すべて実食! 沖縄・南風原町「なごやめしフェア」の魅惑メニュー【お店で今も食べられる】

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グランパスゆかりの南風原町

昨年、仕事で何度か沖縄に足を運ぶ機会があった。ラフテーやゴーヤーチャンプルー、タコライスなど沖縄料理を堪能したのだが、濃い味付けが好きな名古屋人の私にとって、どれもど真ん中の味だった。

 

逆に、沖縄でなごやめしを出したらウケるのではないかと思った。そんな矢先、沖縄本島の南部にある南風原(はえばる)町で「なごやめしフェア」なるイベントが開催されるという情報が飛び込んできた。

 

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 実は、南風原町はJリーグ「名古屋グランパス」のキャンプ地。

「なごやめしフェア」は、町を訪れた選手やファンを歓迎し、キャンプを盛り上げるために昨年から開催しているそうで、今年で2回目となる。

 

キャンプ期間の2月4日(土)~12日(日)まで町内の飲食店21軒で味噌カツや手羽先、小倉トーストなどが食べられるほか、味噌煮込みの名店「山本屋 大久手店」や名古屋が誇る即席カレーメーカー「オリエンタルカレー」、あんかけスパの元祖「スパゲッティハウス ヨコイ」とのコラボメニューも楽しめるという。

沖縄料理となごやめしをかけ合わせると、いったいどんな料理が生まれるのだろうか?どうしてもこの目と舌で確かめたくなり、沖縄へと向かった。

 

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南風原町に足を踏み入れると、町のいたるところに名古屋グランパスを応援するのぼりがズラリ。

 

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ビルの壁面にも巨大なパネルが!

町を挙げて選手や関係者、ファンを歓迎しているのが伝わってくる。 

 

辛うまい! 台湾カレーミンチ

まず、向かったのは練習場となっている黄金森公園陸上競技場。

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ここに出店している飲食ブースでは2種類のコラボメニューが食べられるのだ。 

 

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出店しているのは、南風原町内にお店を構える「お祭り酒場 一笑懸命笑撃的」とその系列店「キッズレストラン カナカナ」。

まず「お祭り酒場 一笑懸命笑撃的」ブースへ行くと、ちょうど名古屋グランパスの公式マスコット・グランパスくんが表敬訪問中だった。

オーナーの松田一志さんとツーショット撮影をした後、メニューを注文。

 

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「お祭り酒場 一笑懸命笑撃的」では、名古屋発祥であるオリエンタルカレーの新商品「台湾カレーミンチ」と沖縄名物のタコライスとのコラボメニューを提供。

 

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それがこちらの「台湾カレー タコライス風」(500円)。

タコライスには欠かせないレタスやトマト、チーズのほか、ナーベーラー(食用ヘチマ)やカボチャ、ズッキーニなど野菜がたっぷり。これらはすべて南風原町産だ。

とくにナーベーラーとカボチャは町の特産とか。

 

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ニンニクや香辛料のパンチがきいた「台湾カレーミンチ」は、レトルトカレーではなく調味料として作られたもので、正直言ってかなり辛い。

しかし、チーズやたっぷりの野菜が辛さを和らげて、最後までおいしく食べられた。

 

実店舗でもなごやめしを提供中

「お祭り酒場 一笑懸命笑撃的」の実店舗では、「なごやめしフェア」終了後もオリジナルのなごやめしメニューを提供している。

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それがこちら「なごやみそ焼きチキン」(756円)。

 

「山本屋 大久手店」が味噌おでんに使う味噌に鶏肉を漬け込んでいます。味噌が染みるだけでなく、肉もやわらかくなりますからね。仕上げにも味噌をたっぷりと絡めながら焼き上げます。(川上睦貴店長)

 

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かむごとに肉のうま味と味噌のうま味が肉汁とともに一体となって口の中で広がる。

 

うん、これは名古屋の味そのもの。

 

お酒との相性は言うまでもなく、ご飯の上にのせてかっ食らいたい。

 

お店情報

お祭り酒場 一笑懸命笑撃的

住所:沖縄県島尻郡南風原町兼城292-2 大山ビル1F
電話:098-889-8655
営業時間:20:00~翌5:00(LO)
定休日:不定休
ウェブサイト:http://isshou.wixsite.com/isshou

 

沖縄食材&ヨコイのソース

話をフェアに戻そう。こちらのエリアには「お祭り酒場 一笑懸命笑撃的」ともう1店、系列店「キッズレストラン カナカナ」がある。

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「キッズレストラン カナカナ」では、南風原町産の豚肉で作ったパティとたっぷりの野菜をサンドした「3B(スリービー)バーガー」(500円)を用意。

 

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以前に『メシ通』でも紹介したことがある「スパゲッティハウス ヨコイ」の「マイルドスパイシーソース」を味付けに使っている。

 

南風原町はカボチャの産地としても有名なんです。パティと野菜をサンドしているのは、南風原町産のカボチャペーストを練り込んだバンズです。(松田さん)

 

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実際に食べてみたところ「マイルドスパイシーソース」がパティや野菜のうま味を見事なまでにまとめ上げていた。

さらにスパイシーな味わいも心地良いアクセントになっているではないか!

これ、名古屋で売り出しても絶対にウケると思う!

 

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「キッズレストラン カナカナ」の実店舗では「味噌かつ丼」(単品は700円・スープとサラダ、ドリンクが付くセットは1,000円)を提供している。

 

見よっ、このボリューム!

 

お店情報

キッズレストラン カナカナ ※2018年4月、業態変更により飲食店営業は終了

住所:沖縄県島尻郡南風原町兼城284-3
電話:098-987-1001
営業時間:11:00~15:00頃
定休日:不定休
ウェブサイト:http://ogaoga.ti-da.net/

 

本場の味噌かつを完コピ!

南風原町には「なごやめしフェア」終了後も、なごやめしを出しているお店はまだまだある。

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とんかつ専門店「かつ亭 南風原店」もその一つ。

 

ここでは、なごやめしの代表格ともいえる「味噌かつ定食」(850円)が食べられるのだ。

ビジュアルも名古屋の味噌かつと何ら変わらない。

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では、いざ実食!

ん?

名古屋では味噌ダレの味付けはやや甘めが基本だが、ここのは甘さ控えめ。これはこれでアリだと思う。

 

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実は、名古屋の味噌かつは食べたことがありません(笑)。味噌ダレは地元の味噌に和風ダシを合わせて作りました。昨年の「なごやめしフェア」からメニューに加えたのですが、すでにファンもいます。(女将の玉城幸恵さん)

 

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これが味噌ダレ。本場の味噌かつを食べたことがないにもかかわらず、ここまで完コピできるとは!

しかも、沖縄に赤味噌があることも驚いた。温泉卵や刻みネギをくわえると、辛さが和らいでまろやかな口当たりになると思う。

 

お店情報

かつ亭 南風原店

住所:沖縄県島尻郡南風原町与那覇510
電話番号:098-889-2142
営業時間:11:30~21:10(LO)
定休日:火曜日

 

【閉店】小倉&練乳クリームが絶妙!

最後はスイーツで締めくくろう。

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「ケーキとたまごの店 CAKE & EGG」は、「黄金森」という卵をたっぷり使ったスイーツが自慢。

 

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シュークリームやプリンなど、数あるスイーツのなかでも卵の濃厚な味わいがストレートに伝わる「バニラシフォン」(864円)が看板商品とのことだが、ここではどんななごやめしを出しているのだろうか?

 

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 「ウチはこれです。シフォンケーキと小倉クリームを合わせてみました」と、店長の知名真理さん。

 

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それが「小倉シフォン」(270円)。

ん? 名古屋で同じものを出すなら、これでもかとばかりに小倉を主張するところだが……。

もしや沖縄の人は控えめなのだろうか?

 

小倉とクリームの割合をいろいろ試したのですが、それぞれ半々ずつがベストでした。甘くなりすぎず、小倉の味が引き立つように、生クリームではなく練乳クリームを使っています。(知名店長)

 

実際に食べてみたところ、小倉とクリーム、いわば和と洋のそれぞれの持ち味が見事なまでに調和していて、めちゃくちゃうまい!

ベースとなるシフォンケーキのレベルが高いからこそ、この味が出せるのだろう。もしも、このお店が名古屋にあったら大評判となるに違いない。

 

お店情報

【閉店】ケーキとたまごの店 CAKE & EGG

住所:沖縄県島尻郡南風原町照屋361
電話番号:098-889-8653
営業時間:11:00~19:00
定休日:無休

 

※この記事は2017年2月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:永谷正樹

永谷正樹

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

過去記事も読む

「吉野屋」のきしめん地獄に麺食いブロガーが挑む【名古屋デカ盛り列伝】

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店内には大盛注意の貼り紙が

『メシ通』読者のみなさんはご存じかもしれないが、私は無類のきしめん好き。いつも麺は大盛を注文するのだが、それでもモノ足りないことがある。

一度でいいから、「もう食えねぇ……」ってほどきしめんを食べてみたい。そんな中、全国の大食いファイターをうならせる麺類食堂があるという情報を入手した。

って、私ゃ大食いファイターではないってば。大盛よりもほんの少したくさん食べたいだけなのだ。単身で勢いよくお店に殴り込みをかけるも返り討ちに遭ったら恥ずかしい。

 

チキンな私は、ラーメンを中心にきしめんやそばなどの麺類を年間500杯以上も食べまくる、ブロガーで友人のISOMAXに助っ人を頼んだ。

 

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 彼は以前に『メシ通』で紹介した「カフェテラス ダッカ」の「ハンバーグランチ大盛A」を完食! 強靱な胃袋の持ち主なのだ。

 

ISOMAXとともに向かったのは、名古屋市中区新栄の広小路葵交差点近くの路地にある「吉野屋」。

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一見すると、どこにでもありそうな麺類食堂だが、このフツーっぽさが逆にコワイ。なんてチキン野郎なんだ、私は。

 

店内にはメニューの量についての注意書きが貼られている。

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壁の貼り紙だけで、ここがメガ盛り店であることを思い知らされる。

 

ここにも念押しするように、別の注意書きが。

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一方、ISOMAXはこの「普通の方は大盛は絶対に食べられません」の一文を見て闘志がメラメラと沸き起こってきたらしい。

 

メニューは、うどんとそばのほか、名古屋ならではのきしめんと味噌煮込みもあり、どれにしようかとしばし悩む。完食を目指すのであれば、麺につゆが吸いにくい「ざる」、それも「そば」が有利ではある。

 

しかし、今回は私の大好物であるきしめんを腹一杯食らうのが目的のはず。そんなワケで、シンプルな「きつねきしめん」に決定。

 

ここで問題となるのは量である。私は並盛(610円)に決定。実はISOMAX、以前にここで「親子入り味噌煮込み」の中盛(1,150円)の完食に成功している。

店内の貼り紙にあるように、ここの中盛は約2kg。尋常な量じゃない。

 

ISOMAX、キミはスゴイ人だったんだね……。

 

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手堅く中盛りでいくか、それとも大盛にチャレンジするか迷っていたその時、店主の畔柳謙一郎さんが一言。

 

「ちなみに、これが並盛と大盛の丼です。」

 

なっ、何じゃそりゃぁぁぁ!!

 

並盛でも巷の麺類食堂で使っている丼よりもはるかに大きい。

大盛用の丼は洗面器くらいのサイズ……。直径はおよそ50cmはあるだろうか。まさに悪夢としか言いようがない。

 

ここまで強がっていたISOMAXも目が泳ぎまくり、明らかに動揺している。が、それを振り払うように「大盛を!」とISOMAX。

心なしか彼がイケメンに見えたぞ。

 

たった1杯で約15人前! 

待つこと約10分。最初に運ばれてきたのは、私が注文した「きつねきしめん」並盛だった。

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この丼、通常のものよりもかなり高さがあって、底まで麺がぎっしり。畔柳さんによると、並盛の麺は450gとか。明らかに2人前以上のボリュームだ。

 

続いて、畔柳さんが腕をプルプルさせながら運んできた「きつねきしめん」大盛(1,350円、ただし一人で完食の場合のみ)がISOMAXの目の前に!

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ひぇぇぇっ!

先ほどのイケメンぶりから一転、、ホラー映画的な悲鳴を上げるISOMAX。

 

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それもそのはず、大盛も丼の底まで麺がぎっしりなのだ。

驚くなかれ、その重量3.2kg!

並盛の約7人前だが、ここの並盛は通常の2人前以上だから、ボリュームも15人前近くになる。

 

たった1杯なのに15人前……。

 

思わず私も「ひぇぇぇっ!」と叫びたくなる。

 

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ちなみに並盛と大盛を並べるとこんな感じ。

もう話にならない。いかに大盛が巨大なのかが分かるだろう。

ちなみに麺はモチモチ&ツルツルの自家製麺で、つゆはムロアジとカツオがベース。巷の麺類食堂よりも上品な味わいだ。

 

食べても食べても麺が減らない

ってことで、開始のゴング!

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 気持ちを切り替えたのか「いっただきま~す」とISOMAXは満面の笑み。

それでこそフードファイターだ!

 

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気合い十分に麺をすすりまくりのISOMAX。

うん、いいぞ、その調子! 私もヒィヒィ言いながら並盛に食らいついた。

ところが、食べても食べても麺が減らない。半分よりもやや多めの量を食べたあたりで満腹ランプが点灯。ここで休んでは麺がのびてしまい、余計にツラくなる。必死でかき込んでようやく完食。ふぅ。

 

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ここからはISOMAXの応援に専念しよう。必死の形相で麺を食らうISOMAX。

箸を思いきり開き、麺をつかめるだけつかんで口の中に入れているが、その表情は明らかに苦しそうだ。頑張れぇっ!

 

これぞメガ盛りスパイラル

開始から約20分。ISOMAXの箸が止まった。

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丼を見ると、まだかなり残っている。

 

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ついにうつろな眼差しで遠くを見つめはじめた。

これ、ダメなパターンじゃん! イヤな予感がする…。

 

「時間が経てば経つほど麺がのびてしまい、いくら食べても量が元通りになってしまう。メガ盛りスパイラルだ……。」

 

ここにきて弱音を吐くISOMAX。大丈夫か!?

 

再度、箸を動かそうとするも、身体が拒否反応を示しているのか、まったく進まない。

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天を仰いだISOMAX。

 

そして、

 

絞り出すように語った。

 

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「いや、無理だって! オレはフードファイターじゃないからっ!!」

 

開始のゴングから24分37秒、ISOMAXのKO負けが決まった。

 

大盛り成功率は約1割

「吉野屋」は平成4年に開店。畔柳さん自身が食べることが大好きで、お客さんに満腹になってもらおうと、当初から量は多めだった。

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「丼が割れたので、買ってきた新しい丼にそれまでの量を入れたところ、どうも見た目が悪い。それで麺を増やしたらバランスが良くなりました。こんな感じで、丼を替えるたびに量が増えていきました。中盛や大盛のメニューを出すようになったのは10年以上前になります。中盛は8割方成功するのですが、大盛の成功率は1割くらい。やはり、普通の人では無理ですよ。」(畔柳さん)

 

名古屋でも有数のデカ盛り店として有名になった反面、困ったことも多いという。それは、興味半分で注文して大量に食べ残すお客さんの存在だ。せっかく丹精込めて作ったものを捨てるのは料理人として忍びないという思いから、畔柳さんはやむをえず食べ残したお客さんにペナルティーを科す決断をした。

 

「中盛を残した場合は並盛の倍の値段、大盛は並盛の4倍の値段を支払っていただきます。例えば「きつねきしめん」の並盛は610円ですから、中盛を残されたら1,220円、大盛は2,440円となります。もちろん、注文時にそれを伝えて、お客さんも承諾した上で挑戦していただいています。」(畔柳さん)

 

ってことで、ISOMAXも食べ残したことを丁重に詫びて、2,440円を支払った。

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「もう一度、顔を洗って出直してきます……」と、うなだれるISOMAX。

 

お腹に自信がある読者のみなさん、是非とも挑戦して彼のカタキを敵をとってくれ!

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※この後スタッフですべていただきました。

 

お店情報

吉野屋

住所:愛知名古屋市中区新栄1-6-3 シャインビル1階
電話番号:052-241-0358
営業時間:11:00~15:00、18:00~20:00 ※月曜日・土曜日は11:00~14:00
定休日:日曜日、祝日

 

名古屋めしライターが激オシする「鉄板メニュー」おすすめ店はここだ!

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名古屋めしの必須アイテムといえば何をイメージするだろう?

味噌? ピリ辛の台湾ミンチ? それともたまり醤油を思い浮かべるマニアックな人もいるかもしれない。

 

ほら、まだ忘れているモノがあるではないか。

それは「鉄板」である!

 

名古屋エリア以外では鉄板は主にステーキやハンバーグなどの肉料理に用いられる。いわば、セレブな料理の象徴なのである(笑)。しかし、名古屋では大衆文化の象徴ともいうべき喫茶店から「鉄板メニュー」は生まれ、広がっていったのである。

 

「喫茶 キャラバン」の定番イタスパ

鉄板を使った、もっともメジャーなメニューは、名古屋の喫茶店で食べられるイタリアンスパゲティ、通称「イタスパ」だろう。熱々の鉄板に盛られた「イタスパ」がジュージューと食欲をそそる音を立てながら運ばれるとき、テンションはMAX! この、何ともいえないリッチな気分が名古屋人にはたまらなく心地良いのである。

 

そもそも「イタスパ」が誕生したのは昭和30年代。東区の車道商店街にある喫茶店が発祥である。マスターがイタリア旅行へ行った際にトマトソースのスパゲティを食べたものの、途中で冷めてしまったことに不満を持った。

しかし、その翌日に鉄板焼きのステーキを食べ、これならいつまでも熱々のものが食べられると思い、帰国後にスパゲティを鉄板にのせたのがはじまりだ。マスターのもくろみ通り、「イタスパ」は大評判となり、瞬く間に市内に広がった。

 

私がオススメする「イタスパ」はここ、名古屋市内の東区泉2丁目にある「喫茶 キャラバン」で食べられる。

 

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お店は1981(昭和56)年創業。店内には麻雀のゲーム機が置いてあったり、レトロな雰囲気が心地良い。

 

では、さっそくお目当てを。

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これが看板メニューの「イタリアンスパゲティ」(750円)。

あんかけスパにも使われる極太麺が何ともうまそうである。通常、巷の「イタスパ」の味付けはケチャップを使う。それがまた懐かしい味わいを醸し出すのだが……。

 

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ウチはケチャップで炒めた豚肉と玉ネギ、マッシュルームをワインでじっくりと煮込んだ自家製のトマトソースを使っています。この方が味に深みが出るんですよ。

 

マスターの大保康高さんはそう語る。

 

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また、鉄板に流し込む溶き卵には生クリームをプラス。固まりにくいので時間が経ってもフワフワの食感が楽しめる。

従来の「イタスパ」をブラッシュアップさせた逸品だ。

 

お店情報

喫茶 キャラバン

住所:愛知名古屋市東区泉2-3-22カーサ南白壁1F
電話番号:052-931-3898
営業時間:7:30~21:00(LO 20:30)
定休日:不定休

 

「キッチン はせ家」の迫力満点「ミートソース」

鉄板スパは何も「イタスパ」だけではない。「イタスパ」を出すお店の多くは「ミートソース」やインディアン(カレー)も用意している。

「イタスパ」が代名詞的な扱われ方をするのは、あまりにも有名になりすぎたからだ。しかし中には、「イタスパ」よりも「ミートソース」の方が評判のお店もある。

それが東区泉1丁目にある洋食店「キッチン はせ家」だ。

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こちらは1963(昭和38)年に「純喫茶はせ」として創業。ルーツは喫茶店だったのだ。

 

'98年に店を改装し、洋食店としてリニューアル。

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周辺はビジネス街のせいか、お昼時は近くで働く方々が吸い込まれるように入り、あっという間に満席になってしまう。

 

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鉄板スパは創業当時からレシピはまったく変わっていません。喫茶店時代には、わざわざ遠方から食べに来るお客さんもいたと聞いています。

 

そう語るのはチーフの小川正治さん。いかにもおいしいモノを作ってそうな小川さんの体格にいやが応でも期待が膨らむ!

 

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これが「はせ家特製ミートソース」(800円)。

麺は食べ応えのある2.2ミリの極太麺。

その上にたっぷりとかかっているソースは、牛すじや香味野菜を長時間コトコト煮込んだブイヨンがベースの濃厚なデミグラスソース。肉と野菜のうま味がギュッと凝縮され、後を引くうまさ。

 

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なによりも、この頼もしい量! ボリュームは“小川さん基準”だという。

 

私が満足するかどうかで決めました。これでもモノ足りない方は大盛(+200円、写真)やご飯と味噌汁がセットになった「スパゲティランチ」(950円)もあります。炭水化物×炭水化物ですが、意外に人気なんですよ。(小川さん)

 

味も見た目も、説得力あり過ぎ!

 

お店情報

キッチン はせ家

住所:愛知名古屋市東区泉1-21-1
電話番号:052-971-3192
営業時間:11:00~14:30
定休日:日曜日、祝日、第3土曜日

 

個性的!「喫茶 亀」の「どてスパ」

次に紹介するのは鉄板スパの進化形ともいうべき一品。

ママさんが試行錯誤を重ねて完成させたある名古屋めしと鉄板スパのありそうでなかったコラボメニューだ。

それを出しているのがこちら。名東区名東本通にある「喫茶 亀」

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近くに大学があり、ひと昔前はお腹を空かせた運動部の学生たちが足繁く通っていたそうで、喫茶店というよりは定食屋さんに近いかもしれない。

 

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創業は1975(昭和50)年。店内は創業当時の雰囲気がそのまま残っている。 

 

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これが名物の「どてスパ」(700円)。

ご覧の通り、鉄板スパの上に名古屋めしである「どて煮」がテンコ盛り。

通常、「どて煮」は牛すじや豚ホルモンなどを用いるが、ここは脂が少なくて味が濃厚な牛スネ肉を使っている。

 

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ママさんの柴田良子さん(隣はマスターの一成さん)は語る。

 

もともとウチのメニューは家庭料理の延長なんです。30年ほど前に「どて煮」をメニューにくわえようと思って、マスターと一緒に食べ歩いて味を研究しました。いろんなお店の「どて煮」を食べて考えたのは、牛すじやホルモンだと好みが分かれるということ。だからスネ肉にしようと。仕込む際に脂をきれいに取り除いていますから、食べやすいと思いますよ。

 

肝心の味だが、とにかく豆味噌のコクと肉のうま味のバランスが絶妙な上、しっかりと煮込まれた大根や玉ネギ、コンニャクの食感もよい。

一味唐辛子の刺激も心地良いアクセントとなっていて、麺がすすむ。……というよりは、ご飯がほしくなる(笑)。

 

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当初は「どて煮」とどて丼だけでしたが、'95年頃に名古屋駅の近くにあるホテルで味噌ベースのソースをかけたスパゲティを食べたんです。うちの「どてスパ」はそれがヒントになりました。ご飯と一緒に注文されるお客さんもいますし、プラス400円で唐揚げ(または白身魚フライ)とご飯が付くセットも人気です。(柴田さん)

 

「どて煮」といえば、名古屋の居酒屋さんの定番。それを喫茶店で、しかも鉄板スパにのせてしまうというアイデアには脱帽である。

私自身、これまで数え切れないほどの「どて煮」を食べてきたが、かなりレベルが高いと断言できる。

 

お店情報

喫茶 亀

住所:愛知名古屋市名東区名東本通5-13
電話番号:052-701-0607
営業時間:7:30~20:00(LO 19:45)
定休日:日曜日

 

鉄板+小倉トースト「神戸館」

最後に紹介するのは、鉄板を使ったスイーツ。

熱々の鉄板と甘~いスイーツ、それぞれ対極的な位置にあるような気がするが、それを融合させてしまうところがモノ作り王国・名古屋の誇りなのだ。

しかとご覧あれ!

 

鉄板スイーツが食べられるのは、中区錦1丁目の錦通沿いにある「喫茶 神戸館」

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店内にはベロア生地に覆われたワインレッドの椅子が並び、老舗っぽい雰囲気を醸し出している。

が、オープンしたのは6年前。古き良き時代の喫茶店を再現しているのだ。昭和世代のハートをくすぐり、いつも店内は多くのお客さんで賑わっている。

 

フードメニューは鉄板スパのほか、日替わりランチで焼肉や生姜焼き、ハンバーグも鉄板で提供される。

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鉄板を使ったメニューのなかでも一際異彩を放っているのが、この「鉄板小倉トースト」(650円)。

見ての通り、熱々の鉄板の上にアイスクリームをトッピングした小倉トーストがオン。

 

「別添えのシロップをかけてお召し上がりください」と、店長の高桑昌志さん。

言われた通りにやってみた。

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ジューーーーッ

という音とともに湯気が立ち上る。

ん? この香りはコーヒー? とりあえず、食べてみよう。鉄板の熱とアイスクリームの冷たさが口の中で一つに。

 

うっ、うまい!

おや、コーヒーの香りと味も広がるぞ。

 

やはり、シロップにはコーヒーが入っていたのだ。アイスクリームの甘さとコーヒーのほろ苦さも絶妙。いろんな味や食感が入り混ざっているものの、飲み込むときには一つになるのだ。そのさまは閉鎖的に思われがちだが、付き合ってみると異文化ウェルカムな名古屋人の気質とよく似ている。

 

それにしても、なぜこのようなメニューを作ったのか。高桑さんに聞いてみた。

 

ウチの経営母体はコーヒー豆の焙煎会社でして、社長が前店長に鉄板で何か作れとムチャ振りしたそうです。そこで、名古屋名物の小倉トーストと鉄板、そしてウチのコーヒーを一つにしてしまえ、と。アイスクリームにエスプレッソをかけて食べるイタリアのデザート、アフォガードがヒントになったようです。(高桑さん)

 

シロップは苦みがきいた深煎りのコーヒーとシロップを合わせて煮詰めてあり、やはりこれが味のポイントのようだ。

見た目のインパクトとジュージューという音、熱さと冷たさ、そしてコーヒーの香り……。

 

これは五感で楽しめるスイーツだ!

 

お店情報

喫茶 神戸館

住所:愛知名古屋市中区錦1-13-36
電話番号:052-222-2422
営業時間:7:00~16:00 ※土曜日は~14:00
定休日:日曜日、祝日
ウェブサイト:喫茶 神戸館

※この記事は2017年2月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:永谷正樹

永谷正樹

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

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全長ナント35cm! 名古屋「海老どて食堂」の超特大エビフライがデカ過ぎる

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30年以上前、タモリさんがテレビやラジオで「名古屋の人はエビフライをごちそうだと思っている」とイジっていたようだ。

 

名古屋人として言わせてもらうと、たしかにエビフライは好きだが、ごちそうとまでは思っていない。しかし、それをきっかけにエビフライを名古屋名物として出すお店が増えた(笑)。転んでもタダでは起きない名古屋人気質を如実に表しているエピソードだ。

 

パンチの効いた名物「海老どて」

名古屋ではエビフライが大きければ大きいほどお店の評価が高くなる。が、エビフライに特化したお店は他のなごやめしのお店に比べて少ない。とんかつ店や和食店、洋食店が名物としてジャンボエビフライを出しているのが現状だ。

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そんな中、4年前に名古屋駅新幹線地下街エスカ内にオープンした「海老どて食堂」は、名古屋で唯一のエビフライ専門店である。 

 

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店内には巨大なエビフライのオブジェが天井からドーン!

平日でも名古屋に出張中のビジネスマンを中心に賑わっている。

 

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名古屋でひと仕事終えた彼らがお酒のアテにしているのが、店名にもなっている名物の「海老どて」(6本 853円~)

 

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溶き卵をくわえて、よりまろやかな口あたりにしたどて味噌に、揚げたてのエビフライをくぐらせる。ちなみにエビフライは、甘みが強いバナメイエビを使用。八丁味噌をベースとしたどて味噌が海老の甘みを引き出している。

 

エビフライはタルタルソースやウスターソースでなければならないという既成概念をブチ壊したメニューだ。

お昼はご飯と味噌汁、漬物が付く「海老どてランチ」(1,382円)も用意している。

 

その場で作る絶品タルタルソース

エビフライは大きさで勝負するのが名古屋。そこで「海老ふりゃ~定食」(通常1,814円、昼のランチ時は1,598円)を注文してみた。

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で、出てきたのがコレ。

2本の特大エビフライが皿に鎮座している。特大エビフライが大きさにして20cm超といったところか。

 

うん、十分に大きい。これは食べ応えがありそうだ。使っているのは大ぶりなブラックタイガーとか。

 

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ウスターソースで食べるのもイイが、着目すべきはタルタルソース。ココのタルタルソースは、スライスしたゆで卵をつぶして、その場で作るのである。エビフライに出来たてのタルタルソースをたっぷり付けると、海老の甘みやプリプリの食感が一層引き立つ。

 

もう、ご飯がすすみまくり!

 

歓声が上がるほどのデカさとは

XLサイズのプリプリなエビフライを思いっきり堪能していると、女将の藤田真由美さんがニヤリと一言。

 

これで驚いていてはいけません。実はウチの名物はコレ以外にもあるんです。(藤田さん)

 

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フト見れば、その手には皿からハミ出るほど大きなエビフライが。

 

なっ、何じゃそりゃぁぁぁっ!

 

コレがウチの名物「日本一!! 特大海老ふりゃ~」です!(藤田さん)

 

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▲日本一!! 特大海老ふりゃ~(単品 2,354円、定食 2,764円)

 

あまりの大きさに皿にのりきらず、はみ出しているではないかっ!

 

その大きさは……。

 

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実は箸袋に目盛りが書かれていて、それで長さを測ることができるのだ。箸袋そのままではエビフライが大きすぎて測ることができないため、箸袋をタテに破ってエビフライにあてがう。

 

長さ、ナント35cm!

 

私もこれまで大きさをウリとしたエビフライを幾度となく見てきたが、ここまでデカいのはなかった。間違いなく名古屋一、いや、日本一大きなエビフライと言ってイイだろう。

 

20数cmのエビフライはときどき見かけますが、お客さんがビックリするくらいの大きなものを出そうと思ったんです。いろいろと探し回って、やっと見つけたのが東シナ海で捕れるシータイガーというクルマエビ科のエビでした。席へ運ぶたびに「おお~っ!」と、歓声が上がります(笑)。スマホを片手に写真を撮るお客さんが多いですね(藤田さん)

 

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大きさを楽しんでもらおうと、あえてカットしていないのも特徴。食べる際には丸ごとかぶりつくか、箸とともに用意しているハサミで切って食うべし。

 

肝心の味だが、その大きさだけに大味なのは否めないものの、しっとりとした食感はほかのエビでは味わえないものがある。

 

何度も言うが、名古屋ではエビフライは大きさで勝負! なのだ。

 

お店情報

海老どて食堂

住所:愛知名古屋市中村区椿町6-9 エスカ地下街
電話番号:052-459-5517
営業時間:11:00~22:00(LO 21:00) ※ランチタイムは11:00~14:00
定休日:※1月1日、2月の第3木曜日、9月の第2木曜日
ウェブサイト:http://www.ebidote-shokudo.jp/

※この記事は2016年12月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:永谷正樹

永谷正樹

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

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洞窟風の店内で食す「クロマニョン」の創作ジビエコースは肉、肉、肉の供宴だった!【名古屋】

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血が騒ぐ! ド迫力のステーキ

シズル感たっぷりの肉を見たとき、多くの人は理屈抜きに「食いてぇ!」と思うだろう。これは狩猟民族としての、心の奥底からの魂の叫びなのだ。

お上品でオシャレなステーキやブランド牛を使った焼肉もイイが、骨付きのゴツイ肉にかぶりつくのが狩猟民族スタイルである。

 

そんな欲求を満たしてくれるのが、2016年9月、名古屋駅前にオープンした「NO MEET NO LIFE CRO-MAGNON(クロマニョン)」だ。

 

店内はクロマニョン人が遺したラスコー洞窟をイメージ。

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いたるところに壁画が描かれている。教科書にも出てきた「ラスコー洞窟の壁画」だ。

天井付近には猪と山羊の剥製が!

雰囲気も十分で狩猟民族の血が騒ぐ!

 

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オーナーの佐藤健一さんは語る。

 

ウチのウリは、はるか太古の昔、クロマニョン人が食べていたであろうゴツイ肉です。とはいえ、肉は厳選しています。スコットランドのアンガス州原産で、霜降りと赤身のバランスが絶妙なブラックアンガス牛がメインです。しかも、熟成させることで、やわらかさとうま味を増しています(オーナー・佐藤さん)

 

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熟成ブラックアンガス牛をいちばん美味しく食べられる方法として佐藤さんが選んだのは、900℃の高熱オーブンでの調理。肉そのもののうま味を封じ込めるべく一気に焼き上げるため、表面はカリッと香ばしく、中身はジューシーに仕上がるという。

 

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狩猟民族よ、これが名物の「Tボーンステーキ」だ!(1gあたり13円)。

 

T字形の骨をはさんで、片側にヒレ、もう片側にサーロインという超ゼイタクな肉だ。こんなの、うまいに決まってる!

 

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そして圧巻はネイティブアメリカンの斧、トマホークを連想させる骨付きの「トマホークステーキ」(1gあたり12円)。

 

1.2kg以上あり、パーティーを盛り上げるにはぴったり。豪快に手づかみでかぶりついてほしい!

 

5,000円ジビエコースの中身とは

 

ウチの自慢はゴツイ肉だけではありません。とりあえず、これらを食べてみてください(オーナー・佐藤さん)

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そう言って、佐藤さんが目の前に運んできてくれたのが、シュー皮に何かを詰めた料理。

 

ん? レバーっぽいけど、鶏レバーよりも濃厚な味わい。その中にほのかな甘みも感じる。なんだ、これは!?

 

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二皿目が鶏ササミの刺身っぽい一品。

 

ワサビをベースとしたソースによく合う。うん、食感も鶏ササミに近く、淡泊な味もクセになる。

 

シュー皮に入っていたのがコースのアミューズ(口取り)「鹿レバーペーストのプチシュー」です。次に召し上がったのが秋田県産のウサギ背肉を使った前菜「うさわさ」です。そう、ウチはジビエもウリなんです。(オーナー・佐藤さん)

 

しっ、鹿ぁ!? ウッ、ウッ、ウサギィ!? 思わず、生きている姿を想像してしまったが……。食べてみたら、うまい! 考えてみれば、ココのテーマは「狩猟民族の食卓」だから、ジビエが楽しめるのはごく自然のことか。

 

佐藤さんによると、ココで食べられるのは、地元愛知・足助産の猪や鹿、岩手産の鴨、宮崎産のキジ、長野(または埼玉)産のうずらなど。いずれも専門の加工場でしっかりと下処理してあるため、クセやくさみがなく、美味しく食べられるという。でも、ジビエは高級なイメージがあるけど……。さぞかし、お高いんでしょ?

 

いえいえ、牛や豚、鶏以外にこんなにも美味しいものがあるんだということを知ってほしいという思いから、値段は抑えています。先ほど出したのは、全8品の「創作ジビエコース」の一部(写真はすべて2人前)ですが、5,000円で楽しめます。(オーナー・佐藤さん)

 

これで5,000円! フレンチやイタリアンなら最低でも1万円近くは覚悟せねばならないところだが、何なんだ、この安さは! しかも、肉料理は豪快なのに、ジビエは一転して女子ウケしそうなオシャレな盛り付け。

 

「可愛そうだけど美味しい~」なんて言いながら食べるんだろうなぁ。ってことで、コースの続きを紹介しよう。

 

メイン3品は怒濤の肉攻め!

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こちらは前菜の「ジビエのパテ パレットサラダ」。猪や鹿、ウサギ、鴨、キジなど、店で扱うすべてのジビエ肉が入ったパテ。

 

大きめにカットした肉がゴロッと入り、それぞれのうま味が堪能できる。たっぷりの野菜との相性も抜群だ。

 

なんと、メイン料理は3品!

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まずは「猪肉のコンフィ」。

赤身と脂のバランスが良い足助産の猪のロースを使用。低温のラードでじっくりと火を入れてあるので、角煮のようなホロホロ食感。豚よりも甘みがあり、さっぱりとした口当たり。

 

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メイン2品目は「鹿肉のスペアリブ」。

本州産の鹿(または北海道産のエゾ鹿)のバラ肉をワインと醤油で軽く煮込み、オーブンでじっくりと焼き上げた一皿。手づかみでワイルドに食すのがCRO-MAGNONスタイル。

 

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最後のメインは、「鹿スネ肉のポトフ」。

骨付きの鹿スネ肉をブイヨンとともに煮込んだ黄金色のスープは上品そのもの。うま味がしっかりと染みたペコロスやブロッコリー、カブ、キャベツ、ニンジンなどの野菜も絶品!

 

シメのご飯までもやっぱり肉

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コースを締めくくる食事もジビエ。

猪と鹿の合挽肉に木の実を入れて作ったミートボールに骨を指した「ミニマンガ肉」をのせた「ミニマンガ肉のロコモコ丼」。肉は粗挽きにしてあり、かむごとに肉汁がジュワッと広がる。

 

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デザートは、「ジュレ・ド・ランブルスコ」。

微発泡の赤ワインをベースとしたゼリー。肉料理を楽しんだ後の口内をリセットさせるには最適。旬のフルーツとともに楽しんで!

 

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この「創作ジビエコース」(全8品 5,000円  ※写真はすべて2人前)コースの注文は2名~、前日までに要予約。仕入れの状況や時季によって、メイン「鹿スネ肉のポトフ」は他の煮込み料理に、またデザート「ジュレ・ド・ランブルスコ」は内容が替わることも。

 

ジビエは秋・冬のイメージが強いが、ココでは通年楽しめるのも特徴。何といってもワインとの相性が良いので、肉とワインが好きならハマること間違いナシだ!

 

お店情報

NO MEET NO LIFE CRO-MAGNON(クロマニョン)

住所:愛知名古屋市中村区椿町2-3 T-WESTビル3F
電話番号:052-446-6075
営業時間:17:00~24:00
定休日:月曜日(12月は無休)

※このお店は現在店舗運営状況が確認できておりません。
飲食店の掲載情報について。

 

書いた人:永谷正樹

永谷正樹

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

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【名古屋デカ盛り列伝】全国にその名をとどろかせる「店麺多房 あいうえお」の驚愕メガ盛メニュー

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炭水化物メガ盛! 病気ライス

名古屋、平針にある「店麺多房 あいうえお」。その名を聞いて、条件反射的にピクッと反応したアナタ! アナタは間違いなく大食いマニア。

なぜなら、名古屋はおろか、全国にもその名をとどろかせる有名メガ盛店なのだ。

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地下鉄鶴舞線平針駅1番出口から東へ徒歩3分に、大食いマニアの聖地はある。

 

私は大食いマニアではないが、ココは学生時代にはお世話になったお店のひとつである。何せ、パスタは並盛で150g。

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これは他店ではもう立派な大盛サイズだ。腹ペコの貧乏学生にとってはウレシかった。熱々の鉄板でいただく「なつかしのナポリタン」(1,380円、写真上)もデフォルトでこのボリューム。

 

これでもの足りなければ1up(250g)、2up(500g)、3up(750g)も用意している。あ、これらは乾麺での重量となるので、ゆで上げると3倍になるのでご注意を(笑)。並盛で450gなので普通の人なら満腹だ。

 

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その後、ライターとなってからもメガ盛メニューを何度か取材した。それが今もメニューにある「病気ライス」(1,400円)だ。

 

400gの大盛カレーライスの隣に焼きそばと焼きうどんがそれぞれ一玉ずつ。つまり、1つの皿に3人前のメニューが盛られているのだ! いったい炭水化物の含有率はどうなってんだか(笑)。

 

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賄いで食べたスタッフの「こんなに食べたら病気になっちゃう」というひと言でメニュー名が決まりました(笑)。一般の方が完食できる限界がこの量だと思います。いわば、ビギナーズラックですね。

 

そう話すのは二代目店主の永田国大さんだ。

大食いマニアにとって、「病気ライス」程度のボリュームはまさに朝メシ前。ココのメガ盛メニューの破壊力は、まだまだこんなモノではない。

 

重量2.8kgの爆盛トルコライス

永田さんが不敵な笑みを浮かべながら運んできたメニューに目がクギ付けになった。

なっ、何じゃこりゃぁぁぁ!?

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それが「トルコライス」(2,500円)である。

トルコライスといえば、豚カツとピラフ、スパゲティ、サラダがひと皿に盛られた長崎県発祥のご当地グルメだが、ココのはカレーと炒飯、パスタ、ハンバーグがテンコ盛り。

 

永田さんによると「インド(カレー)と中国(炒飯)、パスタ(イタリア)の真ん中にあるのがトルコです!」と、わかったような、わからないような解説(笑)。真ん中にあるのハンバーグの発祥は、ドイツのハンブルグだが、細かいツッコミはナシの方向で(笑)。

 

ちなみに重量は驚愕(きょうがく)の2.8kg!

信じられないことに大盛も可能である。1up(+800円)が倍の5~6kg、2up(+2,000円)が7kgオーバーと、まさに悪夢以外の何物でもない。で、さらにその上をいく3upはというと……。

 

2upまではオーダーがあったのですが(!)、さすがにまだ3upはないんですよ。だから私にもわかりません(笑)。そういえば2upをオーダーしたのは小柄で華奢な女性のお客さんでした。ええ、ちゃんと完食されましたよ。(永田さん)

 

世の中は広い……。                      

 

難攻不落の「名古屋盛金ライス」

しかし、大食いマニアの中でも超級クラスの大食い(?)には、トルコライスは比較的完食しやすいらしい。まったく理解できないが(笑)。

その秘密は、たっぷりのトマトソースがかかったパスタ。ソースの酸味が口の中をリセットし、次のひと口へのファイトが湧くのだ。そのおかげか、気合いを入れて作った永田さんの予想に反して、完食する猛者が続出した。

 

これが、あろうことか永田さんのメガ盛クリエイターとしての創作意欲に火を付てしまった。

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難攻不落のメニューとしてこの世に送り出したのが「名古屋盛金ライス」(2,600円)。


炭水化物の大海原にエビが浮かんでいる!

焼ききしめんと味噌ピラフ、インディアンパスタ、その上に大ぶりなエビフライがどーんとのっている。重量はトルコライスと同じ2.8kg。

なごやめしらしく、皿の一面が真っ茶色(笑)。食欲が刺激されるよりも見ただけで満腹になるのは気のせいだろうか?

 

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トルコライスと違って、口の中を中和させる要素は皆無。味噌とカレーが行く手をふさぐため、難易度はかなり高いです。それでも完食される方がいますけどね。ちなみにこちらも大盛可能です(笑)。(永田さん)

 

 

史上最強! 重量4kg「でらモコ」

メガ盛りメニューはまだまだある。大食いマニアたちから「史上最強」と評されるのが重量4kgオーバーの「でらモコ」(3,800円)である。

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カオス過ぎてよく分からない!

 

前出のトルコライスは皿全体の約1/3をナポリタンスパが占め、その適度な酸味が大食いマニアにとっては救いとなった。一方、こちらは皿の半分がナポリタンスパで、残り半分は白ご飯。それらを合わせて約4kg!

炭水化物×炭水化物の図式が成り立つのは、麺に適度な塩っ気があるからこそ。しかし、おかずとしてのポテンシャルが低いナポリタンスパでご飯を食べるのはかなりツライ。

 

ナポリタンスパとご飯の上にのるのは、約700gのビーフステーキとウインナー6本、レタスやトマト、キュウリなどの野菜、厚切りトースト1枚分の食パン。これらをおかずに約2kgのご飯を平らげるのもかなりシンドイ。しかし……。

 

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テレビの取材で某大食いアイドルにコレの大盛(約8kg)をクリアされました。しかも、食後にはパフェまで平らげました。あれは悔しかった(笑)。それと、開店前、駐車場に車を止めてラジオ体操をしている方がいたんです。開店と同時に店に飛び込んできてコレを注文して、3時間かけて完食しました。めちゃくちゃ気合いが入っているな、と(笑)。(永田さん)

 

……。

「なぜ登るのか」との問いかけに「そこに山があるから」と答える登山家と同様に、大食いマニアも「そこにメガ盛メニューがあるから」としか答えようがないのだ。よくわからないけど(笑)。

 

心安らぐ通常メニュー

念のために言っておくが、ココは大食いマニアの専門店ではない。もちろん、ノーマルな(とはいえ、他店よりも量が多いが……笑)メニューも用意している。

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こちらは、パスタで一番好評な「バジリコベーコン」(1,130円)。

ベースとなっているのは、ペペロンチーノ。オリーブオイルと唐辛子のさっぱり&ピリ辛はクセになる味わいだ。

 

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パスタがメインのランチも豊富で、中でも日替わりのパスタとカレーライス、サラダがセットになった「あいうえお満足ランチ」(1,390円)がイチオシ。

これも炭水化物×炭水化物だが(汗)、メガ盛メニューと比べればカワイイもんだ(笑)。平日のみならず、土・日・祝も用意しているというのもウレシイ。

 

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さらに驚くべきことに、和食も用意している! 実は永田さんはお店を継ぐ前にイタリアンのほかに和食のお店でも修業していたのだ。

ランチでは、籠盛りの小鉢とまぐろ刺身、エビフライ、一人鍋、味ご飯、お菓子のセット、「花より団子セット」(1,980円)がオススメ。和食だけに栄養バランスも秀逸だ。

 

私が学生だった頃は、ココのお客さんは若者が中心だった。しかし、和食メニューを揃えたことで、三世代の家族連れが来店することも今では珍しくはない。これからも幅広い世代に愛され続けていくことだろう。

 

お店情報

店麺多房 あいうえお

住所:愛知名古屋市天白区平針3-704
電話番号:052-803-8639
営業時間:11:00~15:00(LO 14:30)、17:00~23:00(LO 22:30)
定休日:不定休
ウェブサイト:http://www.e-aiueo.com/

※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

 

書いた人:永谷正樹

永谷正樹

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

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餃子66個999円!コスパ最強な炎の中華「下町の空」

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餃子一皿ナント99円!?

高いお金を払えば、美味しいモノが食べられるのは当たり前。安くてうまいモノを探し出すのがグルメライターとしての腕の見せどころである。

そのためにいつもアンテナを張っているのだが、ある日、国道41号線で車を走らせているときにビビッと反応した。

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それが名古屋市北区丸新町にある「下町の空(くう) 名北店」。一見、どの町にもあるファミリー中華チェーンのように思えるが……。

 

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目に飛び込んできたのが、「餃子一皿99円」という看板。

え、一皿で? 一個じゃなくて?

餃子の安さをウリにしている大手チェーンでも一皿200円前後くらいなので、約半額の値段……。これはムチャクチャ安いぢゃないかっ!

 

でも、仮に一皿に餃子3個だったら、99円という値段は妥当だ。真相を確かめるべく、店内にイン。

で、注文をして、出てきたのがこれ。

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餃子が6個乗っている!

焼き目はパリパリ、かむとモチモチの皮もさることながら、ジューシーな肉汁があふれ出すあんも激ウマ! 6個で99円とは信じられない。

ちなみに生ビール(中ジョッキ)は380円、それも一杯目はおつまみのサービスが付く。餃子と生ビールで、たったの479円!

安すぎる。

 

餃子定食が379円!?

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店長の板倉圭佑さんは言う。

 

平日17時~19時は生ビールを280円で出していますから、餃子+ビールでも379円でOKです。餃子を二皿注文しても、ワンコインでおつりが出ますよ。(板倉さん)

 

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一方、餃子をおかずにご飯が食べたいという人にオススメなのが、鶏肉やゴボウ、ニンジンなど具だくさんの「下町かやくめし」(280円)。

 

さらに、

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餃子を合わせても379円。

もう、立派な餃子定食だ。

それにしても、尋常ではないこの安さとうまさの秘密は何なのか?

 

自社のセントラルキッチンで一日数万個の餃子を製造しています。大量生産することで大量仕入れできるだけでなく、原材料費の価格を抑えることもできます。とはいえ、餃子だけ注文されてしまうと、利益はかなりキビシくなりますが……。また、餃子は国産豚肉のほか、食材を厳選しています。(板倉さん)

 

チョーお得な66個餃子

板倉さんの話に耳を傾けつつ、ふと、店内の壁を見ると、こんなPOPが。

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えっ!? 餃子が66個で999円!? 皿数にして11皿。ということは、単純計算して一皿99円×11皿で本来なら1,089円のはず。計算が合わないぞ。

 

「特盛餃子(999円)は夜限定メニューになりますが、これがウチの名物なんです。よろしければ、焼きましょうか?」と、板倉さん。

いや、今さっき一皿食べたばかりだし。遠慮しようと思ったが、板倉さんは焼く気マンマン。せっかくなので、お言葉に甘えることに。

 

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これが、自慢の餃子。セントラルキッチンから冷凍したまま直送される。

 

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手際よく焼き台に並べる板倉さん。

 

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焼き台いっぱいに並べられた様は壮観だ。

 

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少量の水をかけて蒸し焼きに。期待に胸が膨らむ。

 

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待つこと約5分で完成!

 

大好評! 餃子オンファイヤー

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「では、席でお待ちください」と板倉さん。

 

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ん? 餃子の上に何か液体をふりかけているぞ。

片方の手には火のついたライターが!

 

危険ですから、少し下がってください!(板倉さん)

 

まっ、まさか!?

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ファイヤーーーーーッ!!!

 

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こんな光景、見たことねぇーーー!!!!

 

火柱が高く上がるとともに、熱風が目の前まで迫ってくる。いったい何が起こっているというのか。

 

このフランベのサービスは、3年ほど前に上司から提案されて、やってみることにしました。おかげさまで大好評です。家族連れや友達同士などグループで来店される方は必ず注文しますね。(板倉さん)

 

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「特盛餃子」は皿ではなく、熱した鉄板で提供される。冷めにくく、いつまでも熱々が楽しめるのもウレシイ。

しかし見れば見るほど、餃子好きにはたまらない眺めではないか!

 

“味変”用に各種調味料を常備

見た目も壮観な66個餃子。しかし、少人数でこの数を平らげるにはかなり無理がある。同じものを食べ続けると飽きてしまうのではないか。

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それはお店側も懸念していて、味の変化を付けるために卓上の餃子のタレのほか、セルフサービスで醤油とマヨネーズを合わせた「照りマヨ」や紅ショウガを漬け込んだ醤油「紅醤油」など変わりダレのほか、マヨネーズやケチャップなども用意している。

 

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また、ニンニクやコチュジャン、紅ショウガなどの薬味も揃う。これらで味変すれば、飽きることなく完食できるだろう。

 

ガッツリ派にはラーメン&丼

最後にココの名物をもう一つ。

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「豚こく醤油らーめん」(680円)がそれ。

 

コクとうま味を凝縮した豚骨と鶏ガラのWスープは、ストレート麺との相性抜群。背脂もたっぷりで食べ応えも十分だ。

 

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平日のランチタイム(11:00~15:00 、LO 14:30)は、グランドメニューの麺類かご飯ものの代金にプラス20円で曜日替わりの丼やおかずとご飯のセットが付きます。ここだけの話、「豚こく醤油らーめん」は680円ですが、ハーフサイズの半盛は460円。20円を追加しても480円。ワンコインでランチが楽しめますよ。(板倉さん)

 

プラス20円という安さゆえに、ほんのオマケ的なものを想像したのだが、

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目の前に運ばれてきたのは、ボリュームのある丼だった!

 

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この日は「豚焼肉丼」だったが、小鉢とセルフサービスのコーヒーも付く。わずかな追加料金でこんなに豪華になるのは、名古屋の喫茶店のモーニングサービスと似ている(笑)。

昼は激安ランチを、夜は炎の「特盛餃子」を堪能しようではないか。

 

お店情報

下町の空 名北店

住所:愛知名古屋市北区丸新町126
電話番号:052-508-9295
営業時間:月曜日〜金曜日 11:00~15:00(LO 14:30)、17:00~翌1:00(LO 24:30)
土曜日・日曜日・祝日 11:00~翌1:00(LO 24:30)
定休日:無休
ウェブサイト:http://www.shitamachinoku.jp/

※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

 

書いた人:永谷正樹

永谷正樹

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

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