピーマンのかわりにニラを入れたり、フライドガーリックなどが入った食べるラー油をかけたりして、さらにパンチを効かせるのもオススメです。EAT FAST! EAT HARD! YES! METAL MESHI!

 

フライパン1つで白メシもビールもおまかせ「ジャーマンポテト風バターしょうゆ豚丼」【ヤスナリオ】

こんにちは、高円寺メタルめしのヤスナリオです。

北海道生まれの僕にとっては、豚丼は定番の丼ものレシピの1つ。シンプルな豚丼に飽き足らず、これまでも白メシがすすみまくるアレンジ豚丼を作ってきました。

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さて今回ご紹介するのは、豚バラ肉を使った肉感満点のジャーマンポテトをご飯にのっけた「ジャーマンポテト風バターしょうゆ豚丼」。にんにくのうま味、たっぷりの黒こしょうのパンチで白メシがガッツリ食べられるのはもちろん、ビールもすすみますよ!

 

ヤスナリオの「ジャーマンポテト風バターしょうゆ豚丼」

【材料】1人分

  • じゃがいも(小) 2個(150g程度。中1個でもOK)
  • 玉ねぎ 1/4個
  • 豚バラ肉(スライス) 3~4枚(80g程度)
  • 卵(目玉焼き用) 1個
  • サラダ油 少量
  • バター 10g
  • すりおろしにんにく チューブ2~3cm
  • 粒マスタード 大さじ1
  • しょうゆ 大さじ1
  • 粗びき黒こしょう、乾燥パセリ(あれば) 適量
  • 温かいご飯 1人分

 

作り方

1. じゃがいもは洗って皮つきのままラップに包み、電子レンジ600wで4~5分加熱してやわらかくする。

先にレンチンしてやわらかくするので、炒める時間が短縮できます。

 

2. じゃがいもは粗熱が取れたら手で皮をむき、1cmの厚さの輪切りにする。玉ねぎは縦に4~5等分にくし切りにする。豚バラ肉は5cmくらいに切る。

 

3. フライパンにサラダ油を少量入れて熱し、卵を割り入れ、フタをせずに弱火で4~5分焼く。目玉焼きが焼けたら取り出す。

先に目玉焼きを焼いておくと、フライパンを洗わずそのまま豚丼の具を炒められます。

 

4. 目玉焼きを焼いたフライパンに豚バラ肉、玉ねぎを入れ、中火で2~3分炒める。

豚バラ肉から出る脂で炒めます。こびりつきが気になる場合は、フライパンにサラダ油を少量(分量外)入れてもOK。

 

5. 豚バラ肉の色が変わり火が通ったら、じゃがいもを加えて1~2分炒める。

 

6. バター、すりおろしにんにく、

 

粒マスタードを加え、全体によく絡めながらさらに1~2分炒める。

 

7. 仕上げにしょうゆを回し入れ、サッと混ぜる。

 

8. 器にご飯を盛り、7、焼いておいた目玉焼きをのせる。粗びき黒こしょう、乾燥パセリをふる。

 

バターしょうゆの香りが食欲をそそる!

こんがり焼けた豚バラ肉とホクホクのじゃがいも、炒めて甘みの増した玉ねぎ。この最強トリオが、うま味のある豚の脂と香ばしいバターしょうゆ風味をまとって、白メシを誘う“丼のアタマ”の誕生です!

厚めに切ったじゃがいもがたっぷり入っていて食べごたえ満点。粒マスタードの酸味とプチプチの食感もいいアクセントになりますよ。冷蔵庫に残っている粒マスタードの消費にも最適です。

すりおろしにんにく、粗びき黒こしょう、粒マスタードは全部マシマシにしてさらにガツンと仕上げるのもありですね。

 

トッピングは目玉焼きのほか、温泉卵、卵黄などお好みで。白メシにのせずに、おつまみとして作るのもオススメ。ビールもガンガンすすみますよ。EAT FAST! EAT HARD! YES! METAL MESHI!

 

モチモチのパンに肉とチーズを詰め込んだキューバサンドで、本場のモヒートを流し込まないか?

サンドイッチ、ハンバーガー、イングリッシュマフィン、ホットドッグ……。パンで具を挟んだ料理は大体食べ尽くしてきたと思っていたのですが、恥ずかしながら最近になって初めて食べて、衝撃を受けたものがあります。それが、キャンプをしたときに友人が作ってくれた「キューバサンド」です。

キューバサンドとは、細長いバゲットのようなパンに、プルドポークやチーズなどの具を挟んでプレスした料理のこと。キューバ系移民がアメリカで広めたといわれています。とあるロードムービーがきっかけで日本でも話題となり、キャンプ飯として取り上げられたり、専門店がオープンしたりと、ジワジワと知名度を高めているようです。

そんなことを調べているうちに、本格的なキューバサンドを食べてみたくなりました。どうやら、東京上野に本場のキューバサンドを味わえるお店があるようです。百聞は一見にしかずということで、早速行ってきました!

外はカリッ、中はモッチモチのパンに、ぎっしりと詰まったプルドポークがクセになる!

上野駅から徒歩数分、落ち着いた雰囲気の路地にあるのが、キューバサンド専門店「CUBAN SANDWICH & DELI AHINAMA 上野店」です。

▲キューバの美しい海岸のような、ターコイズブルーの外観が目印

キューバ出身のオーナーがオープンしたお店で、キューバ人が作る本格的なキューバサンドを提供しているようです。もともとテイクアウトをメインに営業していたそうですが、現在は店内にもイートイン用のカウンターと椅子があり、外のベンチで食べることもできます。

プルドポークを使った、看板メニューの「エル・クバーノ」を注文してみました。

▲エル・クバーノ レギュラー(980円) ※ハーフは550円

バターを塗って表面をカリッと焼き上げたパンの断面から、たっぷりの具が顔をのぞかせています。「エル・クバーノ」の具はプルドポーク、ハム、チーズ、マヨネーズ、マスタード。ぎっしりと敷き詰められていて、持ち上げると重みを感じます。

思いっ切りかぶりついてみると、まず驚いたのがパンのフワフワ感! 見た目の焼き上がり具合からハードな食感を予想していたのですが、中は程よくモチモチで、絶妙なかみ応えがあります。そこにホロホロにほぐれたプルドポークと溶けたチーズが絡み合い、とにかく食感がずっと心地いい(笑)。

プルドポークはしっかりとした塩気の中にほんのり甘みがあり、スパイスの香りも感じられます。チーズと合わさってパンチはきいていますが、プルドポークがそれほど脂っぽくないので、意外とサクサク食べられます。マヨネーズの酸味やマスタードの辛み、バターのリッチな香りやハムの柔らかい食感との相性もバッチリです。

キューバで食べていた“故郷の味”を再現

こちらがオーナーのロベルト・ミロ・ルアセスさん。料理のこだわりやお店のコンセプトを聞いてみました。

 

──キューバサンド、食べ応えがあってとってもおいしいです! プルドポークの作り方など、料理のこだわりを話せる範囲で教えてください。

ロベルトさん(以下、敬称略)一番のこだわりは、やっぱり肉ですね。お店で開発したオリジナルのモホソースにブロック肉を漬け込み、時間をかけてホロホロのプルドポークに仕上げています。この柔らかさが、パンの食感とマッチしてクセになるんです。

 

──そうそう、パンの食感も絶妙ですよね。

ロベルト:はい、パンもお店専用に作ってもらっています。キューバで食べていたパンの味を再現したくて、いろんなパンを探し求めてようやくたどり着きました。フランスパンでも作れますが、冷めると硬くなりますよね。アゴが疲れちゃうのは良くないからね(笑)。うちはオーダーをいただいてから焼き上げるので、出来たて、アツアツを楽しめますし、パンが硬すぎないので冷めてもおいしく食べられますよ。

 

──焼き方のコツはありますか?

ロベルト:パンにバターを塗り、ホットサンドメーカーでプレスしながら焼いています。おいしく作るコツは、プレスしすぎないこと。パンのふんわりした感じや、プルドポークのホロホロとした食感を残しています。

▲ホットサンドメーカーを使用。一度にレギュラー6本を焼ける。忙しいときは2台を稼働させることもあるのだそう

──具は意外とシンプルですよね。キューバサンドはアメリカに移住したキューバ人が作ったものだと聞いています。お店で出しているのはアメリカで食べられているキューバサンドに近いイメージですか?

ロベルト:いえ、アメリカのキューバサンドは肉だけでなく野菜もたっぷりと入れるスタイルが主流なんです。でも、私が小さいころにキューバで食べていたのはもっと質素なもので、学校から帰ってきたときに食べるおやつのような位置付けでした。決してぜいたくなものではないけれど、とにかくパンや肉のおいしさ、独特の食感がずっと記憶に残っていました。その故郷の味を再現したかったので、具はなるべくシンプルにしています。お好みでピクルスやアボカドペーストなどをトッピングすることもできますよ。

 

──なるほど、キューバで食べていた味を再現しているんですね。「エル・クバーノ」以外にもおすすめメニューはありますか?

ロベルト:メインの具はプルドポークのほかに、プルドビーフやプルドチキン、エビがあります。それぞれの具に合わせてモホソースを変えているので、同じキューバサンドでも味の違いが楽しめます。

 

──それは試してみたいです!

ロベルト:ドリンクもおすすめですよ。特に有機キューバコーヒー豆を使用した「キューバーコーヒー」と、本場の味わいを再現した「本場キューバ・モヒート」はぜひ味わってほしいですね。

▲キューバコーヒー ホット/アイス(各300円) ロベルトさんのイラストが描かれたオリジナルカップで提供

──お酒好きとしては、「本場キューバ・モヒート」が気になります。何が違うんですか?

ロベルト:イエルバブエナというキューバ産の有機ハーブをたっぷりと入れています。日本のモヒートに使われることが多いスペアミントよりも香りが豊かで、ハーブの力強さが感じられます。もちろん、ラム酒もキューバ産。これが本場の組み合わせですね。

▲イエルバブエナの葉

▲本場キューバ・モヒート(700円) イエルバブエナのたくましいハーブ感が、ラム酒や砂糖の甘みを引き立てる。ソーダの炭酸と合わさり、爽快感のある一品。キューバサンドとの相性も最高!

コロナ禍のテイクアウト需要に応えてオープン。初日から大盛況に

──お店のことも教えてください。そもそも、ロベルトさんはいつ日本に来たのでしょうか?

ロベルト:もう20年以上前になります。もともとはダンサーとして来日したんです。

 

──ダンサーだったのですか!

ロベルト:そうなんです。日本ではずっとダンスの先生をしていたのですが、年を取ってもやり続けられる仕事ではないので、次のステップとして、もう一つの夢だった自分のお店を持つことにしたのです。最初はバーを開き、そのあと2012年ごろにキューバ料理専門レストランを赤坂にオープンしました。

 

──そのお店でもキューバサンドを出していたのですか?

ロベルト:はい、メニューにはありました。ただ、当時は日本で知っている人はほとんどいませんでしたね。大きなターニングポイントになったのは、2014年ごろです。キューバサンドをテーマにしたロードムービーのプロデューサーが来日したとき、うちのお店で食べたキューバサンドを絶賛してくれたんです。それがきっかけで、映画のプロモーションでうちのキューバサンドを使ってくれたり、フードトラックを一緒に作ったりしました。

 

──そうだったんですね! その映画をきっかけに、日本でもキューバサンドを知っている人が増えたそうですね。

ロベルト:そうそう、テレビや雑誌の取材もけっこう来てくれて、そこからキューバサンドが日本に少しずつ広まっていきました。

 

──このお店をオープンしたのはいつですか?

ロベルト:2020年です。コロナ禍で赤坂のお店をどうしようかと考えていたとき、キューバサンドはテイクアウトとの相性が良いのではないかと思い付いて、キューバサンドの専門店としてオープンしたんです。

 

──オープン後の反響はどうでしたか?

ロベルト:初日から私たちも驚くほど、たくさんの人が来てくれました。毎日繁盛して、開店後1時間で売り切れになることも。どれだけパンを作らないといけないの? って、スタッフ一同でうれしい悲鳴を上げていました。

 

──それは良かったですね! お店作りで大切にしていることはありますか?

ロベルト:まるでキューバの家に遊びに来たかのように、お客さんに楽しさや温かみを感じてもらうことを大切にしています。キューバの料理にこだわるだけでなく、スタッフもみんなキューバ人、BGMもキューバの音楽を流しています。

──キューバ人のお客さんも来ますか?

ロベルト:はい、しょっちゅう来ますよ(笑)。「そうそう、この味だよ」って小さいころに食べていたキューバサンドの味を思い出してくれますね。アメリカ人もよく来るけれど、アメリカで食べていたキューバサンドと少し違うから、それはそれで新鮮みたい。「アメリカで食べていたものよりおいしいよ」って言ってもらえることもあって、それはすごくうれしいですね。やっぱり、お客さんにおいしいと言ってもらえて、また来てもらえるのが一番です。

 

──すてきですね。今後やりたいことや、ロベルトさんの次の夢を教えてください!

ロベルト:私の大きな夢は、全国にキューバサンドのお店を出すことです。まだまだキューバサンドを知らない人もたくさんいると思うので、北海道から沖縄まで日本全国にその魅力を届けていきたいですね。

 

──壮大な夢ですね! 楽しみにしています!

明るく朗らかなロベルトさんが提供する本場のキューバサンド、ぜひ味わってみてください。上野恩賜公園が近いので、キューバサンドとモヒートを買ってお花見や散歩を楽しむのもおすすめです!

店舗情報

CUBAN SANDWICH & DELI AHINAMA 上野

住所:東京都台東区東上野3-23-5 新井ビル1F
電話番号:03-6284-4547
営業時間:月曜日〜金曜日 11:30〜17:00、土曜日 12:00〜18:00、日曜祝日 12:00〜17:00
※キューバサンドが無くなり次第クローズ。
定休日:不定休
※都合により、早じまいや臨時休業することもあります。HPX(Twitter)、Instagramをご確認ください。

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【チキンスパイスカレーパン】「揚げたて方式」の絶品カレーパンをぜひ食べてほしい

生涯ベストなカレーパンに出会いました

そんなわけで、私はこれまで数々のカレーパンを食べ歩いてきました。

王道カレーパンだけでなく、ヘルシー系の焼きカレーパン、趣向を凝らしたオリジナルカレーパンなどなど。

まあ、基本的にカレーパンはカレーパンである以上、どれも甲乙つけがたい魅力にあふれた逸品ばかりではありました。

が、しかし。

私は出会ってしまいました。私がこれまで食べてきた中でもっともおいしいと思う、生涯ベストなカレーパンに!

 

そのマイ・ベスト・カレーパンを提供するお店がこちら。

店名はブーランジュリ シマ(Boulangerie Shima)、通称「しまぱん」。

東京・三軒茶屋駅からテクテク歩いて徒歩15分ほどのところにあり、2024年の2月で創業17周年を迎えた地元密着型のパン屋さんです。

 

店内にはおいしそうなパンたちがズラリ。

食パンやバゲットなどのシンプルな食事パン、アイデア満載の総菜パン、おやつに最適なスイーツ系のパンなどなど、思わず目移りしてしまいます。

だがしかし。たくさんのパンが並んだ棚を見渡しても、カレーパンの列は存在しません。いったいカレーパンはどこにあるのかというと……。

 

いました、カレーパン!

しかし、ここに掲げられているのは「見本」の二文字。

そう、しまぱんのカレーパンは注文するとその場で揚げてもらえる「揚げたて方式」

つまり、いつでもアツアツサクサクというわけです。これだけでも控えめに言って素晴らしすぎますよね。

さらに、このカレーパンは、日本カレーパン協会主催の第1回カレーパングランプリで東日本揚げカレーパン部門グランプリを受賞するほどの逸品。

currypan.jp

実は私が推すまでもなく高い評価を得ているしまぱんのチキンスパイスカレーパンなのですが、はたしてどんなカレーパンなのか、じっくりお伝えしたいと思います。

 

絶品すぎるチキンスパイスカレーがたっぷりのカレーパン

▲チキンスパイスカレーパン(352円)

 

はい、きましたー。これぞ私が選ぶ最強のカレーパン。

本当に揚げたてです。薄めの衣とパン生地の中に、たっぷりのカレーが包まれております。……これは明らかに、視覚だけでもうまいやつ。

どれだけぎっしり中身が詰まっているのかを見てもらいたかったので、今回は特別にカレーパンをカットしてもらいました。

 

では、実食。アツアツのまま、ひと口かじれば、じゅわっとした油とパンとカレーが混然一体に……。はっきり言って至福です。

そして何より、具材であるチキンスパイスカレーのクオリティーがとんでもないんですよ。鼻腔をくすぐるスパイスの深い香り、その風味が染みこんだ柔らかなチキン、そして複雑なうま味。

「えっ、これがパン屋さんのつくるカレーなの……?」と思わずうなってしまいたくなるほど本格的な、スパイスカレー専門店とも渡り合えるレベルのカレーです。

そんなスパイスカレーを包み込むパン生地のおいしさは言わずもがな。なぜ、こんなにも印象的なカレーを生み出すことができるのか……?

 

その秘密を探るべく、しまぱんのオーナーシェフである島健太さんにインタビューを決行しました。

 

しまぱんの「チキンスパイスカレーパン」開発秘話

──しまぱんの看板メニューであるチキンスパイスカレーパン。いつ頃から提供されているのでしょうか?

 

島健太さん(以下、島さん):うちは2024年の2月に17周年を迎えたのですが、チキンスパイスカレーパンを販売し始めたのは12年前からなんです。オープン当初はひよこ豆のキーマカレーをのせた焼きカレーパンをつくっていました。

 

──最初はチキンスパイスカレーパンではなかったのですね。

 

島さん:その頃はまったくスパイスに詳しくなかったんですよ。オープンして3年目くらいに、ある著名なカレー研究家さんの取材を受けて意気投合し、研究会に呼んでもらうようになったことがスパイスカレーとの本格的な出会いです。
そこで食べたスパイスを使った料理の数々には心から衝撃を受けました。「自分のカレーは、全然カレーじゃないぞ」と。そこからしまぱんのカレーパンを見直すことにしたんです。

 

──具体的にどのような見直しを図ったのですか?

 

島さん:そのカレー研究家さんの本に書いてあるレシピをつくりまくり、日々スパイスの勉強と研究を重ねました。そのうち「スパイスを使ったカレーパンをつくってみたい」という気持ちが湧き上がり、同時に「やっぱり揚げカレーパンが一番おいしい」とも再認識しました。焼きカレーパンの販売はその時にいったんストップしています。

 

──それまで焼きカレーパンに絞っていたのは、何かこだわりがあったのですか?

 

島さん:ぶっちゃけてしまうと、パンの工房で揚げ物をすることがそんなに好きじゃなくて(笑)。でも、私が高校生の時に通学途中にあったパン屋さんで、開店直前に買わせてもらっていた揚げたてのカレーパンのおいしさが忘れられなかったんですよね。

 

──思い出の味ですね。

 

島さん:だからスパイスカレーでカレーパンをつくるのであれば、お客さんにもあの感動を味わってもらおうと思ったんです。新しいしまぱんのカレーパンを生み出すために、それから2年くらい研究を続けました。「スパイスカレー」と「揚げたて」の二本柱での研究の日々でしたね。その間うちでは一切カレーパンを出していません。

 

──試行錯誤の末にようやく完成したチキンスパイスカレーパン。どんなスパイスが使われているのでしょうか。

 

島さん:ホールスパイスは、クミン・クローブ・カルダモン・シナモン・マスタードシード。パウダースパイスはターメリック・パプリカ・コリアンダー・ブラックペッパーです。とはいえ、今のスパイスカレーは初期のものとはまるで違っていますよ。常にブラッシュアップはし続けています。

 

「スパイスカレーを使ったカレーパン」をもっと普及させたい

──まだ到達していない理想のチキンスパイスカレーパンがあるということでしょうか?

 

島さん:いえ。それはすでに完成しています。でも、うちのカレーパンは「カレーに遊ばれているカレーパン」なんです。なので、「いつ来ても同じ味ではない楽しさ」があってもいいのかな、と。トマトの味が強い日もあれば、少しクリームっぽい日もあったり……。

 

──へえ。毎日微妙に味が違うんですね。

 

島さん:でも、それはちょっとずつの変化なので、きっと毎日通ってくれているお客さんはわからないんじゃないかな。半年ぶりくらいに来たお客さんだと「あれ? 前とちょっと違うかも」と気が付くと思います(笑)。

 

──しまぱんではレギュラーのカレーパンの他に、月替わりで週末限定のカレーパンが出ていたり、たまにカレー弁当やビリヤニ弁当が出ていたり、普通のパン屋さんにはとどまらない幅広いメニューづくりをしていますね。

 

島さん:スパイスの研究を今でも続けているので、限定メニューについてはその一環でもあります。でも、純粋に私は料理が好きなんですよ。正直、コストもかかりますが自分がおいしいと思うものをみんなに食べてもらいたいんです。

 

──今後の目標はありますか?

 

島さん:揚げたてのスパイスカレーパンをつくるパン屋さんをもっと増やすことですね。うち以外でやっているところって、実はほとんどないんですよ。

 

──同業のライバルが増えてもまったく気になりませんか?

 

島さん:むしろ、スパイスカレーパンの存在がもっとパン業界に広がってほしいくらいです!

 

──ありがとうございました!

 

しまぱんのカレーパンは、島さんのスパイス研究とともに、これからも進化を続けていくはずです。

取材終了後、チキンスパイスカレーパンをもう一つ注文し、再び揚げたてを頬張りました。

この日2個目のそれも、やっぱり絶品でした。

 

お店情報

ブーランジュリ シマ(Boulangerie Shima)

住所:東京都世田谷区三軒茶屋2-45-7-103
電話番号:03-3422-4040
営業時間:9:00~19:00(木曜日〜日曜日)
定休日:月、火、水曜日

www.hotpepper.jp

 

茶色い肉で白メシを食べたい日はベトナムのコムタム風「ポークライス」がいい。ベトナムに毎年行く僕のレシピ

こんにちは! ベトナム料理普及家のKi Yamamotoです。

家でできるベトナムご飯、アジアご飯のレシピや調味料、食文化に関する情報を発信している僕が今日紹介するのは、ベトナムの「コムタム」をイメージした一品です。

ベトナム南部でよく食べられるコムタムは、ざっくりいうと漬け込んだ肉を焼いて白メシと一緒にワンプレートにした料理。屋台やレストランなどいろいろな場所で見かけます。

ニョクマムのたれに漬け込んだ甘辛い味の豚肉を炭火で香ばしく焼き、どーんとダイナミックにのっけたり添えたりするのが定番。白メシによく合う味付けで、以前、ベトナムに一緒に行った僕の両親も喜んで食べていました。

今回のレシピは、そのコムタム気分を家でも楽しめる「コムタム風ポークライス」。とんかつ用の一枚肉を使い、野菜、ベトナムおかずの定番のなますを添えてボリューム満点のワンプレートにします。

ニョクマムやにんにくを使ったたれで香ばしく焼き上げた豚肉は、ジューシーでコクがあって、白メシはもちろんビールもすすむ味。今日は肉をガッツリ食べたい気分! そんな日にぜひ作ってみてくださいね。

それでは作り方です。

 

Ki Yamamotoの「コムタム風ポークライス」

【材料】(1人分)

  • 豚肩ロース(とんかつ用) 1枚(110g程度)
  • にんにく(みじん切りにする) 1かけ
  • にんじん 20g
  • 卵 1個
  • サラダ油 大さじ1
  • ニョクマム(なければナンプラーでもOK) 小さじ2
  • 砂糖 小さじ1
  • しょうゆ 小さじ1
  • こしょう 少々
  • 温かいご飯 1人分
  • 付け合わせの野菜(トマト、きゅうり、パクチーなどお好みで。食べやすく切る) 適量

(A)

  • ニョクマム 小さじ1
  • 砂糖 小さじ1/2
  • レモン汁 小さじ1/2
  • 水 大さじ1

(B)

  • 塩 ひとつまみ
  • 砂糖 小さじ1/2
  • レモン汁 小さじ1/2

 

作り方

1. 豚肩ロースは、包丁の先を刺して写真のように全体に切り込みを入れます。

切り込みを入れると味がなじみやすくなり、焼き縮みも防げます。

 

2. ボウルにニョクマム、砂糖、しょうゆ、こしょう、みじん切りにしたにんにくの2/3量ほどを入れて混ぜます。そこに豚肩ロースも入れてよく混ぜ、10分おいて味をなじませます。

肉に味をなじませている間に、たれや付け合わせのなますを準備します。

 

3. (A)、残りのにんにくを小皿に入れて混ぜ合わせ、ニョクマムだれを作ります。

 

4. にんじんをせん切りにしてボウルなどに入れ、(B)を入れてよく混ぜてなますを作ります。

 

5. フライパンにサラダ油を引いたら、中火で熱して卵を割り入れます。卵のふちがカリッとするまで1~2分焼いたら、ひっくり返してさらに1分焼き、取り出します。

 

6. 目玉焼きを焼いたフライパンをそのまま使い、2の豚肩ロースを入れ、中火で両面を1分ずつ焼きます。

肉を漬けたたれは最後に入れるのでボウルに残しておきます。

 

7. 豚肩ロースを両面焼いたら弱火にして、さらに両面を3分ずつ焼きます。

 

8. 最後に、ボウルに残しておいた豚肩ロースの漬けだれを入れます。中火で1分ほど熱して少し焦げるくらい煮詰めながら、肉を何度か返して表面にたれを焼き付けます。

たれを焦がすようにして肉に焼き付けることで、炭火で焼いたような香ばしさを出します。

 

9. 器にご飯を盛り、豚肩ロース(大きければ食べやすく切る)、にんじんのなます、付け合わせの野菜を盛り付けたら、目玉焼きをのせます。ニョクマムだれを添えて完成です。

 

香ばしく焼けた豚肉が食欲をそそる!

ニョクマムとにんにくのうま味をまとった豚肉は、ジューシーでやわらかな焼き上がり。甘辛の味付けで白メシと相性抜群です。

さらに、漬けだれを焼き付けた肉の香ばしさが食欲をそそります! ベトナムの屋台でもくもくと煙を上げながら炭火で焼かれた肉の香ばしさを少しでも感じてもらえるとうれしいです。

 

外はカリカリ、中はほんのり半熟の目玉焼きを少しずつ崩しながら、肉や白メシと一緒に食べるのも最高です。

 

小皿に入れて添えたニョクマムだれを肉と野菜にかけて味変すると、フレッシュなニョクマムの風味とにんにくの香りがガツン! たれのしみた白メシもたまりません。

そして、付け合わせのなますや野菜を食べて口の中をリフレッシュ。このさっぱりした野菜が肉のジューシー感をさらに引き立ててくれますよ。

 

このワンプレートにはビールもバッチリ合います。氷を入れたベトナムスタイルのビールで流し込めば、気分はほぼサイゴンです。

肉も野菜も白メシも食べられるのがうれしいベトナム風ワンプレート、ぜひ作ってみてください。それではまた次の記事で会いましょう!

 

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