「サブカル界の帝王」杉作J太郎さんに聞く“お母さんの作った謎メニューの思い出”【おかんメシ】

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「パソコンがあったら自室にずっと引きこもっていたかもしれません」

「男の墓場プロダクション」の代表であり、漫画家、タレント、映画監督など数多くの肩書を持つ杉作J太郎氏。“食ヒストリー”を通して、氏のマルチな才能はどうやって育まれたのかを探ってみました。

 

── まずはどんな少年時代だったか教えていただけますか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plain漫画が好きでしたね。水木しげるさんとか望月三起也さんとか。あと松本零士さんの『男おいどん』。原作で映画『チョコレートデリンジャー』を撮ったから言ってるわけじゃないですけど、吾妻ひでおさん。エッチな漫画でいうと、永井豪さんよりも吾妻ひでおさんのほうが好きだったかもしれません。永井さんのはバイオレンスが強かったんですよ。吾妻さんのほうが不条理な感じ。僕は不条理なほうが好きだったのかもしれません。漫画や読書が好きな、文化系の子どもだったと思いますね。

 

── 小さい頃から漫画を描かれたりしていたんですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plain絵が好きでよく書いてましたね。中学生になってくらいからは、学校の友達と一緒に漫画を描いたりもしてましたね。3、4人で書いて、見せ合ってました。僕が一番下手で、劣等感を持っていたのは覚えています。ちなみに一番上手だったやつは、電通にいきましたね。いまは付き合いはないですけど、あれだけ上手いやつはセンスがあったんだなって今でも思います。ホント、あの頃からインドア派でしたね。パソコンがあったら自室にずっと引きこもっていたかもしれません。

 

── 漫画とかたくさんあるようなお家だったんですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plainいや、ないですね。全部僕のですよ。親が読んでいた小説はありましたけどね。でもそれも時代小説とかで、僕はあまり読まなかったですね。それで、中学生くらいからは映画館によく行くようになりました。テレビを見たり映画を見たりして。高校生くらいになると、勉強もしないでテレビばっかり見てるからよく怒られましたけど。

 

── 当時は娯楽といえばテレビでしたよね。今ならネットがあるけど。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plain昔はテレビの放送が夜の12時半~1時くらいに終わってましたけど、最後まで見てましたから。その当時の親に対しての言い訳でね、「僕は将来、映画とかテレビを作ったりする仕事に従事したいので、僕がしているのは勉強だ」って言い張ってましたね。そういう意味では正直に生きてきたとは思います。

 

── 夢をかなえたわけですしね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plainいや。むしろ、その時の言い訳を、本当にするために行動してきたのかもしれない。その時に口から出まかせを本当にするために、いま頑張っているのか……本当に信念を持ってやってきたのかは古すぎてもうわからないですけど(笑)。けど、当時、本当にそう思っていたのは事実です。

 

「僕の勉強は、テレビを見ることだから」

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── わりと「勉強しろ」という親御さんだったんですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plainしろというか、「お前、勉強しなくていいのか」ってね。「しなくていいんだ」って言い張ってましたけどね。僕の勉強は、テレビを見ることだからって。

 

── 映画はどんなものがお好きだったんですか。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plain子どもの頃は怪獣映画でしたね。ゴジラ、ガメラ、ウルトラマン、ウルトラセブン、キャプテンウルトラ……その時代ですけど。ちょうどそれが小学校1年生くらい。3年生くらいで仮面ライダー。まさにテレビ特撮の第一世代ですね。ゴジラはもうコメディーみたいな感じになってましたけど。

 

── 男の子は大好きですよね、特撮モノ。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plain最初は映画って、怪獣や怪人が出てくるようなものじゃないと見られなかったんですよ。大人が見るような映画は怪人も怪獣も出てこないから、つまんないと思っていました。ところが、中学生くらいになってくると、東映の映画を見ていると、怪人怪獣なみの役者がいるわけですよ。「人間でも怪獣みたいな人がいる!」って思ってですね。たぶんそれからずれたんだと思いますね。だからなるべくしていきついたといいますか、もちろん他社の映画も見てましたが、中学生くらいからは東映専門になるわけです。役者さんの顔が、一番すごかったので。物語的にも、怪人や怪獣に近かったですし。

 

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── 怪獣映画としてヤクザ映画を見ていたと。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plainそう、生易しい映画なんかじゃ移行できなかったと思うんです。

 

── ご両親と映画に行ったりとかは?

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plain怪獣映画とかは、両親と行っていたと思いますよ。でも、中学になってから、ヤクザ映画なんかはひとりで行きましたね。子どもながらに分かっていたんだと思います。親に言ったら行かせてもらえなくなるって(笑)。

 

── ご両親は、ヤクザ映画を見ないタイプだったんですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plainいや、見ていたとは思いますけど、ちょっと中学生には早すぎたというか……基本的に内容もいやらしいですしね。ポルノすれすれの内容ですから。だから、映画を見に行く時も、東宝の金田一耕助とか、松竹は寅さんとか、そういうのは友達と見に行った記憶がありますけど、東映はいつもひとりで見てましたね、こっそり。誰も一緒に行ってくれなかった。で、高校3年くらいになったらチラホラと「見てる」ってやつも出てきましたけど、たぶん、みんなずっと、こっそりひとりで見に行ってたんですね。

 

いまだにあれよりおいしいものを食べたことはない

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── ご家族で外食に行かれた記憶とか、ありますか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plainものすごい子どもの時は、街中にレストランみたいなのってあったじゃないですか。今でいうファミレスみたいな。そういうところに家族で行っていた記憶はありましけど、それは小学校の低学年くらいまでのことだと思いますね。僕、早熟だったと思うんですけどね、だから小学校3年生か4年生くらいになると、もう嫌でしたね。そもそも、親と外に出るのが嫌で、一緒にいるところを、誰かに見られたりしたくなかった。

 

── 親と出掛けるのはカッコ悪いっていう照れですかね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plain変な自意識があったんだと思います。家の中では普通ですけど、とにかく親と一緒にいるのを友達に見られたくなかったですね。男子には多いと思いますけどね。家族の一員みたいな自分、親と一緒にいて、子ども子どもした自分を見られたくないってことだと思うんですけど。だから、家族で外に食事に行くようになったのは最近ですね。いまはもうさすがに親と一緒にいるところを見られても、どうでもいいんで(笑)。

 

── じゃあ、食事はいつもお家だったんですね。どういうものを食べてらっしゃいました? お母様の得意料理とかって。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plain子どもの頃の話ですよ。母親がマドレーヌを焼いていたんですよ。あれはおいしかったですね。親には褒めたことないですけど、大人になってから洋菓子店やなんかでマドレーヌを食べたんですけども、いまだにあれよりおいしいものを食べたことはないですね。

 

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── 手作りマドレーヌ! お菓子をお作りになるお母様だったんですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plain作ってくれてましたね。あと、うぐいす餅。これもね、面と向かって褒めてあげたことはないんですけど……褒めてあげたらいいと思うんですけど。ぼく時々、和菓子屋でうぐいす餅を買ったりしてましたけど、全然おいしくないんですよね。あのね、白い餅に緑の粉をつけたりしてるのも、あるんですよ。

 

── ありますね。中にあんこがはいっていて。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plainでも家のはね、餅の中に抹茶を練りこんだりしていましたから、完全にもとの餅が緑なんですよ。それにきな粉がついて、中にはあんこが入っていてね。この、家で食べるマドレーヌとうぐいす餅、今まですっかり思い出すこともなかったけど、これはおいしかったですね。ホントに忘れてましたけど。

 

嫌がっても嫌がっても、出てくるんですよ!

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── お母様って、どんな方だったんですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plainもともと、編み物学校の先生をしてたんですよ。僕は小学生くらいの頃にはもう辞めちゃってましたけど。だけど、僕がもっと小さい頃は、家にあるものを母親が作っていたと思うんですよ。家のドアノブとか。

 

── ドアノブカバーとお菓子作り! いかにも昭和のお母さんって感じですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plainお菓子以外だと、太巻きがおいしかったですね。子どもの頃はよく作ってくれて。ごぼう、アナゴ、卵、人参とか入ってましたね。あとはサンドイッチもおいしかったな。卵が薄く焼いたのが入ってたんですよ。今ってわりとそういうサンドイッチもあるじゃないですか。見つけると「あっ、これ家のと同じだな」って思います。キュウリと卵とハムだったと思いますけど。マヨネーズ味で。あれはもう何十年も食べてないけど、おいしかったですね……でも、普段食べていた料理を思い出せないのって、なんでですかね。

 

── なぜでしょうね、あまりに日常すぎて忘れちゃうのかもですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plain太巻きのことは、覚えてますけどね。そのせいか、いまだにスーパーなんかで、太巻きを買うことって、多いですね。あとは夜の歓楽街とかで、お弁当屋さんなんかがない場所だと、お寿司屋さんに入って太巻きを巻いてもらったりしますね。持って帰ってホテルで食べる、とか。

 

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── 歓楽街のお寿司屋さんって、深夜もやってること多いですよね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plainそう、1,500円くらい出すと巻いてくれるんですよ。割高ですけどおいしいですよ。たぶん、酢飯が好きなんですよ。だからばら寿司も好きでした。具は普通でしたけど。海老と錦糸卵と、グリーンピースとね。

 

── グリーンピースが入ってるんですか!?

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plainグリーンピースがよく入ってたね。グリーンピースご飯もよく炊いてましたし。グリーンピースご飯は嫌でしたね。

 

── 子どもは、あんまり好きじゃないやつですよね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plain食べてはいましたけど。でも文句は言ってたかもしれません。出てくるとがっかりだったので。あっ、それで思い出しました。一番嫌だったのは蕗(フキ)です。蕗の煮物が出たら僕はもうほんとにテンション落ちてました。思えばあれ、親は好きだったんでしょうね。嫌がっても嫌がっても、出てくるんですよ! でもそれがね、いくつくらいですかね。30歳くらいのころかな。

 

── 蕗はちょっとエグみがあって、子どもには食べにくいですよね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plainその頃はもう家を出て東京にいたんですけどね、突然嫌じゃなくなるんですよね。それで、あの頃なんであんなに嫌がっていたのかなーって。今ではもう理解できないです。あんなに嫌だったんですよ。特に朝の食卓とかに出ると暗黒ですよ。死にたいくらい嫌でした。きんぴらごぼうも嫌いでした。ごぼうも大嫌いで。好き嫌いが多かったのかもしれませんね。

 

── 和食の多いお家だったんですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plainあれは僕が小学生くらいの頃ですけどね。料理のレパートリーを増やしたいと思ったのか、もっとおいしいものが作りたいと思ったのか。もしくは父親が何か言ったのかもしれませんが、母親が料理教室に行き始めたんですよ。

 

──いろいろなことに意欲的なお母様だったんですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plain何年間かその料理教室に通っていたんですけど、その頃食卓にあがっていたのがですね、豚肉に七味を中心とした、変わった香りのついたものがたくさん入ったタレに漬けるか塗るかして焼いた料理があったんです。あれもおいしかったですね。それは後も食べたことないですし、名前も覚えていないですが。

 

おかんの「謎メニュー」

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── 謎メニューですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plainでも料理教室で習ったと言っていたので、なにかではあると思うんです。醤油と、あれはなんの味だろう。生姜焼きではなかったですね。唐辛子とかの味が多くて。でも、辛くはないんですよね。豚肉もわりと小さめで、同じサイズに切ってあった気がします。松屋にある豚のバラ焼き定食くらいの大きさで。あれはおいしかったけど、親にいってもたぶん覚えてないだろうなぁ……。記憶で描きますね。のりがあった気がするんですよ。で、唐辛子。

 

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── それ七味ですよね。みかんの皮とか胡麻とか……。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plainそうそう、そういう香りの強いものがたくさん。

 

── 甘みはあるんですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plain甘くないんです。これはおいしかったし、いまでも食べてみたいんですよね。でも、大人になってから「食べてみたい」って言ったことがある気がするんですよね。でも、覚えていませんでした。

 

── お母様の中で一瞬のブームだったんですかね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plainいや、年齢のせいかもうちょっと物忘れがすごいんですよ。もうたぶん一生思い出さないでしょうね。

 

── もうどこに行っても食べられないってことですかね。永遠に失われてしまった味ですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plain僕が思い出せば……いや、でもどのあたりの部位の肉だったかも思い出せない。でも脂身はなかったですね。そもそもうちの母親は、豚の脂身が大嫌いだったんですよ。牛も赤身や脂の取れてるロースしか出てきませんでした。脂身の嫌いな母親が、調理する人の特権で全部取って捨ててたんですよ。それに慣れてたもんだから、大学卒業した後に東京に出てきた時に、ロースかつが食べられなくて苦労しましたね。ロースかつをマスターするまで、たぶん5年くらいはかかりました。

 

── かつは脂が塊でついてますもんね。好きな人はあの部分が大好きだって言いますけど。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plain慣れてないと豚の脂身っておいしくないんですよね。今でこそ食べられますけど、東京に出てきた頃は、ちょっとしたカルチャーショックでした。いまだに食べられないのが、高級な和牛です。霜降り肉みたいなのは半分くらいでもう無理です。親に文句言うわけじゃないですけど、育ち的にダメなんですよね。豚の脂って、疲労回復にいいらしいですよね。だから僕、疲れやすいのかもしれませんね。

 

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── わー、それにしてもどんなメニューだったのか気になります。まったく想像がつかないですけど。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plainあと謎の食べ物といえば、これは親でも僕でもないんですけど、近所におじいさんが住んでまして。で、「いずみや」って食べ物、知ってます?

 

── いや、知らないです。なんですかそれ。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plainそれの影響でぼく、いまだに泉谷しげるさんの名前を聞くと、思い出すんでけど(笑)。けど、僕、食べたことないんですよ。鯵(アジ)かなぁ。小さい小魚……イワシではないと思う、鯵か……その手のなにかの魚が酢飯を包んでいるんですよ。それがおじいさんちにいくと、戸棚の中にあるんですよ。

 

── 冷蔵庫ではなく?

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plain戸棚にあるんです。で、見ているとおばあさんが「食べていいよ」って言うんです。でも怖くて1回も食べたことなくて。それをおじいさんが夜になるとお酒を飲みながら食べてるんですよ。ずっとそれ以来、その「いずみや」を見かけたことはなかったんですけど。実は3年くらい前に、愛媛県の大洲って街があって、中国新聞の人と僕と一緒に散策したんですよ。

 

── 戸棚の中にあるっていうのが、なんとなく不安をかき立てます。確かに食べられないかも……。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plainそうしたらスーパーにね、あったんですよ、「いずみや」が! でも、それ、名前は「いずみや」じゃなかったんですよ、名前が。しかもさらに、中が酢飯ではなくおからだったんですよ。言われてみたら、おじいさんが食べていたのもおからの可能性もあるんです。なんせ僕は怖くて食べたことがなかったので。

 

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── 愛媛の名物料理ですかね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plainおじいさんのはおからじゃなくて酢飯だったと思うんですけどね。でも、そのおからのやつをね、その時に買って食べたんです。そうしたら……信じられないくらい、おいしかったです! おからを酢で〆てあるんですよ。あれはおいしかったなぁ。

 

── 松山ってどんな街なんですか。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plain海に面してるんで、魚は豊富だったと思います。お鍋は鱈(タラ)ちりみたいなのだったり。あとは炊き込みご飯が多かったですね。鯛(タイ)のご飯とか。当時は出てきても、うれしくもないし悲しくもなかったけど、今だったうれしいですよね。当時はどうでもよかったですけど。あとは栗ごはん。栗は隣街でよくとれたんですよ。グリーンピースも山ほどあった。買わなくても誰かがくれかりとか。物資として豊富に流通しているのが鯛と栗とグリーンピースでした

 

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── 旬を感じさせるものばかりですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330002429p:plainあとは、味噌汁の味噌が甘いんですよ。いまは食べられないですね。(母親と)もめたくないんで、朝食のタイミングには訪問しないようにしています。間違いなく出てくるんですよ、白味噌の甘〜い味噌汁が。もうちょっと年をとったら、食べられるようになるかもしれないですけどね。

 

── 子どもの頃に蕗が食べられなかったり、きんぴらが嫌だったり、今じゃごちそうの鯛ご飯がどうでもよかったように、味覚って変わりますもんね。いつか白味噌のお味噌汁がおいしいと思う日が来るかもしれませんよね。今日はどうもありがとうございました!

 

杉作J太郎さんプロフィール

愛媛松山市出身。漫画家、タレント、映画監督など数多くの肩書を持つ。男の墓場プロダクション代表。南海放送ラジオ『MOTTO!! 〜痛快! 杉作J太郎のどっきりナイトナイトナイト』(毎週土曜日21:00~23:00放送中)。ラジコでも視聴可能。

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味覇の万能さに甘えた、意識低い「無限ナス」のレシピを考える

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突然ですが、みなさん料理していますか?

 

ぼくは、会社と一人暮らしの自宅を往復するだけの生活に完全に順応してしまい、今や「自炊をする」という選択肢すらなくなりました。

 

しかし、やっぱり料理がしたい……!

 

料理はできないだけで、興味がないわけじゃないんですよ。ほら、夜中にちょっとお腹が空いたときとか、軽いつまみが欲しいときとか、意外と寂しいし……。あと、自分でおいしいものが作れるって、なんかいいじゃないですか。

 

一人暮らしの台所を支える、強い味方の登場

今日はそんな「料理のわかばマーク」がなかなか取れないライターによるレシピ記事ですが、ご安心ください。強い味方にお越しいただきました

 

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▲もはや貫禄さえ漂わせるお姿

 

万能中華調味料、味覇(ウェイパァー)です。

 

ちまたでは「入れればおいくなる」「調味料はこれがあれば十分」なんて言われているチート調味料。最近では鍋の素やカップ麺も見かけますし、この紅の衣をまといし堂々たる佇まいに見覚えのある方もいるのでは?

 

今日はこの味覇に頼りきって、流行りの「無限レシピ」に挑戦します。

 

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▲よろしくお願いします。一礼

 

材料は最小限、加熱はレンジ。味付けは味覇におんぶにだっこ

それではさっそく、作っていきましょう。

 

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材料(※ ナス1本あたりの目安)

  • ナス
  • ごま油 大さじ1.5
  • 味覇 小さじ2

 

用意するのは、調味料のほかは「メイン食材さえ買ってくれば作れるし、余らない」をコンセプトに、この3つ。調味料は保存がききますが、ふだん料理をしない単身者にとって、中途半端に食材が余っていることのプレッシャーってバカにできないですもんね。

 

そして、味付けは味覇だけというストロングスタイル。メインにナスを持ってきたのは、純粋にぼくが好きだからです。

 

1.ごま油に味覇を加え、混ぜる

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▲すでに、白米をいくらでも食べられそうな香りがする

 

味覇はペースト状なので、ダマにならないよう、この段階でしっかりごま油と混ぜ合わせておくのがポイントです。

 

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▲スプーンの背中でつぶすように混ぜると効率が良い

 

2.細切りにしたナスを投入

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▲お箸があるせいでもう食べられそうだが、もう少し我慢である

 

ナスに味覇と油がからむようにしっかり混ぜていきます。ナスが多少油を吸ってきたら最後の段階へ。

 

3.器にラップをかけ、レンジでチン

500ワットで2分が目安。ラップと容器は、耐熱性のものを使うことをお忘れなきよう。

 

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▲こんな投げやりなレシピにも関わらず、上品な佇まいをしている

 

ナスがしんなりしてきたら完成。準備からお皿に盛り付けるまで、5分ほど。慣れてきたら3分台も夢ではないでしょう。

 

お酒のアテにもなる無限レシピが完成

最後に薬味を少々。もちろん写真映えを意識したやつなので、無くても大丈夫です。お好みでごまや七味唐辛子をかけてもおいしく召し上がれそうですが、今回は白髪ネギをチョイスしました。

 

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▲汁物がないのが悔やまれるところ

 

さっそく、白米を用意して実食。……ああ、うめえでやんの。

 

やわらかくなったナス、ごま油の香ばしさの奥底にある味覇の風味…… もっとわかりやすく言うなら、ひき肉の入っていない麻婆茄子、といったところでしょうか。

 

当然ですが油っけもあるので、これだけあれば寂しくならずに白米がいただけます。 白米はもちろん、お酒のアテとしてもいい仕事をしてくれそうです。

 

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▲「ていねいなくらし」みたいな絵になった

 

ごま油や味覇の分量もお好みで、ごま油の香りが強すぎると思った場合はサラダ油でもOK。「俺は味覇で死ぬほど白米が食いてえんだよぅ」という人は、もう少し味覇を足して、強めの味付けにしても良いでしょう。

 

しかし、やはり驚くべきは見切り発車で挑戦した企画をきちんと成立させる味覇のポテンシャルの高さです。今日のレシピならばナスじゃなくても、きちんとおいしくしてくれるのでは……?

 

ああ、お米が足りないな、こりゃ。

 

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▲ごちそうさまでございました

 

書いた人:メシ通編集部

メシ通編集部

メシ通編集部です。

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ニュータイプぬか漬けの研究【炊きたてのご飯にドンピシャなおかずを探すシリーズ】

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スイスチャード、アルファルファ……ニュータイプぬか漬けの研究

最近、ぬか漬けセットを手に入れました。

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こちら、従来のものから改良が加えられており、冷蔵庫に入れて管理します。

常温で扱わず、ぬか床を毎日手入れをする必要がありません。

また、コンパクトで場所も占領せず、ひとり暮らしにはピッタリ。

 

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ぬか漬け経験のなかった僕でもいい感じに仕上がります。

今回は、このお手軽なぬか漬けセットを使い、外国産、交配種などのあまりお目にかからない謎野菜を漬けて、「ニュータイプぬか漬け」を作ってみました。

ほかほかご飯とバッチリ合う一品を探します。

 

「プチヴェール」をぬか漬けにしてみる

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さあ、さっそくまるでなじみのない野菜からスタート。

パッケージを見ると、ケールと芽キャベツの交配野菜との記載。

 

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でも結構いろんなスーパーで扱っていました。比較的手に入れやすい謎野菜です。

とりあえずマジでどんな味が知らないので、もともとの味をチェック。

ネットで調べたとおりにレンジで1分加熱。

 

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一層鮮やかさが増しました。

食べてみると葉がゴワゴワしていて食べ応えあり。

ケールから来たであろうほのかなエグ味がアクセントになっていますね。普通にうまいです。

ブロッコリーの従兄弟といった味わい。

マヨネーズが合います。

お肉と一緒に炒めても良さそう。

では、そんな「プチヴェール」を漬けてみましょう。

 

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加熱済の「プチヴェール」を使い、固めで浸透が遅そうだったのでしっかり2日間漬けました。

 

完成品はこちら。

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色が落ち着きましたね。悪くない見た目。

食べてみると、芯の感じが強い。

がっつり漬けましたが、ぬかの風味もあまり乗っていません。

味はキャベツの浅漬けに近いです。

……そう考えるとぬかの良さが出ていないかも。

 

「アルファルファ」をぬか漬けにしてみる

友達に今回の企画を話したら教えてくれた謎野菜。

名前を聞いた時に思い浮かんだのは「東京03」と「半熟英雄」。

実際はこちらでした。

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大量の極小もやし。

生で食べられるみたいです。もやし過ぎて本当にイケるのか不安ですが。

ワシワシと食べてみると、完全にもやし。

ただ、1本1本が小さいながら味が濃い。

 

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青ジソやチョレギなど、サラッとしたドレッシングが合います。

いくらでも食えそう。

 

さあ漬けましょう。

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床の中でバラけないようネットに入れてから。

すぐ浸透しそうなので1日で引き上げました。 

 

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ちんまり。

シンナリしてかなり圧縮されました。

ぬか漬けには見えませんね。

なかなかアレなビジュアルなので、厳しいかと思ったら……

これがうまい。

1日でバッチリ漬かりました。

シャキシャキ感はキープしつつ、もやし独特の味わいとぬかの風味が調和しています。

ちまちまとつまんで酒のつまみとしても活用できそう。

これは野菜でつくる珍味だ。オススメ。

 

「アイスプラント」をぬか漬けにしてみる

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見た事ある方も多そうな、ファンタジー系謎野菜。

 

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仲間1人を戦闘不能から復活させそうなアイテム感。

まとわりついているのは、水滴ではなく葉の一部で塩分の結晶らしいです。

食べるとサクサクしていて楽しい。

味はほんのり青臭い感じで最後に塩の風味があり、何も付けずに食べられます。

良いですね、これは。

あまり良い例えじゃないですけど「スイカの白いところ」に似ています。

 

1日だとあまり変化がなかったので2日間ぬか床へ投入。

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「冒険中は使うのがもったいないからと、道具袋に入れっぱなしにしてたらこんなことに……」

という見た目に。

持ち味である水滴感は維持されましたね。

食べてみると悪くはないです。ただ、味は水っぽくぼやけた印象。

爽やかな風味にぬかが乗り、少し違和感を覚えてしまいました。

 

「チコリー」をぬか漬けにしてみる

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ヨーロッパ原産の野菜です。

面識なさすぎて緊張するぐらい知らない。

 

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葉をはがしてそのまま行けるようです。

白い所からかじってみました。

……

エグっ。

エグ過ぎる。

みずみずしさは良いですがエグ味強しです。

食べすすめると甘みが出てきて食べやすくなります。

といっても今回随一の独特さ。

頭にクエッションマーク が浮かびます。

 

さらに独特さを際立たせたのがパッケージの説明にあった。

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ちこりマドラーで 至福の時を

「そ、そこまで言うなら……」と、念のため試しました。

 

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麦焼酎ロック

 

すっかり「?」ですが、飲んでみました。

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……。

…………。

僕が悪いのか、味の変化が分かりません。もう「?」で頭がいっぱい。

独特すぎる。お手上げ。

もう潔く漬けましょう。

 

葉が薄いので1日で引き上げました。

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あら、見た目は上品。

エグ味におびえながら実食。

お、シャキシャキ食感が悪くないです。

そして青い部分の甘さと、ぬかが絶妙にマッチしています。

懸念点だったえぐ味も少し落ち着いて、良い個性に。

白菜感覚で白米を包んで食べるとうまそう。

と思ったら、何枚も行くとエグ味が舌に残ります。エグ味が全然去っていかない。

これは好みが分かれるかもしれません。

玄人好みのぬか漬け、といった感じでした。

 

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話が逸れますが、余った「チコリー」はレタス感覚でチャーハンに入れました。

シャキシャキ感と苦味が意外とチャーハンの油と塩気に合って笑いました。

最後までその独特さに翻弄(ほんろう)される始末。

 

「スイスチャード」をぬか漬けにしてみる

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この存在感。

近所の八百屋さんで見つけました。

圧倒的なはじめまして野菜です。

店主がすごい親切な方で、聞くといろいろ説明してくれて「サラダとかで食べるといいですよ」と教えてくれました。

ウケるかな? と思って「ぬか漬けにしようと思うんですよね」と返したら、「ああ……」と言って目を合わせてくれませんでした。

 

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他の野菜とはスケールが違う。

 

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男らしくざっと切って生で食べました。

茎は繊維質を強く感じます。

「うんうん、いま野菜、食べてるな」と、思わせてくれます。

みずみずしく味はあまりなし。

葉はモソモソしてて少し苦味があり、サラダ菜に近かったです。

後半ウサギの気持ちになりました。

 

葉脈から考えるとすぐ染みそうだなと判断し、漬けたのは1日。

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漬けても相変わらずの鮮やかさ。

変わらずの筋っぽさはなかなか新鮮で好感触。

味はぬかしか感じず、もう少し野菜本来の味の主張があるとうれしい感じ。

もしかしたら、付いたぬかを洗い流す際に風味が流れ出ちゃったのかも。

野沢菜漬けっぽい方向がこの野菜には合っていると思いました。

 

 

以上でございます。5品試してみましたがそれぞれ野菜の個性が出ていて愉快でした。

個人的には「アルファルファ」がイチ押しですね。

そして謎野菜を探し買い、漬けては確認するのが日課になり、生活にハリが出ました。

ライフワークにしようかな。皆さんもどうです?

そんな「ニュータイプぬか漬け」、良かったら挑戦してみてくださいね。

 

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後日試した、「アルファルファ」のぬか漬けをご飯に乗せたもの。

ご飯と一緒に食べるとお米を甘みが引き立っておいしい。

近い未来、こんな感じで皆さんの食卓にもあがっているかもしれませんよ。

 

書いた人:ディスク百合おん

ディスク百合おん

ナードコアという特別なテクノを得意とするミュージシャン。コンビニで手に入る食品を合わせて新しい料理を作りあげる「コンビニかけ合わせグルメ」を紹介する人として様々な媒体に取り上げられ、同名の初書籍が2017年11月2日(木)に発売。山本さほ「岡崎に捧ぐ」に登場する杉ちゃんのモデルという棚ぼた知名度も獲得している。

過去記事も読む

知っておいて損なし!ゆで卵の殻が簡単にむける「ゆで方」と「むき方」それぞれにコツがあるんです【筋肉料理人】

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こんにちは~筋肉料理人です!

さっそくですが、みなさんにはこんな経験ありませんか? ゆで卵を作ろうと卵を買ってきて、作ったものの殻や薄皮がきれいにむけなかったり、むいているうちに卵がボコボコになってしまったり……。

 

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誰でも一度や二度はありますよね? じつは、殻をむきやすいゆで卵をつくるには、新しい卵より古い卵のほうが向いているのだそうです。でも買ってきた卵で、今ゆで卵が食べたい……。ということで、買ってきたばかりの新しい卵でも簡単に殻がむけるゆで方、そして殻のむき方を紹介させていただきます! どれもやってみると楽しくもあり、お休みの日にでも一度試してみてください。

 

筋肉料理人の「ゆで卵の殻が簡単にむけるゆで方」

1. 鍋にたっぷりの湯を沸かしておきます。湯には塩少々を入れておきます。

 

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2. 冷蔵庫から卵を取り出し、卵の丸い方の端によく洗った画びょうで穴をあけます。ここに気室という「空気溜まり」があるので、熱で膨張する空気を逃して、卵の殻が割れるのを防ぎます。

※卵の殻に穴を開けるのは難しそうに見えて簡単です。じつは、100円ショップに卵の穴あけ専用の器具が売っていますので、それを使うのもおすすめです。

 

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3. 沸騰した湯に冷たい卵を入れます。やけどしないよう穴あきお玉があると便利です。

※沸騰した湯に冷たい卵を入れるのがポイントです。卵を冷たいまま入れることで急激な温度差が生じ、殻がむきやすくなります。

 

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卵を入れたら最初の2分は菜箸などで卵を転がし、切ったときにきれいに見えるよう、卵黄を中央に寄せてやります。ゆで時間は卵黄の中心にオレンジ色が残るくらいの半熟で10分です。卵黄トロトロで7~8分、固ゆでで14~5分位が目安です。

 

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4. ゆで上がったら湯を捨て、冷水で一気に冷まします。(ここも大事なところです。急激な温度差を作って殻をむきやすくします)しばらく冷水につけて冷ましたらOKです。

 

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こうやって作ったゆで卵は、気持ちが良いほど簡単につるりと殻がむけます!

 

筋肉料理人の「ゆで卵を簡単にむく方法 /手で押さえながら転がす」

次に殻のむき方を2種類。まずは手で押さえながら転がす方法です。

 

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1)まな板の上にゆで卵を置きます。

 

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2)手の平でゆで卵を押さえるようにして転がし、全体にヒビを入れて、

 

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殻をむきます。 たったこれだけです!

じつに簡単ですが、力の入れ加減を間違えるとゆで卵自体が割れてしまいます。この方法を試してみて、子どもの頃、ラーメン屋さんでこんな感じで卵をむいている人がいたのを思い出しました。あのオジサンは何度がやって、力加減を体得したんだろうな……。

 

筋肉料理人の「ゆで卵を簡単にむく方法/コップに水と一緒に入れてふる」

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1. 大きめのコップを用意します。ここにゆで卵を入れ、水をゆで卵が半分浸るくらいに入れます。

 

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2. コップにラップを被せ、

 

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手でコップの口をふさいで激しくふります。ゆで卵がコップの内側に激突することで殻にヒビが入り、殻の内側に水が浸透して殻がむけやすくなります。

 

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※水と一緒に振るのがポイントのようです。水がクッションになって、殻は割れてもゆで卵は割れないんです。

 

ゆで卵だって、立派な酒の肴に!

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ゆで卵の殻がむきやすくなるゆで方、むき方、どちらもぜひお試しください。気持ちが良いほどきれいにむけますよ! 切ったゆで卵はシンプルに塩で食べるのが一番ですが、私はツナマヨも好き。マヨネーズとツナはゆで卵に合いますね、もうこれだけで飲めます!

 

待ちに待った新じゃがの季節なので、今すぐ食べたいポテサラレシピ3選

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こんにちは、有機野菜農家のホマレ姉さんです。

いよいよ待ちに待った新じゃがの季節となりましたが、皆さんもいろいろなじゃがいも料理を楽しみにしてるのではないでしょうか?

そこで、今日のレシピはみんなが大好きなポテトサラダです。

それぞれのご家庭には、きっと定番のポテサラがあると思いますが、今回は少し変わったポテサラレシピを3つご紹介!

でもその前に、ポテサラを作る上で一番大事なじゃがいものゆで方のポイントをまず押さえておきましょうね。

 

じゃがいもをゆでるときのコツ

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まずは、ポテサラに使用するじゃがいもの選び方ですが、ホクホクした食感のものが向いています。

品種で言えば男爵北あかりと言ったじゃがいもが一般的で、スーパーなどでも買えるのでオススメです。

 

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▲ホクホク系の品種を選ぶとよい

  1. 鍋に洗ったじゃがいもと水を入れ、強火にかける。

 

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▲強火にするのは湯が沸騰するまで

  1. 湯が沸いたら緩やかな沸騰が続く程度に火を弱める。

 

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▲熱いのでやけどに気をつけて!

  1. じゃがいもの中央に芯が残らず、竹串がスッと通るくらいになったらザルに上げ、熱いうちに皮をむく。

 

ポイント

  • 時間がない場合は、じゃがいもを皮ごと半分に切ってからゆでてもよいです。
  • 2.で沸騰が強すぎると外側だけが早くゆで上がり、皮が破れたり、芯が残ったりしますので、適切な火加減でゆっくりゆでるようにしましょう。
  • 皮をむくときに、じゃがいもの芽の部分も必ず取り除くようにします。

 

では、ポテサラレシピの本題といきましょうか!

 

これぞ和風のポテサラレシピ

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まずご紹介するのは和風ポテサラのレシピです。

何が和風なのか? って……それはなんと和の心、かつお節が入るポテサラなんです!

かつお節はご存じのようにうま味の塊のようなものですからおいしくなるのは容易にイメージできるのではないでしょうか?

日本人なら老若男女を問わず、きっと気に入ってくれる味だと思いますよ。

 

材料(4人分)

  • じゃがいも   220g(2個くらい)
  • 玉ねぎ   1/8個
  • マヨネーズ   大さじ2
  • 醤油   小さじ2
  • かつお節   5g

 

作り方

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▲空気にさらすことで辛味が飛ぶ

  1. 玉ねぎを薄切りにしてバットに広げ、空気に半日くらいさらしておく(時間が無いときは軽くレンジ加熱し、バットに広げて冷ます)。

 

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▲じゃがいものつぶし具合は好みで

  1. じゃがいもを皮ごとゆで、皮をむいてボウルの中でつぶす。

 

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▲かつお節 5gは、およそ一握りくらいの量

  1. 2.1.とマヨネーズ、かつお節、醤油を入れる。

 

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▲千切りキャベツなどを添えて栄養のバランスを考えよう!

  1. よく混ぜ合わせて器に盛り、千切りキャベツを添えてできあがり。

 

ちょっと大人のフルーツポテサラ

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きゅうりやにんじんなどの野菜と一緒にりんごを加えるポテサラを作るご家庭は、けっこうあると思います。

このポテサラにもりんごが入りますが、粒マスタードをピリッと効かせ、ちょっと大人向けの味つけになってるんです。

お酒のアテにもピッタリなんですけど、小さなお子さんがいる家庭では粒マスタードの量を少し控えめにしてみてくださいね。

 

材料(4人分)

  • じゃがいも   220g(2個くらい)
  • 玉ねぎ   1/8個
  • りんご   1/4個
  • 粒マスタード   小さじ1
  • マヨネーズ   大さじ2
  • レモン果汁   大さじ1弱
  • オリーブオイル   大さじ1弱
  • 塩   小さじ1/4
  • コショウ   少々

 

作り方

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▲りんごは流水でよく洗ってから切る

  1. 玉ねぎを薄切りにしてバットに広げて空気に半日くらいさらす(時間の無いときは軽くレンジ加熱し、バットに広げて冷ます)。りんごはよく洗って芯を取り除き、皮つきのまま食べやすい大きさの銀杏切りにする。

 

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▲つぶし具合は好みでよい

  1. じゃがいもを皮ごとゆで、皮をむいてボウルの中でつぶす。

 

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▲じゃがいもが熱いうちに下味をつける

  1. レモン果汁、オリーブオイル、塩、コショウを入れて混ぜ合わせる。

 

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 ▲りんごの赤が入ることで彩りもキレイに

  1. 3.1.の玉ねぎとりんごを入れる。

 

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▲マスタードの量は好みで増減してください

  1. マヨネーズとマスタードを加え、更に混ぜ合わせたら器に盛ってできあがり。

 

プチぜいたくしたいときにピッタリなポテサラ

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アボカドスモークサーモンが入った、ちょっとぜいたくなポテサラです。

とっても濃厚な味わいですが、一緒に入れるヨーグルトがしつこくなくまとめ上げてくれています。

見た目もとってもオシャレなので、パーティーなどでお客様がいらっしゃる時に作ってみてはいかがですか?

 

材料(4人分)

  • じゃがいも   220g(2個くらい)
  • スモークサーモン   80g
  • アボカド   1個
  • マヨネーズ   大さじ2
  • プレーンヨーグルト   大さじ2
  • 塩・コショウ   適量

 

作り方

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▲おいしいアボカドを選ぶのもポイント

  1. 皮ごとゆでたじゃがいもは、皮をむき1.5cm角に切り、皮をむいて種を取り除いたアボカドも同様に切る。サーモンは食べやすい大きさに切っておく。

 

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▲材料が全部入るように大きめのボウルを用意

  1. ボウルの中でマヨネーズ、ヨーグルト、塩、コショウを混ぜ合わせる。

 

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▲加える順番は決まりなし!

  1. 2.1.を加える。

 

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▲木べらやシリコンへらで混ぜるとよい

  1. よく混ぜ合わせたら器に盛る。

 

アボカドの選び方はホマレ姉さんの前回記事を参考にしてくださいね。

www.hotpepper.jp

 

§

 

3種類のポテサラレシピはいかがでしたでしょうか?

今回のレシピではすべてじゃがいもの皮をむきましたが、これから出回る新じゃがの場合は、わざと皮を残してみるのもまた風味が違って面白くなると思います。

ポテサラは、組み合わせ次第で無限に楽しめる料理なので、いろいろと試してみると面白いですね。

もし新しいポテサラを発見したら、是非ホマレ姉さんにも教えてくださいね!

 

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ぜひお近くの書店等でお買い求めください。

Cool Veg 農家が提案する これからの野菜レシピ

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リングに革命を起こし続けた前田日明の「新日本プロレス時代の豪快すぎるメシ話」【レスラーめし】

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日々、リング上で熱い闘いを見せるプロレスラーたち。

その試合の基盤にあるのはタフな練習、そして “食事” だ。

その鍛えた身体を支えるための日々の食事はもちろん、レスラーを目指していた頃の思い出の味、若手の頃に朝早くから作ったちゃんこ、地方巡業や海外遠征での忘れられない味、仲間のレスラーたちと酌み交わした酒……。

プロレスラーの食事にはどこかロマンがある。そんな食にまつわる話を、さまざまなプロレスラーにうかがう連載企画「レスラーめし」。

 

今回登場していただくのは新日本プロレス、UWF、そしてRINGSと、前人未到の刺激的な戦いを求め続けた「リングの革命家」・前田日明さん

 

その体格と格闘センスの高さから新人時代から嘱望されながら、新日本プロレスから(第1次)UWFへの移籍など、あらゆるリングで伝説の戦いを繰り広げた。ドン・中矢・ニールセン戦、アンドレ・ザ・ジャイアント戦といったを伝説の名勝負を経て「新格闘王」と呼ばれる。

さらに第2次UWF、RINGSと格闘技として先鋭化していくリングに立ち続け、99年に“霊長類最強”と呼ばれたアマレス選手アレクサンダー・カレリンとの対戦を実現し引退。

その後もさまざまな格闘技・プロレス興行においてスーパーバイザーを務め、現在では格闘技大会“THE OUTSIDER”プロデューサー、そして今年スタートする新たな総合格闘技大会に向けて奔走している。

www.rings.co.jp

 

「ナマで食えって言われないかぎりは大丈夫」

大阪出身の前田日明さん。

その豪快なキャラクターからしても、食事の好き嫌いなどはなさそうだが……。

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f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain俺、好き嫌いは全然ないんですよ。食べたことないものも、一度は食べてみる。ゲテモノも一度はいってみますね。

 

── 最近食べたもので「これは初めて!」てのはありましたか。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainさすがに来年60(歳)なんでね、60年間食べたことのないものってなかなかないね(笑)。これは……っていうものでいえば、日本でクロダイとか釣る時の餌にする“ユムシ”っていうのがあるんですよ。韓国だとアレを生で食うんです。

 

── ミミズのでかい奴みたいなのですよね、ユムシって。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainそうそう。しかも日本のより立派なんですよ。まあまあ、慣れれば酒のつまみにいいかなくらいの味でしたね。あとムカデとかも漢方薬として干したやつが売ってて、それを煎じて飲んだら咳に効くって言われて飲んだりしましたね。まあ、だいたいナマで食えって言われないかぎりは大丈夫。

 

── 子供の頃から好き嫌いはなかったんですか。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain子供の頃はピーマンとかニンジンがダメだったね。肉ばっか食ってました。でも自分らの親の世代は、戦中戦後の食糧難の時代を生きてきたじゃないですか? だから野菜とか残したら、それを食べるまでいつまでも出てくるんですよ。朝に残したら昼、昼に残したら夜。それで他のおかずを減らされるんです。最後はピーマンとニンジンだけになっちゃうんで、無理して食ってましたね。

 

── ではその頃の思い出の味ってありますか。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain肉と糸こんにゃくが入ったスープっていうかお吸い物みたいなのをよく作ってくれてね。そればっかり飲まされてたんで、記憶にありますね。いま考えると、うちの母親って料理のメニューが豊富だったんですよ。小アジの南蛮漬けとか八宝菜とかカレーだとか、いま考えると当時としてはいろんなもん作ってたなあ。母親は15人兄弟だったんですよ。

 

── 当時は兄弟が多い家族は普通ですけど、15人はすごいですね!

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainそのうち男は2人で、あとは全部女。それで姉妹でレシピの交換とかしてたみたいで。ただ、飯がよく食えたのは中学まででね。中学2年で親が離婚したんですよ。それで高校くらいがいちばん食べものが悲惨な時期で、父親が何万か置いて3カ月とか韓国に行っちゃうんですよ。

 

── 前田さんひとり置いて、ですか。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainでも1カ月も経たんうちに電気代とかガス代とか払ってたら金が底ついてしまうんで、最初は親戚のうちをウロウロしてたんですけど、それも交通費がかかるじゃないですか。そのうちアルバイトした金と、オヤジを脅かして……(笑)というか、ゴネて金を出してもらって、中古のオートバイを買って。それであちこちに行けるようになったんですけどね。

 

── ひとりになっても食っていくために、バイクであちこちに行ったんですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain当時アルバイトで枚方のかねまた運輸ってところがあって、そこがイトーキの大阪支社の搬送とかしてたんで、その助手とかをよくやってましたね。だいたいバイトは運送関係で、たまに長距離トラックの助手とかをやったら、運転手さんが気前よく飯おごってくれたりしてね。カツ丼とかカツカレーとか、とにかくお腹いっぱいなるもの。それがうれしかったですね。

 

猪木さんが飼っていたセントバーナードの話

1977年に新日本プロレスへ入団した前田さん。

当時はアントニオ猪木モハメド・アリウイリアム・ルスカと闘うなど、異種格闘技戦の興行が数多く行われ、世間の耳目を集めていた時期。

当時、前田さんが山本小鉄さんをはじめとしたコーチ・先輩たちにしごかれていた話は有名だ。

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── 新日本プロレスでは、もちろん新弟子からの生活になりますよね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain合宿所の食事はちゃんこですね。365日朝昼晩ずっと鍋です。たまにちゃんこ番の人がサボりたくて、バター焼きと称して鉄板で肉を焼いたりするくらいで。当時いちばん驚いたのが、1日のちゃんこ銭が2万円支給されていたんですよ。大学の初任給が8万とか10万円のころですよ。

 

── 1日2万円って、当時の合宿所には何人くらい住んでたんですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainその頃が寮生がいちばん少ない時期で、5,6人とかでしたね。新弟子が入っても、すぐ辞めていっちゃうんですよ。そんな人数で、1日2万円なんて使い切れないじゃないですか。でもちゃんこ銭を余らせると支給額を下げられちゃう。

 

── けっこういい肉を食べても2万円は大変ですよね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain他に差し入れなんかもありますしね。とにかくその額を使い切らなきゃいけないっていうんで、毎食毎食肉を3キロとか4キロ買ってきて、食べきれなかったらどうしてたかというと、猪木さんが飼っていたセントバーナードに食べさせたりしてた(笑)。

 

── あははは! 美食すぎる犬ですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainほんとに高い、すごくいい肉ですよ。今だったら宅配便とかで親戚にでも送ってましたね(笑)。

 

── しかし新弟子時代となると体重を増やさなきゃいけないんでしょうけど、食べるのも大変ですよね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain飯もいちばん少ない時でも1升くらい炊いてましたよ。格闘家が減量のために「食べるな食べるな」って言われるのもつらいと思いますけど、とにかく体重増やすためにここまで(喉を指差して)「食べろ食べろ」って言われるのもつらかったですね。もともと食は細かったんです。中学から高校にかけては、1食どかんと食べるんじゃなくて、1日に細かく5食とか6食を食べるような生活だったんで。

 

── 前田さんは入団した時から身長は高かったんですよね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainそうすね。中学3年で175センチで、高校卒業するころは189。新日本に入ってまだ伸びて、結局192センチまでいきましたからね。

 

── それだけの体格があっても、ご飯はキツかった。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainそうすね。合同練習の日の食事のときとか、山本小鉄さんが食べ終わるまで監視していて「おまえ、いま何杯食った?」って聞いてくるんですよ。

 

── “鬼軍曹”がご飯チェックを!

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain目の前でビールを飲みながら何杯食うか見てるんです(笑)。山本さんはすごい人でしたね。練習も率先して若いのと同じメニューを同じだけやって、終わったら終ったで下っ端の飯の面倒まで見て。家に帰ってさぞくつろいでたのかなと思ったら、奥さんのために家でもご飯作ったりしていたらしいですからね。

 

「小林 さんが全部払っていかれました」

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プロのレスラーは練習をするのが仕事なら、食べるのも仕事。

しかし、それは身体を作るためだけではない。

後援者たちに「プロレスラーって、これだけ食べられてすごいだろう!」と見せつけるために食べるのも、また仕事なのだ。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain合宿所のレスラーってのは、試合後とかにスポンサーに連れていってもらった時の「食べる係」なんですよ。どこも「レスラーってすごい食べるんでしょ?」って出してくれるんで、先輩レスラーが残したものを全部食べなきゃいけないんです。これがたぶん良いものを食べてたはずなんですよ。今考えたらミシュラン三ツ星の超一流コック、みたいなところばっかりでしたし。でも量を食べなきゃいけないから、味を楽しんだ覚えが全然ないですね(笑)。お茶で流し込んだとか、そういうのばっかりで。

 

── どこのお店がおいしかったとか、覚えてないですか。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainみんなおいしかったんですけど、基本的に腹に詰め込む作業ですね。味わってるヒマなんてないです。ありとあらゆる食べ物を食べましたけどね。珍しいもの、高いもの……「満漢全席」みたいなのもありましたね。

 

── 中国のよりすぐりの料理を集めたという宴会のメニューですね。本家は数日間かけて食べるとかいう話もあるほどの。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainそういうので“熊の手”とかも食べましたよ。右手か左手か、どっちかが高いんですよね? ハチミツをとる方が高いとかで。ホントか? って思ってたけど(笑)。

 

── 当時は新日本プロレスのトップにアントニオ猪木さんがいらした時代だけに、スポンサーもすごいでしょうね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain昭和30年代や40年代の芸能界やプロスポーツの第一線にいた人たちの環境と、今の芸能スポーツ界ってぜんぜん違いますよね。昔は本当にあがめられていたっていうか、本当に“スター”だった。まわりがスターにごちそうすることが「うれしい、誇らしい」みたいな時代で。

 

── 「俺はあのスターにごちそうしたんだ」ってのが自慢になる時代ですよね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain昭和のその頃は、勝新太郎さんや小林さんにおごってもらったことありますよ。しかも何万円って話じゃないですよ、100万円とか。

 

── えー!!

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain小林さんは、俺らが結婚式の2次会だったかで大騒ぎしていたお店に小林さんが入ってこられて。「すいません、お騒がせしてます」って挨拶したら、「いいよいいよ、気にしなくていいから」っておっしゃってくれたんですよね。でも、その後に席を見たらいなくなっていたから「やっぱりうるさかったんだな、申し訳ないな」って思ってたんですよね。それで俺らも出ようってなって、皆からお金を集めて支払おうとしたら「小林 さんが全部払っていかれました」って言われて、「え!」って。その時の支払いは本当に100万円以上だったと思いますね。

 

── さすが小林! って感じですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainこの前、松方(弘樹)さんが亡くなった時もいろんな話が出てましたけど、あの頃の昭和のスターはスケールが違いますね。

 

── そういう意味ではアントニオ猪木さんもスターだったんじゃないですか。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain猪木さんも……そうですね。でも選手に対してはスパルタでしたね(笑)。

 

── あははは。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainでもね、猪木さんは猪木さんで夢っていうか野望があって、巨大ビジネスを成功させようとして結局失敗して60億くらいの借金をこさえたけど、最終的には完済してましたからね。そのスケールはすごいですよ。

 

試しに酒を飲まされて、目が覚めたら縛られてて……

f:id:Meshi2_IB:20180228234344j:plain

プロレス観戦歴の長いファンなら「昭和の新日本プロレス」というキーワードに夢を抱く人も多い。

試合だけでなく、普段の生活もまた“猛者”が多かった。

その一面をわかりやすく見せてくれるのがレスラーの“めし”そして“”だ。

 

── 前田さんが新日にいたころ、まわりにいたレスラーで食に関して「この人はすごかった!」って思い出の人っていらっしゃいますか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain当時の自分らの先輩たちはね、この間亡くなった荒川真さん(ドン荒川)もそうだし、いま新日本の道場管理やってる小林邦昭さんもそうだけど、みんな食いましたね! すごい食べた。小林さんなんか新人の時代に、東京から大阪まで行く3時間の間に新幹線の食堂車のメニューを上から下までぜんぶ食わされましたからね(笑)。荒川さんも旅館で6合か8合入りのおひつをひとりで2つ半食べてました。

 

── レスラーの別の意味でのすごさを感じさせますね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainよく食べる選手のことを「エビスコが強い(※大相撲の隠語で大食い、または大食漢の力士のこと)」って言うんだけど、エビスコが強いか弱いかって大事でしたね。いま考えると、若い頃に無理してでも食わされたから、あの練習に耐えられたんだなってのはありますね。ただ耐えるだけならあの食事はいらないんですよ。耐えながら身体を大きくする。当時のレスラーの1日のカロリーって万単位だったんじゃないですか。

 

── 食べて、さらに練習や試合で消費してるわけですからね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain当時、新日本は鉄骨プレハブの道場だったんですけど、夏の練習の時は窓を閉めきって練習してたんですよ。外の気温が30度を超すと、だいたい道場の中は47か48度。そんな中でやらされるんです。なんでかっていうと理由があってね。当時俺が入って3年目4年目までのころは、蔵前国技館とか愛知県体育館、あと改装前の大阪府立体育館とかにはぜんぜん冷房がありませんでしたね。しかも放送用の照明がリングに向けられるし、第1試合でリング上は40度とかになるんですよ。だから猪木さんがメインイベントをやるころにはさらに熱くなってる。そんな中で試合をするわけですから。

 

── なるほど、過酷な熱さの中で練習する意味があったんですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain若手の頃とか、練習前と練習後で最初は7キロくらい体重が減るんですよね。当時「練習中には水を飲んじゃいけない」って時代だから。トイレに行ってトイレの便器の水を飲もうかな……ってここ(口の手前)まで来たこと、何度もありますよ。そんな練習をしながらも体を大きくするためにかなりの量を食べているから、最初の3年で30キロは太りましたね。

 

── そんなに! 食事はどんどん食べなきゃいけないし、水は飲みたい時に飲めないし。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainただ、みんなそれぞれ特製ドリンクみたいなの作ってるんですよね。自分も1リットルのコーラの瓶に、当時なけなしのお金で買ったプロテイン入りのドリンクを入れて。当時700gで4万円とかしましたからね。

 

── そんなに高級品だったんですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainでもね、知らない間にそのプロテインを先輩が飲んじゃってるんですよ。そりゃもう、頭にきてね。コイツなんとかしてやろう! って思って、ドリンクにこっそり小便を入れてね。プロテインも入れて。

 

── ワハハハ、プロテインも一応入れるんですね(笑)。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainそれで「誰が飲んだかわからないけど、頭にきたから小便入れてやった!」って言ったら、後ろで2人くらいゲホゲホ言ってもどしてて。ひとりが栗栖(正伸)さんで、もうひとりが荒川さんやったっていう(笑)。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228234418j:plain

── さっきプロテインの話が出ましたけど、今だとプロテインとかサプリとかが当たり前じゃないですか。当時はまだ少数派だったんですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain自分が入った頃は荒川さんが寮長で、しばらくして小林邦昭さんが寮長になって。小林さんが、その頃アーノルド・シュワルツェネッガーの大ファンで。

 

── 俳優になる前、ボディビルダーとして名を上げていたころですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainその影響でプロテインを飲んでいたんですよ。最初はクソ高かったんですけど、しばらくして粒状のプロテインが出てきて、それでけっこう値段も安くなったんですね。900粒くらいで当時なんぼくらいしたかな、5,000円とか6,000円くらい? もっとしたかな? それでもずいぶん安くはなったんですよね。その頃からプロテインとかレバータブレットとかを取るようになったんちゃうかな。

 

── その頃からそういうサプリ的なもの飲むようになったんですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain最初は隠れて飲んでたんですよ。山本さんに見つかったら没収やから。「ナチュラルが一番だ!」って人だったから。ゴッチさん(カール・ゴッチ)もプロテインとかを飲むのはダメ、っていう方やったね。

 

── そのおふたりがナチュラル派というのはわかる気がします(笑)。あと、お酒についてはいかがでしたか。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain新日本プロレスに入る前は、ビールのロング缶1缶くらいでいい気持ちって感じやったんですけど、新日本プロレス入ったらもう「飲め飲め飲め飲め!」の世界で。入門して最初の半年くらいの頃に、レフェリーのミスター高橋さんが花見をやると言ってきて。その時「お前らこれからなにかと酒を飲まなきゃいけなくなるから、酒癖が悪いかどうかチェックするぞ」って言い出したんですね。それでどんぶりに氷を入れて日本酒も入れて、レモンをガーッとしぼって、「さあ飲め!」と。ガンガン飲まされたんですね。

 

── うわー、もう最初からどんぶりで。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainそんで飲んでいるうちにわけわかんなくなって、気がついた時には合宿所のある1室で、芋虫のように縛り上げられて、猿ぐつわをされて。

 

── ええ!

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainあとで聞いたら包丁を持って暴れていたらしいんです。

 

── ええええ!

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainそれで高橋さんが、俺が持ってる包丁を取ろうとしてつかんで、手に刺さっちゃったりして。

 

── ええ……。危なすぎますよ!

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainヒロ斎藤が逃げるところに後ろからバッと包丁を投げたら、身体の真横に突き刺さったとか(笑)。

 

── うわあ……。前田さん、酒が強くはなかったんですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainぜんぜん! 飲めないですもん、当時はね。それからしばらくして、海外遠征から帰ってきて大飯を食えるようになった頃までには飲めるようになりましたね。今もそんなには強くはないんです。でも体力はあるんで、永遠につぶれないんですよ。気分悪くなったらオエーッっと出して、空っぽになったらまた飲む……みたいな。まわりはえらい迷惑ですね(笑)。

 

── さすがに包丁は投げなくなったと(笑)。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainそうですね! 大騒ぎするだけで。でも……(※この後にうかがった六本木のビルの屋上から下品な言葉を連呼した話、角田信朗さんの結婚式での空手界の大物を巻き込んで大暴れした話などはヤバすぎるため割愛)

 

ロシア人格闘家が飲んでいたという「アルコール」の正体

あぶなすぎて『メシ通』では書けないエピソードがいっぱい出た、前田日明さんの酒にまつわるお話。まだまだ続きます。

f:id:Meshi2_IB:20180228234450j:plain

── それからUWF、RINGSと新たな闘いの道を切り開いていった前田さんですが、実質トップ選手や経営者側になったことで大変だったことも多いんじゃないですか。それこそ道場の食事なんかもお金を出す側になるわけですし。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainUWFのちゃんこは基本的に新日本の延長線上だったんですけど、最初の頃は選手たちでちゃんこ銭を出し合ったりしてましたね。でも肉の量とかはお腹いっぱいになるようにはしてましたよ。少しずつ応援してくださる人も増えてきて、差し入れなんかももらうようになったり。ありがたかったですね、いろんな人に応援してもらえて。

 

── トップ選手になって酒の席とかも増えたんじゃないですか。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainありましたね。当時はなんか妙なこだわりがあって、最初の1杯から最後の1杯まで全部イッキしようって。選手も全部やってましたね。

 

── 美学というか、前田さんなりの「レスラーらしさ」みたいな。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain……なのかわからないですけどね。酒といえば当時、益荒男関(現・阿武松親方)と寺尾関(現・錣山親方)・琴ヶ梅関の3人と仲良しで、俺と高田(延彦)と山ちゃん(山崎一夫)と、その3人で伊豆長岡まで泊まりに行ったことあったんです。で、当時は海外までよく行ってたんですよね。それで飲みもしないのに高級ウイスキーを免税店で3本ずつとか買って帰ってきて、それで何10本とあったんで持ち寄って飲もうぜってことになったんです。結局2泊3日で40〜50本くらい空にしましたね。ボトルを全部イッキで。

 

── 力士とレスラー6人がイッキでウイスキーを飲みまくる光景……すごそうです。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainそれでみんな酔っ払って、いい感じの時に琴ヶ梅関が平気な顔してるんで、「梅ちゃん飲んでないねえ~」って言ったら、「あ、すいません」ってブランデーの栓を開けて、まるでコーラでも飲むみたいにゴクゴク飲んで……すげえなって。いろいろ飲んだけど、酒を飲むのでいったら琴ヶ梅関がいちばんすごかったですね。

 

── 前田さんは力士やプロレスラー以外にもいろいろな格闘家と飲まれていると思いますけど、誰がいちばん飲み食いがすごかったですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain琴ヶ梅関もかなりすごかったけど、レスラーでも強い人はいますね。アンドレ(ザ・ジャイアント)なんかは試合前になぜか必ずラーメン1杯とコニャック1本を飲んでいましたからね。あれもコーラを飲むみたいにコニャックを飲んでましたね。

 

── レスラーにも力士にもとんでもない人がいましたよね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain酒飲みというと、ロシアに行った時がすごかったですね。91年にロシアに選手を探しに行ったとき、当時はペレストロイカで物資がぜんぜんないのに、わざわざ祝いの席とか作ってくれるんですよ。すごかった時は、1日に10数回パーティーを回って、その間はどこに行ってもずーっとウォッカをイッキですよ(笑)。すごいのは、ロシアって乾杯のときに「これは何のための乾杯か」を演説しなきゃいけないんです。それで良い演説したら、それに大して「私も賛成です!」ってまた演説が始まるんですよ。それに対して「反対です!」って演説も始まったりして、そのたびにイッキしなきゃいけない。もうロシアに着いてから成田に帰ってくるまで、ずーっと酔っ払ってましたね。

 

── 行く先々で飲まされるんですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainでもそのころは物資がなくって、もしウォッカがない時はどうするんだって聞いたら「アルコールだけは切らさずに飲んでたよ」って言うから、何を飲んでたんだって聞いたら「オーデコロン!」って(笑)。すごいでしょ? そういう奴がいっぱいいるんですよ。あと、メタノールってあるじゃないですか。あれも“目散るアルコール”って言うくらいで、飲むと目がつぶれるって言われてるんですよ。でも彼らは「薄めて飲めば大丈夫だ」って。

 

── いやそれ、ぜんぜん大丈夫じゃないです!

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain「メチルで果物を漬けたのがあるけど、飲むか? 毒消しになるんだよ!」って言われて「いやいやいや!」って。彼らはすごいよ、本当に。

 

── なんで生きてるんでしょうねってレベルですね(笑)。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainあとロシア人と酒を飲むと怖いのが、もう首まで酒を飲んでベロベロになって、なんとか意識だけは保って、もう1杯飲んだら意識が飛ぶかもってときに「サウナに行こう」って言われるんですよ。それで仕方なく一緒に行くんですけど、サウナの中で倒れたり、一番最初にサウナから出たら格好悪いじゃないですか。だから「せめて3人目が出るまで頑張ろう」って死ぬ気で耐えるんですよ。それでやっと出られるってタイミングになって、やっとの思いで涼しいところに行こうとしたら……ロシアって、サウナの後に水風呂の場合と雪の場合があるんですよ。

 

── サウナからの「雪」

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plain雪って言っても、出た瞬間にマイナス20度の世界ですよ。じゃあ水風呂にするかっていっても、日本のサウナだといくら冷たくてもせいぜい10数度でしょ。向こうの水風呂は凍る寸前の0度なんですよ。だから入った瞬間、心臓がドドドド! って動いて……「ああ、これが心臓麻痺っていうんだな」って経験をしましたね。

 

── そんな「酒とサウナの生活」をしていたら、ナチュラルに鍛えられますね、ロシア人。

 

f:id:Meshi2_IB:20180228235547p:plainそれでロシアの連中の話だと「日本から柔道とかの選手が来ても、飲まされるとだいたい倒れる」と。それで「倒れなかったのはアントニオ猪木と前田だけだ」って言われましたね。その辺はね、益荒男関とかと酒の研さんを積んだからってのはありますね(笑)。

 

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これまで未開の地を切り開いてきた、前田さんならではの豪快すぎる酒の話でした。

ちなみにいま前田さんが気になっているのは、「家康が作った漢方のレシピ」。

現在薬品メーカーでも普通売られている漢方薬「八味地黄丸」の変方、いわば将軍に献上するためのスペシャルバージョンだという。

この好奇心こそが、これまで前田日明さんが闘ってきた試合や興行を見る時に私たちをわくわくさせてくれる一番のスパイスだったのかもしれません。

twitter.com

※一部記事中の表現で修正した箇所があります。(2018年4月3日) 

 

書いた人:大坪ケムタ

大坪ケムタ

日本全国どこに入っても手早く安心して食べれるチェーン店好き。特に茶色い食べ物と期間限定メニューには目がない。天丼はえび天よりかき揚げ派。普段はアイドル・芸能etcよろず請け負うフリーライター業。

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レンジだけで簡単にウマい煮込み料理ができてしまう「プチ圧力調理バッグ」が神ツールすぎた

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「レンチンで煮込み料理ができる」というライオンの新商品を試してみた

「ただいま~」ってドアを開けたら超カワイイ彼女が迎えてくれて、テーブルの上には手作りの「肉じゃが」や「サバの味噌煮」が並んでて……なんて妄想むなしく、冷え切った部屋でひとりスーパーの惣菜をチンっする夜。

 

……せつない!

後輩にラブラブリア充アピールされたあとのわびしさたるや。せめてそんな夜くらい、出来立てアツアツ、ほっこりと煮込まれた手作り料理で晩酌したいと思いません?

そんなささやかなオトコの夢をかなえてくれる彼女……じゃなくて新商品が、2018年3月7日にライオン株式会社から出たらしい。

材料を入れてチンっするだけで、煮込んだような出来立て料理が味わえるんだって。「画期的!」と思う反面、「レンチンだけで本当に煮込めるの?」「ラクなぶん高くつくんじゃない?」との疑問も湧く。

なので、さっそく試してみることにした。

 

本当にレンジでチンするだけで煮込んだような料理ができる?

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これがその新商品「リード プチ圧力調理バッグ」。箱の中にはジッパー付きの袋が5枚と、オリジナルレシピが1枚。袋に食材と調味料を入れて、電子レンジでチン。そのまま庫内で3分ほど置いてから取り出せば、じっくり煮込んだようなおかずが出来上がるとのこと。

ちなみに、材料をセットしたまま冷凍保存もできるそうなので、週末なんかにまとめて仕込んでおけば、あとは帰ってチンっするだけで出来立ての食事にありつけちゃうというわけ。

 

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なぜレンチンだけで煮込んだようになるかというと、“食材から出る蒸気が袋内で対流してムラなく加熱し、独自設計の「蒸気口」で蒸気の圧力を調節しながらプチ圧力をかけるから”とのこと。だから短時間でも、やわらかで味も染み染みになるらしい。

 

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つまり、これさえあれば、いつでも手作り風の煮込み料理が出来立てで味わえるってことらしい。うーん……ホントなのだろうか。ただ、おいしくなきゃ意味がない。よし、さっそくお手並み拝見といこう。

 

いざ、お手並み拝見 

まずは煮込み料理の定番、「肉じゃが」から作ってもらおう。

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材料は付属のレシピどおりに用意。とはいえ、せっかくラクに調理できるんだから、野菜の皮をむいて切って……なんて手間はかけたくない。そこで、野菜は「肉じゃがの具」を使うことに。これなら仕事帰りにスーパーで買うだけだもんね。あとは以下の材料と調味料をそろえて準備完了。

  • 牛こま切れ肉 50グラム
  • しょうゆ、みりん、砂糖 各大さじ2
  • だしの素 小さじ1/4

 

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調味料をよく混ぜ合わせたら、すべての材料を一緒に袋に入れて、

 

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600ワットのレンジにセットして待つこと10分(500ワットの場合は12分)。チンって鳴って3分ほど放置してから取り出すと……。

 

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でーきーてーるーーーーー!

香りと見た目はちゃんと「肉じゃが」。はたして本当に中まで味が染みているのか?

 

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じゃがいもを割ってみたらこんな感じ。チンっしただけとは思えないくらい、中までしっかり染みている。食感もしっとりホクホクで、レンチンでありがちなパサつき感もナシ。本当に鍋で作ったみたいな仕上がりだ!

キミ、なかなかやるじゃないか!

 

f:id:Meshi2_IB:20180305173008j:plain

同じ要領で、「サバの味噌煮」や、

 

f:id:Meshi2_IB:20180305173012j:plain

「厚揚げの染み豆腐風」なんかも作ってみたけれど、

 

f:id:Meshi2_IB:20180305173016j:plain

どれも本当にチンするだけで出来ちゃったよ!

3回チンして立派な夕飯の出来上がり。こりゃ、どんなに疲れて帰ってきても、ほっこり幸せなひとときが過ごせるなぁ。

 

コスパはどうだ

キミはひとり暮らしの救世主かもしれない。でもひとり暮らしだからこそコスパは重要。あまりお金がかかると困るんだな。材料買うのにスーパーに寄るなら、惣菜だってあるわけだし。

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というわけで、スーパーの惣菜とコスト比較。「リード プチ圧力調理バッグ」は小売希望価格で税込321円だから、1枚当たり約64円。「肉じゃがの具(300グラム)」が321円、牛肉(50グラム)が90円で、トータル約475円也。1グラム単位の価格でみてみると、475円÷350グラムで「1グラム約1.36円」の計算になる。

 

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対して、スーパーの「肉じゃが」は、内容量270グラムで321円。1グラム単価にして約1.19円だ。

 

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今回は惣菜が10%増量中だったこともあり、「リード プチ圧力調理バッグ」のほうがわずか0.17円ほど高値だけれど、野菜からちゃんとカットしたり、キミがドラッグストアなんかで安売りされていたり、肉の特売日だったりしたら、惣菜よりローコストで味わえる可能性は高い。それに、惣菜と同じくらいの金額で出来立てが食べられると考えれば、コスパは悪くないかもしれない。

 

料理の腕前が上がったのを実感できる

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材料をカットしたり準備したりする手間はあるものの、惣菜ほどの価格で、長時間煮込んだような出来立てのアツアツ料理が味わえるのはありがたい。片付けも捨てるだけでラクちんだし、下処理された材料を上手に活用するとか、休日にまとめて仕込んで冷凍しておくとか、やり方次第ではかなりかんたんに、手作り風の夕飯を楽しめるということだ。

 

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疲れ果てて帰った日、コンビニ弁当や惣菜に飽きてきたとき、そして、手料理が無性に恋しくなった夜でも、レンジひとつで至福の時間をもたらしてくれるこの調理バッグはかなりの神ツールなんじゃないか!?

そんなことを考えながら手作り風染みうまディナーをほおばって、ひとりの夜は更けていった……。

 

reed.lion.co.jp

 

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