唐揚げに最強に合うソースを戸越銀座で発見!「鶏&デリ」でハワイアンな唐揚げ体験

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唐揚げにレモンをかけますか? それともマヨネーズをつけますか?
世の中でこの話題が何年も繰り返されている一方、唐揚げにかける新ソース誕生の話題はあまり聞くことがありません。今回ご紹介する「鶏&デリ」は世界視点でソースを見直し、日本初(?)のソースを提供しています。

 

答えは「ハワイアンサルサソース」。……食べてみないとわからない、想像がつかない……! 行って食べてきました!

 

戸越銀座は観光もできる商店街

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全長約1.3kmの戸越銀座商店街は80店舗を超える飲食店が軒を連ね、平日休日問わず買い物客で賑わっています。商店街というと地元向けのお店が並び、遠方から足を運ぶものではないイメージがありますね。ところがここ戸越銀座商店街は、ぶらぶら商店街を観光しに、遠方から来るお客さんも多いのだそう。

 

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戸越銀座駅から歩くこと約5分、商店街の一画にお店を構える「鶏&デリ」が今回の目的地です。
店頭に部族のやりとか、大量のレイが飾られていると思いきや、店構えにハワイ感はありません。

 

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店内にはちょっとしたイートインスペースが用意されています。食事に唐揚げ弁当を食べるもよし、唐揚げをつまみに酒を飲んでもよし、はたまた家に持ち帰ってもよし。
戸越銀座にはこういった「食べ歩きのお店」が多く、それを求めて遠方からもお客さんがやってくるわけです。

 

唐揚げがうまくて、そもそもソース不要説

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「鶏&デリ」は唐揚げを主軸にした鶏料理のお店。もも、むね以外にもさまざまな部位を食べることができます。唐揚げの下味には塩辛さを抑え、ほんのり甘みが特徴のアロハ醤油をベースに、衣は北海道産馬鈴薯を使ってグルテンフリーに仕上げています。

 

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商店街の小さなお店でしょ? 部族のやりもレイもないし。と侮ることなかれ。
「鶏&デリ」の唐揚げは、日本唐揚協会主催「第6回唐揚げグランプリ」の東日本味バラエティ部門で金賞を受賞、加えてベルギーの製品評価をおこなう民間団体、モンドセレクションのブロンズメダルを授与されています。味はマジで本物なのです。

 

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早速ガッツリとにんにくのきいたスタミナもも(100g 300円)と居酒屋さんではあまり見かけない100%かぼすハイ(450円)を注文してみました。行き来する人々を、イートインスペースで眺めながらの酒と唐揚げ……なんだろう、食べる前から心がおいしい!

 

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ガツンとにんにく、もものうま味を味わってから、ほろにがのかぼすハイを流し込む……。この時期は暑くも寒くもなく、半外スペースでの飲食は最高に気持ちいいですね。突然隕石が落ちてきても、こんなにいい思いしたんだったらしょうがないと納得できるレベルです。

ただここで満足してはいけません。「鶏&デリ」の真骨頂は唐揚げにハワイアンサルサソースをかけることなのですから!

 

ハワイアンサルサソースで、唐揚げが繊細に!

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店内のメニューを見ていくと、ありました。これがハワイアンサルサソースです。
ソースは全5種類。100円追加することで、かけることが可能です。
店長さんと相談のうえ、相性がよさそうな組み合わせ5種をご紹介しましょう。

 

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骨が持ち手のようになっているこのチューリップ(1本 150円)、手羽元に切り込みを入れて裏返し、成形したものです。
それに合わせたのはマンゴバーベキュー。甘みが強く、本来ご飯のお供である唐揚げが、おやつ感覚に変化している……! これは子どもにはうれしいおかず! 持ち手もありますし、お弁当箱に詰めてお出かけなんていいですね。

 

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ご飯物のメニューもあります。こちらはからタコライス(700円)。タコミートの代わりにジューシーなももの唐揚げをどーん。
5つのソースのなかでは最も王道サルサ味、マンゴパイナップルのサルサソースをかけました。唐揚げの脂とソースの酸味は非常に相性が良く、油物が苦手な人でもさらりと完食できそう。

 

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山口県長門市の銘柄鶏「長州どり」の、分厚いむね肉を使ったジャンボかりかりチキンカツ(230g 450円)には、コリアンダーサルサソースをいってみました。
サルサソースにパクチーを漬けこんだ結果、パクチーは風味を少し感じる程度の優しい味わいになっています。揚げ物といえば濃い味ですが、これは繊細だ! 大人のチキンカツに変化していますね。

 

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まだ3つのソースしか食べてないけど、腹いっぱいになってきたな……。

「鶏&デリ」はすべての商品がテイクアウト可能。食べきれなかったチキンカツと、残り2つのソース、それに合わせる唐揚げをお持ち帰りすることにしました。

 

これってサルサ? ワサビとハバネロもいってみた

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持ち帰りしたメニューはこちら。食べきれなかったチキンカツも丁寧にパッケージしてくださいました。時間が経った場合は、1分〜1分30秒ほどトースターで焼くことでサクッと仕上がります。

 

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むね肉と玉ねぎをかき揚げにした鶏たま揚げ(100g 250円)は、もはやサルサソースには見えない色合いのワサビソースでいただきます。
むね肉に玉ねぎの甘みが映える! そこにピリッとしたわさびソースを掛け合わせることで一層甘みが強く感じられます。今回の検証のなかでベストマッチですね。キリッと日本酒でわきを固めたい!

 

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そして最後は最も辛味の強いハバネロコーンソース。酒のお供鶏界代表、なんこつ(100g 310円)と合わせます。
ハバネロというと鬼のように辛いイメージでしたが、サルサの酸味、甘みとなじんで、辛味はじわじわと口に広がる感じ。なんこつのもともとある塩気でも十分ビールが進むのに、ハバネロソースの後引く辛味が拍車をかける! これはビールが止まらなくなるやつ!

 

完璧なメシなんてない! 自分好みにアレンジして完成!

なぜこのようなニュースタイルで唐揚げを提供し始めたのか、店長の宮川さんにうかがいました。

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「日本人って唐揚げにつけるのはレモンかマヨネーズくらいですよね。アメリカの友人が唐揚げにホットソースをかけているのを見て、ほかにもあうソースがあるんじゃないかと思ったんです。
ソースの味が強すぎると唐揚げが負けてしまいます。その点ハワイアンサルサソースは香りがあって、酸味と甘みのバランスがよく、かつ唐揚げのうま味と共存してくれるんです」

 

唐揚げそのものがうまい。ならばソースは必要ない? マヨネーズとレモンで十分なのでは?
誰もがそこで思考が止まるなかで、よくぞ新たな扉を開いてくれた! 唐揚げには未開拓の味の幅があると、今回の取材で感じることができました。

 

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一見完成された料理でも、少しだけ味を加えるとうまみのベクトルが変わっていきます。
みなさんもご家庭で試してみてくださいね! というのは簡単です。それを突き詰めて、対価をもらうレベルに仕上げるには、数えきれないほどのトライ&エラーがあったはずなのです。

それも踏まえて、「鶏&デリ」の唐揚げを、日常の楽園であるイートインスペースで食べてみてください!

 

お店情報

鶏&デリ

住所:東京都品川区戸越1-16-8
電話番号:03-3784-1801
営業時間:11:00~20:00
定休日:不定休

toriand.com

※この記事は2017年9月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:毎川直也

毎川直也

風呂が好きで、風呂デューサーを名乗り活動中。銭湯、スーパー銭湯、温泉旅館での勤務経験を持ち、銭湯に勤めながらメディア出演をしている。酒が弱いうえに小食なため、「メシ通」には間違いなく向いていないライター。

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【閉店】湯船で乾杯?居酒屋「分福」で銭湯の名残を肴に酒を飲む

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東京都港区にある三田は、いわゆるビジネス街。多くの人々が汗水流し、働いています。

そんな三田で働く人々をいやした万才湯という銭湯が、2016年5月末に廃業しました。残念なことです。この町から風呂上がりの一杯が消え去ってしまったのですから……!

 

廃業から5カ月、銭湯らしい部分を残して居酒屋「分福」としてリニューアルオープンを果たしました。現役の銭湯の番頭である私、毎川直也が宴席で使える銭湯知識を交え、紹介いたします。

 

三田のディープな飲み屋街へ

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手桶を片手にやってきたのは、そもそも銭湯があったのか、疑いたくなるほど都会の三田駅。

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三田駅から北へ向かって歩くこと数分、サラリーマン憩いの場の空気感が出てきました。
どこもいい雰囲気だなぁ〜と眺めていると、写真奥に「ゆ」の看板を発見!

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こちらが銭湯「万才湯」をリノベーションした居酒屋「分福」です。
……瓦屋根のザ・銭湯を想像していたので、元銭湯と言われてもピンと来ないですね。

 

オシャレすぎて銭湯感がない!

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店内はこんな感じ。ありがちなオシャレな居酒屋さんじゃないか! 銭湯感、ないですね。
ここが銭湯のどの部分にあたるのか、銭湯で働いている私でもさっぱりわかりません。

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少し進んで振り返ると、毛染めお断りの文言が!
「浴室内での毛染め」と書かれているということは、私が立っているところが浴室、カウンターと厨房があるエリアは脱衣場だったと推測できます。

 

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毛染めの文言をみて振り返ると、こんな空間が広がっていました。
銭湯チックなものがチラホラと見えるじゃないですか!

 

銭湯の名残かけ流しの湯船席

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まずお目当てのこれ、お湯こそ張ってはいませんが、まんま湯船! この写真のなかにはさまざまな銭湯の名残、そして「分福」での飲み会で活用できる銭湯知識が隠れています。

 

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壁面についてる二つの穴、これは体をほぐすジェットマッサージの跡です。思わず背中の位置を調整したくなりますね。
最近はジェットマッサージも多様化し、全身を囲むようにジェットが設置されたものや、とんでもないパワーで腹筋が引きちぎられそうなものもあります。「分福」では急にジェットが出たりしませんので、安心して腰かけてください。

 

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湯船と湯船の境にあるのは「埋め水」の跡。湯船が熱い時に水を足すためのカランのことです。銭湯業界では湯船に水を足すことを「埋める」といい、逆にお湯を足すことを「差す」といいます。
湯船席で「焼酎埋めで」と水割りを注文してみるのも粋かもしれません。店員さんが知っているかどうかは責任持てません。

 

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そしてテーブルの下には木の板でふさがれた穴があります。銭湯の湯船ってパッと見仕切られているように見えますが、底の部分でつながっていることもあるんです。つなげることで一つの大きな湯船とみなすことができ、ろ過装置や配管などの設備を減らすことができます。

 

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他にも両壁面には洗い場の名残、鏡とカランの跡。

カラン? 蛇口でしょ? 意味としては同じです。銭湯ではなぜかカランと呼ばれることが多いので、「分福」でもぜひカランと呼んでください。ちなみにカランはオランダ語です。
冷水と温水の2つがあり、自分で温度調整します。この温度具合を瞬時に見極め、桶のなかで適温をつくれるようになったら常連と言っていいでしょう。

 

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床を見ると排水溝のふたがそのまんま残されています。それと線対称に奥へ伸びる白黒のタイル張り部分、これはもともと男女の浴室を区切る仕切りでした。それが取っ払われ、いまや男女隔たりなく酒を酌み交わす居酒屋さん。銭湯っぽくても銭湯ではない……強く感じる部分です。

 

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そしてその奥にある不自然に並んだ出入り口。この先はお客さんが見ることはない、機械室につながっています。

 

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本来の機械室の一例がこちら。

この写真は廃業した銭湯で特別に撮らせていただいたもので、後片付けの最中でこんな感じです。
注目してほしいのは写真右手の木のふたがされている箱。これは下風呂と言い、釜で温めたお湯を貯めるタンクです。このタンクのうえはお湯の熱で暖かく、最高に居心地がいいんです。

 

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「分福」では機械室をきれいにリノベーションし、テーブル席として生まれ変わっています。
銭湯の名残はほとんど感じられませんが、下風呂の居心地の良さはバッチリ受け継がれています。
もし湯船席、座敷席と確約がほしい場合、予約の段階で伝えておくと安心ですよ。

 

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そして湯船の向かいには銭湯といえばのコレ、富士山の背景画! 日本に3人しかいない銭湯絵師の一人、中島盛夫氏の作品です。銭湯では基本、背景画は見上げるもの。「分福」では2階に上ると、同じ目線で背景画を見ることができます。しかも天井に空まで描かれているものは世界初かもしれません。
ちなみに背景画に書かれるものは「お客さん来い来い」の鯉など、縁起物が描かれる一方で、お客さんが猿(去る)、落ちるを連想する夕日、紅葉など、店主の要望がない限り描かれないものもあるんです。

 

煮るなり焼くなり好きにできる

銭湯らしさを随所に残している「分福」。銭湯に関わる人間としてはなかなかの心意気を感じます。しかしここは銭湯風居酒屋さん、メシがうまい必要があります。 

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湯船にはいる(席に着く)と、店員さんがたくさんの魚を持ってきてくれました。「分福」に来たら食べるべき料理「もの見せ一本魚」です。選んだ魚は煮るか焼くか選ぶことができます。
煮るなり焼くなり好きにして! という言葉がありますが、実際煮るなり焼くなり選ぶのは人生初です。ここは写真右手、シャープなボディーが特徴的なカマス(1,480円)を焼きで注文。

 

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魚が調理されている間、「お造りの五種桶盛り(1人前 980円)」を注文してみました。銭湯風ということで、木の桶に盛り付けられています。写真は3人前、2人前から注文できます。

 

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銭湯といえば牛乳ということで、牛乳のカクテル(580円)を飲むことができます。味はプレーン、イチゴ、コーヒーの3種類に加え、季節のフレーバーが用意されています。
富士山の背景画を背に、腰に手をやりグビグビ飲めば、湯上り気分で自然と体があったまってきた気がしますね(酔っ払ってる)。

 

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先ほどチョイスしたカマス、こんがりと焼かれて戻ってきました。
カマスというと脂が乗っていて、サンマに近いイメージがありましたが、フワフワとした口触りにあっさりとした味わいでした。強そうな顔の割に内面は優しく繊細……あだ名をつけるなら「海のマイルドヤンキー」ですね。

 

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そして憧れの、風呂の中でビール。お湯がなくとも男心を満たす感情が湧きあがってきます。思わず湯船のへりに手をやって、体を投げ出したくなる! 「分福」が銭湯の空気感を継承しているからこそなのでしょう。これはいい時間!

 

風呂と酒が生む極楽……楽しんで守っていこう!

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「分福」では、お湯に漬かることはできません。でも体が温まって半袖になり、酒が進んで腰が落ちてくると、まるで風呂で酒盛りしてる感じになります。そして酌み交わす酒の味、幸福感は、風呂上がりの一杯そのものでした。
湯船席で、銭湯知識を肴に酒を楽しんでみてはいかがでしょうか。そして後日、銭湯に足を運んでみてくださいね!

 

お店情報

【閉店】分福

住所:東京都港区芝5-23-16
電話番号:03-6453-7189
営業時間:月曜日・火曜日・木曜日・土曜日・日曜日・祝日…17:00~24:00 水曜日・金曜日・祝前日…17:00~翌4:00 

※この記事は2017年9月の情報です。
※金額はすべて税込みです。
※提供している魚の種類は日によって変わります。

※このお店は現在閉店しています。
飲食店の掲載情報について。

 

書いた人:毎川直也

毎川直也

風呂が好きで、風呂デューサーを名乗り活動中。銭湯、スーパー銭湯、温泉旅館での勤務経験を持ち、銭湯に勤めながらメディア出演をしている。酒が弱いうえに小食なため、「メシ通」には間違いなく向いていないライター。

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四万温泉のグランピング施設「ShimaBlue」でBBQ三昧、温泉三昧!

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夏のメシといえばバーベキュー。青空の下で家族や友人、あるいは恋人同士で肉を焼けば、お腹的にも気持ち的にも幸せになれますね。2017年4月、群馬県の温泉地にグランピング施設ができました。そこでバーベキューができるのだそう。
温泉メシと聞いて調査せずにはいられない! 今年は夏休みなんてないお風呂メシ担当、風呂デューサーの毎川が一人で行ってきましたよ!

 

風光明媚(めいび)な四万温泉、行くのは意外とらくちん

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今回バーベキューをしに行くのは群馬の名湯、四万温泉。まずは交通の要、東京駅へやってきました。
駅の外に出ると絶望的な雨。バーベキューは中止な降り方をしていますね。

 

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東京駅の八重洲口を出て、八重洲通り沿いにバス停へ向かいます。平日にもかかわらずバスを待つ30人ものお客さんで行列が!
四万温泉へは電車でアクセスすることもできますが、高速バスがオススメです。電車の場合、中之条駅で路線バスへの乗り継ぎ時間が発生することもあります。バスなら乗って降りれば四万温泉。東京からは約4時間30分の道のりです。

 

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四万温泉は、上信越高原国立公園内に位置し、四万川沿いの谷に宿が並ぶ温泉地です。
群馬といえば賑やかな草温泉が有名ですね。一方で四万温泉はとても静かな、自然あふれる温泉地。40本を越える源泉からは毎分3,000〜4,000リットルもの温泉が湧き出ており、温泉資源には大変恵まれた場所なのです。

 

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バス停から歩くこと15分、今回の目的地「ShimaBlue」が見えて来ました。2017年4月にオープンしたばかりのグランピング施設です。ちなみにグランピングとは魅力的という意味の「glamorous(グラマラス)」と「キャンプ」を掛け合わせた、ぜいたくなキャンプという意味があります。
ここでは日帰り利用だけでなく、5つのキャビンと2つのテントで宿泊も可能。バーベキューの前にキャビンをのぞかせてもらいましょう。

 

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どのキャビンも四万川沿いに建ち、常に川の流れる音が聞こえてきます。そして大きく作られた窓からは空、森、川が大パノラマで迫ってくる!
キャビンにはそれぞれ色をテーマにした名前がついています。この部屋は柔らかな照明と優しい色合いが特徴の「HONEY NATURAL」。2階のテラスにはハンモックとハンギングチェアが備えられており、ただただのんびり、穏やかな時間を過ごすことができます。

 

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「ShimaBlue」のキャビンは全室露天風呂付き。温泉は四万温泉町営の源泉を掛け流しで引き入れており、湯上り感サッパリのお湯。汗をかくアウトドア、炭の舞うバーベキューとは相性がいい!
日帰りで温泉にはいりたいかたは、日帰りバーベキューに加えてお部屋お任せ日帰りプランを申し込みましょう。

 

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「ShimaBlue」ではバーベキュー以外にも三角屋根のカフェ棟で食事ができます。最大のこだわりは地産地消。群馬県産の新鮮な食材を調理してくれます。

 

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これを食べたら一生忘れられない旅になる「上州牛ステーキ丼(1,980円)」に、

 

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群馬の新鮮野菜を味わいたい方には「野菜たっぷりフィレ肉のパストラミサンド(980円)」もおすすめ。
なんですか、めちゃめちゃうまそうじゃないですか! 敢えてバーベキューする必要ある……?

 

今までのバーベキューはなんだったのか……!

外は土砂降りでひとりぼっち、カフェには既においしそうなメニューそろっている。
少し気持ちがなえていますが、とりあえずバーベキューをやってみます。

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キャンプ場のバーベキュー設備って、初心者がやるには引いてしまうくらい古い……なんてことがありますよね。「ShimaBlue」では雨風を防ぎ、かつおしゃれなバーベキュー用のテントで肉を焼きます。もちろん、晴れていればテントの外でもOKです。

 

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日帰りバーベキュー(1人 3,000円)の全容はこんな感じ。食材、調理器具は衛生面に配慮し、袋に入ったまま準備してくれます。これは衛生的! そして量もすごい! 順次焼きながら紹介していきましょう。

 

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まずは野菜から。野菜串はしいたけ、玉ねぎ、ナス、トウモロコシ、パプリカがラインアップ。どれも炭で焼くとみずみずしく、甘みが強いです。野菜は火の強いところで焼くと表面が焦げるため、端で時間をかけて火を通すとうまく焼き上がります。

 

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パプリカとトウモロコシの間には上州牛の最上級カルビ。
塊肉って中心まで火を通すの難しそうですよね。このフィレ肉は生で食べてもOKなくらいの鮮度。よく焼きしても硬くならず、すっと歯が通る逸品です。そして驚くべきはその肉汁。湧き出す量もさることながら、脂っこさ抑えめでさっぱりとした清らかさがあります。湯量豊富で湯あがりさっぱりな四万温泉とそっくりだ!

 

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肉を食い始めるとお酒が欲しくなってきますね。四万温泉でしか飲めないものがありますよ。
こちらは「四万温泉エール 摩耶姫(680円)」。ペールエールスタイルの発泡酒で、この地に湧くおいしい水を使って仕込んでいます。迎え入れの甘みと流し込みの苦味……バランスがいいです。食材の味に変に干渉することがなく、素材そのものの味を楽しみたいこのバーベキューにはぴったり!

 

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続いて焼いていくのは骨つき肉3種。どれもポークです。
肉単体のうま味にカリッとした歯ごたえはもちろんのこと、炭の香りがついて家のホットプレートで焼くのとはまるで違う! それぞれスパイスがきいたもの(左)、肉汁たっぷりのもの(中央)と個性もあり、それぞれ楽しむことができました。

 

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炭水化物も食いてえな……このプランに炭水化物はついていないので別注します。ガーリックライスと散々迷った結果、見た目のインパクトが決め手となり「ちぎりチーズパン(1,200円)」を追加注文。
スイスで昔から食べられているライ麦パン「ブレブロード」をくりぬいて、ミックスチーズ、カマンベールチーズを詰め込んであります。

 

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おお……! とろけとるがな……! 肉を焼く幸せに加えて、つける幸せまでもがここに!
チーズそのものにほんのりと塩気があり、肉のお供扱いをしてしまったのが申し訳ないくらいうまい!

 

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それでは最後の肉を焼いていきます。薄めの肉が牛カルビ、厚めの肉が豚ロースです。
薄めの牛カルビ、一体どこにこれだけのうま味脂が詰まっているのか理解できないくらい汁気がすごい! 味が濃く、一枚一枚ぜいたくに食べることができました。脂が炭に垂れると火の手があがるため、早めに救出しましょう。

 

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豚ロースは動物性飼料を使わず、大麦、ライ麦が主の資料で育った「上州麦豚」を使用。厚みがあっても柔らかい! しっかりと味のあるカルビに対し、かむほど優しいうま味の豚ロース……名コンビだ! どちらも炭の香りをまとい、これぞバーベキューという味わいに仕上がっていますね。

 

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バーベキューの最後の締めはデザート。まず付属のスティックにマシュマロを刺して炙ります。ここは火力強めのところにさらすのがオススメです。

そういえば、こうやってマシュマロ焼くのって小さい頃に憧れていました。お子さんがいらっしゃる方は、ぜひ家族で一緒に来ると喜ばれると思います。

 

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こんがりと色がついたらクラッカーに乗せましょう。
(食べるのが遅過ぎて炭の火力が足りなくなり、厨房で焼いてもらいました)

 

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お好みでキャラメルソース、チョコレートソースをかけていただきます。これはアメリカのキャンプではおなじみのスモアというお菓子です。
たらふく肉を食べて満腹だったのに、脳が完全に別腹として認識してくれてます。マシュマロはもはやフワフワという食感を超え、甘い空気みたいになってます。家でもやりたい!


やっぱり家族や友人と一緒がいいね

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焼く楽しさ、そして食べる楽しさ。それに熱中できるので、一人っきりで土砂降りでもバーベキューはいいものだなぁと感じられました。その反動か、食べ終えると物悲しさに襲われる……! 「ShimaBlue」を最大限楽しむためには、やはり家族や友人……仲間が必要です。

 

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ちなみにこの記事の写真はこんな感じで、セルフタイマーで撮影しました。
食べ終えたもの悲しさに加えて、帰りのバスで写真を確認していると一層悲しい……!! 繰り返しになりますが、「ShimaBlue」を最大限楽しむためにはやはり仲間が必要です。あと天気もですね。

秋の予定をそろそろ組もうとお考えの方、早めのご予約がオススメ、いや、すぐにスケジュールを調整して予約したほうがいいです!!

 

施設情報

ShimaBlue

住所:群馬県吾妻郡中之条町四万4355-9
電話番号:0279-64-2155
営業時間:受付は12:00~15:00(食事時間は約2時間目安)

shimablue.jp

www.jalan.net

※2018年2月26日追記:2018年2月中旬より、施設名が「温泉グランピング シマブルー」へ変更になりました。公式サイトへのリンクは変更済み。
※2017年9月25日追記:記事中で「ブランド和牛「上州牛」のフィレ肉」と書かれていたものは「上州牛の最上級カルビ」の間違いでした。訂正してお詫びいたします。

 

 

書いた人:毎川直也

毎川直也

風呂が好きで、風呂デューサーを名乗り活動中。銭湯、スーパー銭湯、温泉旅館での勤務経験を持ち、銭湯に勤めながらメディア出演をしている。酒が弱いうえに小食なため、「メシ通」には間違いなく向いていないライター。

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「鈴廣かまぼこの里」で“かまぼこに合わせた地ビール”と“新型かまぼこ”を食べ歩く

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かまぼこ、好きですか? 正直なところ、私は好きか嫌いかという判断のステージにかまぼこはのぼってきません。そんな私が今回うかがうのは、老舗かまぼこメーカーが運営する「鈴廣かまぼこの里」。じつはここ、敷地内にビール工場を持っており、地ビールを飲むことができるんです。

 

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小田原から箱根登山鉄道に乗って2駅、風祭(かざまつり)という駅にやってきました。箱根湯本駅からは同じく箱根登山鉄道で2駅とアクセス良好、宿に入る前、帰り道に寄るにもいい立地です。

 

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駅を出て目の前の施設が「鈴廣かまぼこの里」。鈴廣といえば大手かまぼこメーカーとして有名ですね。ここにはかまぼこのすべてと言っても過言ではない情報量、そしてつくりたてのおいしさが詰め込まれています。

 

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施設内を探索してみましょう。
まずはたくさんの試食ができるお土産販売所。平日の昼間にもかかわらず、お客さんであふれてる!

 

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かまぼこ、ちくわ、揚げかまを自分でつくって食べられる体験教室もあります(要予約)。テーブルにほとんど空きがありません。

 

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併設しているレストラン「えれんなごっそ」でも、たくさんの種類のかまぼこや、オシャレなアレンジかまぼこを食べることができます。
写真は「かまぼこと芽キャベツのピンチョス」です(メニューは月替わり)。

ざっと紹介しただけでだいぶかまぼこ一色、そして評判だと伝わるかと思います。
そんな「鈴廣かまぼこの里」で食べ歩き&ハシゴ酒、楽しみ方としてどうなんでしょうか。疑問を抱きつつ1軒目をのぞいてみましょう。

 

魚肉ソーセージ、レボリューション

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敷地内でつくっているビールは「箱根ビール」という名前です。
まずこちらの箱根ビールshopで一杯いただきましょう。

 

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注文したのは冬季限定の黒ビール「風祭スタウト」。お供にはかまぼこ盛り合わせとソーセージを注文しました。
注目してほしいのはこのソーセージですよ。かまぼこやさんで魚以外の肉を扱う……どうなんですかね、鈴廣さん。

 

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実はこれ、ソーセージではありません。魚を使ったフランクフルト、商品名は「シーフランク(1本 200円)」といいます。
左からエビ味、イカスミ味、ホタテ味。いやぁこの照り、張り感と、見た目は完全にフランクだ!
とはいえ中身は魚肉。フニャッとした食感、ほんのり薄味で、酒の肴にはなりえないのでは。

 

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パキッと濃い味!!! これ魚肉!?
うま味がきちんとあり、肉のコクの代わりに魚の風味がよく出ている! そしてスパイスが効いてビールに合う! 仕上がってるなぁ! パンチある苦みのスタウトには最高の相性ですね。幸先の良い1軒目だ!

 

ポテとっととおっととライス

シーフランクはいきなりの絶品。うれしいけれど、2軒目は高くなったハードルを超えられるのか? 

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ほろ酔いでやってきたのは、お土産販売所と同じ建物内にある「あげかま屋 すず天」。
地産の野菜を中心に使った揚げかまを販売しています。

 

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左のたこ焼きのような揚げかまは「ポテとっと(一舟 500円)」、串に刺さっているのは「おっととライス(一本 250円)」。
そして2軒目のビールは優しい苦みのファーストタッチ、爽やかな後味の「小田原エール」です。

 

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小粒のじゃがいもをまるまる一つ、魚のすり身に包んで揚げたポテとっと。ふんわりしたじゃがいも、ぷりっとしたかまぼこ、食感こそ違えど、甘みの出方が似ているんですよね。
マヨネーズをかけてもよし、おでんダネとしてもいけそう。変幻自在の逸品ですね。

 

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そしておっととライス……おっとと?? これは魚のすり身にもち米を混ぜ込んだ揚げかま。味はプレーンとチーズがあります。
これがまた上手にできていて、もち米のうま味をすり身がよく引き立てている……! そしてほんのりチーズ風味が、酒のお供には最高じゃないか!

 

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「小田原エール」の爽やかさが油っぽさをうまくリセットしてくれる……! かまぼこと食材、さらにはビール、うまいこと調和してますね。
普通もち米を混ぜ込もうなんて思わないですよ。蓄積してきた老舗の知識と発想力のたまものですね。
分量、味の濃さともに、2軒目にはちょうどいいチョイスでした!

 

しっとりと締める……かまぼこバーで!

最後はあっさりと楽しめるところをチョイスしたいと思います。

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やってきたのはお土産販売所の一角。
めちゃくちゃお客さんの目に触れるこの場所、いったい何なのでしょうか。

 

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ここは「かまぼこバー」。かまぼこの食べ比べができます。悩んだときはここで、舌で判断できるわけですね。
カウンターにいるのは鈴廣の社内資格、「かまぼこソムリエ」を取得した従業員です。

 

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いただくのは食べ比べセット(ドリンク付き 500円)。3種類のかまぼこをいただきます。
左のかまぼこはオキギス、シログチを原材料とし、職人手作りの「超特選 古今(一本の販売価格 3,888円)」。中央は原料こそ同じなものの、機械で作った「特上蒲鉾(一本の販売価格 1,728円)」。右はグチをメインにタラ等が原料の「謹上蒲鉾(一本の販売価格 1,188円)」です。
食べ比べてみると、味の濃さや歯応えが違う……! この違いがわかる喜び、舌が肥えるって、こういうことか……!

 

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3軒目の「箱根ピルス」は超軽い飲み口で、酒の弱い私でもグビグビ飲めます 。繊細な味わいのかまぼこと相性がいいです。
ちなみに担当してくれたバーテンダーはEXILE、MATSUさん似のナイスガイ、八木さん(27)。いろいろと聞いてみました。

 

同じかまぼこでも、なぜ違いが出てくるんですか?

かまぼこはすり身の原料によってはもちろん、塩の量や、火をいれる時間、すり身の水分量によって弾力や味が変わってきます。また、手作業か、機械でつくるのかによっても変わりますね。

かまぼこ職人として許せない食べ方はありますか?

醤油にどっぷりつけて食べることですね。風味が消えて、かまぼこ本来の味を楽しめなくなってしまいます。
私のオススメは10℃くらいに冷やして、かまぼこのおいしい厚さ、12mmにカットし、オリーブオイルを少量垂らすとおいしいですよ。サラダに混ぜてドレッシングをかけるのもいいですね。

休みの日は何をしていますか?

そうですね……学生時代バスケットボールをしていたので、スポーツ観戦、ですかね。

 

バーテンダー・八木さんと語りながらかまぼこをたしなむこの時間、完全にバーです。
お土産販売所のにぎやかさが、いつの間にか消えていました(だいぶ酔っぱらっている)。

 

かまぼこ、ビール、両方とも水が命

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かまぼこ製造の過程で水はとても大事です。小田原の地下水は硬度がやや高く、魚を洗うと余分な脂肪、酵素、血液などをきれいに流すことができ、白く、弾力のあるかまぼこができるのだそう。箱根ビールもこの水でつくられています。小田原の恵みをたっぷり使ったかまぼことビール、そりゃあ相性がいいに決まってる!

ハシゴ酒目当てできたものの、やっぱり酒にとって肴の存在は大きかった……! これ以上ない組み合わせ、ぜひ堪能してみては?

 

お店情報

鈴廣かまぼこの里

住所:神奈川県小田原市風祭245

www.kamaboko.com

 

箱根ビールshop

電話番号:0465-23-7373(レストラン「えれんなごっそ」)
営業時間:10:00~17:00

 

あげかま屋 すず天

電話番号:0465-22-3191(鈴なり市場)
営業時間:9:00~18:00(土曜日・日曜日・祝日は~19:00)、1月のみ曜日関係なく9:00~18:00

 

かまぼこバー

電話番号:0465-22-3191(鈴なり市場)
営業時間:9:00~16:00(土曜日・日曜日・祝日は~17:00)

 

※この記事は2017年3月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:毎川直也

毎川直也

風呂が好きで、風呂デューサーを名乗り活動中。銭湯、スーパー銭湯、温泉旅館での勤務経験を持ち、銭湯に勤めながらメディア出演をしている。酒が弱いうえに小食なため、「メシ通」には間違いなく向いていないライター。

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赤ワインと合うラーメン? 蒲田の「銀河系スペインラーメン」の謎に迫る

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この世には多種多様なラーメンがあります。私もラーメンが好きなので、いろいろ食べました。
でも、今回は誰もが食べたことがないであろうラーメンを見つけてしまいましたので、皆様にお伝えしたく、取材に行ってきました!

 

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そのラーメンがあるのは、東京の下町、大田区蒲田。
多くのラーメン店が軒を連ねていますが、スペイン色はかなり薄い街です。

 

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見えて来たのは……なんだろうここは? ラーメンののぼりにラーメンと書かれたちょうちん。そして豚ちゃん。パッと見ラーメン屋さんですが、パエリアの表記がちらほら見えます。

 

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店内はカウンターのみ9席の小さなお店。ちょっと入りにくかったのですが、いい雰囲気です。
そして、スペインといえばサッカー! な感じが伝わる店内です。

 

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店内に入ってすぐのところに、生ハムが佇んでいますね。
これがあるということは、ここはスペインバル。さすがにラーメン屋さんにこれはない!

 

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席に座ってメニューを見ると「アルコールセット」が。
一般的なラーメンの店であれば、別途アルコールも注文してね、というスタンスですが、ラーメンとのセットをここでは積極的にすすめているようです。

 

なるほど、これは納得のスペイン!

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やって来ました、これが銀河系スペインラーメン、その全貌です。
いただいたのは赤ワイン「ムレダ オーガニック ティント」。
ワインはとりあえず置いておいて、ラーメンを味わっていきましょう。

 

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寄ってみると……ラーメンの要素が麺しかない……! 削りたての生ハムがどんぶりの周囲を赤く飾り、チャーシューのような豚肩ロース、その隣にはグリーンピース、ひよこ豆、そしてカリカリに焼いたチーズとベーコン。いや、うまそうだけれども……まだ目がこの光景に慣れていないですね。

 

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スープはほんのりとチーズのコクが感じられる豚骨ベース。ただし、豚骨を煮込むときに、生ハムのハムとしてカットできない端の部分をいれて煮込んでおり、その塩気、味がしっかりとスープに出ています。
味のベースを守るという意味で、サッカーでいうディフェンス。派手な活躍はないかもしれませんが、彼らがいなければこの一杯は成り立ちません。

 

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ラーメンでいうところのチャーシュー、スペインラーメンにおいては豚肩ロースが担います。うまそうな照り……! このどんぶり内で最も濃い味を持っており、サッカーでいうならば攻めのポジション、フォワードがふさわしいです。
そして赤ワインと合う! 豚骨という和の要素もあるこのラーメン、豚肩ロースとワインの組み合わせだけは純粋にスペインなのです。

 

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麺を見てみましょう。細いです。これは……ラーメン? いや、パスタなのか……? 店主さんにうかがうと「企業秘密」とのこと。すすってみると、口触りはパスタ。かんでみるともちもちした食感、そして染み出す味わいはラーメン。
2つの味を巧みに表現するその様は、ディフェンスもオフェンスもできるミッドフィルダー!


控え選手が試合をひっくり返す

銀河系スペインラーメンには薬味、そして無料のトッピングがあります。

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まずこれ、アヒージョ高菜です。オリーブオイルに漬け込みスペイン風に仕上がっています。私は高菜が苦手ですが、漬物っぽいクセがないですね。スープのコクと合わせるとうまいこと調和して、高菜を食べている気がしません。
手前の小皿に乗っているのは赤いほうがクミン、ターメリック、パプリカパウダーを混ぜ合わせた塩、黄色っぽいのはレモンを2カ月間塩に漬けこみ、すりおろしたものです。

 

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こちらはアヒージョ玉子(100円)。ラーメンでいう煮卵にあたるわけですが、玉子そのものの味をいかし、味は薄めです。濃い味のアヒージョ汁を塗りたくって酒のつまみにするもよし、ラーメンとともにまろやかにいただくもよし。

 

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そして最後のお楽しみ「あと混ぜ用チーズパエリア(180円)」。そのまま食べてもうまそうなこのパエリア、ラーメンのスープとあわせてリゾットをつくることができるのです。

 

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どんぶりに投入するとこんな感じ。口に入れるとパエリアの香りがまず感じられ、生ハムの塩気、チーズの風味が出てスペイン的だ! これうまいな!! 選手交代でこんなにオフェンスが強くなるとは……このチーム、控え選手も充実しているぞ!

 

もろもろの疑問を店長さんにぶつける

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最後に残された謎を解決しておきましょう。「お米バル リオブール」店長の阿部さんです。
長くフレンチのお店で修業をし、恵比寿のスペインバルを経て、現在このお店を一人で切り盛りしています。

 

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── なぜラーメンを始めようと?

阿部さん:日替わりランチメニューの一つでブイヤベースのスープを使った「スペインつけ麺」をやっていたんです。それが人気で口コミでたくさんお客さんが来るようになり、その流れでラーメンもつくってみようかと思い、2017年から提供を始めました。

 

── あの……スペインラーメンの隣のバカラーメンって……?

阿部さん:スペイン語で牛を「vaca」というんです。スペインラーメンに牛タンを乗せているので「バカラーメン」ですね。

 

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── 「銀河系」というネーミングは?

阿部さん:スペインリーグ、レアル・マドリードは圧倒的な強さゆえに「銀河系軍団」と呼ばれていたんです。そのもじりですね。スペインらしさも出るし。

 
確かにそれぞれ強烈な個性ある素材をまとめあげた感がある……ラーメン界のレアル・マドリード、そういうことか! 銀河系スペインラーメンというと、パッと見ネタだと思うかもしれません。そんなことはありません、ホンモノです。

素材はどれもスター選手のこのラーメン。自分なりの試合の組み方(食べ方)で銀河系スペインラーメンを攻略してみてください!

 

お店情報

お米バル リオブール

住所:東京都大田区西蒲田7-6-10
電話番号:03-6715-7420
営業時間:12:00~14:00、18:00~23:30
日曜日・祝日12:00~14:30、18:00~22:00
定休日:月曜日
Twitter:https://twitter.com/kome00bar

www.hotpepper.jp

※この記事は2017年3月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:毎川直也

毎川直也

風呂が好きで、風呂デューサーを名乗り活動中。銭湯、スーパー銭湯、温泉旅館での勤務経験を持ち、銭湯に勤めながらメディア出演をしている。酒が弱いうえに小食なため、「メシ通」には間違いなく向いていないライター。

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夫婦で営む田中酒造がつくる愛の日本酒「君萬代」の物語。製造工程も全公開!

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彼氏彼女、ご主人や奥様にプレゼントするとき、何を選びますか?
アクセサリー、旅行、食事など、多くの選択肢がありますが、要は愛が込められていることが大切ですよね。私、ライターの毎川直也は、とある日本酒をオススメしたいと思います。理由はその日本酒を造っている酒蔵を見てもらえればわかるはずです。
 

夫婦2人で営む酒造の日本酒「君萬代」 

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茨城県取手市にやってきました。ここは取手駅から徒歩7~8分、レトロなたたずまいの田中酒造。
レトロもレトロ、創業はなんと1655年。取手市は造り酒屋が多かったそうですが、そのなかで唯一残った老舗なのです。
 

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田中酒造で造っている銘柄は「君萬代」。すなわち「君と萬年」、「きみとずっと一緒」。名前からして愛の酒です。
ただ、実際の意味は「君(日本国)が萬年続くように。その国とともに萬年続けるように」なのだとか。名前の由来は、明治天皇がこの地域に行幸(ぎょうこう)した際、田中酒造の井戸水を献上した功によって下賜(かし)されたものなんです。
 

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田中酒造を切り盛りしているのは小川さんご夫妻。奥様であるせいこさんは田中酒造の15代目、経理や営業を主に担当。ご主人の貴由さんは酒造り全体を担当しています。ちなみに出会いは同じ大学の同じゼミで、同じ半導体をテーマにした卒論を執筆したことだそう。
「君萬代」を造る田中酒造、その工程を見せてもらいましょう。
 

手作りにこだわった酒造り、すべて公開!

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まずは洗ったお米を甑(こしき)に入れて蒸していきます。直接お米に蒸気をあてると米がベチャッとしてしまうので、甑の底には「疑似米」が敷き詰めてあります。
 
 
 

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次の行程に移る前にお米を冷ますため、スコップでお米を掘り返します。その作業が大変で……なんせ600kgくらい米を蒸しますから、ここだけはアルバイトさんに「明日、絶対よろしくね!!!」って念押しますね。
 
 

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次の行程は「もろみ」。冷ましたお米に水、麹、酵母をあわせて発酵させていきます。麹菌が生み出した酵素が、お米に含まれるデンプンを糖に変え、その糖をエサに酵母がアルコールをつくります。蒸したお米を冷ましたのは、熱いと麹菌が活動停止してしまうからですね。
 
 

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なんか水面がポコポコしていますね。
 
 
 
 

 

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これは酵母の働きで糖が二酸化炭素とアルコール、そして熱に分解されているからです。この熱が日本酒造りの難しいところで、温度が高いと発酵スピードは速いんですが、低温でゆっくり発酵させたほうがいいアルコールが仕上がるんですよ。現在は11度前後を維持しています。
 
 

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しかもずっと一定温度がいいわけではなくて、発酵の状態に応じて微調整が必要なんですよ。温度管理は酒造りで一番難しいところです。
 
 
 
 

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俺、普段シャキッと起きられないタイプなんだけど、今朝停電があったときは飛び起きたよね(笑)。 発酵で出る熱はタンク内に冷水を循環させて冷ましていて、その水はポンプで送っているから電気が止まると動かなくて。
 
 
 

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機械に任せて簡単にできるものではないんですね……。
 
 
 

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さきほどのもろみで使った麹はこの部屋でつくっています。育ちやすい環境を維持するため、温度は30度前後を維持しています。
 
 
 
 

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納豆を食べてここに入ると、麹菌と一緒に納豆菌が育つ可能性もあります。私たち茨城県民ですから、麹菌を育てている期間は納豆が食べられなくてちょっと寂しかったり(笑)。
 
 
 

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見てくださいこの壁の厚さ! これなら真冬であっても外気の影響をもろに受けることはなさそう。
そして壁面に張り巡らされている紐。これは電熱線です。発熱させて部屋の温度を調整します。
 

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発酵が進んだもろみは酒袋という袋に詰めて、槽(ふね)という入れ物に入れます。そこに機械で圧力をかけて水分を絞り出します。いまは絞り終わりですね。
 
 
 
 

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槽に酒袋を入れるのも、重しの木を乗せるのも、腰にくるんですよ……先ほどのもろみのタンクからは200袋くらいはとれますから。
 
 
 
 

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酒造りは米との対話だけではなく、腰との対話も重要ですね……。
 
 
 

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槽から絞り出されたお酒がこちら。緑がかっており、底が見えません。
でも日本酒の甘いにおいがすごい!
  

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酒袋の網目を通過した澱(おり)で不透明に見えています。このまま一日置いて沈殿させ、上澄みを取っていきます。
濁っている状態でも荒々しい味わいがあっておいしいですよ。上澄みだけを取るとこう……精練された味わいに変わっていきます。
 
 

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上澄みだけを別のタンクに移すと、きれいな透明になりました。最初は米だったのに、跡形も無くなった……!
 

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この状態まで来たら、あとは瓶詰めして販売です。酒造りは秋頃から5月頃までおこなっており、この工程を15回ほど繰り返します。
取り除いた澱は魚や漬物を漬けるとおいしいです。日本酒は本当に無駄にする部分がなく、エコなんですよ。
 
 

地元へ、お酒へ、お客さんへ。酒造に込めた思い

 
みなさん気になっていますよね、なぜ夫婦で酒造を続けているのか。
うかがってみるとそこにも多くの愛がありました。
 

ーーーなぜこの酒造を続けようと決意したんですか?

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もともと酒造の手伝いはしていましたが、結婚してからは専業主婦をしていて、継ぐ継がないと考えることはあまりなかったです。そんななかで父が亡くなって、酒造をどうするか、家族で話すようになりました。その話のなかで、私たち夫婦が酒造を引き継いでやっていこうということになって。
 
 

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俺はそのときエンジニアとして働いていて、イタリアの工場に異動するような気運があったんだ。会社勤めをしながら「俺がいなくても会社はまわるな」って思いはあったし、いい機会だと思って酒造の道へ入りました。よっしゃあ、絶対やってやるぞ! っていう感じではなかったかな。
 
 

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そうね、俺についてこい! って感じではなかったかもね(笑)。
5年10年の歴史であれば1人で作れるものかもしれません。ただ田中酒造が取手という場所で積み上げてきた360年という歴史は、ここで途切れさせるわけにはいかない、そういう思いがありました。
 
 

ーーーどのように酒造りのテクニックを習得したんですか?

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酒類総合研究所っていう、酒造りを勉強できるところがあるんですよ。2人で1カ月半通って座学、実習をやりましたね。
 
 
 
 

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昔からうちは杜氏(とうじ)さんにお願いして酒造りをしてもらっていました。ただ杜氏さんもどんどん人数が減っていて、自分たちだけで続けられるシステムをつくらなければと思い、いまは2人で切り盛りしています。
 
 
 

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杜氏さんからも教えてもらったことはもちろんありますよ。でも100人いれば100人違うやり方で酒造りをしているよね。事業を拡大して人を雇うときに、誰でも酒造りができる必要があるので、基本に沿った、誰でもできるやり方を重視しています。
 
 
 

ーーー1番のこだわりは何ですか?

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取手という場所で作り続けることですね。ここで紡いできた歴史ですから、よそに移ってまでやりたいとは思っていません。地域の造り酒屋として、この街に在り続けたいです。そのためにも酒造りをしていない時期に蔵を開放したり、屋根裏をギャラリーにしたり、地域に開かれた酒蔵であることを意識しています。
 
 

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あとは見てもらった通り、完全手作業っていうところはこだわってやっています。出来は味に反映されるので、苦労がある分、出来上がったお酒を「おいしい」と飲んでもらえるとうれしいよ。
 
 
 
話をうかがったうえで、君萬代の意味である「君(日本国)が萬年続くように。その国とともに(酒造りを)萬年続けるように」という言葉とお二人を照らし合わせると、「君萬代」の精神は小川さんご夫妻の心そのものでした。360年酒造りを続けてきた地元、取手への愛を強く持っているのです。
 

梅酒、甘酒もうまい! 「君萬代」は取手の味

 
「君萬代」が愛の酒。製造工程を見て、小川さん夫妻の話を聞いて感じていただけたと思います。
では出来上がった「君萬代」の味はどうでしょうか。飲んでみました!

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ふっと軽い辛味、上品な甘みが共存し、とても繊細な味わいの大吟醸酒(写真左)。これは……割烹や料亭に出てくる細やかな味わいを楽しむ料理と合わせるべき日本酒!
写真右の普通酒は大吟醸より辛味が前面に出て、塩辛い味に合わせるのがいいですね。普通酒全般の特徴は、地元の米を使っているということ。つまり、最も地元の味が出る日本酒です。

田中酒造の井戸水は角のない、少し硬さのある口当たり。どちらの酒からその味わいを感じました。
 

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こちらは「君萬代」でつくった梅酒。とっても甘く、日本酒独特の飲みづらさがありません。ロックでチビチビいくもよし、割ってグイグイいくもよし。お酒そのものを楽しみたいときはこちらを選ぶとよいでしょう。日本酒が苦手な方、女性に贈るにも最適です。

 

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そもそもお酒がダメという方にはアルコールゼロの甘酒もあります。
せいこさんオススメの牛乳割りで飲んでみると、うおお! まるでバニラアイスを飲んでいるような甘さ! 甘酒といえば「飲む点滴」と称される栄養価の高さ。牛乳割で砂糖不使用のグラノーラにかけて食べたら、朝から最高のスタートが切れそうだ!
 

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「このお酒は『君萬代』って言って、夫婦で切り盛りしてる酒造でつくってるんだよ。」
そのように「君萬代」の紹介をしたうえで酒盛りを始めれば、自然と夫婦の会話になっていく! しかもお酒が入って本音が出る。それは夫婦の「いい未来をつくる」贈り物と言えませんか?
 
ネットでお取り寄せも可能です。大切な人の記念日に、田中酒造のエピソードとともに、「君萬代」をプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
 
お店情報

田中酒造店

住所:茨城県取手市取手2-13-35
電話番号:0297-72-0011
営業時間:9:00-17:30 
定休日:月曜日・祝日
ウェブサイト:http://www.kimibandai.sake-ten.jp/
Facebook:https://www.facebook.com/kimibandai/

※この記事は2017年3月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:毎川直也

毎川直也

風呂が好きで、風呂デューサーを名乗り活動中。銭湯、スーパー銭湯、温泉旅館での勤務経験を持ち、銭湯に勤めながらメディア出演をしている。酒が弱いうえに小食なため、「メシ通」には間違いなく向いていないライター。

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【伊香保温泉】とにかく辛い「ガラマーチャうどん」を食べて、温泉で汗を流す【水沢うどん】

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香川の讃岐うどん、秋田の稲庭うどん、そして群馬の水沢うどん。これらは日本三大うどんと言われています(※諸説あり)。歴史あるところこそメニューはざる、かけうどんと、うどん本来の味をシンプルに楽しむのが流儀のような気がします。
今回そんな流儀はどこ吹く風、水沢うどんのカレーうどん専門店があると聞いて群馬県渋川市、伊香保温泉にやってきました!

 

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やって来たのは群馬の有名温泉地、伊香保温泉。石段街を中心に大小の旅館が軒を連ねます。
取材に来た3月はすれ違う人の半分くらいが大学生……楽しそうでうらやましい……。

 

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伊香保石段街から歩いて10分ほどのところにあるグルメスポット「食の駅」。
ここには水沢を代表する老舗「大澤屋」が運営する「游喜庵」が営業しています。

 

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看板に表記されている通り、ここはカレーうどん中心のメニューを展開しています。
ちなみに大澤屋本店ではざる、かけうどんオンリーの超正統派メニューの提供。そう考えると随分攻めた店舗なのだと感じます。

 

めちゃくちゃ辛くしたくてできた「ガラマーチャうどん」

貴重な水沢うどんのカレーうどん。今回のお目当てはこれ。 

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これは「ガラマーチャうどん(並 870円)」。辛さは☆5つ、MAXです。本格的なスパイスを使ってます感がすごい名前! のっかっているのは皮つき豚バラ肉です。
辛そうなにおいというわけでもなく、目に染みるわけでもない。辛いのは得意ではないんですが、いけそうな気がする!

 

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とろみのあるつゆと相性がよさそうな、気持ち細めの水沢うどん。原料は小麦粉、塩、そして水沢の水。水沢うどんは水沢の地で作られたものしか名乗れません。
「大澤屋」では水沢の水に麦飯(ばくはん)石をいれて寝かせます。するとミネラルが染み出し、水が柔らかくなるのだそう。こだわっています。

 

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うまい! 確かにスパイシーではある。でも辛いのが苦手な人でもいける優しい辛さ!
「ガラマーチャうどん」のつゆはカシミールカレーをベースに、「大澤屋」のうどんつゆを絶妙な配合で混ぜているのだそう。
カシミールカレーの辛味はコク、風味が薄くカレーうどんにはむかない……その辺を和風に、しかもおいしく仕上げるのが老舗の

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あとからきたああぁぁーーー!!
辛い!! 一呼吸置いてから、口がひりつく辛さがやってくる!!
うぁぁーー……でも、かめばかむほどうまい!! うどんの甘みがありがたい!!

 

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この辛さから逃れるべく、再び「最初のうま味、うどんの甘み」を求めてすすってしまう……辛味+うま味=止まらないとはこれのことか!!
ちなみにこのガラマーチャ、ヒンドゥー語の「ガラム(辛い)」と「アウルチャ(うまい)」を組み合わせた和製ヒンドゥー語。当然「ガラマーチャ」とネット検索をかけても、「游喜庵」の「ガラマーチャうどん」しかヒットしてきません。ここまで名前に忠実な食べ物、他にない!

 

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あ、汗が、止まらない!!
紙エプロンがカレーの飛び汁よりも汗から服を守ってくれている感があるな……。

 

伊香保露天風呂で汗を流す

そして、ここは温泉地、いくら汗をかいてもすぐに流すことができるのです!

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伊香保温泉にはタウンバスが走っており、名所を100円で結んでいます。
これなら汗をかいての移動でも風邪をひくことはなさそうです。

 

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「食の駅」からバスに乗って約10分、伊香保温泉の最深部にあるこちらが「伊香保露天風呂」。い~いレトロさですね。この建物の向かいにはぽこぽこと湧き出す源泉、そして伊香保、草の街づくりに大きく貢献した「ベルツ大先生」の銅像が佇んでいます。

 

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浴室は岩や木々が配された庭園風。湯船の縁の木材がいい味出してますね。
見ての通り脱衣場も露天のため、素早い「着替え術」が試される湯でもあります。

 

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ほんのりと濁った湯にはいると、気持ちは塩だれに浸かるうどん。うどんって食われる間際、こんなにいい気持ちなのか……!
なんと言っても温度が適温! のんびりと浸かっていても湯あたりすることはなさそうです。
ちなみにこの色、温泉に含まれる鉄分が空気に触れて化学反応をおこしたためと言われています。

 

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伊香保露天風呂から15分ほど歩いて石段街まで戻ってきました。見下ろす景色もまた絶景……! 都内にはない奥行が広がります。実はこの石段の下を通って各旅館へ温泉が供給されています。景観としても、温泉地としても重要な役割をもっているのです。

温泉で汗をかき、少し歩いて小腹がすいてきたところ。この階段を下り、歩いて「游喜庵」までいけば、2杯目のうどん、いける気がします。

 

2杯目で知る、うどんごとに違う辛うまさ

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石段街から敢えて歩いて15分、西日が差す頃に戻ってきました、再びの「游喜庵」です。やっぱり他のカレーうどんも気になるじゃないですか。みなさん同じように思うのか、お店の方の体感として「游喜庵」のお客さんは3~4割がリピーターなのだそう。

 

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辛さは☆3つ半、「スパイシーマサラカレーうどん(並 840円)」をチョイス。一番イメージが湧かなかったので気になりました。
ちなみにマサラとはスパイスを粉末にして混ぜたものを指すのだそうで、さらっとしたうどんつゆになっていますね。

 

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「ガラマーチャうどん」のような辛味の時間差を警戒し、口に入れてから様子を見ます。そしてカレーうどんあるあるの汁はねも警戒して白セーターは脱ぎ、汗対策のため一番薄着になっておきました。
今日ですこし成長した感がありますね。

 

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汁までいけました! ヒリつく辛さではなく、スパイスの香りがフッと駆け抜けていく……。
「ガラマーチャうどん」はつゆとうどんが一体となっていたのに対し、「スパイシーマサラカレーうどん」はつゆの辛さ、うま味と交代してうどんの甘さを楽しめる感じ! それぞれの主張を感じられますね。
2杯目を食べてリピーターが多い理由がわかりました。一杯一杯辛味、うま味が違ってるんです。

カレーうどんは9種類。あと7回楽しめる!

「游喜庵」には今回食べた2種類のほかに、あと7種類のカレーうどん、そして担々つけうどん、とり塩つけうどんを食べられます。

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一部のカレーうどんは店頭でお土産として購入可能、伊香保まで来られない方はネット販売もしています。パックのうどんと侮ることなかれ、もともと「游喜庵」のカレーうどんは通販向けに開発されたもの。こちらが本来の姿であり、「游喜庵」のカレーうどんとほぼ同じ味を楽しむことができます。

遠方の方はご自宅で、お近くの方は伊香保の空気を感じながらお店で汗をかきながらほおばってください! 汗をかいてからの温泉も最高ですよ!

 

お店情報

游喜庵

住所:群馬県渋川市伊香保町伊香保544-130(食の駅伊香保内)
電話番号:070-1062-5886
営業時間:平日11:00~17:00(LO)(夏は~18:00)、土曜日・日曜日・祝日10:30~18:00(LO)
定休日:不定休
通販サイト:http://www.osawaya.co.jp/fs/mizusawaudon/c/yukian

www.hotpepper.jp

※この記事は2017年3月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:毎川直也

毎川直也

風呂が好きで、風呂デューサーを名乗り活動中。銭湯、スーパー銭湯、温泉旅館での勤務経験を持ち、銭湯に勤めながらメディア出演をしている。酒が弱いうえに小食なため、「メシ通」には間違いなく向いていないライター。

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